宇宙戦艦ヤマトの迷走(01.09.18)


「宇宙戦艦ヤマトの迷走」といっても、シリーズの迷走でも、版権の迷走でも、
プロデューサーの人生の迷走でもない、イスカンダルに向かったヤマトの航跡の
ことである(笑)

1974年に放映された「宇宙戦艦ヤマト」は、それまでのアニメとは一線を画した
本格SFアニメとして企画され、日本の有名SF作家が執筆に参加し、当時入手可能
だった天文データを駆使し、ブラウン管を通して幼少だった我々を29万6千光年の
旅に連れていってくれた。

旅の目的地は大マゼラン星雲という実在の星雲で、大マゼラン星雲までの距離
「14万8千光年」という数字は、当時の観測で割り出された実際の数値であり、
ヤマトを見ていたガキンチョの脳味噌には、この数字が深層部まで刷り込まれてい
ることだろう。
同時に、ヤマトのおかげで「光年」が膨大な距離を表す単位だと知った人も多いハズだ。
(余談だが、あの天下の「スターウォーズ」ですら「光年」を時間の単位だと誤用して
いる)

さて、そのヤマトが大マゼラン星雲にあるイスカンダルに向けて発進したのは、
劇中では2199年10月7日となっている
(マトリックスの舞台設定と同じ年やね(笑))

ヤマトが太陽系を出るまでの航跡を辿ってみると
10月7日:地球を発進
10月9日:月と火星の間の位置から、火星に向かって初ワープ
10月10日:木星の浮遊大陸を波動砲でふっとばす
10月13日:土星のタイタンでエネルギー伝導管の修理
10月16日:冥王星であの有名な反射衛星砲をくらう
11月26日:太陽系離脱

と、なっていて
子供天文百科で覚えた「水金地火木土天海冥」に沿ってコトが進んでいるのが嬉しかった。

当時ヤマトを見ていた時、太陽系の惑星達が一直線上に並んでいて、まるで駅か高速
道路のパーキングエリアの様に、距離に応じた場所にいる...というイメージを、
持っていたのだが・・・

いつの頃からか「惑星って回っているのに、ヤマトの航路に合わせて都合良くそこにいるか?」
という疑問が湧いてきた。
疑問が湧いたものの、今までそれを検証することもせず、ほったらかしていたのだが、
この土日ヒマだったので、ふとこれを思い出して検証してみることにした(笑)

で、これがヤマトが発進した2199年10月7日の太陽系の惑星の位置を、
北(北極星のある側)から見た図である。


(注:画像の上方向が赤経0度。便宜上各惑星の軌道は真円、半径は等差として
表現してますので、惑星間の距離は参考にしないで下さい)


うわ、コースよれよれ(笑)

これによれば、太陽の左上にある地球を出発したヤマトは、ワープで左下の火星に
向かって、その後クルリと後ろを向き、出発した地球を素通りして木星に向かい、
そのままのコースを維持して土星に、そしてはるか右下の冥王星に向かったことに
なる(笑)

さらに驚くことに、天文年鑑で目的地の大マゼラン星雲の方向を調べてみると、
赤経が5時23分6秒であった...
これは角度に直すと画面真上から反時計回りに81度、ほとんど画面真左の方向!(笑)
いったいどこに行きたかったんだ、ヤマト?

ううむ、この迷走ぶりは、その後のヤマトシリーズの迷走ぶりやら、プロデューサーの
迷走ぶりを暗示しているかのようだ(笑)

・・・と思ったが
よく考えてみたら、冥王星には地球を攻撃している遊星爆弾の発射基地があったん
だった...ヤマトはそれも壊しにいってたよな。

つまりヤマトは、たとえ冥王星が大マゼラン星雲と逆の方向であっても、
冥王星に行かにゃならんかったのかもしれん。

しかも、ヤマトの航跡の日付をよく見ると、冥王星から太陽系離脱まで1ヶ月以上も
かかっている、劇中では冥王星の後、架空の第10番惑星(の残骸)の軌道に行った
ことになってるとはいえ、これはかかりすぎだ...
ひょっとして、ヤマトのシリーズ構成をたてた人は、その時の冥王星の位置が大マゼラ ンと
逆だったことを知っていたのだろうか?

秋の夜に謎は深まるばかり・・・

いや、どうでもいいんですけどね(笑)

謝辞:本ページの図は、T.Nonaka氏作成のフリーソフトPlanetary Motionを
使用して作成いたしました。
ありがとうございます。

追記:現在では大マゼラン星雲までの距離は16万光年とされているようです。

さらに追記:距離は16万光年に修正されても、大マゼラン星雲の直径は3万光年
あるので、うまくこじつけりゃイスカンダルまでの距離は14万8千光年でも問題
ないかと(笑)

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