観劇日記〜2003年08月〜
●07日(木)16時半〜 「サタデーナイトフィーバー」@新宿コマ劇場
●08日(金)19時〜 映画「さよなら、クロ」@銀座シネ・ラ・セット
●11日(月)14時25分〜 映画「永遠のマリア・カラス」@みゆき座
●13日(水)19時〜  ミラノ・スカラ座「WEST SIDE STORY」@オーチャードホール
●14日(木)19時半〜 五十嵐はるみ「アコースティックナイト〜真夏の夜の夢〜」@東京都庁第一本庁舎北展望室
●17日(日)17時〜  スイセイミュージカル「FAME」@東京芸術劇場中ホール
●18日(月)11時〜  宝塚歌劇団宙組「里見八犬伝」@日本青年館
●19日(火)18時半〜 歌舞伎四百年八月納涼歌舞伎「神楽諷雲井曲毬」「野田版 鼠小僧」@歌舞伎座
●20日(水)18時半〜 鵜飼文子「展望室サロンコンサート 夏の涼」@東京都庁北展望室
●25日(月)16時15分〜 映画「10日間で男を上手にフル方法」@日比谷シャンテ
●28日(木)18時45分〜テレビ朝日「題名のない音楽会21」@テイアラこうとう
●30日(土)17時〜  東宝「レ・ミゼラブル」@帝国劇場



2003年08月07日(木)16:30-19:20
「サタデーナイトフィーバー」@新宿コマ劇場

B席 3000円 後段-ロ列-44番 (パンフレット:1000円)
演出:友澤晃一

トニー:大澄賢也
ステファニー:純名りさ
アネット:シルビア・グラブ
フェイシス:美勇士
フスコ:治田敦
モンティ:ウガンダ・トラ
フランク・マネロJr:安崎求
フロー・マネロ:初風諄
フランク・マネロ:ミッキー・カーチス

 大澄賢ちゃん,素晴らしいです。ちょっとした動きでもアンサンブルとは別格。動けるだけでなく,軸がびくとも動かない確かな技術,長身から生み出されるダイナミックな波動,おまけに客席へのアピールの旨さ,どれも完璧。歌は加藤敬二そっくりだし,芝居はどうってことないんだけど,彼のダンス「だけは」見に行く価値ありです。
 そんな中,今まで歌手としての活躍ばかりでダンスが苦手だったはずの純名りさが大検討。一幕は踊るばかりなのですが,宝塚時代もあんなに踊ったことはないはず。長身の賢ちゃんの相手役のせいか,背筋もスラリと伸びているし,客席に「見せる」踊り方に関してはタカラジェンヌはお手のもの。華麗なる裾さばきでした。二幕になると大ナンバーは歌っちゃうし,芝居の見せ場もあるしで,もう彼女の独壇場。カーテンコールでの拍手も大きかったよ。
 個人的には,純名りさ,シルビア・グラブ,美勇士の歌合戦がお気に入り。それぞれ,歌唱方が違うんだけれど,歌謡ショーにならずに,ちゃんと「芝居歌」になっていたのは三者の実力ゆえでしょうか。それと忘れちゃならないのが初風さま。カーテンコールではキャスト一同おなじみの振りで踊るんだけれど,誰よりもキザで格好良かった! リアルタイムでディスコを楽しんだのかと勘繰ってしまう位でしたョ。
 個人個人は良かったけれど(除:ウガンダ・トラ。歌手としても役者としても不要)コマは音響が悪いし,客席が広過ぎるのが残念。おまけに客層も相変わらずだし。。。青山劇場あたりでの公演だったら人気出たかも。あ,でも,カーテンコールではおばちゃんたちが喜んで歌い踊ってたから,これはこれで良いのかぁ?
 3時間と上演時間が長く,かといって変化も深みもないストーリーでもないのでリピートするつもりはないけれど,一度限りだったら楽しいかと思います。ディスコで踊っていた人たちには喜ばれるかな。


2003年08月08日(金)19:15-21:05
映画「さよなら、クロ〜世界一幸せな犬の物語〜」@銀座シネ・ラ・セット

全席自由一般 1800円 (パンフレット:800円)
監督:松岡錠司

木村亮介:妻夫木聡
大河内(用務員):井川比佐志
三枝先生(担任):田辺誠一
草間先生(後に教頭):塩見三省
牧野校長:渡辺美佐子
花園先生(獣医):柄本明
花園夫人:根岸季衣
照代(食堂主人):りりィ

 必見の映画です。涙がナイアガラで、劇場中が鼻をすする音で充満。しょっぱなからタオルが必要です。笑って泣いての1時間50分。「世界一幸せな犬」は「関わる人間を幸せにする犬」でもありました。
 話は単純。捨て犬になった犬が、とある高校に住みつき、生涯を閉じるまでの物語。その合間合間に高校生の人間ドラマが絡むだけ。初恋だの、喧嘩だの、受験だのといった内容ね。……と書くとどうってことなさそうでしょ。でもね、誰もが通ってきた道、誰もが知っている内容なので「うん、うん」と頷きながら懐かしい気持ちになるのです。
 クロは各ポイントのシーンに存在するだけ。名犬ラッシーや101のように、素晴らしい活躍をするわけでなく、存在だけで見ほれてしまうような美女でもなく、ただ、首をかしげてじ〜っと人間を見つめるだけ。でも、この瞳が素晴らしく美しくて、愛らしくて、演技を超えた名演なのです。ほら、動物映画って白々しい部分があるでしょ。喜んでいるはずのシーンなのに、反応がクールだったり、いかにも練習しました、というわざとらしさが伴ったり。でも、この映画に登場するクロは、ちゃんと尻尾は振りまくり(きっと撮影の合間にみんなに可愛がられていたのでしょう)、顔や手を舐めまくりで、自分の犬を見ているような気分にすらなります。でも、一番の見せ場はその自然な姿。学校内の夜の見回りを自分の使命だと勝手に決めて(犬ってこんなところあるでしょ。我が家のちびは買い物のお供が仕事だと思ってて、年をとって動けなくなっても付いてきてましたもの)、率先して歩き回ったり、授業中の教室に入り込んでお座りして授業を聞いていたり、職員会議ではど真ん中で昼寝をしていたり、まさに自然体。あまりに当たり前の姿なので映画の中でも見ている側でも違和感ゼロ。特別な犬ではなく、見た目も行動もありふれた犬だというのがポイント。感情移入しやすい、しやすい。そんなクロが病気になり、手術を受けて回復するものの、結局は老衰で亡くなるのですが、犬を飼ったことのある人には涙なしでは見られません。
 犬(本名:山本クロだそうです)だけでなく、役者陣(上記の豪華キャスティングをご覧ください)も凄かった! いわゆる、邪魔な役者が一人もいないんですよぉ。全員が全員適役で、ふとした仕草は表情でドラマを語ってしまうんですよ、もうどのシーンにも、どの役者にも釘付け。1960年〜1972年の話なので、一人の役者が高校生と社会人を演じ分けないといけないのですが、どちらもまったく違和感なし。それも、本物の大人の役者、高校生の役者の中に入っても、というのが素晴らしいでしょ。生活感のにじませ方が絶品。それでいて、野暮ったい四畳半ソングの世界になっていないのが監督と音楽監督の手腕。ダイナミックなカメラワークと、洗練された爽やかな音楽のおかげで、見終わった時にはすがすがしい気持ちになりました。そして、台詞一つ一つの重みとウィットとリズムの良さに感服。こんなに良くできた台本というのも珍しいかも。短い台詞の中に沢山の意味がこめられていて、それを役者が完璧に表現し、カメラが効果的なアングルでしっかり捉える。チームワークの素晴らしさに鳥肌が立ちました。
 昨今は心の痛む事件が多発しているけれど、まだまだ日本が平和だった時代の話に触れ、愛情や命の尊さ、正解など存在し得ない(もしくは全てが正解)人間の感情の襞に触れることのできる素晴らしい映画でした。ちなみに、1960年に高3の話ということは、ちょうど母の世代の話なんですよね。何だか、両親の世代の人たちとのふれあいがもっともっとスムーズにできればな、と考えさせられました。若者は聞く耳が必要で、熟年は語る話術が必要かな。全ての世代の人たちにぜひともご覧いただきたい一本です。DVD出たら買わなくっちゃ。
 あ、パンフレットも読み応えたっぷりです。役者の犬自慢が沢山!


2003年08月11日(月)14:25-16:15
映画「永遠のマリア・カラス」@みゆき座

自由一般 1800円 (パンフレット:700円)
監督:フランコ・ゼフィレッリ

マリア・カラス:ファニー・アルダン
ラリー・ケリー:ジェレミー・アイアンズ ←「マイ・フェア・レディ」のフレディ!!
サラ・ケラー:ジョーン・ブローライト
マイケル:ジェイ・ローダン
マルコ:ガブリエル・ガルコ

 カラスと古くからの交友のあった、ゼフィレッリが彼女へのオマージュとして製作した、とっても事実っぽい内容のフィクション映画なのですが、実話でない分、自由にストーリーを膨らませることが出来、それによって、逆に真実のマリア・カラスが浮かび上がるという、演劇ならではの面白さが際立った作品です。
 声を失って引退したカラスが、全盛期の録音に合わせてオペラ映画に出演する。再び全盛期の声を獲得したものの、その幻想の姿に対し「たとえ最悪の夜でも少なくとも私は誠実だった」とせっかく完成したフィルムのお蔵入りを要求するのだった……というストーリー。
 まずは、芸術家としての成功とそれに対するあまりに大きな代償に心を打たれました。彼女の伝記は読んでいたし、「マスタークラス」も観ているし、もちろん、CDや映像にも接しているのですが、あまりにドラマティックな力を持ったこの映画には圧倒されます。芸術に全てを捧げてきたのに、若くして声を失ってしまったカラス、家族にも恋人にも恵まれなかったカラス。生きる屍と化していた彼女が、口パクの映画出演にもかかわらず「マリア・カラスとして仕事をするなら完璧でなければならない」と言い放ち、演技にダンスに情熱を傾け、そんな彼女への崇拝者をもきっぱりと拒絶する姿には、壮絶な迫力がありました。仕事中は目の輝きも勢いも違うんですもの。とことん、芸に生きた人なんだな、と感服。彼女が別格の芸術家として、今なお多くの人々に影響を与える源を感じました。
 マリア役のアルダンが素晴らしいのです。目と唇の動きだけで全てを語ってしまう表現力。字幕なんて要らない位。シャネルの数々のドレスを「普段着として」着こなしてしまうのにも度肝を抜かれました。並の役者だと衣装負けしてしまいますもの。もちろん、ゴージャスな物を作らせたら世界一のゼフィレッリが仕切っているというのもありますが、気張って着てます、ではなく、さりげなく着ています、というのがニクイです。そして、フィルムを通じても伝わってくる、銀幕を焦がしてしまいそうなメラメラと燃える内面の炎があるんですよ、彼女も。まさにマリア役にぴったりの女優さん。
 彼女があまりに素晴らしいためか、もしくは、ゼフィレッリ自身に基づいたキャラクターのせいか、男性陣については、人物像がちと弱い印象。ゲイの彼(ゆえにマリアとの恋愛はないんですよね)の好みの美男子がやたらと出てくるんだけれど、とりたててストーリーには要らない描写が多かった気がします。その分、上映時間を短くした方が良いのになぁ。。。


2003年08月13日(水)19:00-21:40
ミラノ・スカラ座「WEST SIDE STORY」@オーチャードホール

S席 14000円 1階-15列-8番 (パンフレット:2000円)
演出:ジョーイ・マクニーリー

トニー:ヴィットリオ・グリーゴロ
マリア:チェン・ライス
アニタ:ソランジェ・サンディ
リフ:カール・ウォール
ベルナルド:ホアン・ベタンクール

 ん〜ん〜ん〜,スカラ座のプロダクションだというから期待してたんだけど、、、初日だし,観客のノリが良いオーチャードなのに,盛り上がらないカーテンコールで終わるという、ある意味とっても凄い公演でした(*_*) 歌手は歌だけ、ダンサーはダンスだけ、って陣営なので、歌手が踊りだすとタイミングはあわないし,リフトは落ちてくるし,動きはロボット。おまけにイタリアなまりが強烈な英語。そして、ダンサーがアンサンブルで歌うので、今どき日本のミュージカル界ではありえないお粗末なコーラス。ソロなんて滅茶苦茶。では、ひどくて席を立ちたくなるような公演かというと、そんなこともないのです。なんだか、良かったのか悪かったのか自分でもわからないのですが、不思議な魅力にあふれていたのは確か。
 この作品は,宝塚で四季で、その他、来日公演やコンサート形式の上演まで観まくっているくせに、実はあまり好きじゃないんです。だって,登場するのは脳まで筋肉のチンピラばかりで,役の深味はないし,衣裳もセットもボロボロ,大ロマンスもスペクタクルもないんだもの。僕の好みとはち〜っとも噛み合いませんがな。おまけに,歌もダンスも高度すぎて,どちらかは必ず消化不良。
 宝塚だと歌とダンスの技量の問題で、迫力や下層階級のしたたかさが出ないし、四季だと人種の違いや,脳まで筋肉な青年ならではの浅はかさが出ないし,海外キャストだと若々しさ皆無&芝居があまりにも雑だし。。。とりあえず,それぞれのカンパニーの良い面を堪能するしかないやね。
 で、本日の売りはというと,まず筆頭は女性ダンサーの足さばきの美しさ。「アメリカ」のナンバーは通常「ピッピッ」と掛け声がかかりそうな切れの良いダンスなんだけれど、このカンパニーはしなやかで柳がしなるかのようなハイキック。(ビールマンスピンのポーズね) そして、アニタの目がギラギラしていたのが印象的。そもそも、この作品の中でいちばんおいしい役ってアニタでしょ。ダンスも歌も見せ場があるし、芝居らしい芝居があるのってアニタだけだもん。この役にぴったりの役者を得られたのが今回の公演の成功の元!
 では、主役コンビはというと、こちらはひたすらオペラティックに声で勝負。トニーの歌う「マリア」はカレーラスヴァージョンの高音をやたらと張り上げるものだったけれど、太く通る声で楽々と歌いきってた! 通常、歌声としゃべり声のギャップの大きい人は、芝居〜歌の流れを中断してしまうので、僕はあまり好きじゃないんだけれど、ここまで歌いきってくれればもう拍手喝采。(というか、歌「だけ」良かったんだもん。。。) 対するマリアは、音響の不手際でマイクが音を拾わない時でもちゃんと声をホール中に響かせたのはさすが。マイクを使っている前記コーラス隊よりもマイクなしのソロの方が声が通るだなんて!!!
 オーチャードホールの観客は日本で一番洗練されていると思うんだけれど(キレイなお姉さん、格好良いお兄さんの確立も高い!)このホールに合った、シャープでシンプルな演出でした。劇団公演ではないので、お客さんもいろいろな「ウェストサイドストーリー」を見ているので、休憩時間にそこここの席での話が聞こえてくるのも楽しいです。あ、気になったのは大道具係。オペラハウスで上演していたプロダクションのせいか、四階建ての非常階段の装置は高さがあって迫力たっぷり。でもね、これらを動かすのは人力。それも日本人。舞台が明るい状態でも平気で出てきて、のんびりとセットを動かすものだから、ちと気になったなぁ。この部分は変更を切に願います。


2003年08月17日(日)17:00-19:45
スイセイ・ミュージカル「FAME」@東京芸術劇場中ホール

A席 7500円 1階-O列-2番 (パンフレット:1500円)
演出:西田直木

 シャーマン:安奈淳
 ベル:高汐巴
 タイロン:阿部雅浩
 メイベル:福島桂子
 セリーナ:今泉りえ
 カルメン:堂ノ脇恭子
 ラムチョップス:金子昌代

 上演の度にキャストが変わり、台本に手を入れられるスイセイ版「FAME」。常に進行形という上演形態ですが、芸術高校の四年間という内容のこの作品にはふさわしいのかもしれません。常に若々しさとエネルギーを感じられるがこの劇団の特徴。時に野暮ったく感じることすらある熱血体質がこの作品にはドンピシャリ。役者の出来不出来も「優等生もいれば、劣等性もいるわなぁ」と高校生に重ね合わせて観てしまうので、いつもより観客の視線もやさしい(あ、僕だけ!?) また、主要キャストのみならず、アンサンブルの一人一人が気持ちよくたっぷり踊っているのが印象的でした。場面によってはバックダンサーに視線が釘付け(ちなみに雪路かほ嬢を発見!) そして、そんな高校生たちを厳しくも暖かく見守る先生たち。オトミさんもペーさんもちょっと仕草だけで感情や貫禄を示すことが出来る「格好良い」女性なので、出番が少ないながらも強い印象を残しました。劇団員だけで上演される事もある「FAME」ですが、僕個人としては、今回のような効果的な客演の導入というヴァージョンが好きです。別世界からの役者というのはおのずと舞台上で新しい雰囲気を醸し出しますから。今回は音響さんゆえか、もしくは席ゆえか、台詞や歌詞が聞き取れないのが残念でした。

2003年08月18日(月)11:00-13:40
宝塚歌劇団宙組「里見八犬伝」@日本青年館

B席 4000円 2階-D列-17番 (パンフレット:600円)
演出:鈴木圭

 犬江親兵衛:水夏希
 静姫:草凪萌
 玉梓:高柳みどり
 素藤:悠未ひろ

 演出良し、出演者良し、作品良しという三拍子揃った素晴らしい公演でした。全公演通して完売御礼。客席の熱気と舞台のやる気が相乗効果。勢いがある公演というのは気持ち良いですね。
 まずは今回がデビューとなった鈴木氏の演出がスピーディかつ丁寧。バウホールや青年館というと小劇場というイメージがあるけれど、実は舞台面は結構大きいのです。間口が青山劇場と同じ位。その大きなステージで、ミュージカルお得意の同時進行の芝居(三つ位の場面を同時に演じてしまう。ウェストサイドのトゥナイトみたいな感じね)をはじめ、花道や移動装置の活用などで、今までになくテンポ良いステージング。良い意味で「大劇場の地方公演」という印象を受けました。主要キャストだけで10人以上いるし、それぞれの見せ場もきっちり押さえているとあって、まことに贅沢な公演。このまま大劇場で上演しても良い位。ただし、宙組の生徒は誰が誰だかわからないのが残念。上手い下級生だなぁ、と感心し、誰だろう?とパンフをめくると結構上級生だったりします。
 で、出演者ですけれど、主演の水君に余裕と勢いがあって、堂々たる主演ぶり。貫禄たっぷりに歌い踊るプロローグに続き、斜に構えた野郎、包容力ある頼もしい男性、凛々しい立ち回りと、まさに男役の魅力全開。彼女の今までの役の中で一番良かったなぁ。代表作誕生ですね。今回の公演、水君ファンにとっては幸せなことでしょう。
 相手役の草凪嬢(初めて注目しました)も遠慮なくぶつかれるとあってか、萎縮せずにのびのびと歌に演技に大活躍。宝塚の娘役としては結構スピントな声を要求されるナンバーもとりあえず体当たりで挑戦。あとは場数かな。水君とのバランスも良く、なかなか好感の持てる娘役でした。
 さてはて、宙組のみならず、宝塚の中で僕が一押しのジェンヌの高柳ポッポさん。期待はしていたものの、まさに彼女ならではの怪演。メイクに凝り、声色に凝り、怖いの何のって。悪企み中の高笑いも怪しければ、断末魔の叫びなんて、今回の公演を通じて最高の見せ場! もう圧巻の役者っぷりでした。実力者が実力を出し切れる作品は良いですねぇ。そして、悪役がここまで作りこめるのも座組みが充実しているからこそ。嬉しかぁ〜。
 ポッポさんに影響を受けたのか、悠未君も大熱演。そもそも、立ってるだけで「男優乱入か?」という長身だし、どちらかというと黒い役が似合う人だけに、ポッポさんと組んでの悪役が格好良い!相手を楽々と討ち倒す立ち回りは強敵という設定にぴったりだし、最後に親兵衛に倒される時の迫力と気迫には圧倒されてしまいました。個人的には、トップ路線よりも、別格脇役路線の道を究めてもらいたいものです、ええ。
 あまりに充実した作品で、本編終了後はラインダンスだぁ、と勝手にワクワクしてしまいましたがな。もちろん、本公演ではないので、ラインダンスはおろか、大階段も登場しませんが、扇子や羽扇を効果的に生かした大ダンスナンバーが華やかだし、宙組子のダンスと歌のアンサンブルの良さも発揮され、まことに清々しい公演となりました。ホント、本公演で、大劇場の舞台機構を使いまくり、スターを使いまくりでも観てみたい作品でした。(あ、今回の公演も素晴らしいんですよ。)


2003年08月19日(火)18:30-21:20
歌舞伎四百年八月納涼歌舞伎「神楽諷雲井曲毬」「野田版 鼠小僧」@歌舞伎座

三階A席 3150円 3階-ろ列-25番 (パンフレット:1200円)
 演出:野田秀樹(鼠小僧)

 三太:勘九郎
 お高:福助
 與吉:橋之助
 りよ:孝太郎
 清吉:勘太郎
 大岡忠相:三津五郎

 「神楽諷雲井曲毬」は通称「どんつく」という作品。簡単なストーリーはあるものの、各種踊りを楽しむという気楽な作品。ナカナカの豪華メンバーによる演目だったけれど、やはり一番の注目はこの公演でデビューの坂東吉弥の孫、齋藤勇一郎君の初お目見得。まだ6歳位かな? 大人に混ざって懸命に太鼓を叩き踊る姿に客席のおば様は大喜び。共演者も保護者の顔。歌舞伎役者の相関関係はよくわからないけれど、親戚の方も共演だったのかな?(このあたりはAIKOさんへるぷみー)。筋書きによると「陽気で賑やかでユーモラスな風俗舞踊」とあったけれど、なまじ同時上演が「鼠小僧」とあって、バランス的に割を食らったかな。あちらに比べれば大人しく上品だぁ。
 そして、この夏の目玉「鼠小僧」ですけれど、NODA MAPの公演が歌舞伎座で行われた、という印象。主演の勘九郎さんが嬉しそうに舞台で暴れまくるのが印象的でした。歌舞伎座の舞台上にあるのはせり上がりが効果的な長屋のセットのみ(セットの角度や幕の具合によって、お屋敷になったり、裁判所(正式には何て言うんだっけ?)になったり、この舞台美術は素晴らしいです)。通常の歌舞伎公演って、舞台前1/3位しか使用しないんだけれど、ホリゾントまで使っての公演は初めて。歌舞伎座って舞台間口も広いので、奥行きの割にやたらと巨大に見えました。役者さんも、花道から本舞台へ走りこみ、滑り込み。お遊びたっぷり、アドリブもたっぷりで、まるでコマ劇場にいるような気分になってしまった程です。でも、普段は真面目な顔をして神妙に演じている役者さんの、意外なはじけっぷりが新鮮で、大笑いさせていただきました。それにしても、歌舞伎座って、マイクを使わなくても台詞がくっきりはっきり聞こえて素晴らしいです。最新式のどんな劇場よりも音響が良いですねぇ。

2003年08月20日(水)18:30-19:40
鵜飼文子「展望室サロンコンサート 夏の涼」@東京都庁北展望室

全席自由 無料 (パンフレット:なし)
 鵜飼文子:ソプラノ
 北村晶子:ピアノ(ローランドの電子ピアノでしたけど)

 いつも何度でも〜千と千尋の神隠し〜(木村 弓)
 小さな空(武満徹)←ガストンのリサイタルでも聴いた曲!!
 翼(武満徹)
 Nobody knows the trouble I've seen(黒人霊歌)
 Go, Tell it on the Mountain(黒人霊歌)
(休憩)
 ミスター・スノー(ロジャース)
 スーン〜私を見守ってくれる人〜エンブレイスブル・ユー〜アイ・ガット・リズム(ガーシュイン)
 踊り明かそう(ロウ)
(アンコール)
 夏の思い出(中田喜直)

 都庁の北展望室ではいくつかのコンサートシリーズがあるけれど、やはり僕にはクラシックのシリーズが一番しっくりきます。本日はソプラノの鵜飼文子さんの登場。ソプラノ歌手って音域の関係もあり、歌詞不明瞭の人が多いけれど、彼女の日本語発音は大変明瞭だったので、まずはこのことを特筆しておきたいと思います。
 さて、開演30分前だというのに、お茶している観客の前にいきなり登場してリハーサルを始めたのには驚きましたが、彼女の歌のみならずエンターテイナーぶりに酔いしれました。(かつて開場時間にホール前のカフェでお茶している演奏家も今したねぇ。。。)ほんの一時間ちょっとの公演にも関わらず、お色直しもあるという力の入った公演。客席のあちこちに視線を投げまくり、トーク中にマイクに音が入らなくなろうが、舞台が揺れようが、電子ピアノがハウリングをおこそうが、歌詞を間違えてしまおうが、ご本人様曰く「澄ました顔して歌っていますけど」というのが、いかにも都庁コンサート。(あれ、これは独断と偏見? 現況はN氏ですね・笑)。
 彼女は音大卒業後三年間神奈川県の公立高校で教師をしていたとのことですが、5本の指に入る程の「素晴らしい」高校での生活は、授業妨害に教師いびり、深夜の教師宅への集団押しかけナドナド、通常ならば苦労話になりがちな部分を、なぜか楽しそうに話される。こんなの〜んびりした子にそんな学校の教師が務まるの?と僕が心配することもなく、気づけば学校のマドンナとして君臨し「大学行くから四年間待っててくれ」という生徒まで現れたとは、大したタマやねぇ。
 中鉢ガストンのコンサートもそうだけれど、中学や高校の先生を経験している人の舞台トークってわかりやすいし、聞きやすいですね。僕は授業数の多さに恐れをなして教職課程は取らなかったけれど、経験しておくべきだったかも、と思ってしまいました。話の盛り上げ方、まとめ方が上手。そんなわけで、思い出話の他にもちょっとずつ入る曲目解説も、簡潔かつ気が利いていて、観客もヤンヤヤンヤの大喝采。すっかり手なずけられてしまった我々は、アンコールを要求したはずが、逆に合唱をさせられてしまうのでした。終演後のニコニコ顔の多さに、何だか嬉しくなってしまったコンサートでしたよ。


2003年08月25日(月)16:15-18:10
映画「10日間で男を上手にフル方法」@シャンテ・シネ1

自由席 前売一般1300円 J列7番(パンフレット:600円)
 監督:ドナルド・ペトリ

 アンディ:ケイト・ハドソン
 ベン:マシュー・マコノヒー

 雑誌の編集者のアンディは、逆恋愛マニュアルとして、体験取材を行うことに。まずは実験台になる男を捕まえようと繰り出したバーで難なくイケメンをGET。でも、その相手には裏があって……。  とまぁ、ここまで書けば展開も結果も簡単に想像がつくと思います。そして、その想像通りなので、予定調和の面白さはあるものの、エンタメとしては途中からパワーダウン。何しろ、クライマックスがないに等しいのですもの。主役のケイト・ハドソンが気取りのない、元気いっぱいな美人さんなのがこの映画の見所でしょうか。澄ました美人さんは嫌味だけれど、気さくな美人さんはとってもキュート! ちょっと白鳥麗子チックでボク好み(笑)以下はアンディ式 How to です。心当たりのある方は要注意!
 ・盛り上がったところで飲み物を買いに行かせる
 ・映画の最中に大声で話しかける
 ・会社に電話し、会議中でも強引に取り次いでもらう
 ・彼の名前を幼児語に変換して呼ぶ
 ・彼のアパートを「女の子アイテム」でマーキングする
 ・人前で言いがかりをつける
 ・2人の写真を合成して、未来の子供の写真を作る
 ・彼の会社に押しかけ、同僚の前で自分とおそろいのシャツをプレゼント
 ・ささいな言葉に過剰反応して泣きまくる
 ・内緒で彼の母親に電話。子供時代の話を聞きだす
 ・留守番電話に1分おきにメッセージを吹き込む
 ・男同士の集まりに手料理持参で乱入し、世話女房を気取る  ・彼が手料理を作ってくれたら「私これキライなの」と言ってトイレに駆け込む
……さてはて、みなさんは大丈夫でしょうか?

2003年08月28日(木)18:45-20:40
テレビ朝日「題名のない音楽会21」@ティアラこうとう

 第1部「クラシック界騒然!ビジュアル系美男アイドル登場」
 第2部「再発見!心の叫び〜民謡パワーの秘密」
全席指定 無料 1階-L列-13番 (パンフレット:無料)
 構成:新井鴎子(第1部)、渡邊健一(第2部)

 司会:羽田健太郎、村上祐子
 指揮:曽我大介  管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第1部)
 森山直太朗:さくら (岡本知高、TOKYO-FM少年合唱団)
 チャーチル:ハイ・ホー (岡本知高、TOKYO-FM少年合唱団)
バーンスタイン:マリア〜トゥナイト (中鉢聡、岡本知高、足立さつき)
 レハール:愛は地上の天国 (足立さつき)
 グノー:ああ、太陽よ昇れ (中鉢聡)
(第2部)
 覇王遊戯 (池田美由紀、塙智恵、朝霞なるこ遊和会)
 アーレン:オーバー・ザ・レインボー(木津茂理、足立さつき)
 民謡大メドレー(木津茂理、池田美由紀、塙智恵)
 覇王遊戯 (池田美由紀、塙智恵、朝霞なるこ遊和会)

 「テレビの制作ってスゴイ!」と驚愕した一夜でした。舞台下には次々と大きな紙に指示を書くプロデューサーが、カメラマンや大道具は通常の舞台中継とは違って、暗転しない中、舞台上に登場するし、やり直しはあるしで、とっても新鮮な空気を感じました。お茶菓子なんぞかじりながらテレビ鑑賞だなんて申し訳ない気分(笑)
 さて、本日は2回分の収録な上に、テーマ的にも幕の内弁当状態。パンフレットを受け取った時点では「STB状態!?」と心配してしまったのですが、バラエティなんて当たり前のテレビマンたちにかかると、すっごく楽しい状態に。異種混合試合ながら、それぞれの分野の実力者が揃っていて、みなさん「楽しませる」ことに関してプロ。演奏にトークに大活躍だったのでした。各公演は45分かけての収録だったのですが、おそらく半分にされての放送では、どこをどう詰めての演奏になるのか楽しみ。
 出演者に関しては人数が多いので、ちょこっとずつね。ところで「ビジュアル系美男アイドル」というのは岡本君と中鉢さんのどちらを指すんでしょう? ボクとしてはどちらにも当てはまらないような気が……。実はTOKYO-FM少年合唱団のことだったりして(笑)

●岡本知高
 ソプラニスタ(男性ソプラノ)。中島啓江にルックスもキャラクターも声もそっくり。このようなキャラクターの人はこんごどのような活動を行うんでしょう?
●中鉢聡
 開場直前にホール脇で煙草を吸ってました。のび太はチェロだから良いけれど、歌い手さんなのに良いのぉ? 舞台では、声も表情も疲れが見られた上、共演がど派手な岡本君だったので、ちょっと食われてしまった感あり。でも、調子が悪くても、ある一定のレベルまで持っていく技術と精神力にはいつものことながら脱帽。

●足立さつき
 二期会の新人歌手、というイメージの彼女も、いつの間にやらベテランさん。何をもってベテランとするかは色々ですが、短時間に気の利いたトークでお客さんを楽しませることのできる人、というのも一つの基準。いつの間にやら声「も」太くなっていたのが印象的。デビュー当初は男性応援団が凄かったのを覚えてます。。。
●木津茂理
 民謡歌手って声量もスゴイけれど、音域も広いのにびっくり。「オズの魔法使い」の中の名曲「オーバー・ザ・レインボー」をコブシ満載で歌い上げられちゃ、開場中大爆笑。でも、レベルが高くって、原曲を知らなかったら、これはこれで感動してたかも。
●池田美由紀
 華奢な女性で、澄ましていると可憐な美人さん。音楽家というより、武道家という風情で、動きの一つ一つが、剣道の型を見ているような印象。ソロの場面でトランス状態に入った時の迫力と素の状態にギャップがあって、迫力満点でした。
●塙智恵
 博多人形みたいな可憐な姿。現役の芸大生です。演奏はすばらしいので、今後は自己アピールも磨いてね〜。


2003年08月30日(土)17:00-20:00
東宝「レ・ミゼラブル」@帝国劇場

S席 13500円 1階-K列-40番 (パンフレット:1500円/2000円)
演出:トレヴァー・ナン、ジョン・ネピア

ジャン・バルジャン:今井清隆
ジャベール:高嶋政宏
エポニーヌ:笹本玲奈
ファンテーヌ:マルシア
コゼット:剱持たまき
マリウス:岡田浩暉
テナルディエ:駒田一
テナルディエの妻:森公美子
アンジョルラス:吉野圭吾
ガブローシュ:吉武怜朗

 約一ヶ月ぶりのレミゼ鑑賞です。宝塚でいうと、大劇場公演が終わって、東京公演が始まったあたりかな。今回はアンサンブルも所見になる人が多かったので、簡単に比較はできないんだけれど、「先月までの舞台は何だったの〜〜〜」って叫んでしまったくらい、良くなってました。嬉しい。新人キャストが多いので、未知数だったり、未熟だったりする今回のカンパニーですが、その分、化け方もスゴイのかも。手抜きせず、手加減せず、舞台の上で燃焼している役者さんたちの姿と、革命に命を燃やす学生たちの姿がオーバーラップして、素晴らしい盛り上がりでした。コーラス(特に女性)の安定度も抜群で、オドオドしていた公演初盤とは打って変わって、自信に満ちてて、迫力満点。レミゼはこうでなくっちゃ!!

●ジャン・バルジャン:今井清隆
 元々バルジャンのアンダーだった人だし、芸風からいってもぴったりなので、楽しみにしていました。体格が良いので、暴れん坊で力持ちなルックス面での強みはあるし、声が暖かく、情感溢れる歌い口には酔いしれたし、満足です。高音が出ないので、滝田さんヴァージョンで歌うのかと思いきや、頑張って張り上げてました。あら、びっくり。そして、意外にも(特に高音の)声が若々しいのにこれまたびっくり。

●ジャベール:高嶋政宏
 ん〜、パスッ! 芝居好きなのは良くわかるんですけれど、いかんせん技術がなさすぎ。メインキャストは、すっと立っているからこそ引き立つ部分があるのですが、どこもかしこもこねくり回しているので、逆にうそ臭さが際立ってました。音楽や歌詞が説明している部分も演技されるとしつこいことこの上なし。周りのメンバーとの芝居のやり取りはほとんどなく「俺って演技してる」と酔いしれている様子が不快でした。バランス感覚がないので、舞台の上で悪目立ちしすぎ。歌も相変わらず・・・でした。

●エポニーヌ:笹本玲奈
 四季乃花恵のお嬢さんでしたね。エポニーヌ代表、レミゼ代表と思っていた島田歌穂がいなくなって、どうなることかと思っていた役ですが、よくもまぁ、次から次へとエポニーヌ役者が現れるものです。日本人には得意な分野なのでしょうか? 笹本嬢はまだ18歳。これからは個性を発揮し、新しいエポニーヌを創造してくださいな。

●ファンテーヌ:マルシア
 「ジキル&ハイド」では圧倒的な歌唱力を思わせたマルシアですが、さすがにレミゼのカンパニーではそこにはいたらず。意外にもファンティーヌの雰囲気(って何よ?>自分)を漂わせていたのですが、歌いだすとなぜかコブシ入り。それとね、やっぱり日本語の響きが美しくないので、ミュージカル界に進出するならば、役をもっと厳選していただきたいな。

●コゼット:剱持たまき
 楚々としてて、宝塚の娘役風の人なので、コゼットにはぴったり。そして、舞台も安定しました。自分のナンバーを堂々と歌いきれるようになったのが大きいのかな?

●マリウス:岡田浩暉
 舞台での歌唱は独特なので(おまけに帝劇は音響が悪いので)、ミュージカルに慣れてない人は聴く方も緊張するのですが、やはり、かく分野で活躍している人は、新しい歌唱方を持ち込むという意味で新鮮な気持ちになります。岡田氏の場合は、柔らかな声で、張り上げないで聴かせるのが特徴。オペラでいうとロッシーニテノールタイプかな? 髪型がやたらと野暮ったいんだけれど、ニコニコ顔が亮太郎君(あ、ヴァイオリニストね)風。割とコゼットを引っ張っていくタイプのマリウスが多かった中で、コゼットにつくすタイプのマリウスが登場、という印象を受けました。

●テナルディエ:駒田一
 彼のテナルディエ、好きです。歌と芝居のバランスが歴代一。いつでも、どこでもしたたかに生き抜くバイタリティが感じられます。そして、モリクミさんとのパートナーシップが最高。テナルディエ夫婦が登場するシーンが大好きでした。毎回違う芝居を行うのですが、アピールする時とスッとひく時の切り替えが上手いのに、頭のよさを感じました。

●テナルディエの妻:森公美子
 ますますパワーアップ。歌に演技によゆうシャクシャク。今、彼女以上にこの役をこなすことの出来る人はいないに違いありません。メイクも芝居も「お客様を楽しませよう」という気迫に満ちていて、大変心地よろしゅうございました。

●アンジョルラス:吉野圭吾
 観劇前は全然期待してなかったのです。歴代アンジョルラスの中で、もっとも歌えない人というイメージがあったもので。。。もちろん、声が出ないので、音楽面でいうとちっとも良くないし、声量もないから、ソロがちっとも決まらないんだけれど(あら、けちょんけちょんやねぇ・汗)でも、良かったのです。何がって、役者歌になってた! 朗々と歌える人だと、つい、音楽に酔ってしまう部分があるのですが、吉野君の場合は、せめて歌詞だけでも、という意識があるようで、どのシーンも発音が良く、小さな声の割には聞き取りやすかったです。そして、絶叫しまくりなところが、革命のリーダーっぽくて、ボクとしては割と好きな部類のアンジョルラスでした。(あ、でも、岡さんがジャベールの日には観たくないかも。)

●ガブローシュ:吉武怜朗
 今年はガブローシュの当たり年。Wのガブローシュだけれど、どちらも上手い! 声がしっかり出ているし、芝居心もたっぷり。それにしても、一番安心して観られるのが子役だとは! 15年〜20年後の日本のミュージカル界が今から楽しみですワ。怜朗君のガブローシュは見得を切るタイプじゃないんだけれど、気の強そうなところが、子供ながらに誰よりも勇気があり、大人顔負けの活躍をみせるこの役にピッタリでした。