2002年10月の観劇記録 ・観劇日記

●5日(土)13時〜 「FOOTLOOSE」@赤坂ACTシアター
●5日(土)17時〜 東宝「MOZART!」初日@日生劇場
●8日(火)18時半〜 宝塚歌劇団宙組「鳳凰伝」新人公演@東京宝塚劇場
●9日(水)15時〜 タナボタ企画「Nothing But Musicals Encore」@abc会館ホール
●9日(水)19時〜 来日公演「Burn the Floor」初日@東京国際フォーラムホールA
●10日(木)19時〜 来日公演「Burn the Floor」@東京国際フォーラムホールA
●11日(金)18時半〜 新国立劇場オペラ「ルチア」プレミエ@新国立劇場オペラ劇場
●12日(土)11時〜 宝塚歌劇団花組「エリザベート」@宝塚大劇場
●12日(土)19時〜 京都市交響楽団「第448回定期演奏会」@京都コンサートホール
●13日(日)12時〜 OSK日本歌劇団「Bon Voyage!」@近鉄あやめ池遊園地 円型大劇場
●14日(月・祝)11時〜 宝塚歌劇団宙組「鳳凰伝」「ザ・ショー・ストッパー」@東京宝塚劇場
●16日(水)18時半〜 KOSE Classic Soir 「展望室サロンコンサート」@東京都庁北側展望室
●18日(金)18時半〜 SKD・OGスタス「レビューファンタジー」@浅草公会堂
●19日(土)[11時〜 宝塚歌劇団宙組「鳳凰伝」「ザ・ショー・ストッパー」@東京宝塚劇場
●20日(日)13時〜 新国立劇場「太平洋序曲」@新国立劇場小劇場
●20日(日)17時〜 トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン「フレンドシップ・コンサート」@東京芸術劇場
●22日(火)18時半〜 劇団四季「コンタクト」@四季劇場[秋]
●31日(木)18時半〜 新国オペラ「セビリアの理髪師」@新国立劇場オペラ劇場




10月5日(土)13:00-15:50 
「FOOTLOOSE」@赤坂ACTシアター
全席指定9000円 27列21番
演出:松原浩
パンフレット:1500円

 日本初演の時にはあまりのひどさに一幕のみで席をたってしまった作品。今回は、ワキを固めるメンバーがだいぶ
入れ替わったので、なんとなくチケットを押さえて観てきました。相変わらずひどかったんだけれど、はっきり書くと(出
演者はここ知らないし・笑)、「この”フットルース”さえ耐えられれば、どんなに大根でも、音痴でも、”モーツァルト!”
が楽しめるはず」という保険だったし(後記:その必要はなかったけど)。で、どこが嫌かというと、ま〜ったくプロの舞
台には見えないところ。それなりにキャリアをつんだキャストが揃っているはずが、みなさん中途半端。良かったの
は、前田美波里さんと村井国夫さんのみかなぁ。歌詞も台詞も「ステレオで」聞き取れたし、台詞のない部分も芝居し
てたもの。ビバさんは今まで演技巧者だなんて思ったことないけれど、今日は大御所って感じで芝居を締めまくり。悪
人ヅラしながら、実は良い人を演じさせると最高の村井さんの好演もあって、この二人がいなかったら空中分解してし
まいそうな舞台だった、とも言えます。……というのも、ミュージカルに慣れている出演者が少なく(多分、ちゃんとし
たトレーニングをうけてない)本業が歌手と思える人は、音中心の歌唱で、ドラマが伝わってこないのです。放送やラ
イヴと違って、ミュージカルでの歌唱は歌詞をいかに伝えるかが大切、と常日頃、演出家や主演俳優が口をすっぱく
して言っていますが、出来ていたのは、前田・村井・高畑の三名のみ。高畑さんなんて、歌唱力としては下手だけれ
ど、役者歌としては絶品でした。それに反して、歌唱力はあるものの、ハートの感じられない若手達は、一人一人の
歌唱力はともかくとして、集団となると、歌が浮いてしまってた。これは、アンサンブルとしての勉強不足。今、自分は
主旋律なのか、副旋律なのかを理解してない歌唱は聞き苦しい。これは、芝居にもいえて、台詞を言うだけで精一
杯。台詞の粒と立たせるにはがなり立てれば良いと勘違いしている輩だらけ。役者同士の台詞の応酬なんて夢のま
た夢状態で、舞台の上は常に騒音状態。台詞がないと目が泳ぐ役者の陳列会だったなぁ。かといって、若者のパワ
ーが感じられるかというと、そんなことはなく、ダンスにはキレがないし、かといって揃っているわけではない。下手で
はないけれど、プロの魅せるダンスとしては下手なメンバーによる、「俺って上手いだろう!?」という勘違いダンスに
も困った。動けるのと踊れるというのは別で、リズムが体に入っているか、ターンやジャンプをしても芯がぶれない
か、というのがシアターダンスでは決め手になると思うんだけどなぁ。そんな訳で、最後のドレスアップしてのダンス
パーティの場面では、タキシードが着崩れして見苦しいこと。このシーンは高校生が着慣れない服を着ているというシ
ーンだから、これはこれで良いのかな!?で、つまらなかったかというと、そんなこともなく、最悪を予想して観にいっ
たので、ひどい出来にはビックリすることもなかった。ま、ビバさんや村井さんによる名シーンがあったしなぁ。
 ちなみに、最後のドレスアップのシーンで黒タキシードが一番似合ってたのはKAZZ。動き出すまではの限定だけれ
ど。。。(汗)理由は言うまい(笑)




10月5日(土)17:00-20:20
東宝「モーツァルト!」初日@日生劇場
S席12500円 1階A列20番
演出:小池修一郎
パンフレット:1500円

日本初演の初日を最前列センターというとんでもない席で観てきました。「エリザベート」チームによる新作ということ
で、ウィーンでの評判は良くないと言いつつ(「音楽の友」バックナンバー参照のこと)役者もスタッフも豪華だし、そり
ゃあ期待するじゃないですかぁ。そして、期待通り、衣装は豪華だし、コーラスも素晴らしかった!でも、作品としては
あまり好きじゃないなぁ。音楽座の「マドモアゼル・モーツァルト」の方が盛り上がりも完成度も上だと思う。今回は音
楽座出身メンバーが沢山参加していたので、(同じ役の人もいたよ。これは偶然?それとも、オーディションで有利だ
った?)余計に作品(特に台本)の弱さを感じてしまったな。ストレートプレイの「アマデウス」はサリエリとの葛藤が面
白かったんだけど。ミュージカルナンバーに関しても「私だけに」のような強烈な一曲がないし。さらに、日生劇場〜ド
ラマシティ〜帝国劇場、というツアーを想定してか、舞台装置がバウホール公演レベルの簡素なもの。車輪のついた
箱が数個あるだけ。ドラマシティはともかく、このまま帝劇だとかなり寂しいなぁ。そんなわけで、さすがの小池さんも
演出には苦労しただろうな、と思える仕上がり。そんな中、舞台を盛り上げたのは百戦錬磨の俳優たち。何しろ、主
演経験豊富なスターたちが、アンサンブルにいたるまでゴロゴロ。みなさん、大劇場演劇はお任せ!の猛者揃いで、
とにかく盛り上げようと必死。ミュージカルというよりもガラ・コンサートみたいだったな。あ、アンサンブルにとてつもな
い音痴がいたのはご愛嬌。歌が下手というのじゃなくて音痴!プロフィールを見たら音大出身だった!あがってたの
かな???

●レオポルト:市村正親
実は主役かと思えるほど出番も多いし、芝居どころも多い。今とっさに彼意外にこの役を演じられる人を思いつかない
位ぴったり。苦悩する役となると、彼の右に出る人はいませんね。あまりに市村さんが素晴らしいので、モーツァルト
がかすんでしまった位。だって、どう見てもモーツァルトが悪役だもの、この舞台では。エリザ〜モーツァルトの二作品
しか知らないけれど、クンツェ氏が人気者に対して「実は嫌な奴だったんだよ」という場面を設けるのは、もしかして、
彼のオハコなのかしらん???それにしても、市村さんが芝居上とはいえ、祐さんに慈悲をすがるなんて。。。そし
て、舞台上で二人がすれ違う場面では、なぜか僕はドキドキしてしまった!

●大司教:山口祐一郎
初日とあって、真面目に歌ってた(笑)
やる気になりさえすれば上手い人なので、二幕のナンバーではショーストップ。初日とあって、みんなが歌い上げて
いる中、まさに圧巻でした。チラシでは謎の中国人にしか見えない摩訶不思議な鬘ではなく、ウェーブのかかった鬘
はなかなかお似合いで格好良かった。でも、出演時間はとっても短い。そして、いきなりついたての裏にしゃがむから
「衣装替えか?」と思いきや、なんとトイレの場面だった。それも大!従者による音消しまであって、絶句。あ、マント
さばきはさすがの上手さで「ファントム様〜」でした。
●ナンネール:高橋由美子
●コンスタンツェ:松たか子
●男爵夫人:久世星佳
三人とも「歌が下手」だと思い込んでいたけれど、どうしてどうして、今回は誰もが上手くて感動!音域も広く、リズム
は取りにくく、メロディも奇々怪々なのに、ドラマチックに歌い上げる様は素晴らしかった!!松たか子なんて、帝劇の
「ラ・マンチャの男」でひっどい歌唱を聞かされたけれど、あれは単にミス・キャストだったのに違いない。(「オケピ!」
で下手だったのは何だったんだ?)久世のんちゃんも、宝塚時代は歌が下手だったのに、いつの間にやら歌だけで
山場を作れるようになっていて感無量。カーテンコールなんて、衣装の関係でのんちゃんが主役みたいに見えます。
それが、とっても綺麗なんだぁ。あんなワッカのドレスなんて初めてだろうに、着こなしも完璧。格好良い大人のオンナ
を演じきったのでした。
●モーツァルト:井上芳雄
う〜ん、僕は彼のヒョロヒョロした声が苦手なので、点数が厳しいんだけれど、それを差し引いてもミス・キャストだった
と思う。小池さんの職権乱用としか思えない。主役の上、ロック色が強いナンバーがかりなので、彼のパンチのない
声はなにかと埋もれてしまいがち。おまけに、本能のままに生きる、ちゃらんぽらんのワルっぷりが感じられない。今
日が初日なので、これからどんどんこなれていくとは思うけれど、声質とキャラクターはそうそう変わるものではないし
なぁ。Wキャストの憎々しげな中川君に期待。とはいえ、やはり役者は場数といったもので、彼には舞台での余裕が
感じられる。「エリザ」の時の芯のないダンスとは見違えるほど動きもしっかりしてたし。何よりも、大劇場で育てられ
た人なので(おまけに小池さん専属だし!)、台詞も歌詞もくっきりはっきり伝えられるところがイイ。来年は亜門さん
演出の「ファンタスティックス」があるし、も少し声が強ければマリウスもできるなぁ、なんて思いながら観てました。
「エリザ」の方が好き〜(byてる・Billyさん・まさこさま)




10月8日(火)18:30-20:20
宝塚歌劇団宙組「鳳凰伝」新人公演@東京宝塚劇場
S席4000円 1階18列38番
演出:木村信司
パンフレット:1500円

 本公演では女帝5人組が頑張っている公演。そして、女帝たちそれぞれが当たり役なので、新人公演はどうなるか
興味津々。もっとも、うさどん曰く「うちのお嬢はやるよ!」だったので、安心してたけど。そして、唯一新人公演にも出
演している女帝二番手(=かなみちゃん)に釘付け。すみません、他のメンバーはあまり観ていません。だって、オー
ラが違いすぎるんだもん。。。
 新人公演を観ての全体の印象は、「薄い演技と言われる宙組だけれど、本公演はそれなりにまとまっているんだな
ぁ」ってこと。コスチュームものならではの、間が取れない生徒が多くて、妙に話だけ先へ先へと進んでしまい、タメが
ほとんどないのが気になった。そして、衣装のせいもあるかと思うけれど、宙組としては意外なことにダンスが駄目だ
った。みんな、ねっとりとした動きでキレが悪かった。

●カラフ:遼河はるひ(本役:和央ようか)
長身だし、スタイルも良い、声も良く出ているのでなかなか格好良い。でも、新人公演初主演のせいか、中心でオー
ラを発散するのは苦手みたい。舞台の美味しいポジションにいるんだけれど、目に入らないんだもの。ま、これは、女
帝二番手が出演している、というのもあるかな。そして、歌も台詞もさらさらと流れてしまうキライあり。これだけ条件
の揃っている男役はそういないと思うけれど、その条件を生かしきってないのがもどかしい。
●トゥーランドット:彩乃かなみ(本役:女帝トップ=花總まり)
お花ちゃんのトゥーランドットは狂いっぷりが見事なのに対し、かなみちゃんのトゥーランドットはとろけっぷりが見事だ
った。良くも悪くもお花ちゃんは色気は乏しいけれど、位取りは最高。かなみちゃんは色気と情感があるので、だいぶ
印象が違ったな。期待通り、芝居は細やかかつ大胆だし、歌声も良く響いてた。技術的には問題なしで、いまさら新
人公演に出なくても、という人。でも、でも、トゥーランドットぽさだとお花ちゃんが一枚上だった気がする。かなみちゃ
んは技術面での心配もない分、舞台に余裕が出てしまった。反面、お花ちゃんは(良い意味で)能力いっぱいいっぱ
いのところがあるので、氷のような心を持った、尋常ならざるお姫さまだった。そういや、オペラ版でも、滅多に歌える
人がいない位の超ドラマティック・ソプラノで作曲されている。だから、現実の場面ではお花ちゃんが、幻想の場面で
はかなみちゃんが僕は好き。
●バラク:悠未ひろ(本役:水夏希)
すっごい長身の男役。勉強不足なもので、初めて目についた人。台詞はカツゼツは悪いながら、大きな声で気持ち良
いし、歌もなかなかお上手。カラフとの二重唱は本公演よりも新人公演の方が迫力があった。でも、でも、役者は場
数の例にもれず、経験不足が見え隠れ。(これがあるから新人公演は楽しいのですが)。芝居もダンスも段取りが丸
わかりなので、うねりや勢いが感じられなかった。そんなわけで、ユニットバスでの立ち回りも迫力なし。水君もまだ
若いけれど、さすがにお客さんに見せながらの動きは上手いなぁ。終演後の並びからして、おそらく今回で新人公演
卒業と思われるけれど、もっともっと場数を踏ませれば、大型脇役になれそうな気がする。中心に立つにはオーラが
ないんだよねぇ。。。
●中国国王:華宮あいり(本役:萬あきら)
今まで路線系男役として、新人公演ではオスカルまでも演じてきた彼女。地方公演でも、おいしい場面をもらってい
たというのに、いきなりの降格。でも、相変わらず、台詞はひどいし、声も芯が通ってない。とにかく、彼女はいらん!
 黙って踊っているだけでよろしい!!今回は技術的には破綻の少ない座組だったので、彼女のひどさが際立った。
主役は登場するだけで格好良くみえるように出来ているものだけれど、まさか、脇に回ってこんなにボロボロになるな
んて。。。
●役人:芽映はるか(本役:女帝ダンサー=高柳みどり)
東宝劇場は音響が悪いので台詞が聞きにくいのに、彼女だけステレオだった!本役のぽっぽさんは男役としての作
りだったけれど、新人公演では(おそらく)女役としての作り。ぽっぽさんのようにダンサーではないので、動きは鈍く
小さかったけれど、声だけであの緊張感をかもし出したのは素晴らしい!
●タン:七帆ひかる(本役:久遠麻耶)
●トン:十輝いりす(本役:椿火呂花)
この二人は本役の二人よりも良かった。まずは見た目が男役だし、低音の台詞が良く伸びて聞き取りやすい。おま
けに、舞台上でのお遊び加減が本筋を邪魔しない程度に押さえてあって心地よかった。今後に期待。
●アデルマ:美羽あさひ(本役:下克上の女帝=ふづき美世)
ちょっとサロメがかった美味しい役なんだけれど、最初から最後まで「綺麗である」ことに注意を向けすぎたのか、狂
いっぷりが足りなくてつまらなかった。この作品は女帝5人衆のうち、ぽっぽさんを覗く4人が劇的な変化を見せるか
ら面白いのに、変化をあらわしてくれないんじゃ劇的効果が半減で残念。ま、狂う前はいかにもお姫様で綺麗だった
から、本役さんとは鏡のような存在だな。
●タマル:音乃いくみ(本役:一見従順な女帝=彩乃かなみ)
可憐な容姿でお歌もナカナカ。台詞回しはやや不自由な方のような。。。かなみちゃんは演技で満場の泣きを奪った
けれど、いくみ嬢は、鞭に向かって華奢な体を投げ出すだけで様になってた。




10月9日(水)15:00-16:55
タナボタ企画「Nothing But Musicals Encore」@abc会館ホール
全席指定6000円 B列8番
演出:忠の仁
パンフレット:1000円

タナボタ企画のコンサートはレベルの高さと、東京っぽいちょっとシニカルなクスッという笑いが好きで(たまにしつこす
ぎて引いちゃうけれど)。そして、何よりも、歌に感動できること、さらにはどこか、彼らのテイストと僕の好みの共通点
(ゴージャス・耽美・宝塚)が好き。今回はアンコールとうたっているものの、新曲も多く、これまた楽しかったなぁ。吉
岡小鼓音ちゃんはしょっぱなから「キャンディード」の「着飾って華やかに」で、トゥシューズで踊りながらあの大コロラト
ゥーラを歌いきっちゃうし、高谷あゆみさんは相変わらずパンチのある歌とダンス、そしてコメディエンヌぶりだし、岡さ
んはお約束の女装はなく、いつもよりも出番は少ないのに、絶好調の歌唱で存在感をアピールするし(ルドルフのコ
スプレはあり)、林さんは上記三人に割りを食いながらも押し出しが良くなったし、まったくもって文句のつけようのな
いショーでした。劇団四季にこのメンバーが残っていたら、あの劇団ももっと充実してたでしょうに。あ、でも、四季だっ
たらその個性とアピール力ゆえに潰されてたかなぁ???




10月9日(水)19:00-21:10
来日カンパニー「burn the floor」@東京国際フォーラムホールA
S席10500円 1階1列26番
振付:JASON GILKISON
パンフレット:2000円

毎年のように国際フォーラムホールホールAで上演されるダンスショー。今のところハズレがないので今回も期待して
着席。それも最前列!!このホールは12列目位まで段差がないので(その段差もわずか)、今まで前方席で観ると
観にくいというイメージがあったけれど、さすがに最前列は視界をさえぎるものがなく、そして、意外と舞台が低く、ま
ったくもって「僕のため(だけ)に上演してるぅ〜」と嬉しい錯覚におちいりながらの観劇。今回のショーの出演者18組
36名+歌手1名は、各国のダンスチャンピオンともあって、オーラバリバリ、テクニックは最高(超絶技巧を披露しなが
らも余裕シャクシャク)。そして、ショーアップのためのスタッフが秀逸で、美術も音楽も最高。日本の男性ダンサーと
いうと華奢で小柄な人が多いけれど、外国人ダンサーは(今回も)長身・ハンサム・マッチョなので勢いがあるある。
そして、女性ダンサーはというと、これまた長身でセクシーな美女揃い。このメンツで迫力と色気ムンムンに迫られた
らもうよだれ流してみるしかありません!幕開きのポージング一つからして、レベルの高さをにおわせるし、燕尾服は
最高に似合うし(この服は華奢じゃ似合わん!)、サービス精神は全員が抜群だし、「私を見ろ!」という目線はビシ
バシだし、まったく持って理想的な出演者・スタッフ・作品です。文句のつけようのないカンパニー。
今まで沢山のショーを観てきたけれど、文句ナシでこれが最高!!




10月10日(木)19:00-21:05
来日カンパニー「burn the floor」@東京国際フォーラムホールA
B席6300円 2階25列82番
振付:JASON GILKISON
パンフレット:2000円

昨日の公演があまりに良かったので、連日の観劇を決行。今度は全体が観たかったので、二階席からの鑑賞。さす
がにフォーラムの二階席(それもてっぺん)から舞台は遠い。急に決まった観劇なのでオペラグラスも持ってきてない
し、ちょっとなぁ、と思いきや、フォーメーションや照明の美しさは二階席ならでは。昨日の目の前の群舞ではエネル
ギーが押し寄せるようで、恐くなる位だったけれど、二階席からだと安心して観られるのがイイねぇ。そして、すべるよ
うに流れるクラシカルなシーンに昨日とは違う感動を覚えたのでした。そして、ロジャース生誕100年が関係している
のかいないのか、宝塚月組の「With a Song in my Heart」のプロローグのようなシーンを見せ付けられると、またして
も宝塚の作者がいかにリサーチをしていないかにちょっと怒りを感じる。だって、このショーは何年も前から上演してい
るし、日本公演のチラシは前々から配ってたというのに、こんな凄いものを見せられた後だと絶対、それも滅茶苦茶
見劣りしちゃうもの。どうして、生徒が格好良く見える企画・作品を上演しないんだろう???>宝塚歌劇団 僕は宝
塚も大好きだけれど、最近の上演作品の時期やクオリティを考えると、「やばいなぁ……」と思ってしまうのです、は
い。




10月11日(金)18:30-21:55 
新国立劇場オペラ「ルチア」プレミエ@新国立劇場オペラ劇場
C席8505円(会員割引) 3階R6列4番
演出:Vincenzo Grisostomi Trabaglini
指揮:Paolo Olmi
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
パンフレット:800円

 信じられないことに二階正面が一列空席。どこの誰が買い占めたんだ!?と思ってたら、いきなりカメラのフラッシ
ュの嵐。なんと、天皇陛下と美智子さまのご臨席でした。もうね、客席に入ってきただけで、オーラがびしばし。客製
中が暖かい雰囲気に包まれたのは凄かった。今まで美智子さまだけ、皇太子さまだけ、というのは経験あるけれど、
お天皇ご夫妻が二人揃うことによってかもしだすこの空気はダテじゃない!
 あ、話がそれまくってます。。。
 前回の「椿姫」は大コケで、新聞でもたたかれまくりの新国オペラですが、今回はやってくれました。この劇場は客
層からしても、オーソドックスなのが似合うと思う。重厚な装置と衣装が、広くてタッパのある舞台に映えて美しいの
何の。新国オペラはどこかのオペラと違って、ちゃんと鬘が用意されるので、合唱団だけ市民合唱団、みたいには見
えないのがまたいい。そして、歌手はといえば、今日はみなさん好調で、久しぶりに大カーテンコールとなりました。
●ルチア:ヴィクトリア・ルキアネッツ
彼女の新国でのキャリアはオスカル→ジルダ→ルチアと、順調にランクアップ。登場するたびに拍手喝采をさらう人
気スターだけれど、やっとのタイトルロールで登場。彼女の特性はリズム感が良いことと、細いけれど、声の通りが良
いこと。泉の場でのアリアから絶好調で、ショーストップになりましたさ。人間の声ではなくて、まるで楽器みたい。ル
ックスも小柄で華奢で、まさにこの役にふさわしく、狂乱の場は圧巻!
●エドガルド:ファビオ・サルトーリ
新国劇場初登場。僕も初めて。まるで曙がハリー・ポッターに出てくる用務員のおじさん(役名は忘れた・汗)の扮装
をしたみたいで、良く言えばパヴァロッティみたいで、一幕では緊張からか、歌も一本調子。「これじゃまるで馬鹿男じ
ゃん!」と罵ってたんだけれど(ストーリー滅茶苦茶だもんねぇ)、二幕からは別人のように素晴らしい出来で、終幕の
アリアでは大喝采。でもね、でもね、この容姿はいただけないなぁ。。。図体がでかいくせに声量がないのって、なん
だかなぁ。。。あ、日本人キャストよりも声量はあるんですよ。でも、見た目から想像するほどではない。
●エンリーコ:ロベルト・フロンターリ
豊かな声量と、妹に対する圧迫感ある芝居が良かった。歌は標準レベルかな。地味だけれど、脇をかっちり支えてく
れる役者は貴重です。その他のチョイ役はおなじみの常連アンサンブルキャスト。今回は上記三人との声量の差が
ありありとしていて、辛かったぁ。別に張り合うことはないんだけれど、無理してどなってしまった歌手が数人。ま、こ
の作品はコーラスも重厚だから大変なんでしょうね。
 と、小さな要求はありますが、全般的に安心と信頼の公演で、最初から最後まで予想以上に楽しんできました。良
いよぉ。また近いうちに再演しないかな。



10月12日(土)11:00-14:05
宝塚歌劇団花組「エリザベート」@宝塚大劇場
S席7500円 1階18列51番
演出:小池修一郎、中村一徳
パンフレット:1000円

待ちに待った宝塚版「エリザベート」。今回は役者も揃っているので期待も大きく、とっても楽しみにしていた。が、が、
幕開きとともにいきなり椅子からずり落ちる。プロローグのコーラスがとっても下手で響きとならずに音がうごめいてい
るだけ。さらに、期待していたフランツ役の樹里さんの歌が、キーがあわずにこれまた×。いったい、どうしたことや
ら、、、と手に汗を握っての開幕。今週の火曜日に観た宙組新人公演のコーラスよりもひどかった。。。ついでに言え
ば、トートダンサーズのダンスも良くなかった。別の公演を観劇のマリーさんも同意見だったんだけれど、トートの分身
であるはずの彼らなのに、ダンスで感情を語るのではなく、単に振りをなぞるだけの体操になっていた。通常、大劇
場で観る公演に関しては旅行気分もあいまって甘口の僕が、今の段階でこう思ってしまうということは、滅茶苦茶出
来が悪い、ってことになる。その分トートやエリザベートをはじめとするスターたちは魅力的だったので良かったけど。
花組は個人を観る組であって、集団演技はまったく駄目、ともいえるかな。

●春野すみれ(トート)
ついに僕よりも年下のトップさんが登場。今回の「エリザベート」が公式なトップお披露目本公演とはいえ、東京では
すでに一公演主演しているし、博多座公演も観ているので、僕としては、すでに安心して観られるトップさんの一人。
したがって、作品の特性もあるけれど、お披露目という感じはまったくナシ。一年前には四番手役を務めていた人な
ので、東宝代役公演の時にはアップアップしていたけれど、彼女のために用意された役を、きちんと稽古期間をとっ
ていたせいか、今回は余裕シャクシャク。歌はここ最近のトップの中では最高に上手いし、演技力もばっちりそなわっ
ていて色気もある。さらに、主役として真ん中に立った時の安定感まで身に付けているのには恐れ入った。彼女のダ
ンスをたたく人もいるけれど、トップとしては十二分に魅せるダンスなので、僕は好き。で、再演物なのでついつい今
までと比べてしまうトート役だけれど、最高のトートでした、僕には。宝塚版・東宝版を思い返してみても、演技力・歌
唱力・ダンス力・タッパ(これは関係ないか・汗)のいずれかに苦手分野のあるトート役者さんたちは、自分の弱点を
克服しようと、それをバネにして、魅力的なトート像を作り上げてきたけれど、技術点では問題のないオサちゃんは
「おいしいとこ取り」状態で、理想的なトートを作り上げてた。歌声は色彩豊かで感情表現が自由自在だし、目も指先
も色気があってエロエロだし、今の段階ではひたすらため息。もう少しして落ち着いてから出ないと感想もへったくりも
ありゃしません!
●大鳥れい(エリザベート)
彼女も新しいエリザベート像を創造。今までの役者さんの雰囲気ゆえか、エリザベート=高貴な人というイメージがあ
ったけれど、どちらかというと、オリジナル版に近く、自由に生きてきたエリザベートが予定外に皇后になってしまった
がための苦しみと葛藤を前面に出して、とても共感できる「人間・エリザベート」だった。再演ものならではのやりにく
さがあったかと思うけれども、スターとして魅せるのではなく、演技力で魅せるというのがみどりちゃんらしくて、僕は
とっても好き。すばらしい卒業公演。
●樹里咲穂(フランツ)
アクティヴで勢いのある役の似合う彼女にはルキーニを演じて欲しかったんだけれど、意外にも受身の役が回ってき
た。彼女のこんな役には馴染みがないのでちょっと心配。でも、さすがの演技力で、包容力と愛情に満ち溢れた素敵
なフランツさまでした。そして、彼もまた私人と公人とのギャップに悩める人だったというのがにじみ出ていて、さらに、
みどりちゃんとの波長もピッタリあっていて、切なくて、いとおしい人物でした。惜しむらくはキーが合わないこと。彼女
の声は高いので、オリジナル作品や、女役ならばともかく、宝塚版「エリザベート」は女性のみということで、全員が
ギリギリのキーで歌っているので樹里ちゃんのためだけにキーをかえられず、よって、低音はかするだけ、中音は響
きも薄く、いつもの精彩が感じられないのが辛かった。僕は彼女のファンだし、今回も演技面では素晴らしかったけれ
ど、ミスキャストだと思う。低音というのは努力して出るものではないので、こればかりはもう限界でしょう。
●瀬奈じゅん(ルキーニ)
歌唱力の面でもっとも心配だった彼女。でも、キャラクターとしては、歴代ルキーニの中でもイタリア人度は最高の人
なので、ひそかに期待しておりましたよ、ええ。彼女なりの歌のトレーニングを積んだようで、音楽的にはともかく、役
者歌としては悪くなかった。トートとの演技の呼吸も良いし、舞台の上でルキーニとして色気ある存在だったもの。ま
だこれから成長して欲しい部分も多々あるけれど、今の段階としては良くやってると思う。って、東京公演でようやくま
ともになる、というのじゃプロとして失格なんだけどね。。。
●彩吹真央(ルドルフ)
彼女も良かった〜。
40近いおじさんの役なので、あまり綺麗綺麗に青年っぽいのは変なのです。彼女の場合はちょっと地味で落ち着い
ているのと、正統派歌唱法が功をなして、落ち着いた大人のルドルフだった。満足〜。
●磯野千尋(グリュンネ伯爵)
歌は弱いけれど、場面のごとに老け込んでいくメイクと演技が絶品。
●夏美よう(ゾフィー)
ちょっと爬虫類のようなメイクと(そういや、トートのオサも蛇女メイク!)、ツンとすました美貌は、最近の大地真央み
たいだった!彼女の女役の歌は初めてだたけれど、高音も上手くもないけれど、あやうくもないし、「宮中で唯一の
男」というのがぴったりのしっかりものの皇太后って感じが良かったぁ!!
●梨花ますみ(ルドヴィカ)
彼女はいらん!演技は浮いているし、歌もあぶなっかしいし、あいかわらず散々な出来。なんで実力派スターですら
リストラされる昨今なのに彼女だけは安泰なんだろう???
●蘭寿とむ(エルマー)
悪くはないんだけれど、まだちんまりしている。彼女ならばもっと革命家として豪快なエルマーができると思うんだけ
どなぁ。東京公演までにどう成長しているのかが気になる。楽しみ。
●遠野あすか(ヴィンディッシュ嬢)
僕は彼女のヒロイン芝居は大っ嫌いなんだけれど、今回のように脇としては気にならなかった。出番は少ないけれ
ど、精神病患者としての雰囲気はナカナカでてて感心。彼女は娘役よりも女役の方が向いているんじゃないか
な。。。



10月12日(土)19:00-20:45
京都市交響楽団「第448回定期演奏会」@京都コンサートホール
A席3500円 2階L3列45番
指揮:デリック・イノウエ
チェロ:古川展生
パンフレット:300円

今さら説明するまでもないでしょうが、お目当てはのびぃのソロです。彼の演奏はとってもムラがあって、ハートのこも
った素敵な演奏をすることもあれば、「もうや〜めた!」と手を抜きまくりの時もあり、その差が激しいのが良くもあり問
題でもある。ここ最近ののびぃはスケジュールが立て込んでいるのでどうなるかなぁ、と期待せずに、京都観光と新し
いホール見学もセットなので出かけたものだけれど、嬉しいことにやる気に満ちた演奏だった。実は今回は同業者の
友達や、お母様をはじめとしたご親戚一同が客席にズラリ。そりゃ、真剣に演奏しないわけにはいかないよなぁ(笑)
どうせなら、毎回こんなんだと良いんだけど。ま、彼の楽器は相変わらず音が飛ばないので、フル・オーケストラとの
コンチェルトは厳しい。そして、オケはまずまずの実力があるんだけれど、勢いというか覇気というものが感じられなか
った。真面目な優等生の音楽は僕の好みじゃないんだよなぁ。。。



10月13日(日)12:00-12:50
OSK日本歌劇団「Bon Boyage!」@あやめ池円型大劇場
全席自由800円 1階る列26番
演出:吉峯暁子
パンフレット:700円

OSKというと、夏の東京公演があまり良くなかったので期待せずに、「宝塚は『エリザベート』でショーのない公演だ
し、来年OSKはなくなってしまうのだから、今のうちに本拠地で観ておこう」という軽〜い気持ちで足を運んだんだけれ
ど、「いや〜、とんだ拾い物といった感じ(byうさどん)」の感動的な公演だった。東京の大きな劇場でみると予算のな
さがありありだけれど,バウホールのような劇場で見るとちっともショボくなく,出演者は全員ダンス抜群、綺麗だし、
歌もいける!スターだから躍らせる、スターだから歌わせるというのではなく、踊るべき人が踊り、歌うべき人が踊っ
ている。OSKはオーディション制で役が決まるそうだけれど、それが良い方向に転んだかな。若さと勢いで誤魔化さ
ず、確かな実力に裏打ちされているので気持ち良いことこの上なし。最近は新人の入団もなく、おそらく出演者の平
均年齢は宝塚よりも上だと思うんだけれど、若けりゃ良いってものじゃないんだよねぇ。プロの技を堪能。ちなみに、ト
ップさんは、ポスターだとガイチ、舞台の上ではルコさんに似てた。ま、歌いだしたらガイチでもルコさんでもなく、タモ
さんだったけど。。。でもね、男役としてのキザり方や、アピールは絶品。連休だというのに、そしてチケットは激安だ
というのに客席はガラガラ。これはひとえに、営業スタッフの怠慢だとしか思えない。ちゃんと売れば人気でると思う
んだけどなぁ。東京公演が良くなかったのは,小屋との相性が悪かったのを確信(ちなみにシビックホールでした)。
ほんの300人弱の観客しかいないのに、アピールの仕方も、ファンへの応対も感じよく、どこかの劇団のように傲慢じ
ゃなく、ゲイに謙虚、そして観客を大事にしているのに好感。こりゃまた来なくては!ちなみに、友の会(年会費2000
円)に入会すると、遊園地の入園料(1000円)は無料、観劇料金も半額(ってことは400円!)になるとか。ってこと
は、2回観劇すれば元が取れるってこと。もちろん、入会の申し込みをもらってきましたとも!!来年の東京公演で彼
女たちの公演に相応しい劇場はどこだろう?前進座あたりかなぁ???abc会館もいけるな。



10月14日(月・祝)11:00-14:05
宝塚歌劇団宙組「鳳凰伝」「ザ・ショー・ストッパー」@東京宝塚劇場
S席8000円 1階17列58番
演出:木村信司(鳳凰伝)、三木章雄(ショーストッパー)
パンフレット:1000円

 出演者も観客もノリノリの公演。花組のエリザコーラスには椅子からずり落ちてしまったけえど、宙組コーラス隊は
上手いわぁ。東宝劇場は音響が悪いというのに、ppからffまで使い分けているのがはっきりわかるし、ちょっとしたフ
レーズへの感情のこめ方が上手い!!そして、歌にダンスに宙組生が張り切って取り組んでいるのが気持ち良いな
ぁ。
 お花ちゃんのトゥーランドットは何時の間にやら色気が出せるようになってて、ストーリーの展開もスムーズになった
し、ふくらみがあって絶品。ショーでも男役を引き連れて歌い踊る姿は格好良いったらありゃしない!和央さんには申
し訳ないけれど、宙組のトップスターは花總まりだなぁ。
 そして、二番手女帝かなみちゃんは、もう何度も観ている芝居なのに泣かされた。ストーリーも台詞もわかっている
のに泣かされる(作品によっては笑わされる)のは、役者に実力がなければ出来ないこと。間の使いかた、声色の色
分けが絶品なんだよね、かなみんは。
 女帝シンガー組長も、女帝ダンサー副組長もいつもにまして絶好調で、とにかく、どのシーンも見どころ聞きどころ
満載で、滅茶苦茶ハイテンションでの観劇だったなぁ。あのね、男役に媚びて手加減するなんてことはせずに、力い
っぱい舞台を勤めるから、女帝たちが好きなんだよなぁ、僕は。
 でも、それもこれも、和央さんにそれを受け止めるだけの度量があるからこそ。何時の間にやらコスプレもこなせる
良いトップさんに成長していて嬉しい。昨今は短命トップが多いけれど、やはり、3年目位からが面白いんだよ!例に
出しちゃ悪いけれど、カリンチョだって、前半2年はニンに合わない駄作ばっかりだったでしょ。



10月16日(土)19:00-20:45
都響メンバー「展望室サロンコンサート」@東京都第一本庁舎北展望台
無料 全席自由
出演:遠藤香奈子・森末夢美・渡邉信一郎・古川展生
パンフレット:無料

 モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークより第一楽章
 ハイドン:セレナード
 チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」より第一楽章
 ニュー・シネマ・パラダイスより「トトとアルフレード」
 シンドラーのリスト
 (アンコール)ニュー・シネマ・パラダイス テーマ曲

どれもこれも聞き覚え(もしくは弾き覚え)のある曲ばかり。連日全国各地でコンチェルトを弾き歩いているのびぃにと
っては、気楽なコンサートなので息抜きになるかと思いきや、しょっぱなの一曲目からして、一人だけ違う場所を弾い
ていたり、楽譜のどこを弾いてよいのかわからず、適当に(それでいて不協和音になる音!)弾いたり、あげくの果て
には、自信がないものだから頼りなげな音で、音程も落ち着かず、まるで、中学生オケの初音あわせのような状態。
さすがにプロだと思ったのは、ポーカーフェイスだったってこと。でもねぇ、これはごまかしようがなかった。今回はGさ
んのご厚意で、最前列、それものびぃの真横というとんでもない席だったので、おもわず「ココッ!」と楽譜に指を指そ
うかと思った位。その後も、そこまで大きくはないながらも演奏中の事故多すぎ〜!おまけに、エンドピンにサイレント
チェロのコードを絡ませたり、コードを思い切り踏んづけたまま演奏したりでハラハラさせられる。そして、ヴィオラの渡
邉さんが一生懸命アイコンタクトを取ろうとしているのに、楽譜に首っ引きで余裕なんてまったくナシ。さらに、さらに、
そんなのびぃの様子をニヤニヤと眺めていた遠藤さんは、ヴァイオリンの肩当てを演奏途中で落としてしまうし、これ
でもかって程ハプニングの連続。最初は「のぶ君、ちょっとここに座りなさい!」の気分だったのに、こうも滅茶苦茶に
なると、もう僕まで壊れてしまい、あとは楽しくて楽しくて、演奏の良し悪しなんてどうでも良くなりますがな。そして、
ここまで演奏側も開き直ってしまうのか(?)最後の数曲はリラックスモードでの好演!あれだけ観客の心臓を縮めてお
きながら、演奏を楽しむのびぃの姿に、(ノッてくると足癖が悪くなるのですぐわかるのだぁ!)、「こやつ、ただもので
はないな!」と改めて感心したのでした。今日のコンサートのビデオがあれば是非欲しい!



10月18日(金)18:30-20:40
SKD・OG STAS「レビューファンタジー」@浅草公会堂
自由席4000円 2階ね列36番
パンフレット:700円

今月は凄いぞぉ。宝塚宙組、宝塚花組、OSK日本歌劇団、そしてOGではあるけれどSKD、あげくのはてにはディズニ
ーと、日本における代表的なレビューを総なめって気分。もちろん、まだまだ他にもレビューが見られるところはあるら
しいけれど。。。本日は、かつて宝塚のライバルと言われた松竹歌劇団OGが結成したSTASのレビューを観る。この
グループはちゃんとオーディションで若手を入れているのが偉い!劇場入りしてみれば、宝塚の中村一徳先生もいら
しているのでいやが上にも期待が高まる。が、一歩客席に足を踏み入れれば、そこはまるで客席は温泉旅館の宴会
場。そして、期待していたはずのレビューの構成・演出は市民会館のカルチャースクール発表会、音響・照明は学芸
会、そして主役四人は老人ホーム。いえね、別に若けりゃ良いってもんじゃないけれど、挨拶の声すら出ない、ダンス
というより手を振っているだけ、とう老人四人がトップに君臨しているとあっては、盛り上がりようがありませんがな。ツ
レちゃんのようにわけのわからないオーラがあるスターならともかく、トップ経験者とはいえ、大物とは思えない方々
(すみません、現役時代を知らないから暴言!)には、存在するだけで劇場のみんなをひきつけるという離れ業は無
理です、ええ。1800円であれだけ幸せにひたれたOSKがなつかしい。あ、OSK退団したての洋さんだけよかった。
ただ一人のよそ者なのに、とっても馴染んでた。というのも、娘役への目線が優しいんですよ。良い雰囲気をかもし出
していました。男役の色気たっぷり。STASのみなさんはダンスにばかり集中しているようで、群舞のコミュニケーショ
ンがとれていない印象。かといってダンスも揃わない上に、静止場面はかならずフラフラ。これはね、SKDファンのた
めの同窓会なだけで、一般公演としてはとても痛いなぁ。数年前に観て「もう沢山!」と思ったはずが、うっかりまた
観ちゃったんだよね。「もしかしたら良くなってるかも!」と期待して。でも、今回もやっぱり
つまんね〜!!!!!!



10月19日(土)11:00-14:05
宝塚歌劇団宙組「鳳凰伝」「ザ・ショー・ストッパー」@東京宝塚劇場
S席8000円 1階16列49番
演出:木村信司(鳳凰伝)、三木章雄(ショーストッパー)
パンフレット:1000円

コーラスのレベルの高さに感心していた宙組も、さすがに朝一番の公演となると、さすがに声が出てない。もちろん、
徐々に調子を上げていき、午後には調子を取り戻していたみたいだけどね。お花ちゃんのトゥーランドットもタカコさん
のカラフもいまだに変化を続けていて、お花ちゃんは「心を閉ざしているがためにあえて氷のような言動をとっている」
という、和央さんも「トゥーランドットを愛してはいるものの、その言動にはとまどいを覚える」という、今までにはなかっ
た芝居をするようになって、より作品に深みを与えていたように思う。すでに何度も観ていると脇の演技も気になってく
るんだけれど、二人がここまで演じてくれると、脇の子たちの細かな芝居が生きてくるんだよねぇ。ちなみに、トゥーラ
ンドットのおかげで愛する者や仲間を失った人たちの怒りや戸惑いが、ちゃんと大団円の場面でもなされているのに
感心。今回は芝居もショーもお花ちゃん主演。トップスターが舞台の端や後ろで座ってたり、突っ立ってたりする中、
男役を引き連れて踊り狂ったり、大ナンバーを朗々と披露したり、まことにあっぱれな主役ぶり。そして、ぽっぽさん
の相変わらずの「女優のダンス」にはうっとり。技術だけでも素晴らしいのに、ちゃんとストーリーを与えて踊るので目
が離せない!!



10月20日(土)13:00-15:35
新国立劇場「太平洋序曲」@新国立劇場小劇場
B席2835円(会員割引) 2階LB列32番
演出:宮本亜門

この秋にはニューヨーク公演も行い評判だったという「太平洋序曲」歌える役者は揃っているし、初演の時よりも舞台
進行も滑らかだったと思うけれど、すみません、この作品は僕はあまり好きじゃないです。歌い上げる大ナンバーもな
ければ、ドラマティックな展開もなければ、ロマンティックでもない。はたまた、スターを観るという仕上がりでもなけり
ゃ、しみじみする話でもない。世の中にはソンドハイムのファンが沢山いらして、この作品も彼らには評価が高いとは
知っていても、僕のハートにはまったく響かないのです。こればかりは自分の気持ちの問題なので修正のしようがな
いんですよねぇ。。。



10月20日(土)17:00-19:35
トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーン+名古屋フィルハーモニー交響楽団
「フレンドシップ・コンサート」@東京芸術劇場
B席3000円 2階RBA列14番
指揮:クリストフ・エーベレ Christoph Eberle
ソプラノ:リカルダ・メルベート Ricarda Merbeth
チェロ:古川展生
パンフレット:無料

 イントラーダ
 モーツァルト:「コシ・ファン・トゥッテ」序曲
 モーツァルト:「恋人よ許してください」
 モーツァルト:「楽しい思い出はどこへ」
 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
 リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」
 (アンコール)
 エネスコ:ルーマニア狂詩曲

 ここ半年がっかりな演奏、もしくはなげやりな演奏の続いていたのびぃですが、久しぶりに快演!ドヴォルザークの
コンチェルトはエキゾチックだし、ドラマティックに盛り上がるし、まさにのびぃのための曲とも言えるんだけれど、このと
ころのハードスケジュールに、「もしかして良くないかも」と期待していなかっただけに、素晴らしい演奏に大満足。の
びぃの弾くコンチェルトは良し悪し云々の前に大抵「もしもし〜?」状態なんだけれど、今日、芸劇の舞台横という席で
聴いた限りでは、ホールの構造ゆえか、奇跡的にすべての音が聞こえた!すっかりやせ細り狼のような風貌で、バ
リバリとコンチェルトを弾くのびぃは格好良かったぞぉ!!適度な緊張感と、曲への愛情、調子の良さというのが客席
にいても感じられて、聴いてて幸せでした。いつもこんなんだと良いんだけれどね。あ、リズムの甘さが若干気になっ
たなぁ。ま、小ぢんまりしたつまらない演奏家になられるよりは、ひどい時との差が滅茶苦茶あったとしても、たまに
今日のような名演奏を聴かせていただければいいや。演奏とは関係ないけれど、今日の座席は舞台横とはいえ、ち
ょうどのびぃの顔と指揮棒との延長線上だったので、実は近くの席で聴くいつもよりも、目をあわせる(と思っているの
は僕だけだろうけど・笑)回数は多かったかな。
 順番が前後しますが、ソプラノは綺麗に歌っているだけで、あまり面白い歌唱じゃなかったな。僕には。おかげで、
のびぃの演奏後は印象も何も消えてしまった。スマン>リカルダ
 「シェエラザード」はねぇ空中分解しそうだった。
とにかく、早くて早くて、名古屋フィルの面々が顔面蒼白になって楽器にかじりついているのが見ものでした。ウィー
ンのメンバーはそれなりに余裕で、観客席を眺めて愛想振りまきながらの演奏。やっぱりね、必死の演奏というのは
「力演、頑張ったね!」と達成感はあるけれど、この曲が求めるうねりやロマンティックな部分は皆無だったな。弦楽
器の音はザラザラだったし、管楽器は音の出だしが揃わずバラバラ。でもね、手抜きしての結果じゃないとわかって
いると、不思議と頭にこなくて、「とにかく最後まで頑張れ〜」と応援団の気分。僕にとっては本日のメインはチェロコ
ンチェルトなので、アンコール気分だったってのもあるのかな。
 そうそう、ウィーンのメンバーは長身・巨体揃いなのに対して、名古屋フィルの面々は華奢で小柄な人が多いので、
まるで小学生オケにトレーナーの先生が混ざっているみたいに見えた!合同演奏の曲では、プルトの外側にウィーン
メンバーが入ったので、一階席のお客さんには名古屋フィルの人が見えなかったのでは!?



10月22日(火)18:30-20:45
劇団四季「contact」@四季劇場[秋]
C席3150円 2階8列1番
演出:SUSAN STROMAN
パンフレット:1600円

この作品はとにもかくにアメリカ臭がプンプン。一幕の貴族の場面もヨーロッパ産の作品とは一味もふた味も違う。無
機質で冷たくてシニカル。だから、NYで、あちらのキャストで観ればまた別なんだろうけれど、やはり日本向きとは思
えないんだよねぇ。役者が無理してアメリカンな感じを出そうとすればするほど無理を感じてしまうのだぁ。良く誤解を
受けるんだけれど、実はブロードウェイは僕にとっての聖地ではないのです。刺激的だし、魅力的な街なのは認める
けれど、体感温度が違いすぎるので、劇場のハシゴをしていても幸せを感じない。ゆったり感やゴージャス感よりも、
シャープさや刺激を求められるからかな?そんな訳で、まずは作品に対してNGだし(あ、単に好き嫌いだけど)、そし
て、無個性な四季の面々にはアメリカ人役は苦しい。「クレイジー・フォー・ユー」のように、誇張された人物ならともか
く、生活感を感じさせるっていうのは四季には向いてないと思う。おまけにダンス主体の作品とあって、四季なりに良
く踊っていると思うけれど、一幕では粋な感じや品位が(貴族役者がとことん下品!)、二幕ではクラシック・バレエの
技術の低さが(すべるように動けず常にミシミシ)、三幕では上記のようなアメリカの空気が、と、どの幕も僕にとって
は及第点をあげられないなぁ。。。歌もないことだし、新国バレエ団で上演したらぴったりだったのになぁ。。。ぴったり
のダンサーが沢山いるのに!



10月31日(木)18:30-21:45 
新国立劇場オペラ「セビリアの理髪師」@新国立劇場オペラ劇場
Z席1500円 4階L1列4番
演出:粟国淳
指揮:Antonio Pirolli
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
パンフレット:800円

初日とはいえ、平日だし三演目のプロダクションだからすいているかと思いきや満席!そして、客席もノリノリならば
舞台もノリノリで、と〜っても充実した観劇となりました。この作品に関しては再演のたびに演出に手が入れられるの
で、今回も前回との変化が楽しかった!とはいえ、一番の功績は粟国さんの演出とそれに応えた出演者たち。観客
を楽しませようというサービス精神に溢れていて、歌でアピール、演技でアピール。舞台上にいる他の歌手の物まね
をしたかと思えば、歌のない場面でも演技のみで参加。それがみ〜んな芸達者なので、客席は笑いの渦・渦・渦。オ
ペラを観ながらこんなに笑ったのは初めてかもしれない!客席の反応も良いものだから、歌手たちもどんどん乗って
きて、何時の間にやらオケピのみなさんも舞台に注目。あぁ、とっても幸せな空間だったのですよぉ。実は今日の公
演のキャストにはまったく注目も期待もしていなかったのですが、(あまり有名じゃなかったのでね)。アンサンブルオ
ペラの醍醐味を見せ付けられた思いです。今の五十嵐監督はスター主義だったけれど、来年度からのノヴォラツスキ
ー新監督はアンサンブル路線。ちょっと前までは「地味になるかも」だったけれど、今日の公演を観て「期待しちゃお
う!」になりました。はい、今、新国はすごいことになっています!!!
●アルマヴィーヴァ伯爵:アントニーノ・シラグーザ
登場と同時にコロラチューラの大きなアリアを歌ったあとは、しばらく重量級歌手に囲まれてしまい、最後の最後にコ
ーラスを伴った大ナンバーで公演を締めるというとんでもなく難しい役なんだけれど、最初から最後までビッチリ決め
てくれました。レジェロで軽いんだけれど芯のある声なので、細かなパッセージが小気味良いこと!でも、彼の最大
の功績は舞台に現れただけでかもし出す気品と華やかさ。オペラなのに登場シーンで「美しい!」と心で叫んでしま
うなんて、ねぇ(笑)彼はプロフィール写真よりも舞台の方がハンサムです。優等生的ハンサムならばつまらないけれ
ど、いかにもボンボンなわがままを舞台で振りまき、それが嫌味じゃなくて明るい笑いに結びつくのだから凄い!今
日は彼自身の調子が良かったみたいで、客席も熱狂するし、ご本人もお目目ウルウル(らっしい確認澄み)。
●ロジーナ:ジョイス・ディドナート
すみません、彼女の事は知りませんでした。新国のロジーナは上演の度にたくましい女性に進化しつつあります。彼
女のロジーナは籠の中の鳥ではなく、自分の意思をしっかり持っているし、おちゃめで頭が良くてチャーミングな女
性。そして、シラグーザとは逆に、庶民性を感じさせられました(体系的にも)。ハンサムだけれど頭の回転がちと悪
く、常に人頼りの伯爵にはぴったりかも!音楽面では、深々とした声、安定したダジリダの技術、ハートのこもった歌
唱で、演技なしでも素晴らしい。
●バルトロ:ブルーノ・プラティコ
悪役にぴったりの風貌。太く低く良く響く声。フィガロとロジーナに嫌がらせをしたり、逆にコケにされたりするんだけれ
ど、と〜てもチャーミング。シリアスな作品じゃないので、悪役といえどもこうでなくては。
●フィガロ:ロベルト・デ・カンディア
この作品も「フィガロの結婚」も彼も主役のようなタイトルだけれど、実はあまり見せ場も出番もないんだよねぇ。そん
な中、芝居に参加するだけではなく、飛び跳ねたり、踊ったり大活躍。彼に関してはまるでミュージカルを観ているよ
うだったなぁ。そしてそれらが自己満足ではなく、ちゃんとお客さんを楽しませるための計算が行き届いていたのが素
晴らしい。もうね、登場するだけで「何をしでかしてくれるの?」と期待しちゃいました!終演後のカーテンコールで
は、コンビを組んでいたシラグーザと「やったね!」と称えあってたよ。
●ドン・バジリオ:フランチェスコ・エッレロ=ダルテーニャ
なぜか劇場に向かう地下鉄で一緒になりました。20分後には開演なのに大丈夫か???とこっちが心配になってし
まったほど。(新宿までお茶してでも行ってたのかしらん?)開幕してから30分以上は出番がないし、凝ったメイクの
役でもなかったけどさ。。。彼は朗々と響く素晴らしいバリトンなんだけれど、ロッシーニの早口言葉の連続のナンバ
ーは苦手らしく、アンサンブルでは足を引っ張るし、アリアでは極端にテンポが遅かった。そんな彼には大ブーイング
が、と思うでしょ。ところがどっこい、重量級の声で超ロングトーンを披露するわ、舞台上ではダンディに決めるわで、
これまた大人気。終わりよければ全て良しじゃないけれど、ヤンヤヤンヤの大喝采になったのでしたぁ。