| 2003年2月の観劇記録・観劇日記 ●7日(金)19時〜 東京都交響楽団「564回定期演奏会」@東京文化会館 ●9日(日)15時半〜 宝塚歌劇団花組「エリザベート」千秋楽@東京宝塚劇場 ●11日(火・祝)14時〜 「BorderlessU」@博品館劇場 ●14日(金)15時半〜 宝塚歌劇団星組「ガラスの風景」「バビロン」初日@東京宝塚劇場 ●16日(日)14時〜 東京都交響楽団「作曲家の肖像vol.48」@東京芸術劇場 ●18日(日)20時〜 古川展生@スイートベイジル ●20日(木)18時半〜 松竹「レディ・ゾロ」@赤坂ACTシアター ●21日(金)19時〜 二期会「ビゼー:カルメン」@東京文化会館 ●25日(火)19時〜 アドベンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ「白鳥の湖」初日@オーチャードホール ●28日(金)19時〜 室内楽シリーズ「ヴィルトゥオーソ・ソロイスツV」@JTアートホール 2月7日(金)19:00-20:35 東京都交響楽団「第564回定期演奏会」@東京文化会館 A4000円(会員割引) 1階3列18番 指揮:ルドルフ・バルシャイ パンフレット:200円(無料配布) マーラー:交響曲第10番 嬰ヘ短調[バルシャイ版、日本初演] この曲を聴くのは初めてなんだけれど,すんごく良かった〜!! 大編成なのに繊細な構成で各楽器のソロまでち ゃんと聴き取れるんだもの。5楽章の美しさといったら感涙ものだよぉ。もちろんマーラーだから管楽器の出番は多い けれど,どちらかというと弦楽器が主体の曲だし,宇宙物の映画音楽のようなサウンドがあっさり&さっぱりの都響の 演奏にマッチしてた! 本日のマエストロのバルシャイ氏は七福神の一人にいそうなじっちゃま。ニコニコぶりが演奏前から幸せオーラを発 揮。もっと恐そうな人を想像していたのでちょっと意外。クラシックの長老たちというのは不思議なもので,いざ演奏が 始まると急にシャキッとするもの。バルシャイじっちゃまもそのお一人。にこやかなのに威厳と貫禄があるのだっ。そ んなじっちゃまに影響されたのか,はたまた慣れない曲で難しいのか,都響の面々もいつもにまして集中力のある演 奏。のびぃも足癖はおとなしかったけれど,調子が悪いどころか,いつもの慣れあいアイコンタクトではなく,するどい チェックをビシッビシッと決めててナカナカ格好良い。(ちなみに,今日の席だとtuttiでものびぃの音が聴き取れた。う 〜ん,遠くへは音が飛ばない楽器なのかな?) ちなみに,今日のチェロのトップはのびぃではなく田中さん。いつもと は逆に,田中さんの足癖が悪く,そしてソロが絶好調なのが笑えたぁ!!(^Q^)/^ ま,今回の曲は弦5部ではなく弦10 部みたいな曲だったので,各パート首席を複数揃えての万全の体制。のびぃとのWトップに近かったかな。そんなこ んなで,どのパートも板の上の一人一人が力演(かといって熱演ではなかった。変な力みがなくって常に爽やか。(金 管の絶叫がないせいか???)。そんな中,チェロの第4プルトで演奏のおばさま(スミマセン,お名前を存じておりま せん)のみ,ひょうひょうと気楽〜に弾いているのがこれまたツボで,なぜか気になる!! 指揮者にもほとんど目をく れず,マイペースで演奏を続ける姿にはどこか風格すら漂ってたなあ。 ……と,長々と書きなぐってきたけれど,曲も演奏も雰囲気も良かったのだぁ。呑みさん,アイコさん,らっしいと終演 後で会ったんだけど,開口一番みんなで「良かったよね〜」だったもの。これはのびぃ関連のコンサートでは年に数度 の珍しい事(^_^;) みんなで大満足で,気持ち良く帰路につけて幸せ〜!! ただし「本当のところはどんな曲なんだ!?」と噂される箇所がちらほらあるのも都響ならでは!? そして,第4楽 章のラスト近くに長々と携帯の呼び出し音で飛び入り演奏した客席の誰かと,染み入るような余韻に会場中が浸って いる(指揮者も腕を降ろしてない)中フライング拍手をした誰かは処刑!!!!! そうそう、カーテンコールの際、バ ルシャイじっちゃまはなんど誘導されてもひな壇を登りながら引っ込んでいくので、しまいに楽員も笑ってた。明日もサ ントリーの段々を登って退場するつもりかしらん?(登場は平坦な袖口から登場。席の関係で舞台裏が見えたんだけ れど「こっちだよぉ」と誘導されている姿がほほえましかった。演奏中以外はホント、近所のじっちゃま!) 明日のサントリー公演にも行こうかどうか検討中。東京文化のストレートな響きのマーラーは大好きだけれど、この 曲に関してはサントリーのやさしい響きの中でも味わってみたいもの。時間取れるかな? 2月9日(日)15:30-19:15 宝塚歌劇団花組「エリザベート」千秋楽@東京宝塚劇場 S席8000円 1階11列33番 演出:小池修一郎、中村一徳 パンフレット:1000円 トート:春野寿美礼 エリザベート:大鳥れい フランツ・ヨーゼフ:樹里咲穂 ルキーニ:瀬奈じゅん ルドルフ:彩吹真央 ゾフィー:夏美よう エルマー:蘭寿とむ シュテファン:愛音羽麗 ヴィンディッシュ嬢:遠野あすか ついに千秋楽。そして、大鳥れいが卒業。昔からトップ娘役候補だった、と見ている人は言うけれど、僕にとって は、いきなりのスター誕生だった! トップ就任当初はどことなく野暮ったい印象があったけれど、あれよあれよという 間にどんどん垢抜けて、美貌と貫禄を備えた魅力的なトップさんに成長。組構成・状況の関係で活躍の場を数多く与 えられ、とてもドラマティックなトップ生活だったと思う。「泣くもんか」という歌を涙をこらえて歌う姿にジンとし、組子全 員のコーラスをバックに「夜明けの序曲」を堂々と歌い上げる最後の晴れ姿にジーンと来た! そういえば、花組でこ んなに組子にも演出家にも、そして観客にも大切にされたトップ娘役って珍しくない? 彼女の(多分人柄と)、仕事っ ぷりに感服。おそらく、ここ1〜2年に演じてきたような大役は外部の舞台ではもう回ってこないだろうけれど、来年の 東宝エリザ再演の際にはぜひタイトルロールを演じて欲しいな、と思う。彼女の人間臭い、そして、史実に近いエリザ が大好き! 2月11日(火・祝)14:00-16:15 「ボーダーレスU」@博品館劇場 全席指定7500円 I列1番 演出:橋爪貴明 パンフレット:1000円 エリシャ:大浦みずき ミルカ:蘭香レア サライ:楓沙樹 テラ:小山みゆき ノア:小野妃香里 ロト:高木ナオ ガイヤ:太洋あゆ夢 シリーズ物らしいけれど、僕は初観劇。このところ、重い作品が続いていたので、軽いショー作品はウェルカム! いやー、楽しかった。一幕はミュージカル、二幕はレビューという作りで、ミニ・宝塚みたい(笑) 出演者は宝塚出身 者と、非出身者が半々。長身でキリっとした美貌の足長お姉さまの集まりで、それぞれ格好良かったな。幕開きのダ ンスナンバーから、舞台狭しと(実際狭いんだけど)踊り倒す彼女たちの迫力に、客席の温度もいきなり沸点。テンシ ョンというかボルテージの高い公演。台本はどうって事ないけれど、ダンスショーとしては凝りすぎてないわかりやす さだったし、大満足!! たった七人でスピーディーで変化に富んだレビューを展開するとは驚異だぁ(@_@) さてはて、今回の主演は大浦みずき女史。彼女には「あと少し舞台が広ければ」と思わせる、博品館の大きさがち ょうど良かった。さすがに体力面では若いダンサーに太刀打ちできず(それをお笑いにしてたけどね)、ジャンプもキレ も全盛期には比べるべくもないけれど、ポイントポイントの押さえの確かさ、一つ一つのキメのポーズの格好良さ、ちょ っとした仕草や衣装さばきのセンスの良さは、さすがスターの貫禄タップリ。力まず自然体でいながら観客の心を鷲 掴みにするオーラは今も健在。今でも即、東宝劇場に特別出演してもらいたいよぉ。ショースターとしての才能は今な お他の追随を許しませんがな。芝居は相変わらず「照れ」が入ってしまい、ちと流れ気味だったけれど、今回はほと んどショーみたいな作品だったのでさほど気にならず。 そして、今回、嬉しい注目をしたのが蘭香レア。ブレイクする前に宝塚を退団してしまったので、男役時代をあまり 知らないんだけれど、今や「本当に男役だったの!?」と疑ってしまうキュートさ。そして、体の柔らかさ、ダンスの上 手さに舌を巻かされてしまう。宝塚(&出身の人)ってあまり色気が感じられないんだけれど、彼女は例外的にしなや かに、色っぽく踊ってのける。それでいて、下品じゃないし、ダイナミックさも持ち合わせているので、何とも魅力的な ダンスシーンとなる。彼女が退団した時は「まだ早い」と思ったけれど、彼女の魅力を発揮するには、宝塚は合わな いのかもしれない、と思い直す。女性ダンサーとして、これから大活躍していただきたい。もっとも、このカンパニーに いちばん女らしい顔をしながら、歌えば一番の低音を響かせるギャップに「男役だったのね」と妙に納得。そしてニ幕 最後の燕尾の群舞では、ラッキーシューズも肩パットも胴布団もなしに「男」として魅せた。体型もがっちり、きざりまく っているのに、何故かこんな時だけは「女」にしか見えない非・ジェンヌたちとは対照的で、宝塚90年の芸の蓄積に感 服! 元・タカラジェンヌが燕尾で踊るクライマックス場面では、あの狭い博品館の舞台の背景に大階段が見えた! 2月14日(金)15:30-18:40
宝塚歌劇団星組「ガラスの風景」「バビロン」初日@宝塚大劇場
S8000円 1階18列31番
演出:謝珠栄(ガラスの風景)、荻田浩一(バビロン)
パンフレット:1000円
ジョーイ:香寿たつき
ローラ:渚あき
グレゴリー:初風緑
ピッコラ:鈴鹿照
アルト:未沙のえる
スペンサー:英真なおき
ヘレン:万郷柚美
フランコ:安蘭けい
ピエトロ:夢輝のあ
マリオ:朝澄けい
レオナルド:真飛聖
リーザ:秋園美緒
クララ:仙道花歩
ってる。(某組のコーラスも良くなった、、、と思ったのは、単に耳が慣れただけかもしれない。) 退団者にはそれぞ れ見せ場があり(退団者にしか見せ場がない……とも言えるけど)、作品も魅力的。近年稀に見る充実した公演なん だけれど、トップコンビのサヨナラ公演という色が薄かった。同時退団の生徒たち&そのファンには嬉しい公演だろう けれど、トップコンビ&そのファンにとってはどうなんだろう? 僕は特定の生徒のファンではないので、場面ごとに中 心となる人が違うので楽しかった! そして、人それぞれ好みがあるだろうけれど、僕は宝塚の人海戦術が好きなの で、全体の見える席が嬉しい。そして、この公演は群舞のフォーメーションが綺麗なので、多分、二階からの観劇の 方が良く見えると思う。今回の星組公演は初日にしてmy楽。 香寿たつき:芝居もショーもみんなで騒ぐだの、誰かとラブラブだのといった作品に縁のないままの卒業。今回も孤 独な役。コンビでいるよりも、一人でいる方が似合っているスターさんだったと思う。敵対役や、孤独な役が得意だっ たのもそのせい??? 渚あき:ゴージャスさや押し出しの強さではなく、ひっそりと清楚にたたずむ姿が印象的。エトワールとして、大階段 で延々と歌い続けるのにびっくり。そういえば、今回のパレードはトップコンビしか歌ってない! ま、本編で各スター が歌いまくっているから良いか。 夢輝のあ:おんなっぽい外見・動きに反して、野太い歌声というギャップが大きなスターだったな。深く響く彼女の歌 声は大好きでした。退団は寂しいけれど、今が潮時かも、という印象あり、個人的にね。 朝澄けい:退団公演にして開花した感あり。リリカルな魅力はそのままに、スターとしての輝きが出てきた。ショー の組子をバックに従えてのダンスのシーンなんて、トップさんを食っちゃってた。スタイルも良いし、色気も出てきたし、 最後の最後に華やかに散っていく。。。 秋園美緒:芝居もショーも実質的なトップスター。見せ場も多けりゃ、それを存在感タップリにみせきった! 娘娘し た役は似合わなかったけれど、素敵な女役として、美しく開花して去っていく。トップ候補として扱われず、別格扱い として育てられてたらどうなってたんだろう? 2月16日(日)14:00-15:55 東京都交響楽団「作曲家の肖像 Vol.46」@東京芸術劇場 C3000円 3階LBJ列4番 指揮:ルドルフ・バルシャイ チェロ:古川展生 パンフレット:200円(無料配布) ショスタコーヴィチ:歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人』より「パッサカリア」 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第一番 ショスタコーヴィチ:交響曲第五番「革命」 指揮者とオーケストラとの相性の悪さにハラハラした公演。もうね、楽団員が指揮者を無視しているのがアリアリ。 いつもはにこやかなコンマスの矢部ちゃんも指揮者と目を合わせようともしないし、演奏後の握手の時も表情が固 い! そして、指揮と演奏がずれているのに、オケの面々は平然と(多分)矢部ちゃんに意識を集中して演奏。楽団 員のHPを除く限り、舞台裏は大変だったようだけれど、どちらかというとしまりのない都響が、バルシャイ氏が指揮の 時に限って物凄い集中力を見せるので、たまにはこんな指揮者も必要なのかもしれない。 「パッサカリア」はいきなりの大音量にのけぞる。芸劇の三階サイドの席は、構造の関係か、とんでもない場所から クラリネットの音が大音量で響いてきたりして、音響的にはあまり好きじゃないんだけれど、強奏でも音が散らないの がありがたい。そして、芸劇の大舞台に処狭しと居並ぶ都響の面々の迫力に圧倒される。 よりにもよって、のびぃのHPに辛い書き込みがあったコンチェルトは、僕にはそんなにひどいとは思わなかった。むし ろ、二楽章は朗々としたのびぃ節を堪能。でも、その他の楽章は……聞こえなかった(爆) 聞こえないんだから筋肉 痛になるほど熱演しないでさぼれば良いのに、なぁんて僕は思ってたんだけど、舞台に近い席ではちゃんと聞こえて たんだとか。のびぃの初演奏だから名演は期待しちゃいないけれど、ひどくはなかったぞぉ〜。演奏後、観客よりも、 板の上の仲間が「よくやった」とのびぃをねぎらう姿に「あぁ、みんなに愛されているんだね」と、なぜか僕まで感謝の 気持ちでいっぱい。普通コンチェルトというと、ソリストと指揮者がコンタクトを取りあうものだと思うけれど、なぜかコン マスとソリストがコンタクトを取り合ってた印象あり。僕なんかはのびぃのファンだから「指揮者と馬が合わなくても、気 の置けない仲間がいて良かったね」と思ってたんだけれど、事情を知らない聴衆にとっては失礼なソリストだって思え たのかもしれない。余談ながら、この曲は金管として唯一参加のソロホルンが大活躍で、まるでホルンコンチェルトか と錯覚を起こしそうな箇所が沢山あるんだけれど、これがひっくり返りまくり。それも派手に。ま、これは都響名物!? そんなこんなで迎えたシンフォニーは、手馴れている曲(?)のせいか、もう都響がじゃじゃ馬のように爆走。ショス タコの三管編成&各種パーカスの大編成な曲なんだけれど、どうやらショスタコは交通整理が抜群にうまいらしく、響 きの中に埋もれてしまう楽器がなく、それぞれの楽器の音を聞き分けられ、それらが美しく響き合うのが巣晴らしい。 ことに、一楽章のフルートソロなんて、もうウットリと聞きほれてしまいましたさ。今日の三階席は楽器や楽譜、オペラ グラスをたくさん見かけた。そして、客層がいつもと違っておじさんが多かったなぁ。ショスタコの熱烈なファンって多い のかいな? 2月18日(火)20:00-21:50 古川展生「Live at STB139」@STB139 スイートベイジル 全席自由4200円 1階 チェロ:古川展生 ピアノ、キーボード:塩入俊哉 コントラバス:山崎実 パンフレット:なし バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より“プレリュード” 小野リサ:Cancela 井上鑑:Old River Bossa 塩入俊哉:ア・トゥ・プリ 塩入俊哉:夢のしずく オルフ:劇的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」より“イン・トゥルティーナ” カッチーニ:アヴェ・マリア ウィーラン:ミュージカル「リバーダンス」より“クーフランの哀歌”〜“アメリカン・ウェイク” ピアソラ:リベルタンゴ ピアソラ:アディオス・ノニーノ 京谷弘司:レコルダシオン(回想) ピアソラ:ブエノスアイレスの冬 井上鑑:The Gateway (アンコール) サン=サーンス:(六本木風)白鳥 ガーデ:ジェラシー 都響では、指揮者との相性の悪さに苦しんでいたのびぃだけれど、ようやくリラックスして自分の音楽を楽しんでい る印象。しょっぱなから久々の足癖の悪さに嬉しくなる! 舞台上が幸せだとそれは敏感に客席に伝わるものでし て、どんなに寒いトークだろうが、オヤジギャグをかまそうが、「うんっ、うんっ」と客席一同で応援。今回は塩入氏のフ ァンが多いのか、客層はいつもとはだいぶ違う印象。のび太初体験の人も多いらしい。そんな中、常連メンバーがか ぶりつきの席を占拠して酒盛りをしてたんだけれど、これって心強い応援なのか、それとも恐いのかはご本人様に聞 いて見なければわかりませんね(笑) リバーダンスはリズムずれまくり、早いパッセージは間に合わずだったけれ ど、その他はタップリじっくりのび太節を堪能。今回は編成や会場の関係でマイクを付けての演奏だたから一概に結 論は下せないけれど、のび太君はクラシックの大曲よりも、軽い短い曲をサラリと弾くのが似合うと思う。どうしてもク ラシックだとテクニックのアラが目立ってしまうんだけれど、ポピュラーだと、彼のハートある音楽性が際立つからね。 そして、小品を品良く、小洒落て弾くことにかけてはナカナカ素晴らしいと思っております。 塩入氏についてはまったく何も知らなかったけれど(実はすごい人なんだとか!)作曲した曲は美しく綺麗だった し、アレンジャーとしてのセンスもナカナカで、おぉ〜って感じ。ただし、好き嫌いの問題だけれど、クラシックのピアニ ストに慣れている僕としては、彼の叩きつけるようなタッチと、荒い音色が気になってしまい、「あぁ、ここの部分を○ ○さんが弾いていたらなぁ」などと邪念を持っての鑑賞。山崎氏についても、クラシック出身とは思えない品の悪さ (あ、演奏上のね)が気になってしまい、どうもこのお二人との共演は僕にとってはハズレだなぁ、、、なぁんて思って いたんだけれど、後半のピアソラになるやいなや、その特性が逆に幸いし、なかなかアグレッシヴで勢いのある演奏 になったのでした。そういや、ピアソラは音大では劣等性で、勝手気ままに作曲した、自己流の曲で成功した人。クラ シックバリバリの人とは相性が悪いのかも。そして、のび太の演奏は、どんなに崩しても崩してもクラシック臭プンプン なので、競演のお二人の助力が大きかったのかもしれない。素晴らしいピアソラでした。 2月20日(木)18:30-21:45
松竹「レディ・ゾロ」@赤坂ACTシアター
B5670円(ぴあ会員割引) 23列39番
演出:西川信廣
パンフレット:1500円
タニア・ヴェガ:匠ひびき
ジュリアン・エステバン:杉浦太陽
マリア・エステバン:久遠さやか
トニー・ビーラ軍曹:六角精児
ベルナルド:治田敦
ルイス・バステス少佐:藤本隆宏
ジェシカ・トーラス:土井裕子
ドン・レイモンド・トーラス/ルドルフ・アンジェラス:草刈正雄
人しかお客さんがいなかった! 拍手なし、盛り上がりなし、予算なし、というナシナシづくしの状態で、あまりの寒さ に途中でセーターをカバンから引っ張り出してしまった。う〜ん、娯楽作品としては良い題材だと思うんだけれど、い かんせん、このメンバーで延々と三時間以上見せられるというも辛かった! ミュージカル(今回は音楽活劇というら しい)は、歌とダンスがよければ、と思ってたんだけれど、こうも演技の苦手なスターが揃ってしまうとねぇ。。。 今回の最大のミスは台本と演出だと思う。出演者が決まっているアテガキなのだから、ボロがでないよう、テンポ良 くまとめてしまえば良いのに、ダラダラと盛り上がりのないまま舞台が進行するので、すごく長く感じた。とはいえ、眠 くはならなかったので、そこが不思議なんですけど。僕が一番気になったのは音楽の使い方。前奏は強引にボリュー ムアップで割り込むし、最後は暗転と共にフェイドアウト。場面場面がブツ切りになってしまうので、劇に入り込めない んですよねぇ。この公演はミュージカルじゃなく、音楽活劇というらしいけれど、、、とっても違和感あり。別に全ての音 楽劇の公演がオーソドックスなミュージカルである必要はないんだけれど、オーソドックスでないならばないなりに、 満足させる何かが欲しいです、はい。装置や衣装もほとんど変わらないので、多分、途中で寝てしまっても大丈夫だ と思う。そういや、僕の周りは寝息やイビキが賑やかでしたよ。 匠ひびき:動いてる! 踊っている!!というだけで喜んでしまった。宝塚のサヨナラ公演があまりにも悲惨だった
ものね。剣さばきもダンスのおかげかフォルムがとっても綺麗だし、ドレス姿も綺麗だったし(ただし、オバサン……)、 歌や演技の実力は今さらびっくりもしないけれど、退団後の初舞台にしては堂々としっかり努めていた印象。殺陣に なるとすぐにダミーの人と入れ替わってしまうんだけれど、その人との体型の違いが大きすぎて、はじめは「トートダン サーみたいな人たち?」と余計なことを考えてしまった。 杉浦太陽:初舞台だそうです。頑張ってください。今はそれだけしか言えない。。。
久遠さやか:この女優さんは知らないのですが、役としては小さく、見せ場もないんだけれど、クレジットの位置から
して売り出し中の人かしらん? パンフの写真はともかくとして、舞台上ではすっごいブス。顔の作りが、じゃなくて表 情がね。おまけに台詞の一つ一つが目茶苦茶下品。演技で下品にしているんだったらもの凄い才能かもしれないけ れど??? 六角精児:今回最大のミスキャスト。開拓時代のアメリカの風貌ではなく、おまけに演技は柴又や浅草が似合いそ
う。いえね、わざとそのように集団演技する劇団ならともかく、プロデュース公演でこのメイク・演技はあんまりだと思 う。アンサンブルを壊しまくり。脇役なのに悪目立ちしすぎなのは見苦しいです。僕はダメでした。 治田敦:六角氏とは対照的に、懲りまくったメイク、押さえた中にメリハリのついた演技、本格派の歌と、影の立役
者とも言える人(ストーリー上でも影の主役か!?) 今回のカンパニーの中でもっとも安定した実力の方。場数を踏 んでいるだけのことはあります。ミュージカルにこのような人が参加していると安心。 藤本隆宏:数少ない安心派の一人。残念ながら歌はなかったけれど、立派な体格を生かして惚れ惚れするような
悪役っぷり。。大きいだけに何だか恐い(笑) もの凄い演技派とは思わないけれど、このカンパニーの中では目茶苦 茶上手い、と表現しても良いかと思います。あ、悪ぶる時の台詞回しが高嶋(兄)風なのが気になったな。エリザで影 響受けちゃったんだろうか? テレビとは違って、劇場での台詞って、音圧を揃えてくれないと聞き取り難いんですよ ね。もちろん、音響さんも頑張ってくれるんだけれど、限界があるもの。 土井裕子:ちょこちょこ動き回る役はナカナカだし、ミュージカルの歌としては日本一の女優さんなんだけれど、何し
ろ、今回は脇役だから、死ぬ前に短い曲、それも場をさらわない程度の地味な曲を与えられただけ。もう、これは宝 の持ち腐れ。そして、貴婦人というニンでもないから、演技だけで勝負となると手も足もでない状態。こんなに演技が 苦手だった!?とビックリ。彼女は台詞ではなく、歌で感情表現させれば良いのにぃぃぃ。 草刈正雄:二役なんですって。言われなきゃわからない(笑) おまけに殺陣になるとダミーの人と入れ替わるの
で、どれがどの役かわからない……とまではいかないけれど(ストーリーはありきたりだから)、とにもかくにも変化な さすぎ。おまけに、踊らない(チャーリーを踊りに誘いながら自分は突っ立ってるだけ・笑)、殺陣やらない人なので、 いきなりダミーと入れ替わっても違和感ばかりが目立ってしまう! おまけになぜかやたらと歌うのです。チャーリー との掛け合いの歌が延々と続いたのにはマイッタ。 二期会「ビゼー:カルメン」@東京文化会館 E2000円 5階L2列4番 指揮:飯森規親 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 演出:実相寺昭雄 パンフレット:1000円 カルメン:小山由美 ドン・ホセ:福井敬 ミカエラ:松田正恵 エスカミリオ:黒田博 最近の二期会はモダンな美術の演出がウリ。予算がなくても、楽しい作品が作れるという良い見本。新国がオーソ
ドックスかつ予算たっぷり路線なので(こちらの方が僕好み!)、まったく別の路線に走ってくれるのはオペラ・ファン としては嬉しい限り。それに、時代考証も目茶苦茶な設定の方が、出演者が役作りに凝らない二期会としては向い ているのかも。どちらかというと演奏会形式に近いかな。そして、二期会の路線変更についていけないお客さんが多 いのも事実。戸惑っている様子が拍手でわかるんだよね。そして、五階席からだと、お客さんの様子もこれまた見も のなのです、はい。 今回は東京文化会館に回り舞台をこしらえて、その上に大階段を設置したこと。そして、その側面も装置として使用
したこと。それが、カルメンの世界に合っていたかどうかは別問題として、アイディアにあふれた演出に好感。スペイン の情熱も、ジプシーの妖艶さも皆無の不思議な無機質なカルメンでした。これはねぇ、もっと小さなホールでの上演だ と面白いかも。演出故か、出演者故かわからないけれど、東京文化でやるにはエネルギー不足を感じた。 小山さんは新国の「リング」を観て以来期待してたんだけれど、まだまだカルメンは体になじんでないようで、オケと
ずれてしまう場所さえあったのは意外(初役か!?) 福井さんは相変わらず電信柱だし、松田さんは存在感なし。 そんな中、黒田さんが余裕シャクシャクで素晴らしかった! 色男の役をちゃんと色男として照れずに演じてくれ た!! 舞台の上で役者が照れているのほどみっともないのはないもの。格好良かったよ。 アドベンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ「白鳥の湖」初日@オーチャードホール A10000円 2階5列20番 演出・振付・脚本:MATTHEW BOURNE パンフレット:2000円 ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:アダム・クーパー 王子:ベン・ライト 女王:マーガリート・ポーター 執事:スティーヴ・カーカム ガールフレンド:フィオナ=マリー・チヴァース 幼年の王子:サイモン・カレイスコス 「白鳥の湖」ともなると、すでに100万回も観ている作品だし、AMPのプロダクションも実は観ているんだけれど、号
泣してしまいました。AMPの作品はバレエといえども芝居作りが細かいのが特徴。そして笑いの場面も品位がある。 どんなにブロードウェイが頑張っても、この点だけは段違いの差。多民族国家と違って、必要なものだけを取捨選択さ れているせいかな? いえ、ロンドンもNYと並んで人種のルツボですけど、クラス階級意識が高く、劇場へ足を運ぶ のは(たとえお金があっても)一定のレベル以上の人ばかりで、恐ろしいほどに人種が限られています。その是非は 別問題としてね。余計な説明や媚びがないのは、とっつきにくいかもしれないけど、格式につながる気がする。これは 音楽や立ち居振る舞いにも通じるかな? 外国人や子供相手に媚びた日本文化は下品でしょ? 分かりやすい舞台 と媚びた舞台は似て異なるもの。今日は神々しいくらい格式があった!! 数年に一度あるかないかって位の大感 動。僕が観たかったのはこんな舞台。もっと通いたいよぉ〜。貯金しとけば良かった(T_T) で、どんな舞台かといえば、プティパの「白鳥の湖」とはまったく異なるストーリー。そして、ミュージカル好きにはク
スッと笑える仕掛けが沢山。劇中でバレエを観にいくシーンは「オペラ座の怪人」みたいだし、バーに繰り出す場面は 「ミス・サイゴン」みたいだし、昇天の場面は「エリザベート」みたいだし。そもそも、ザ・スワンとスワンとの関係はトー トと黒天使(もしくはトートダンサーズ)とも見れる。もちろん、パクリやパロディじゃないんだけれど、ミュージカル大好 きな人達が作った作品なので、どうしても影響が出てきてしまうのかな。親子愛、恋人との愛、同姓愛、不倫、年の 離れた愛、偽りの愛、ナドナド、「アスペクツ・オブ・ラヴ」なのもいかにも英国風。よくぞNYでヒットしたものよ。 今回は白鳥はアダム・クーパー、ジーザス・パスター、首藤康之のトリプルキャスト。そして、出演者は当日発表。
僕はクーパーが観たかったので初日を選んだんだけれど、勘が当たって、白鳥はアダム・クーパー、王子はベン・ライ トのゴールデン・コンビ。見た目に美しく、技術点・芸術点ともに6.0(*^_^*) 制約がない舞台というのは観劇精神的に たいへんよろしい。体型や雰囲気作りまで完璧。もう、ここまでお膳立てが揃っていると、作・演出もやってて楽しいだ ろうな〜。それとも、言い訳の要素がない分、逆にしんどいか!? クーパーは出番は少ないんだけれど、圧倒的な スターオーラ放ちまくりで、登場しただけで客席がヤンヤヤンヤの大喝采。そりゃあ、オリジナルキャストですもの。彼 の得意技を駆使して、彼が格好良く見えるように作られた作品なんだから、後続のキャストは雲泥の差があって当 然。悪ぶっている態度がこれまたキマリまくって、あの女この女を誘惑する仕草はセクシーですらあり、何よりもロイヤ ルの(元)プリンシパルにふさわしいテクニックの高さと(芸の上での)品の良さ。超絶技巧の連続なんだけれど、そ れらが力強くキレが良いかと思えば、急にしなやかに動いてみせたりと、余裕シャクシャク。カンパニー全体のレベル もオリンピッククラスのレベルの高さなんだけれど、クーパーだけは金メダリストのような貫禄。おまけに感情表現も豊 かとあっては、これで感動しないのは不感症としか思えない!! よくぞ日本公演に参加してくださった! そして、 相手役(?)のベン・ライトがことごとくクーパーと対照的で、いかにも王子様がぴったりな甘いハンサムで(クーパーも ロイヤル時代は熊哲がどんなに逆立ちしても役を回してもらえない、とハンカチを噛んだ程の王子様です! キリリと した王者然としたタイプでした。)、同じ振りでも剛のクーパーに対して柔のライトってところかな。この二人のデュエッ トの美しいことといったら! あまりに完璧な出来に、客席一同窒息状態。踊りたい人じゃなく、踊るべき人が踊って いる舞台でした。 そして、客席はというと、初日とあってファッションはお洒落だし、盛り上げどころも心得ている人が勢揃いしたので
心地よいことこの上なし。異国の地で、前衛的な作品の初日でしょ。キャストもお客さんの反応が素晴らしいのが嬉し かったみたい。おかげで舞台はリラックス&ノリノリ。それでも、カーテンコールカーテンコールになるやいなや、一斉 に客席みんなが立ち上がって、ブラボーって叫んでたんだのには、ダンサーもビックリしたみたい。バレエの舞台では 珍しい光景だと思う。どちらがより感動してたんだろう? 作品よし、キャストよし、客層よし。観劇人生で最高の体験の一つ!! 幸せ(*^_^*)(*^_^*)(*^_^*) 2月28日(金)19:00-20:50 ヴィルトゥオーソ・ソロイスツV「フィレンツェの思い出」@JTアートホール 全席指定3000円 4列12番 ヴァイオリン:徳永二男、大宮臨太郎 ヴィオラ:豊島泰嗣、扇谷泰朋 チェロ:上村昇、古川展生 パンフレット:無料 チャイコフスキー:弦楽四重奏第1番ニ長調Op.11 チャイコフスキー:弦楽六重奏ニ短調「フィレンツェの思い出」Op.70 (アンコール) チャイコフスキー:弦楽セレナードハ長調Op.48より第二楽章 各パート,大御所と一番弟子がカップリングといった様相(実態は知らないけど!) 大教授との共演ともなると,若 手の演奏は固くなりがちだけれど,それをのびのび弾いてのけるというのは,若手の実力もさることながら,大御所た ちの懐の大きさを感じた。「好きなように弾いてごらん,ちゃんと合わせるからね」という愛情にあふれていてまことに 気持ちが良い。余裕たっぷりの大御所,精一杯背伸びしている若手,そして,お兄ちゃんぶっていながら実はさほど 余裕のないのび太(ちなみに今回の面子の中ではいちばん小さかった。あ,新鮮な構図!)という,ちょっとファミリー 的な温もりを感じるコンサートでした。父ちゃんは徳永さんね(^o^) おじさま達の何が凄いって,自分が主旋律を弾くことになるやいなや,まるでミキシングをしているかのように,すぅ っと音が抜け出て来るところ。音質として雑音も少ないし,それでいてにこやかにアイコンタクトをとっていて,そりゃま あお見事! 勢いで弾いてしまう若手とも,わびさびを感じさせる御老体とも異なり,油の乗り切ったおいしそうな状 態。あとは演奏の好き好きかな。格調高く,余裕あるパワフルさで弾く部分は得意なんだけど,洒落っ気に乏しい。お 洒落な演奏ではなく,嫌らしい演奏に感じる部分は苦手みたい。若手は逆に線が細い演奏なんだけれど,ピッツィカ ートだとか軽〜い旋律の歌わせ方はナカナカお洒落。この組合せ好きだわぁ。 そしてもはや若手とは言い難いのび太君。ポジション的に二つの世代をつなぐ重要な役回り。リードできるところだ けリードすれば良い、という今の彼にとっていちばんやりやすい状況だったと思う。とはいえ、彼の音色は人間の声で いうとハスキー・ヴォイスなので、PAで補強されたものはともかく、大編成のアンサンブルやコンチェルトとなると音 質・音量が格段に聞き劣るのは事実。さんざん追っかけしているけれど、「良かった」と思えるコンサートは、共演者 がかならずフォロー巧者もしくは、さんざん共演しているかのどちらかかな(過去の感想読んでみてね)。今回も、一 人だけモノラル状態。でも、彼のチェロ好きなんですよね。音楽が暖かいので。今回も投げ出しもせず、楽譜に噛り付 きでもなく、まことに結構なコミュニケーション具合でした。ベテラン・新人関係なく、それぞれが音楽に敬意を払い、 演奏を楽しんでいたのが感じられ、聴いているこちらも幸せ気分! |