「ガッシュ」読書感想文(進一&エシュロス編)(01.07.23)
さて、ちょっと前に3週かけて描かれた「ガッシュ」の進一&エシュロス編であるが
(4週だったっけ?(^^; )
インパクトのあるゲスト「進一」のキャラが立っていたし、普段描かれてなかった
作品世界のウラも少し描かれていたので、かなり読み応えのある話であった。
で、最初にちょいと、この3週で読者に提示された舞台設定の情報をまとめてみる。
1:日本以外でも魔物同士の戦いが行われていた
主役のガッシュが日本にいるため、今まで魔物との戦いは国内の描写のみだったが、
今回の冒頭では、ドイツでドリルもみあげのねーちゃんと噛ませ犬キャラが
戦っているのが描かれていた。
単行本の1巻ではガッシュの出現位置がイギリスだったので、インターナショナルな
戦いだとは当然予測されていたが、国外での戦いが実際に描かれたのは今回が初めて。
2:呪文の単語の系統が少し見えた
ドイツで簡単に倒されてしまった犬型の魔物ではあるが、ちょい役にしては
呪文を知るための重要な役割を持っていた。
この魔物が「レイコム(一巻で最初に出たヤツ)」に続く2人目の氷系呪文
使いだったこと、さらにガッシュも使う防御系呪文も使ったことで、呪文に
使われる単語の対比が初めて可能になった。
例として、氷の攻撃系は「ギコル」、防御系は「シルド」を語幹に持つらしい・・・
とかね。
ギコルはまんまだな(笑)・・・
もちろん、最初に登場した「ザケル」などは、一話での一発ネタの為につけられた
名前なので、呪文の名前は作者の思いつきだと言ってしまえばそれまでだが、
「マクロス」のゼントラ語が、当時のヲタクの間で流行った例でもわかるように、
異言語ネタはヲタクのツボをくすぐるのである
これでがっちり掴まれた読者も多いんじゃないか?(笑)
(そりゃ俺だ(笑))
もっとも、後から出てくる呪文ほど作者が命名に手を抜いたのか、
英語っぽくなってるのは拍子抜けしたけど(笑)
3:魔物と戦わなくても、8つも呪文が使えるまでレベルが上がる
これは、魔物の絶対数不足の問題に作者が気が付いたんじゃなかろーか?(笑)
魔物の数を減らさずに強い敵をバンバン出すには、人間を相手にするのは有効な手段で
あるが、やりすぎると今度は、人間の社会で人々が魔物に無関心であることにムリが出
てくる諸刃の手段でもある。
(いくら魔物にそそのかされたと言っても、8つも呪文が使えるようになるまで、
どれだけ人間に迷惑かけたんだ?進一(笑))
以上3つの事が描かれただけで、読む側は足場が固まってきた安心感を持って先に進め
る(笑)
さて、本題・・・
今回の敵、エシュロスは8つも呪文を使える程レベルが高く、本人もエリートであると
自負するベジ○タみたいな奴である。
本当にエリートかどうかは別としても、ガッシュの呪文は3つ、エシュロスはガッシュ
よりレベルの高い呪文を5つも操ることができるってえことになる。
すると、この二人の戦力差は、豆鉄砲VSサブマシンガン、
ヒートホークVSビームサーベル、ひのきのぼうVSおうじゃのつるぎ・・・と言っても
過言ではあるまい(おそらく過言だ(笑))。
もちろん、バトルを描く漫画では、敵は主人公より強くなければならないという原則が
あるので、これはごく当然な力関係であり、文句はない。
ところが、その戦いのクライマックス、清麿とガッシュの説得を受けた進一が、エシュ
ロスの甘言を振り切った後、なぜか今度は自分の意志でエシュロスを操って清麿とガッ
シュに再び攻撃をかけるのだが、実は読んでいて進一がナニをしてるのか良くわからな
かった(^^;
いや、進一が何を「したかった」のかはわかるよ。
ありてーに言えば
エシュロスに利用されて得た偽りの力では天国のママンは安心しない。
ボクは、ボク自身の意志で戦えることを、そしてボク自身の強さを確認するために、
清麿&ガッシュと戦うんだ。
ということだろう・・・まあこれもいい。
しかし、自分自身の意志で戦えることを示すために、こともあろーにこいつは、
豆鉄砲の相手(ガッシュ)に、サブマシンガン(エシュロス)を持って攻撃を
始めたのである(笑)
自分の意志で戦えることを確認するために
弱いヤツにケンカふっかけてどーするよ?(笑)
弱い者イジメして何を得るつもりだったんだ、進一?
そういえば、このシーンを見てから前回(2話)を思い出してみると、
攻撃を受けてもなお突っ込んでくるガッシュと清麿の姿を見た進一が
モノローグで
「なぜこの人たちはこんなに戦えるのだろう?」
「なぜこの人たちはこんなに強いんだろう?」
と、妙に何度もガッシュと清麿の強さを読者にアピールしていたが、これは
後から読者に弱い者イジメを意識させないようにとの、回避だったのかもしれない。
とは言っても、そこで見せたガッシュと清麿の強さは、精神力が物理的な戦力差を
凌駕する、という少年漫画では最も偉大で最も尊い(と、されている(笑))強さで
あって、それに対して圧倒的な物理的戦力差を持って戦いを挑んだって、なんの意味も
持たない・・・ただの卑怯者である(笑)
今回の進一の不可解な行動を考えていると、「ガッシュ」という漫画の設定の難しさが
見えてくる。
ガッシュで描かれるバトルは、コンビVSコンビの形になるのだが
「敵の仲間割れが描けない」のな(^^;
バトルのある漫画では、オーソドックスなストーリーパターンとして、敵の仲間割れは
よく見かけるが、ガッシュでこれをやっちゃうと、敵は「子供」と「ただの人」に分解
してしまい、途端に子供のケンカにレベルダウンする(笑)
そしたら、もはやガッシュ&清麿の敵ではなくなってしまう。
今回の進一だって、エシュロスの甘い言葉を振り切って自分の意志で強さを確認したい
のなら、フツウなら自分を利用して悪さをさせたエシュロスを倒すことがその手段とな
るのだが、進一が決別した瞬間からエシュロスはただのガキに成り下がってしまう(笑)
そんで仕方なく、近くにいたガッシュと清麿に攻撃するしかなかったのだが、悲しいかな
先にも書いた通り、敵は主人公より強くなければならない・・・という
少年漫画の原則により、弱い者イジメをするしかなくなっちゃって、それをウヤムヤに
するために進一が清麿とガッシュをヨイショするという歪んだ展開になったのだろう。
もちろん、ガッシュの設定でもバロム1以来の黄金パターン、「主人公の仲間割れ」
は矛盾を生まないので、こっちの方はいつ頃描かれるのか楽しみである。
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