2002年12月の観劇記録・観劇日記

●3日(火)17時〜 東宝「MOZART!」初日@帝国劇場
●5日(木)18時半〜 劇団四季「MAMMA MIA!」@電通四季劇場[海]
●10日(火)18時半〜 「古川展生ストリングス」@トヨタ自動車株式会社 東京本社ビル1Fロビー
●12日(木)18時半〜 新国オペラ「ナクソス島のアリアドネ」プレミエ@新国立劇場オペラ劇場
●17日(火)12時〜 東宝「MOZART!」@帝国劇場
●17日(火)18時半〜 宝塚歌劇団月組「長い春の果てに」「With a Song in my Heart」@東京宝塚劇場
●19日(木)19時〜 東京都交響楽団「第560回定期演奏会」@東京文化会館
●20日(金)19時15分 新日本フィルハーモニー交響楽団「第349回定期演奏会」@すみだトリフォニーホール
●23日(月・祝)11時〜 宝塚歌劇団星組「ガラスの風景」「バビロン」@宝塚大劇場
●23日(月・祝)15時〜 宝塚歌劇団星組「ガラスの風景」「バビロン」前楽@宝塚大劇場
●24日(火)19時〜 東京都交響楽団「都響スペシャル・第九」@東京文化会館
●25日(水)18時半〜 新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」@新国立劇場オペラ劇場
●30日(月)11時〜 映画「ギャンブ・オブ・ニューヨーク」@ヴァージンシネマズ市川


12月3日(火)17:00-20:15
東宝「MOZART!」初日@帝国劇場
S席12500円 1階H列26番
演出:小池修一郎
パンフレット:1000円

 レオポルト:市村正親
 ナンネール:高橋由美子
 ヴォルフガング:井上芳雄
 コンスタンツェ:西田ひかる
 フォン・ヴァルトシュテッテン男爵夫人:久世星佳
 コロレード大司教:山口祐一郎
 セシリア:阿知波悟美
 アルコ伯爵:花王おさむ
 シカネーダー:吉野圭吾
 アマデ:石川楓
 男性アンサンブル:池田紳一/大谷美智浩/小原和彦/KENTARO/小林仁/桜井章/砂川直人
             竹内耕/tekkan/中山昇/縄田晋/野沢聡/藤重政孝/松澤重雄/森田浩平
 女性アンサンブル:秋山エリサ/井上めぐみ/河合篤子/北林優香/鈴樹葉子/高橋真記子/徳垣友子
             中川菜緒子/長谷川美穂/平澤由美/やまぐちあきこ/尹嬉淑

 日生劇場〜シアタードラマシティ〜帝国劇場と、小劇場から大劇場までのツアーもついにクライマックス。実は帝劇
公演の初日を観る予定はなかったけれども、某演出家から直々に及びがかかったので観てまいりました。劇場入り
の段階では「付き合いとはいえ、この時期にS席購入は痛いなぁ」と半分ぼやいていたけれど、終演のころにはどっ
ぷりはまっていました。初日とはいえ、先々月は東京公演、先月は大阪公演だったのでので、役者さんもリラックスし
てたかな。さすがに出演者も流れもこなれていて素晴らしい仕上がりでした。東宝公演ならではの「音の取れない役
者、リズムの取れない役者」が何人か見受けられるのを除けば、アンサンブルがとっても伸びやかになっていて、見
聞きしていて気持ちよかったなぁ!! 欲を言えば、ちょこっとずつでもソロでの掛け合いが結構でてくるので、音圧
の一定感があれば文句なし。音質のクリアさや音圧の調整(要はアンサンブルね)は公演を続けるうちにまとまってく
るものだけれど、ま、顔ぶれ的にそこまでの歌唱力の人はいないのでしょう。また、装置的が装置なので、舞台の声
が響かないという問題があるので、もしかしたら二階席からだと良いのかも。次回の観劇に期待しましょう。
 今回最も感銘を受けたのは父・レオポルト役の市村正親さん。日生公演の時は「モーツァルトにあれこれ強要する
威圧的な父親」だったけれど、帝劇に戻ってきた彼は「愛情たっぷりがゆえに、あえて憎まれ役に徹しているのを息
子に理解してもらえない可哀相な父親」という印象。切なくて切なくて、ぎゅーっと抱きしめたくなるような父親像でし
た。出番の多い役ではないけれど、実質的な主役は市村さんだった!と思えるほどの存在感を発揮していました。
「コーラスライン」や「ファントム」に出演時代からそうだったけれど、コンプレックスを抱えている役を演じさせたら市村
さんが世界一!! テクニック的に上手い歌とは思わないけれど、情感の込め方が素晴らしいのです。
 市村さんとは対照的に情感はいまいちだけれど、圧倒的なスターの貫禄で魅せるのが山口雄一郎さん。実は今回
の公演はちょこちょことハプニングがあったんだけれど、そんなことは関係なしに、ばっちり決め所でビシッと決めてし
まうのが凄い! それも、マントさばき一つで観客を唸らせてしまうなんて、まさに大劇場役者(そういや、ファントム
のマントさばきは僕が今まで観た中で、彼以上に格好良く決めた人を知りません)。ホント、帝劇のスケールにふさわ
しい方です。でも、でもね、3ヶ月目に入ってどうやら飽きてきているらしく、結構、手を抜いてた(笑) やりすぎと思え
るお遊びも多かったし……。それでも他の追随を許さないのがサスガ!なんですよねぇ。まさに適材適所!!
 さてはて、12月の帝劇公演から松たか子さんに代わって登場となったのが西田ひかるさん。松さんが鋭さのある演
唱だったのに対して、西田さんは「女の色気」を感じさせました。一幕に関しては「こういうやり方もあるか!」と思わ
せる位、しっかりと役作りができていたんだけれど、二幕に入ってボロが出てきちゃったのが残念! 「もうダンスは
踊れない」という大ナンバーがあるんだけれど、「日生の久世、(東宝)初演エリザの一路のような」(←by演出家)高
音への恐怖が前面に出てしまっていたし、動きにキレもない人なので、まだまだこれからに期待かなぁ。でも、稽古
自体、二幕は煮詰まらないうちに初日を迎えてしまったそうなので、これからどんどん役が体に入ってくると、松たか
子とはまったく別のタイプの役者さんだけに、面白いコンスタンツェとなりそう。10・11月公演の松さんが素晴らしい出
来だったし、完成されたカンパニーにあとから参加という不利な条件だけれど、頑張れ〜! 後日談ながら演出家と
お話をしている時に「音を外しているのに、外してません!と涼しい顔で堂々としている唯一のスターは大地真央」と
いう話がでて大笑い。
 そして、最後に忘れてはならないのがアマデ役の石川楓ちゃん。子役だけれど、歌わず踊らず、でもほとんど出ず
っぱりで無言の演技だけを続けるという、もしかしたら「モーツァルト!」最高の難役かと思われるのに、気がつけばこ
の子に注目してしまうという怪演を見せてくれました。ヴォルフガングとは裏と表の関係で、アマデは期待されてい
る、もしくはあるべき姿のモーツァルトで、ヴォルフガングはあるべき姿に反発しているモーツァルト(あぁ、表現が難し
い・汗)って印象を受けました。今宵のヴォルフガング役は井上芳雄君だったので、余計その感が強かったかな。ここ
まで仕上げた彼女に、そして小池さんの仕事っぷりにぶらぁぼ!!!
 それにしても「モーツァルト!」って作品はとても「レ・ミゼラブル=あわれな人々」な作品で、幸せな人って出てこな
いんですよねぇ。誰かを思っての言動はことごとく裏目裏目に出てしまうし、誰もが欲求不満だったり不幸だったりす
るんだもの。さすがに1日の昼夜ハシゴして観劇するには重いけれど、でも、このタイプの作品ってとても日本人好み
の気がするんですよねぇ。アメリカのミュージカルの能天気なまでの明るさや曇りのなさとは対照的に、影背負いまく
りの妖しい色味が複雑に重なり合った世界。僕は演歌ってあまり興味はないんだけれど、演歌ワールドなミュージカ
ルって割と好きかも。「ファントム」も「エリザ」も、もちろん「レミゼ」も。不思議とこれらはヨーロッパ産のミュージカル。



12月5日(木)18:30-21:05
劇団四季「MAMMA MIA!」@電通四季劇場[海]
A席9450円 2階7列2番
演出:フィリダ・ロイド
パンフレット:1300円

 ドナ・シェリダン:保坂知寿
 ソフィ:樋口麻美
 ターニャ:森以鶴美
 ロージィ:青山弥生
 サム・カーマイケル:芝清道
 ハリー・ブライト:八巻大
 ビル・オースティン:野中万寿夫
 スカイ:阿久津陽一郎
 アリ:森実友紀
  リサ:五十嵐可絵
 エディ:川口雄二
 ペッパー:望月龍平
 男性アンサンブル:平田郁夫/太田浩人/宇都宮直高/山添功/中村厚生/中村匠/丹下博喜
 女性アンサンブル:八田亜哉香/張小伊/平岡由香/ナラ/宮崎しょうこ/岡聡里/今井美範

 今日は二階席から観劇。この劇場は横幅がないので、端の席でもほとんど舞台が見切れることがなく、快適な観
劇。そして、僕はABBA世代じゃないので、一階前方で先頭を切って踊るよりも、お客さんの反応を眺めながら一緒に
踊る方がいいや(笑) 電通がらみかABBA効果かは知らないけれど、いつもの四季の客層とは違い、フィナーレの歓
声・盛り上がりはものすごく、劇場が独特の生き物と化したのでした。もちろん、出演者も嬉しそうに反応していて、そ
んな空間に居合わせることが出来たことを幸せに感じました。作品の出来云々はワキにおいといて「このショーを無
条件で楽しみましょう!」という、時折僕が忘れてしまうこと(条件付きでは楽しんでいるんですよぉ・笑)の素晴らしさ
を体験できました。最近の四季は舞台も客席も醒めていることが多いので久しぶりの盛り上がりは嬉しかった! そ
して、二階席からだと照明が綺麗だったなぁ。ブラックライト使用の場面なんて(一階前方とは違って)蛍光色の部分
しか見えなくなるので効果抜群!
 さてはて、たったの一週間ではありますが、カンパニーなりのまとまりも出てきていたし、演技もあちこち変わってい
て、どうにか作品として成り立ってきてはいるものの「四季に合わない作品」「保坂さんを筆頭としたおば様・おじ様が
ミスキャスト」という印象は変わらず、でした。アクの強いキャラクターといい、賑々しさといい、東宝向きの作品だな
ぁ、と。鳳蘭・安奈淳・汀夏子のトリオだったら最高に盛り上がるし面白いんだけどなぁ、と妄想に浸りながらの観劇
(おじ様トリオは年齢はばらばらだけれど、市村正親・山口祐一郎・芥川英司・沢木順あたりかなぁ。ドンピシャリ!は
思いついてません)。でも、ここにツレちゃんが出演してしまったら、劇団四季は乗っ取られてしまいますね。でも、乗
っ取られてしまうような役者しかいないというのが四季の弱点でもあるのです! そこそこの中堅俳優は揃っているん
だけれど、スターを育てない四季のやり方だと今回のように「必要とされる俳優がいない!」となってしまうのです、キ
ッパリ。あぁ、版権が東宝に移らないかなぁ。(「ファントム」も今なら東宝で観たいなぁ。。。)
 さてさて、主演の保坂さんですが、あまりにニンでない役を懸命に演じていましたが、無理ばかりが目だってしま
い、余裕がなく痛々しかったです。人気抜群のショースターの役よ!? ヨーロッパで女手一人でホテルを切り盛りし
ているパワフルな中年女性よ!? おまけに島のみんなに愛される大らかさをもった女性よ!? さらには母親の象
徴でもある役よ!? それがどうしてどうして保坂さんなのさ??? まずは舞台に登場してもインパクトがないので
「いつ登場したの?」だし、群集には埋もれるし、何よりも余裕のなさからか演技に強さ弱さのギャップがなく台詞が
一本調子になってしまったのが痛い。やはりここは登場しただけでスターオーラをビシバシ飛ばしまくりでなければ設
定に納得がいかないし、突っ張って生きてこざるを得なかったけれど、娘の結婚に際して、思わずあふれ出てしまう
情感が見せ場だと思うんだけどな。かといって、代わりに納得させる役作りができているわけでもなく、歌のキーすら
合わないという踏んだり蹴ったりの状態。ん〜、彼女最大の失敗作かもしれない(人気は別としてね)。敗因はなによ
りもコメディセンスのなさ。彼女は「クレイジー・フォー・ユー」というコメディの成功作はあるけれど、「クレイジー」での
ポリー役はギスギスとすら感じられる突っ張った状態が笑いにつながるのであって、決して保坂さんの演技が笑える
ものではなかった。あれはシチュエーション・コメディであるから、四季方式の「演出に忠実」な演技がはまったけれ
ど、今回は「役者の魅力で勝負」の作品だからねぇ。。。笑いを取るべき美味しい設定(いきなり台詞から音楽にな
る)になったり、台詞がたくさんあったりする(娘・ソフィ役と台詞がリンクしてま〜す)というのに生かしてない(生かせ
ない!?)のは致命的。「吠えるようにどなるのが得意」というのも本来ならば笑いにつなげる部分なのに、保坂さん
だと余裕のないギスギスした中年女性になってしまって魅力なし。いっそのこと、娘のソフィ役の方がしっくりしただろ
うと思ってしまいました。
 そして、他のおば様二人も保坂さんをフォローできるまでには至らず仕舞い。「劇団」の強みというのは役者同士の
演技の応酬の妙だと思うんだけれど、そして、仲良し三人組で、離れていても時間がたっても強い絆で結ばれている
設定なのに、よそよそしくてそうみえないおば様三人組でした。コメディ演技も押し付けがましくてお洒落じゃない
し。。。ま、四季にコメディが出来ないというのは今に始まったことじゃないのですが、おかげでおじ様三人組(そのう
ちの一人はゲイ!がちっとも粋じゃなかったのも引いた〜。ヨーロッパのプレイボーイなのに、ふるさとキャラバンのサ
ラリーマンのオヤジさんがでてきたみたい。客席にいるエリートサラリーマン達の方が100倍もダンディでした。そん
な人が、ギターを弾きながら歌っちゃうものだから、せっかくのABBAナンバーも吉田卓郎の四畳半ソングに様変わ
り。そして、アンサンブルはギリシャのリゾート島の若者ではなく、湘南物語って感じ。ま、衣装が短パンにカジュアル
シャツだったりするので、翻訳上演の場合はこうなっちゃうのかなぁ? 水着で歌い踊るシーンはまるでドリフの「8時
だよ!全員集合」でした(あ、通じない???…汗) 若手俳優はナカナカ良かったですよぉ。深みのある役ではないし、
雰囲気重視の部分があるんだけれど、おじ様・おば様とは対照的に古風なところのある設定だったので(「ファミリー
タイズ」みたい!)これは四季の俳優に合ってた!
 そんなこんなで、作品世界の香りを求めず「日本人の話」として観るならば今回のカンパニーはあっているのかも。
きっと僕の観方が間違っているに違いない! 無理して似合わない役作りをせずに、連ドラ感覚で観るならば違和感
ないし。でも、それで良いのか!?!?>劇団四季。好き嫌いは別として、今の劇団四季の格安スーパー全国チェ
ーン展開的な上演はもう誰にも止められない。。。
 そうそう、この作品はフィナーレでは観客も出演者と一緒になって歌い踊る、というのが欧米公演時からのお約束な
んだけれど、知ったかぶりしてタイミングを外して立ち上がって人がチラホラ。立ち上がるのは「ダンシング・クィーン」
からで、それ以前だと出演者でもないのにお客さんの視線を集めまくりになりますので要注意。今日もフライングして
しまい、恥ずかしそうにしていた人がチラホラ。ま、自然な感情からならばいつ立ち上がっても良いんですけど。(ここ
のためにも保坂さんには登場だけで「オォ〜」と唸らせてもらいたかった!)



12月10日(火)18:30-20:45
「古川展生ストリングス クリスマスコンサート」@トヨタ自動車株式会社 東京本社ビル1Fロビー
無料 全席自由
パンフレット:無料

古川展生(Vc)/奥村愛(Vl)/山名玲奈(Vl)/宮本美喜(Va)/山崎実(Cb)/CHINO(Vo

 モリコーネ:愛のテーマ
 アンダーソン:そりすべり
 鳥山雄司:ソング・オブ・ライフ
 ピアソラ:リベルタンゴ
 タン・ドゥン:グリーン・ディスティニー
 カッチーニ:アヴェ・マリア
 クリスマス・ジャズ組曲
 MISIA:果てなく続くストーリー
 バーリン:ホワイト・クリスマス
 アメイジング・グレイス
(休憩)
 スウィートボックス:Everything's gonna be Allright
 エンヤ:グレイテスト・ヒッツ
 ウィーラン:「リバーダンス」スペシャル・メドレー
(アンコール)
 ワールドカップ2002テーマ曲

 気軽で楽しいコンサート……ではあるんだけれど、結構痛かった。何がって出演者たちが。いえ、演奏がどうこうい
うんじゃなくって、チームワークの悪さが。のびぃと山崎氏がそれぞれ赤シャツと緑のシャツで登場した時は「おぉ、ク
リスマス・カラー」と大喜びだったんだけど、一曲目が終わってからののびぃの挨拶がいきなり寒かった〜。まずはい
つも以上に妙に若者ぶって「ふるかわのぶおで〜す!」とかわいくご挨拶。ま、老人ホームからのお客様が多かった
ので、これはこれで良しとしても、「メンバー紹介します。ヴァイオリンの奥村愛さん。彼女はゲスト出演的立場なんで
すけれど、一曲目は”愛のテーマ”という曲で、つまり彼女の曲なんですよ」みたいな挨拶はねぇ。何だかとってもオ
ヤジっぽかった! 僕はむせ返ってしまったし、Vaの宮本さんはのびぃを冷たい目で睨んでたし、当の奥村さんは複
雑な表情で固まってました。そんな台詞は彼女に向かって言いなはれ>のび太 しょっぱなで滑ったのも影響してい
るのかもしれないんだけれど、元・同級生の女性トリオとのび太、そして山崎さんのコミュニケーションは素人目にも
良くなかった。若者の仲間に入ろうといろいろちょっかいをかけるおじ様2人と、決して部外者を寄せ付けない女の子
たちという図式だったもの。じゃあ、女の子たちは仲が良いかというと、演奏の上では決して仲が良いとは思えなかっ
たなぁ(実際の友情面は知らないよ!) 三人組ではあるけれど、奥村さんが頭一つマスコミ的に頭角を現していると
いうのが影響しているのかな。とにかく、よそよそしい演奏でマイッタ! たったの5人の出演者だというのにアイコン
タクトもなかたなぁ。それぞれ勝手に楽譜を睨んでいるだけ。プログラムと照明・美術でごまかされていたけれど、こう
いう雰囲気は好きじゃないなぁ。
 そんなわけで演奏の良し悪しもありませんがな。今回は横浜公演とは異なり、アコースティックとサイレントの両方
の楽器を用いたんだけれど、アコースティックの演奏の時もマイクで音を拾いミキシングをかけていたので、全編サイ
レント楽器による演奏みたい。会場の音響もあって生音が聞こえなかったので、加工された音のみの鑑賞。そして、
おそらく、ミキサーの人はクラシックには慣れていないと思う。弦楽器と打ち込み音のバランスもそうだけれど、弦だけ
のアンサンブルとして聴いてもバランスが悪かった。なんだかロックバンドの演奏みたいになってしまって、クラシック
の良さが出てなかったもの。今回のように、一般の招待が主のコンサートというのは、クラシックファン・のび太ファン
発掘の良い機会だと思うんだけれど、良さのアピールできない音とあっては効果も期待できないなぁ。
 で、肝心の演奏ですけれど、BGM的な曲は良かったと思う。というか、ミキシング的に、BGM的な曲しか良く聞こえ
なかったし、団体的にも思い入れやより良いアンサンブル作りは感じられなかったもの。僕の周りでは「リバーダン
ス」が人気だったけれど、あれは曲が派手なのと大音量でごまかされていただけで、音楽的には今ひとつだったな
ぁ。リズムのキレが悪かったし、クラシックの演奏者にありがちだけれど、楽譜の音に忠実すぎて、遊びやわざと手抜
きにする音がなかった! あの音楽じゃ踊れないよぉ。あ、コンサートなのに、舞台やダンスを思い出している僕の聞
き方が悪いのかな???
 ……こうして書いているとまるでアンチのび太ですねぇ(汗) もちろん「楽しかった?」と聞かれれば「楽しかっ
た!」んだけれど、これで良いのか?本当に満足している??とのび太に問いかけたくなるようなコンサートでした。
応援はしているけれど、盲目的なファンではないなぁ>自分



12月12日(木)18:30-21:15
新国立劇場オペラ「ナクソス島のアリアドネ」@新国立劇場オペラ劇場
D席6300円 4階2列47番
指揮:児玉宏
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
演出:ハンス=ペーター・レーマン
パンフレット:1000円

 執事長:米谷毅彦
 音楽教師:小森輝彦
 作曲家:手嶋眞佐子
 テノール歌手/バッカス:ヴォルフガング・ミュッラー=ローレンツ
 士官:二階谷悠介
 舞踏教師:近藤政伸
 かつら師:志村文彦
 召使い:宇野徹哉
 ツェルビネッタ:シンディア・シーデン
 プリマドンナ/アリアドネ:マリアーナ・ツヴェトコヴァ
 ハルレキン:萩原潤
 スカラムッチョ:土師雅人
 トルファルデン:若林勉
 ブリゲルラ:湯川晃
 ナヤーデ:山本美樹
 ドリアーデ:杉田美紀
 エコー:森野由み

 素敵な宵でした。美術はシンプルなのに洒落ていて,白と青と緑が基調で爽やかかつ柔らか。軽やかなのに淡く
ない色彩感覚がウィーンっぽかった。エレガントって言葉がぴったり。そして,衣裳の素材の良さが4階席からでもハ
ッキリ。光の反射が安物とは違います。お金持ちの話なんだから贅沢しなくちゃ!
 R.シュトラウスの音楽がこれまた素敵で,オケは室内楽,コーラスなしのミニチュア・オペラだというのに,醸し出さ
れる響きは壮大で広がりがあって、とてつもない表現力。そして,それらをきっちりこなした東フィルにブラボ〜。全員
がソリストみたいな作品だから東フィルも本気出してて名演。それでいて力みがないって凄いでしょ?ウィーン物は洒
落っ気がなくてはね。 でも,軽いだけでなく,どこか野暮ったい部分があるのもウィーン物の特徴。ハプスブルク帝
国の首都とはいえ,山間の田舎街ですから。で,この作品もちゃ〜んと野暮ったい部分があります。それゆえに共感
できる部分も多くて魅力的なのだぁ。
 若くて理想主義の作曲家,物事を深くとらえずケセラセラな喜劇役者たち,その場が丸く収まるよう(&収入確保の
ために)理想に折り合いをつける世渡り上手の音楽教師,お金に物をいわせて無理難題を押し着ける主人,自分は
使用人のくせになぜか権力を持っていると勘違いの執事長,さらには訳もなく高慢なプリマドンナたち。……ね,なん
だかムフフ(^o^)な顔ぶれでしょ。そんな彼等が繰り広げる権力争い。ついつい〇〇さんみたい,と配役を考えながら
の鑑賞。
 そんな彼等が上演する(劇中)オペラは「男に振られて落ち込んでいる女が,友人達の慰めには耳をかさず,根暗く
根暗くふさぎこんでいるんだけれど,新しい男が現れたらいきなりHAPPYになっちまう」という,馬鹿馬鹿しくも現実に
ありそうなストーリー。時には大仰に,時にはドタバタと繰り広げられるんだけれど,R.シュトラウスの音楽ってメロディ
を楽しむというより,響きを体で感じるという映画音楽タイプのものなので,雰囲気がより盛り上がって楽しい。(耳に
残るメロディはないのが灘だけど)。登場人物の個性がより際立ちます!
 今宵の面白さについては、人工的に人間臭い話が繰り広げられるのがミソ。あまりに全てが完璧に設定されている
ので,興奮はないんだけれどね。イタリアオペラの「聞け〜」「泣け〜」というカタルシスが好きな人には向いてない
し,カーテンコールが盛り上がるタイプの作品でもないから。個人的には好きな作品ではあるけれど,興奮もしなかっ
たし充実感もイマイチ。片方の頬でこっそり微笑むウィーン式楽しみは,根っから庶民の僕なんてまだまだ門前払いっ
てか!?
 歌手陣は総じて好調。プリマドンナはとてもドラマティックだし(体格の良い人が声量たっぷりだとそれだけで嬉し
い)、ツェルビネッタは常に柔らかく軽やかだし、バッカスはダンディでした。そして、特筆すべきは日本人歌手のアン
サンブル。一人一人はさほど「!」と思う人はいなかったんだけれど、バランス感覚が最高。主旋律なのか、サポート
なのかをきちんとわきまえ、声量とリズムがコントロールされていて、素晴らしいハーモニーでした。いつもは大きく感
じる新国オペラ劇場だけれど、オケが小編成というのもあってか(もちろんR.シュトラウスのスコアのおかげだけど)、
今日は一人一人の歌がくっきりはっきり聴くことができて嬉しかった。



12月17日(火)12:00-15:20
東宝「MOZART!」@帝国劇場
B席4000円 2階K列11番
演出:小池修一郎
パンフレット:1000円

 レオポルト:市村正親
 ナンネール:高橋由美子
 ヴォルフガング:中川晃教
 コンスタンツェ:西田ひかる
 フォン・ヴァルトシュテッテン男爵夫人:久世星佳
 コロレード大司教:山口祐一郎
 セシリア:阿知波悟美
 アルコ伯爵:花王おさむ
 シカネーダー:吉野圭吾
 アマデ:石川楓
 男性アンサンブル:池田紳一/大谷美智浩/小原和彦/KENTARO/小林仁/桜井章/砂川直人
             竹内耕/tekkan/中山昇/縄田晋/野沢聡/藤重政孝/松澤重雄/森田浩平
 女性アンサンブル:秋山エリサ/井上めぐみ/河合篤子/北林優香/鈴樹葉子/高橋真記子/徳垣友子
             中川菜緒子/長谷川美穂/平澤由美/やまぐちあきこ/尹嬉淑

 ミュージカルは群衆処理が見所のひとつなので、二階席からの観劇も良いものです。アンサンブルのフォーメーショ
ンのダイナミックな変化を目の当たりにするとゾクゾクします。そして、役者の力量やスター性が赤裸々にさらされる
のが興味深くもあります。キャリアはつんでいるものの、万年アンサンブルの役者はそれなりかもしれません。二階
席までエネルギーが飛んでこないもの。今回はマチネということで、声のノリは良くないだろうと覚悟しての観劇でし
たが、それにしても大人しかったなぁ。もっとアピールしても良いのに。でも、言い換えればアピールする力のない人
たちとも言えました。特に男性陣はヴォイストレーニングに励みましょうねぇ。
 そんな中、主演の中川君はまだまだ荒削りだけど素晴らしい歌声でした。パンチのあるロック系歌唱なので、激情
が込められているのがわかりやすいし、小さいのを逆手にとって(「星から降る金」のシーンは久世のんちゃんが大オ
ンナに見えた^^;)やんちゃに動き回るし。僕にとっては合格点。ミュージカル役者の中では「みんなとは違う」のを感じ
たし。でもね、とにかく地味〜。まわりが百戦錬磨のツワモノ揃いってのもあるけれど、大劇場での見せ方はまだま
だ研究の余地あり。とはいえ、初舞台でここまでこなすのは立派! デビュー当時のディカプリオのようなどこかの誰
かとは違って、エネルギー前回で押しまくる姿が気持ち良かった!! 品の悪さもこの役にはとっても合ってたなぁ、
本人がどう気取ったところで平民ってところが。
 実は今まで、小池演出で気になっていたことがありました。「エリザベート」のルドルフにせよ、「モーツァルト!」の
ヴォルフガングにせよ、登場の段階では青年でもかまわないけれど、でも、結局は30代後半のいわば中年男の役だ
というのに、10代にしか見えない役者(ブンちゃん、コムちゃん、井上君、中川君、ゆみこさん)に演じさせているって
こと。東宝版「エリザベート」を観た時も「本来ならば鈴木綜馬さんの役だよなぁ」と思いながら観ていたんですけれ
ど、遅まきながら今日やっと悟りました! 実年齢ではなく精神年齢で役者を選んでいるのだと。ボンボンで世間知ら
ずのルドルフも、わがままで社会性のないヴォルフガングも、その精神年齢はティーンエイジャーなのですね! 気
付くのが遅くてお恥ずかしい。
 余談ながら、二階席から見ると、今回の演出はクリネックスのboxが出入りしているように見えました。観劇の上で
は望ましくないんだけれど、リピーターにとっては装置の仕組みがわかるのも楽しみの一つです。



当日B席2500円 2階16列63番
演出:石田昌也(長い春)、岡田敬二(With)
パンフレット:1000円

 前回公演の宙組は技術はあるけれど遊びがないので豪華な人形劇みたい。かたや、今回の月組は技術はアチャ
ラカパーだけれど、技量にあった作品ならばエンターテイメントとしてまとめあげてしまう力が凄い。いずれにせよ、宙
組も月組もカラーにあった作品に恵まれてたのが嬉しい。公演切り替え当初は特性の差にとまどったけれど、結果オ
ーライで楽しかった〜(^o^) 実はオペラグラスを忘れてしまったので、肉眼で全体を眺めながらの観劇。いつもはつい
つい誰かを追ってしまうので、たまにはこんな観劇も新しい発見があって面白いです。
 今日はトップさんの機嫌も調子も良く、やる気に満ちていて大満足!! リカちゃんの声をフォルテで聞いたのって
何年ぶりだろう??? おまけにダンスは流麗で大きかった! トップさんが調子良い舞台って、誰もが自分を押さえ
ることなく、思いっきり舞台に専念できるので組子の勢いが違うし、最後の休演日前日ということもあって、みんなノリ
ノリ。おかげさまで、「今日は千秋楽!?」と勘違いしてしまいそうな位アドリヴでいっぱいでした。中には遊びすぎち
ゃって、作品の流れをさえぎってしまう人もいたけれど、気持ち良さそうに演じているカンパニーを観るのって幸せ〜。
そういや、リカちゃんも3作目。そろそろ組も落ち着いてきたころかな。最近の宝塚はトップ交代がせわし過ぎて、充
実期を迎えないままに退団するトップが続出。そんな中、今回のように、芝居・ショーともに恵まれたリカちゃんは幸
せ者です。そうそう、いつの間にやらエミクラ嬢が堂々たるトップ娘役に成長していたのは嬉しかったなぁ。二階のて
っぺんまでエネルギーがビシバシとどいてましたもの。大劇場で初めて観た時には結構文句たらたらだったのに、い
つの間にやらはまってしまいました。今日はmy楽。お名残惜しい。。。



12月19日(木)19:00-途中退席
東京都交響楽団「第560回 定期演奏会」@東京文化会館
EX席1500円 4階R2列9番
パンフレット:200円(無料配布)

 指揮:佐渡裕
 チェロ:デニス・シャポヴァーロフ Denis Shapovalov

 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
 フランク:交響曲 ニ短調

 今回の目玉はチェロコンチェルト。この曲好きなんですよ。良く知らないで購入したチケットだけれど、どうやら、この
チェリストはとっても若いらしい……のびぃよりも。ほっぺたの肉はすでにたれて来ているし、頭の状態も寂しいんだけ
れど、戸籍上ではね。とまぁ見た目は冴えないんだけれど、いざ弾きだしたら、その男性的で張りのある音にびっく
り。身振りだけは大きくて、音はか弱い横○君のピアノやのび太のチェロとは大違い。でも、一階席で聴いていた人
の話ではそんなに音圧はなかったとか。東京文化の上層階は音が良いのでそれが影響していたのかな? ま、何
はさておき、なかなか素敵な演奏でした。聴きなれている曲なのに、知らない響きに接する驚きもあったし。。都響に
ついては、10/20の名古屋フィルよりも冴えない演奏でした。管が怪しげで、恐る恐る吹いているので、ぱっとしない
んですよねぇ。。。実は今日はのび太の登板日だというのに、ドヴォコンには登場せず。駐車場に彼の車はあったの
で「???」だったんだけれど、のぶ倶楽仲間の間では「最近、仕事いっぱいいっぱいで、オケ譜さらいきれていない
から。(爆)」で意見が一致。器用そうでいて適当なところのある人なので。。。うっかりソロパートを弾いちゃったら問
題だものねぇ。あ、リハーサルでそれやって降ろされたんやろか? 爆・爆・爆
 休憩時間後のシンフォニーには登場するという情報が入ったので楽しみにしていたんだけれど、この日の夜は仕事
が一軒入っていたので、泣く泣く前半のコンチェルトのみで東京文化会館を後に。聴きたかったなぁ〜。




12月20日(金)19:15-21:00
新日本フィルハーモニー交響楽団「第349回 定期演奏会」@すみだトリフォニーホール
S席7000円 2階2列20番
パンフレット:無料

 指揮:ジャン・フルネ Jean Fournet
 語り:アンヌ・フルネ Anne Fournet
 ソプラノ:浜田理恵
 メゾ・ソプラノ:磯地美樹
 合唱:晋友会合唱団(合唱指揮:関屋晋)

 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ドビュッシー:聖セバスティアンの殉教

 久しぶりの新日だけれど、連日のオケ鑑賞とあって、その実力を再認識。上手いよぉ。管も弦も安定していて安心し
て聴ける! 特にドビュッシーなんて「演奏に余裕のある人が音の響きで遊ぶ」という、高度なテクニックと音楽性を
求められる作曲家なので、最初の一曲目からして「ほぅ!」と感嘆。音響的にもトリフォニーは素晴らしいのでこれま
た嬉しい。
 休憩なしではじまった「聖セバスティアン」は東京文化会館には向かない曲だと思う(サントリーには向いている)…
…という話を出演者にしたところ、何と都響が数年前に東京文化会館で演奏してました! でも、でも、都響の管で
演奏しきれたのかしらん??? 新日フィルはスタープレーヤーはいないけれど、堅実な演奏をする人たちの集団と
みえて、和音の響きが素晴らしいオーケストラ。密度の濃い演奏でした。でもね、個人的にこの曲あまり好きじゃない
んです。宗教物は知識がなくて、背景が良くわからないし、ドラマティックに盛り上がる曲でもないし。ティップネスに
はアロマVRというクラスがあって、アロマの香りの中、刺激のない音楽と環境ビデオを流し、インストラクターが「だん
だんリラックスしてきました〜」などと物憂げな声で繰り返すちょっと怪しげな時間をすごすんだけれど、今日は環境ビ
デオさえ流れていれば、まさにこのクラスにピッタリ。フルネ娘のナレーションが「あなたは眠くなる〜」と言っているよ
うに感じられて、もうトランス状態。晋友会合唱団(律ちゃんとマリーさんが出演!)も、さすがに狂乱はできない曲の
ようで、ちんまりと大人しくしていました。でも、今日の晋友会は絶好調のようで、重厚な響きが素晴らしかった〜。合
唱団が歌いだすと会場の空気も引き締まるような気がしたのは僕の思い過ごし??? でも、でも、この曲はもうい
いや。あまり僕の好みではないみたい。とりあえず、連日のオーケストラ鑑賞で、オケの特徴をつかめたのと、素晴ら
しい演奏に触れられたのが収穫。あ、ソリストですけれど、今日のソプラノは僕の苦手なタイプ。鋭い響きでもなく、か
といって、柔らかく伸びやかでもない。くぐもった声をむりやり押し上げているような印象。聴いてて僕の喉が痛くなり
ますがな。



立見2500円 1階
演出:謝珠栄(ガラスの風景)、荻田浩一(バビロン)
パンフレット:1000円

 ジョーイ:香寿たつき
 ローラ:渚あき
 グレゴリー:初風緑
 ピッコラ:鈴鹿照
 アルト:未沙のえる
 スペンサー:英真なおき
 ヘレン:万郷柚美
 フランコ:安蘭けい
 ピエトロ:夢輝のあ
 マリオ:朝澄けい
 レオナルド:真飛聖
 リーザ:秋園美緒
 クララ:仙道花歩

 伊丹空港に到着したのが朝8時。そして、降り立った人のほとんどが「宝塚行き」バスに乗り込み、さらに、劇場前
まで降りる人が皆無! 何だか観劇ツアーに参加した気分。で、なんとなくみんなと一緒に劇場へ向かってしまう僕
(笑) 大劇場は千秋楽前日の祝日公演とはいえ、のんびりまったりムード。当日券の発売まで1時間を切っていると
いうのに、東宝劇場に慣れた者にとっては感動的な列の短さ! そんなわけで、予定外ではありましたが当日券を
入手。座席券のサバキも出ていたけれど、立見で結構(と、この時は思っていたさぁ)。
 で、整理番号はついているものの、東宝劇場のように場所指定はないので「みんなで押し合いへし合いだったら嫌
だなぁ」と恐れおののいていたのですが、係員の誘導により「奥からつめていく」方式だったので一安心。僕は整理番
号が157番だったので、立見の3列目! 174cmの僕も場面によっては背伸びしなければ見えない! 小柄な人は
可哀相だなぁ。それにしても、立見で2500円は高い!! そして、10年ぶり(もっとかも!?)の立見は疲れました。
手すりなし、寄りかかれもせず、さらに一階なので階段に座るという荒業も出来ず。あぁ、もう立見は結構でございま
す、はい。
 さてはて、初見での「ガラスの風景」の感想はというと「苦手だなぁ。ストーリーが」でございました。ま、これは人そ
れぞれの好みだけれど、宝塚大劇場での大人数&ショーアップが必要な公演でのサスペンスは苦しい。同じ内容で
も、ル・テアトルで10人位の出演者の作品としてこしらえたら面白いかも。それを、無理やり大劇場ミュージカルに仕
立てていたけれど、今回の作品は星組じゃなきゃできないな。でも、宝塚歌劇じゃなくTSミュージカルファンデーショ
ン公演みたい。ここまで自分のカラーを持っている謝さんの才能は凄い!!
 「バビロン」は良かった〜。星組もやれば出来るじゃないのさ!! 音楽の繋がりが素晴らしくて洒落ていて、演出
家のセンスを感じました。そして良く踊っているし(月組よりは踊れているけれど、謝ダンスを踊るにはキレが悪く野暮
ったいのに気付かない程の盲目ファンではございませんが)。居並ぶ歌手たちは、得意分野の歌を任されているので
聴き応えがありました(幕開きの歌は「美麗猫」みたいでしたよね!?)。そして、サヨナラ公演ならではのフィナーレ
前のシーンは、お決まりの手法とはいえ、ジーンときましたがな。でも、でもね、これはリカちゃんのショーだよ。たー
たんは健康的すぎて妖しくならないもん。ロジャースのショーはたーたんでも良いな、と一瞬思ったけど、女装シーン
があったので却下(*^_^*) あのシーン、このシーンで「リカちゃんプリーズ」ではあるけれど、組子みんなに見せ場が
あって、演出家の愛を感じたよ。どこを切っても「和王・水」だった宙組公演とは対象的に、次から次へとスターが登
場。そして、プロローグからフィナーレまで切れ目なく演じられるので、展開が滑らか。そして、それらをきっちり仕上げ
た星組スターたちにはブラァアヴァ! あ、コーナン娘の女装&男役を引き連れてのダンスには引いたけど(>_<) そう
いや拍手がなかったなぁ。>コーナン娘

●ジョーイ:香寿たつき
 たーたんは相変わらず女声でささやくように歌ってた。島田歌穂みたい。退団後は帝劇でエポニーヌできるよ、う
ん。ダンスも上手いんだけれど、足は上がらないし、動きは緩くて重いので、垢抜けない印象。僕はトップになってか
らのたーたんよりも一路時代のたーたんの方が好き。宝塚大劇場は客席の奥行きが東宝劇場の倍位あるように感じ
るんだけれど、立見席までエネルギーが届かない〜。いえね、上手いのは認めるんだけれど、彼女は自分の特性を
最後まで理解してないんだなぁ、と思いながら観てました。カリンチョさんのように、じっくりと重厚な芝居を見せてくれ
れば良いのに、妙にコワイコぶったり若ぶったりするので、逆に女っぽくなったり、野暮ったさが際立ってしまったり
で、年々苦手になってしまったなぁ。一路時代のタータンはまだ若手だというのに、重厚な大人の役を与えられたの
で、背伸びして大人を演じていたでしょ。あれが良かったのに。

●ローラ:渚あき
 ただでさえ地味なのにパァーという解放感なし。芝居も自分の世界に入っているし、ギスギスしてて嫌〜。あ、これ
も僕の好みの問題ね。でも、寄り添うだけの娘役はつまらないんだよねぇ。トップです!と大きく出てきて欲しいなぁ。
かといって、初々しくもないので、彼女のトップとしての資質には疑問大。もちろん、女優としてはさすがの安定度が
あるんだけれどね。多分、かすれ気味の声と、堂々としてない立ち姿が原因だと思う。そして、風邪をひいたのか、声
がいつもにまして出てなかった!

●グレゴリー:初風緑
 実は僕が苦手とする男役だったんだけれど、今回は良かった! 大学教授としてのプライドの高さ、悪役としての憎
憎しさ、声の通りの良さ、そして、存在感も含めてみんな完璧。トップと拮抗する二番手役がいると作品から深みが出
てくるという良いお手本。柔のタータン、剛のガイチというバランスも絶妙でした。ショーでは歌手揃いの星組(コーラ
スは良くなかったけど)公演とあって、ダンス場面の沢山担当。彼女のダンスはキレがないので、ゆったりしたムード
先行のシーンが好きでした。

●ピッコラ:鈴鹿照
 ルミさんの同期生ですね。本公演に登場するのは久しぶりだと思うけれど、芝居では女役(女装しても違和感ナ
シ)、ショーでは女役&男役と大活躍。そして、意外にも歌えるし、芝居は雰囲気あるし、最近干されていたのが不思
議な位。起用した柴田・荻田両先生にありがとう!!です。

●アルト:未沙のえる
 和田アキ子が出演しているのかと思った(笑) 鈴鹿さんの妹役だけれど、こちらはオカマちゃん。相変わらずの楽
しい未沙芝居だったけれど、コメディセンスのない星組内では浮いてた。

●フランコ:安蘭けい
 これまた僕の苦手とする瞳子ちゃんなんだけれど(タータン、ガイチ、瞳子ちゃんと、みんな口元が嫌なんですよ。で
も、なぜかグッキーは好きなんですけど。なぜだ?>自分)、今回はドンピシャリの素晴らしい役に恵まれました。リ
ゾート地が舞台なので、上流階級の人間がわんさか登場する中、唯一といって良い庶民役。スーツのくたびれた着こ
なし、上流階級への劣等感・醒めたまなざしが過不足なく表現されていて、この作品の裏の主役とでも言える美味し
い役柄。好き嫌いはともかくとして、タータン、ガイチ、瞳子ちゃんの三人は一人で良し、誰かと組んで良し、組子を従
えて良しと、芝居もショーも大活躍。

●ピエトロ:夢輝のあ
 星組はスターが多いので、ねったんといえども、芝居では役不足な状態。もっと新人がやるような役でサヨナラなの
は可愛そうな気がする。

●マリオ:朝澄けい
 逆にもうけ役は彼女。台詞や歌が多いわけじゃないけれど、細身の長身に白い衣装が素敵に映え、そしてやたらと
ソロでバレエチックに踊りまくるので、目立つ目立つ。今の星組は、プロポーションの悪い人が多いので、下手したら
線の細さが目立ってしまう彼女なんだけれど、今回は大きな振りがそれをカヴァー。謝先生ありがとう!の最後の役
でした。

●レオナルド:真飛聖
 そんなわけで、まとぶんも役不足。ショーも目立たず仕舞い。ま、彼女はこれからの公演で活躍していただくとしま
しょう。ちょっと前まで「真矢みきに似ている」と思ってたけれど、今回は「絵麻緒ゆうに似ている!?」と思いました。
メイクのせいかな? まとぶんは線が太いのは男役としての強みだけれど、太いばかりで洒落っ気がなく、野暮った
いので、今後の大成にはそこの克服が必要ですね。

●リーザ:秋園美緒
 最後の最後に美味しい役でした。トップ娘役よりも存在感がありましたもの。変化に富んだ役なので、演じていて面
白いだろうなぁ。人妻としての色気たっぷりだし、歌にダンスに活躍の場面も多かったし、幸せなサヨナラ公演だった
と思います。メイクも別人のように綺麗でした!


S席7500円 2階5列7番
演出:謝珠栄(ガラスの風景)、荻田浩一(バビロン)
パンフレット:1000円

 ジョーイ:香寿たつき
 ローラ:渚あき
 グレゴリー:初風緑
 ピッコラ:鈴鹿照
 アルト:未沙のえる
 スペンサー:英真なおき
 ヘレン:万郷柚美
 フランコ:安蘭けい
 ピエトロ:夢輝のあ
 マリオ:朝澄けい
 レオナルド:真飛聖
 リーザ:秋園美緒
 クララ:仙道花歩

 「ガラスの風景」は一度目の観劇では(上記感想のように)嫌いだったんだ。でも、二度目は面白かった! これは
僕だけの感想じゃないみたい。それだけ、大劇場ではサスペンスの上演が難しいってことですね。そして、今の星組
の「野暮ったくて重い」状態が疲れてしまうことも原因かも。「一日二回観るのはつらいなぁ」と思いつつ席に着いたの
ですが、なぜか今度は面白い!! いったいどういう訳なんでしょうねぇ? そりゃ、朝の公演と違って出演者の声も
出ていれば動きも滑らかだったんですけど。
 今回の公演は芝居では段差のある一杯盛りの装置が回り舞台で角度を変えるだけ、ショーは舞台の奥行きを生か
した群舞が多いので、二階席からの方が満喫できる気がします。そして、「コーラスライン」じゃないけれど、トップなら
ではの立ち位置というものがあるので、二階からだとタータンのエネルギーもさほど不足を感じなかったし。 
 特筆すべきはさよならショー。今回の退団者8名はいずれもが名の通ったスターたちで、主演経験者がズラリ。筆
頭のタータンなんてキャリアも長いので代表曲選びだけでも大変そう。そんなわけで、ヤンさんのさよならショーの時
のように芝居仕立てだったんだけれど、これが良かった! まさか新人公演時代の歌まで登場するとは思わなかっ
たけれど(「この恋は雲の涯まで」「ベルバラ〜フェルゼン編〜」)、タータンの歌唱力を堪能。役によって声色を変えて
しまう実力はさすが。そして、退団者に純粋な星組育ちが少ないため、まるでTCAスペシャルのような構成だったに
もかかわらず、星組生が卒業生を一生懸命盛り立てる姿に「宝塚ってあたたかいところだな」とほっこりした気分にな
りました。決して恵まれたスターではなかったけれど、最後の最後に幸せな状態で送り出してもらえてよかったね、と
思いました。雪組の絵麻緒ゆうは星組育ちにもかかわらず、雪組でのさよならショーというのに違和感があったけれ
ど、タータンは組替えが多かったので、そんな意味でも違和感が少なかったかな。


12月24日(火)19:00-20:20
東京都交響楽団「都響スペシャル 第九」@東京文化会館
Ex席1500円 5階L2列14番
パンフレット:無料

 指揮:佐渡裕
 ソプラノ:浜田理恵
 アルト:中島郁子
 テノール:吉田浩之
 バリトン:小森輝彦
 合唱:二期会合唱団

 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付」

 今年最後のオーケストラのコンサート。都響の第九は東京文化〜サントリー〜芸劇と公演が続くのですが、音響と
曲との相性を考えて東京文化会館をチョイス。さすがにクリスマスイブに上野の古いホールというのは人気がないらし
く空席もありましたが、素晴らしい公演に大満足! 東京文化の五階席は音響抜群だし、視界的にもオケを見下ろす
ことになり、全体が見えるのでナカナカ面白い。
 都響の面々がみなさんリラックスしていて、機嫌が良さそうで、伸びやかに余裕を持って演奏していたのがまずは
嬉しい(ま、下手なパートは相変わらず下手ですけど・汗)。特にのび太率いるチェロパートは隣りのヴィオラパートと
は対照的におしゃべりしまくり、よそ見しまくりと、主席奏者のコピーがゾロゾロという印象。のび太なんて演奏中に隣
りに話しかけるわ、演奏が終われはのけぞって後ろの席を覗き込むわで、期待を裏切らないやんちゃっぷり。今日の
のび太は終始ご機嫌で、ニコニコと嬉しそうに登場するし、一楽章の時点からラブラブ目線をあちこちに飛ばしまくり、
おみ足は華麗なステップを一楽章がら披露しっぱなし。おまけに、今日はクリスマスランチを食べ過ぎたのか知らな
いけれど、やたらとでっぱりの目立つお腹をさすったり、鼻をポリポリ掻いたりと、嬉しくなるほどの落ち着きのなさ。
……なぁんて書くと「本当にファンなの!?」と突っ込まれそうですが、このような状態の時ののび太は素晴らしい演
奏を聴かせてくれる事が多いんだもの、ねぇ(笑)
 そして、今日はLブロックでの鑑賞だったんだけれど、ちょうどのび太が指揮者を見上げると、位置的に僕たちの方
向を見ることに。同行のらっしいは「こっちを見てくれているみたい〜。目が合った〜」とオペラグラスにかじりついてま
したさ(笑) 確かに、見詰め合っているような錯覚に陥ります、オペラグラスを使うと! 今年はのび太君のコンサー
トが多かったけれど、最後の最後が先日の寒〜いコンサートではなく、幸せ気分のコンサートで嬉しい。
 二期会合唱団は少人数ながら迫力の歌声。ソリストも癖のある人が多かったけれどおおむね良好。小森さんは音
域的に少しきつかったかな?



12月25日(水)18:30-21:10
新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」@新国立劇場オペラ劇場
B席4200円 2階3列7番
パンフレット:800円

 指揮:渡邊一正
 管弦楽:東京フィルハーモニック交響楽団

 マーシャ:酒井はな
 王子:山本隆之
 ドロッセルマイヤー:ゲンナーディ・イリイン

 第九と並んで年末の風物詩ともいえる「くるみ割り人形」。あまたあるバレエ教室の発表会的な公演が多い中、新
国バレエは「子供が登場しない」版のため、安心しての観劇。振り付けは(多分)難しくないし、すでに何度も手がけ
ているプロダクションなので余裕シャクシャク。出演者の誰もが楽しんで踊っているので、観ているこちらもリラックス。
おまけに、お洒落をしたオチビちゃんたちの集団が客席を陣取っているので、とっても華やいだ気分。
 子供が出演しないということで、子役も大人のダンサーが演じるんだけれど、不思議と子供に見えるのには脱帽。
ちょっとした体の使い方、落ち着きのなさ、好奇心旺盛な様子などもう完璧。主演のおはなちゃんなんて、どちらかと
いうと「格好良いダンサー」なので今まで「くるみ」に関しては外していたんだけれど、どうしてどうして、メチャクチャ可
愛かった〜。彼女は今、技術的にも情感的にも絶好調で、正に華も実もある大プリマ。力を抜いて踊る部分と「私を
見て〜」と見栄を切る部分のメリハリが利いていて気持ちが良いの何のって! たった一夜にして、少女から女性に
成長する過程を表現しているんだけれど、こんなにドラマチックに盛り上げてくれるとは思わなかった! だって、スト
ーリーはピンク一色の舞台で、お菓子の世界を踊るという、普通だったら眠気を誘うバレエだよぉ。そんな作品を踊っ
て興奮の渦を作り出すなんて凄いと思いませんか? もはや国内では向かうところ敵なし、のおはなちゃんだけに、
そろそろ、外来スターダンサーと丁々発止の踊り合戦が観たいな。「ドンキ」あたりで。
 東京には沢山バレエ団があるけれど、僕が思うに双璧は新国バレエ団(牧阿佐美バレヱ団もかな?)と東京バレ
エ団。とっても仲の悪いバレエ団なんだけれど、ミュージカルに例えると東宝と四季みたいな感じかな。個性的で華
やかで押し出しの良いのが新国バレエと牧バレエ。そして、没個性で、ストイックな雰囲気なのが東京バレエ団。僕
の好みがどちらかは言わなくてもみなさんご存知でしょうけど(笑) 新国(&牧)のトップを頂点とし、コールドは群舞
に情熱を傾ける&群集芝居に徹する仕事っぷりは何度通っても楽しい。今回も雪のシーンのフォーメーション、ばらの
シーンでの華やかさに圧倒されました。年末に良いものを観たなぁ。これで、気持ちよく年を越せます。



12月30日(月)11:10-13:40
映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」@ヴァージンシネマズ市川(6)
当日指定 E列9番
監督:マーティン・スコセッシ
パンフレット:800円

 アカデミー賞最有力候補と宣伝しているので、今年最後のエンタメとしては最適かと思って行ってまいりました。目
の前で父親を殺された少年の復習と、キャメロン・ディアスとの愛の物語というのに期待していたし、実際幕開き当初
は、マンハッタンを舞台にしているし、無法者たちの縄張り争いのシーンだったので、「ウェストサイド物語みたい」と
ワクワクしていたんだけれど、ほんの5分後にはと〜ってもリアルな抗争シーンが勃発。それ以来、三時間も人殺し・
虐殺・リンチが続いたのにはマイッタ。血が苦手な人は気絶すること必至。舞台と違ってリアリズムを追えるのは映
画の強みだけれど、僕はこの手のものは苦手なんですよ。ストーリーも出演者も、ゴメンナサイ、強烈な映像の前に
印象もへったくりもありません。ぶっ飛んでしまいましたがな。最後の最後にこの映画を選んでしまったことを激しく後
悔中。あ〜あ、やっちまったよぉ(涙) でも、それよりも何よりも、トイレに行きたくなって困りました(爆)
 あ、筋肉ゼロ少年だったディカプリオ君が、いつの間にやらマッチョな青年になっていたのにはぶったまげた(骨皮
筋男かおなかボッテリブヨブヨ男という印象だけれど、撮影までに体を短期間で作り上げてて凄い!) 。