観劇日記〜2003年09月〜
●06日(土)18時〜  「I LOVE YOU 愛の果ては?」@アートスフィア
●09日(火)18時半〜 宝塚歌劇団花組「野風の笛」「レヴュー誕生」@東京宝塚劇場
●10日(水)13時〜  東宝「レ・ミゼラブル」@帝国劇場
●12日(金)19時〜  トルヴェール・クヮルテット@かつしかシンフォニーヒルズ
●13日(土)17時半〜 劇団四季「異国の丘」@四季劇場[秋]
●14日(日)18時45分〜映画「座頭市」@ヴァージン シネマズ 市川コルトンプラザ
●15日(月)15時〜  古川展生&坂野伊都子「花と音楽の幸福な出会い」@ゴトウ花店本店
●16日(火)18時半〜 新国立劇場オペラ「ヴェルディ:アイーダ」@新国立劇場オペラ劇場
●19日(金)19時〜  「PURE LOVE」@アートスフィア
●20日(土)15時〜  新国立劇場オペラ「ヴェルディ:アイーダ」@新国立劇場オペラ劇場
●21日(日)11時〜  宝塚歌劇団月組「なみだ橋えがお橋」@日本青年館
●21日(日)16時〜  古川展生「近・未来派宣言! 古川展生の世界」@ヤマハホール
●22日(月)13時半〜 宝塚歌劇団星組「王家に捧ぐ歌」
●24日(水)18時〜  宝塚歌劇団月組「Lica-Rika/L.R」@東京芸術劇場中ホール
●26日(金)19時〜  東京都交響楽団「第575回定期演奏会」@サントリーホール
●28日(日)12時〜  東宝「レ・ミゼラブル」千秋楽@帝国劇場
●28日(日)17時〜  宝塚歌劇団月組「Lica-Rika/L.R」@東京芸術劇場中ホール



2003年09月06日(土)18:00-20:20
「I LOVE YOU 愛の果ては?」@アートスフィア

 A席 6000円 3階-B列-11番 (パンフレット:1500円)
 演出:山田和也

 出演:絵麻緒ゆう、堀内敬子、川平慈英、戸井勝海
 演奏:田中詞崇、工藤美穂
 あらすじはというと、第一幕は男女が出会ってから恋人同士になり、結婚するまでのショートショート。そして、第二幕では、結婚後の生活のショートショート。とかく舞台では、結婚=ハッピーエンドとなるけれど、そんな常識をくつがえす、シビアなセリフ満載の物語。
 こんなにも小洒落てて面白い作品も珍しい! 野暮ったさ,田舎臭さ皆無の,いかにもニューヨーカー好みのちょっと辛口のコメディ作品かと思います。逆に言えば,地方公演には不向きの作品かな。というのも,オムニバス形式のため,これといったストーリーはないし(16本だての舞台とでもいいましょうか),ドラマティックな展開も,帰路に歌えるメロディもなし,暗黙の了解に基づくパロディも満載のこの舞台は,出演者四人と,ヴァイオリン&ピアノのデュオ(伴奏ということばがもったいない程の高レベル!リサイタルに行きたい位です!!)のみでの展開。さすがにアートスフィアでも大きすぎるのですが(せめて博品館,できれば100席位のレストランシアター),この小屋でも作品が成り立ったのは1にも2にも出演者の実力。よくぞこのメンバーを集めたもんだと,まずはプロデューサーに拍手。とにかく早替わりの連続なのですが,その早さのみならず,キャラクターの演じ分けの見事さに唖然。とかくこの手の作品は役者の頑張りばかりが目立ってしまいがちですが(ほら、先日の山本耕史君主演のあの作品の競演者たちとか…)芸達者たちの手にかかれば,抱腹絶笑の連続。
   慈英君はお得意の百面相とコメディアンぶりで大車輪。表情の豊かさと,オーバーなリアクションが似合ってしまう事,老若男女を問わない人物描写(カリカチュア)の面白さは他の誰もが真似できないもの。将来は日本のネイサン・レインになってもらいたいなぁ。技術は上手いんだか下手なんだかわからいんだけど,キャラクター勝負のコメディにかけては日本一!……って,褒め過ぎかしらん? でも,開幕までの場内アナウンスを使っての客いじりも絶品。笑う作品を笑えるように造型するんだから凄い!!
 さて,今回の注目株のぶんちゃんだって男役だったのを思わず忘れてしまう程,女としてのレパートリーの抱負さを披露。しぐさは変に女性を意識してないように見えたし,声だって,低音から立派なソプラノ,それもベルカントの本格的なものを披露したのにはたまげたぁ! 性転換がこんなにもスムーズな元男役トップも珍しい! コメディセンスも抜群だし,ちょっとおっかないところがアメリカ映画に登場するキャリアウーマンっぽくって素敵でした。ファンの人はどう思うかわからないけれど,僕には男役よりも,今回のような女役の方が魅力的でした。イイ女です。
 期待以上に大化けしたのが,元劇団四季の堀内敬子嬢。まじめな役,お嬢さんの役専門で,優等生でつまらない女優,と思ってたのが,今回は大化け。しばらく会わないうちに不良娘になっちゃってたのでおじちゃんドキドキ。イメージとのギャップが大きいので,作品をより面白く仕上げた功労者。パンフを見た時に想像した配役がぶんちゃんと堀内嬢が逆(ご想像にお任せします)で登場し,かつそれらがはまっているんだもの。不意をくらった僕は壊れたように笑いっぱなし。まったく,腹筋が鍛えられましたさ。
 さて,残るは戸井さん。周りが余りに濃い&壊れているので一人だけノーブルに見えていたんだけれど、実は一番変な人、というポジション。真面目な顔、ポーカーフェイスで淡々と舞台をこなすのが逆にお笑いになってしまうのはなぜだろう???
 何はともあれ、個性あふれるカルテットに乾杯!と、カクテルの一杯もいただきたくなるような宵でした。


2003年09月09日(火)18:30-20:40
宝塚歌劇団花組「野風の笛」「レヴュー誕生 −夢を創る仲間たち−」@東京宝塚劇場

 S席 8000円 2階-2列-13番 (パンフレット:1000円)
 演出:谷正純(野風)、草野旦(レヴュー)

 松平上総介忠輝:轟悠
 花井主水正義雄:春野寿美礼
 五郎八姫:ふづき美世
 柳生宗矩:瀬奈じゅん
 豊臣秀頼:彩吹真央
 伊達政宗:立ともみ
 徳川家康:汝鳥伶
 花井三九郎:未沙のえる
 徳川家忠:夏見よう
 不知火:蘭寿とも
 りんどう:遠野あすか

 ポスターは野暮ったかったし,特別出演にして主演となる理事・轟悠と花組との相性が気になっていたのですが,これがこれがナカナカ良い公演でした。特定の生徒のファンにとっては序列について色々と意見はあるでしょうが,作品としては理事の出演は大いに意義があったと思います。
 とにもかくにも,理事様が素晴らしいのです。今までは「地味なトップ」として,僕の荷が手とするタイプでしたが,都会的でさわやかな花組生徒の中で際立つ重厚感や迫力を前面に打ち出し,堂々たる押し出しぶり。久しぶりの,そして次の予定が読めない本公演にかける意気込みを感じました。よその組に主演として急に出演することへのプレッシャーを感じましたさ。熱い舞台でした。和物とあって,動きの一つ一つの美しさ・大きさは他の誰の追随も許しませんがな。舞台っぷりの大きさと,役の大きさが見事にマッチして,まことに気持ちの良いトップぶりでした。やはり,宝塚はスターが輝いてこそですね。ショーでも出番は少ないながらも,プロローグでは「来た来た来た〜〜〜」という押し出しの良さ,フィナーレではドラマティックに大曲を歌い上げで,これまた特別出演としての存在をアピール。彼女にとってのベストステージではないかと思いました,ええ。
 そんな理事を迎える花組トップの春野寿美礼もこれまたタダモノではありません。キャリアからして,二番手降格かとガッカリしていたのですが,どうしてどうして,これまた立派な押し出しと実力で,文句なしのWトップぶり。自分を格好良く見せる技術に関しては麻路さき以来の感動を覚えました。舞台っぷりに余裕があるんですよ。もちろん,実力もありますが「私がトップよ!」というオーラをビンビンに飛ばしまくりなのが良かった。思うに,舞台人,それも中央に立つ人というのは,小手先のことにとらわれず,スターとして君臨していただいてこそ輝くんだな,と再認識。芝居もショーも,理事と張り合うような場面だらけにもかかわらず,萎縮することもなし,相手に合わせて手加減することもなし,お互いの長所を引き立て合うので,充実感とさわやかさを感じました。オサは静かなる立たずまいの中から,芯の強さを表現させたら旨いですね。芝居でも、リリカルな演技なのに、自害のシーンなんて、秘めたる強さを感じさせました。実は、この作品の演出家は僕が大嫌いな人なのですが、作品の良し悪しを超越して、スターの力量で見せきったしまったのにはビックリ。だって、まだ若葉マークのトップさんですよ!?!? そして,毎度のことだけれど,僕はこの人の歌が大好きです。テクニックの確かさに加え,多彩な表現力も持ち合わせているし,男役にありがちな力んだ癖もないので,とっても聞きやすいんですもの。今が旬のトップさんですね。
 で,トップ二人に対し「私だってすぐにトップが務まるわ」と存在感を示したのがアサコ。歌もダンスもお芝居(さすがに役不足でした)も大活躍。元トップ,現トップ,次期トップのそれぞれが「私を見て〜」とアピールしてて,そして,それぞれが自分の任を自覚しているというのも素晴らしい! 
 下級生では蘭とむ&愛音嬢がアンサンブル扱いでも目立ってて,勢いを感じました。おまけに芝居もショーも組長&本専科のおじ様方(!)ががっちり固めているので,安心して観られることこの上なし。……とまあ,メンバー一同がやる気に満ち満ちているんですもの,ルミさんや峰ちゃんが出てきそうな古めかしい構成・美術であろうと面白くないはずがない! 誰に注目すべきか悩ましい公演でした。昔の,トップさんが文字通り君臨していた頃の宝塚を観た気分です。
 新娘役トップのふづき嬢は芝居は固いしショーはアピールなしだしでまだまだ若葉マーク。ま,ベテランから新人に至るまでの男役バトルの前では手も足もでないのはいたしかたないのかな。僕のタイプではないけど,女王として頑張れ〜君臨して〜〜。
 彩吹嬢は影薄く,このままフェードアウトかも。。。


2003年09月10日(水)13:00-16:05
東宝「レ・ミゼラブル」@帝国劇場

A席 9000円 1階-T列-24番 (パンフレット:1500円/2000円)
演出:トレヴァー・ナン、ジョン・ネピア

ジャン・バルジャン:今井清隆
ジャベール:今拓哉
エポニーヌ:笹本玲奈
ファンテーヌ:井料瑠美
コゼット:剱持たまき
マリウス:泉見洋平
テナルディエ:三遊亭亜郎
テナルディエの妻:瀬戸内美八
アンジョルラス:坂元健児
ガブローシュ:吉武怜朗

 そろそろ、千秋楽までのカウントダウンが始まりそうなレミゼ。新しいキャストにも、変更箇所にも慣れ、ようやく落ち着いて観られるようになりました。プレビュー以来久しぶりに見る人もいれば、今回は初お目見えの人もいる本日の公演。全体的に、まとまりと遊びが程よくブレンドされた素晴らしい仕上がりでした。新人揃いで、どうしようもなかったアンサンブルの面々が、いつの間にやら役者として成長し、革命闘士として舞台で生きていたのが印象的でした。以下は本日初見の方々の感想です。

●ジャベール:今拓哉
 演技も歌もルックスも合格点。これといった欠点の見当たらない役者なので、初見の人にはオススメ。でも、欠点がない=売り込みのポイントもない、なので、今回のような競演スケジュールだと影が薄くなってしまうのも事実。役に入り込んでないような印象を受けます。不完全燃焼を感じてしまうんですよねぇ。。。今なお、劇団四季臭がプンプン。

●ファンテーヌ:井料瑠美
 今日の出演者って、そのままファントムが上演できそう(笑) かつてのクリスティーヌもいつの間にやら母を演じるようになりました。で、これがちっとも良くなかった! 「こんなに下手だったっけ?」と唖然。もともと、歌のテクニックはなく、雰囲気で歌っている人というイメージだったんだけれど、独りよがりの演技と歌唱が悪目立ち。この人もまだ四季臭が抜けきらず、台本を棒読み(この作品だと棒歌いですね)しているだけなのが残念。

●マリウス:泉見洋平
 8月までアンサンブルで出演していたせいか、登場間もない割に、役作りは完成しているように見受けられたし、何よりも、舞台に余裕がありました。競演の他マリウスがソフトで坊ちゃん系列なのに対して、ストイックな雰囲気のマリウス。アンサンブルの面々との芝居のやり取りや、堅物青年が恋に落ちる様子が丁寧に表現されていて、僕としては好きですね、このマリウス。歌もシャープで「カフェソング」は歴代一の絶唱と思いました。

●テナルディエの妻:瀬戸内美八
 怖い恐い強いマダムです。登場シーンからド迫力。僕がコゼット子役だったら、演技でなく本当に泣いちゃう。亭主に対してもガミガミ。覚悟していたとおり、歌は相変わらずなんだけれど、役造りの細かさ、表現力の確かさは、ピカイチ。細かな芝居、大芝居の切り替えが抜群にうまいのです。自分の存在感の強弱を自由自在にコントロールしてしまうのにはたまげました。脇役なのに、ルミさんが舞台にいると、目が釘付け。一緒の場面に出演されてたみなさん、ごめんなさい、ほとんど観てません! それとね、これは宝塚時代からのファンにしか受け入れられない意見かもしれないけれど、革命の場面ではアンジョルラスとして登場して星かった(笑)なぁ。今でも格好良いです、男役として(爆)


2003年09月12日(金)19:00-21:00
トルヴェール・クヮルテット@かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

 S席 4500円 1階-8列-12番 (パンフレット:無料)
 ゲスト:本多俊之

 プラネル:バーレスク
 バッハ:G線上のアリア
 ドビュッシー:四重奏曲
 本多俊之:お囃子〜ヒグルディ・ピグルディ
 ロリンズ:オレオ
 ロジャース:マイ・ロマンス
 本多俊之:D-Walk
 本多俊之:サキソフォン・パラダイス
 コリア:スペイン
(アンコール)
 ストレイホーン:ラッシュライフ
 色んな曲のメドレー

 サックスのクヮルテットのコンサートは初めてです。本日の引率、らっしいが昔からさかんに紹介していた団体なのですが、第一印象は「吹奏楽コンクールを思い出すなぁ」ってこと。普段、サックスの響きってそうそう聞くことありませんもの。音域は広いし、今後どう発展していくのか興味深い楽器ですね。
 さて、結成して16年目になるというトルヴェールの面々。みなさん素晴らしいテクニックを披露。超絶技巧の連続なんですが、顔だけみていると「簡単でっせ」と涼しいお顔。おまけに、テクニックなんざ別次元のことらしく、とにもかくにも「楽しんでます」という表情なのが印象深かったです。お客さんの入りだとか、どう目立とうか、などという事はうっちゃっておいて「アンサンブルって楽しい〜」という雰囲気(あえていえば、全パートがのび太になったARCOの10年後・笑)。アインザッツもばっちり、吹き継いで行くフレーズの音圧や音色の統一もばっちり。まるでソロを聞いているかのような錯覚に陥る四人組でした。
 が、これが演奏の合間のトークともなると急ににぎやか。まずは誰がしゃべるのか、舞台進行はどうするのか、等等、通常であれば組んであろう段取りというものが皆無。勝手にしゃべり、勝手に観客と遊び、いつの間にやらメンバーで言い争いまでしてる! ま〜何というか、高校ブラスの定演のリハーサル中みたいで、思わず笑ってしまいました。
 こんなにもまとまっている団体によそ者(=客演)が加わるとどうなるのかと思いきや、本多氏は音色も音楽性もまったく異なるにもかかわらず、すんなり溶け込んでしまったのには仰天! STBの時も思ったけれど、クラシックの人は楽々綺麗な音を響かせるんだけれど、ジャズだとかアマチュアの音って、力任せだったり、汚かったりで、聞いてて疲れる音でしょ!?(←独断と偏見ですね。でも、異議は却下!!)通常なら相いれない組み合わせなのに、溶け込む溶け込む。公式が当てはまらないのが音楽の面白いところですね。
 でも、でも、一番僕のツボにはまったのが、テナーサックスの新井さん。はるたん(兄)が出演しているのかと思った! 太さといい(笑)、舞台上の様子といい、ソックリ!!


2003年09月13日(土)17:30-20:00
劇団四季「異国の丘」@四季劇場[秋]

 C席 3150円 2階-9列-28番 (パンフレット:1300円)
 演出:浅利慶太

 九重秀隆:石丸幹二
 宋愛玲:佐渡寧子
 神田:深水彰彦
 李花蓮:佐和由梨
 劉玄:青山祐士

 あちこちで言ってますが、太平洋戦争物は苦手なのです。関係者が数多く生存しているので「レミゼ」や「ベルばら」のような、エンターテイメントに徹した作品にならず、主義主張の場になってしまうのがどうも…。もちろん、僕のように政治・経済大嫌い(ボビー・チャイルドと呼んでください・笑)な人でも話についていけるわかりやすさ、展開のわかりやすさ、という点では良く出来ている作品なんだけど、いかんせん、人間ドラマ、ことにロマンス面では書き込み不測の駄作。浅利さんは心理描写だとか愛情表現に関しては苦手な印象を改めて持ちました。出会いのときめきも、許されざる恋への苦悩も表面的だし、主役の死に方もあっけないし。実在の人物がモデルとはいえ、もっとこの部分は大芝居で泣かせてほしかった! ま、辛口作品だし、感情表現が希薄な四季の役者さんたちには合ってるかな? キャストのキャラも技術も破綻なく、作品としては優秀。好きな人が多いのも納得。でも、僕は大嫌い! 僕の好みではもっともっとスケール大きくドラマティックに盛り上げてほしいなぁ。。。
 今回の注目はヒロイン役で四季初登場の佐渡っち。彼女のやわらかく、クラシカルな歌唱が大好きなのです。「レミゼ」のコゼットも歌に関しては彼女が歴代一だと思ってます。「回転木馬」も良かったし、さぞすばらしい歌唱を聴かせてもらえるものと期待していたのですが、彼女の声に「異国」のナンバーは重すぎ〜。すごく無理して歌ってて可哀相。本来はもっと軽い声なんですよ。初演の保坂さんとあまりに声質・歌唱法が違うので、割を食ってしまった感あり、です。
 続投の幹ちゃんは相変わらずの二枚目ぶりでステキでした。最近、おっさん路線に転向の気配がありましたが、まだまだ青年役でいけます! 中年以降のシーンではなぜか高橋英樹さんにも見えちゃいました(^з^)-!! 目元が。そして、後ろ姿がいつの間にか実年齢相応になっていたのにショック。だって、若手として初登場した人、というイメージの人ですもの。彼が年取ったということは、僕も年取ったってことでしょ(汗)


2003年09月14日(日)18:40-20:35
映画「座頭市」@ヴァージン シネマズ 市川コルトンプラザ

 全席指定 1500円 K列-20番 (パンフレット:800円)
 監督:北野武

 座頭市:ビートたけし
 服部源之助:浅野忠信
 おうめ:大楠道代
 おしの:夏川結衣
 新吉:ガダルカナル・タカ
 おせい:橘大五郎
 おきぬ:大家由祐子
 銀蔵:岸辺一徳
 扇屋:石倉三郎
 的屋のおやじ:榎本明

 ヴァージン・シネマの招待券の有効期限が今月いっぱいだったので、実は消去法で選んだ映画です。「映画祭で賞を取ったらしいし、見てみるか」って。ところが、これがとんでもない傑作だったのにびっくり。どうも「座頭市」というと勝新のイメージがあるのですが、たけし版は金髪の散切り頭で登場、としょっぱなから新しい趣向。ストーリーはお馴染みの時代劇なのですが、バランス感の良さが今までの映画と違うところ。重いシーンと、合間合間に挿入されるコメディのバランスが良く、冗長になり勝ちなシーンも、もったいぶらずにサクサク展開。何よりも、裏拍を駆使したリズム感の良さが素晴らしく、インド映画の日本版って感じ。農耕シーンはSTOMPだし、何よりも最後の大フィナーレは出演者全員でタップダンスを披露。15Rというだけに、やたらと血なまぐさいのですが、最後の最後がハッピーで終わるのは後味が良いですね。
 出演者はどの人も役にピッタリなものだから、誰一人としてしつこい演技などせず、作風にあわせてか軽く、飄々と演じているのが印象的でした。題材が題材だし、上映時間も長いので、舞台役者を多用なんかされちゃ、この映画の良さが出てきませんがな。適材適所な映画です。


2003年09月15日(月)15:30-17:05
古川展生「花と音楽の幸福な出会い」@ゴトウ花店

 全席自由 5000円 (パンフレット:無料)
 ピアノ:坂野伊都子

 エルガー:愛の挨拶
 サン=サーンス:白鳥
 ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調作品19より第3楽章
 フォーレ:夢のあとに
 ポッパー:ハンガリー狂詩曲
(休憩)
 ビリー・ジョエル:オネスティー
 ピアソラ:リベルタンゴ
 ピアソラ:アディオス・ノニーノ
 山崎まさよし:One more time, One more chance
(アンコール)
 グノー:アヴェ・マリア
 岩代太郎:愛の香り

 お花屋さんに数十人集まってのミニコンサート。これが上質でアットホームで最高に楽しいひと時でした。のぶおちゃん(のび太から改名)は昨日までサイトウキネンフェスティバルに参加していたのに、今日はもう東京でコンサート。その体力と精神力には脱帽。いつもののぶおちゃんファンは数少なく、どちらかというとゴトウ花店のお得意さんたちの集まりといった感じ。お客さんの垢抜け具合、お洒落感覚の素晴らしさに、おもわず普段着で来てしまったことを後悔(汗)開演前はいつものごとく「本日ののぶおちゃんのシャツの色当て」。今のところ、僕の正答率は100%。フフンッ。今日は赤シャツでした。会場では「サイン会もありますよ」とCDも販売されていましたが、すべてのCDは購入済みだし、サインだっていただいているんですよねぇ。そろそろ新しいCDをリリースしていただかなくては! えっとね、B→Cみたいなのが良いなぁ>ご本人さま。
 お花屋さんが会場ということもあって、実は音響はまったく期待してなかったのですが、どうして、どうして、今までののぶおちゃんのコンサートの中では最高の音響空間。演奏者に近いから、どうしてもカシャカシャした弓の音は聞こえるんだけれど、それにもまして全体の響きが豊かなので、「響いているのに、細かな音まで聞き取れる」という、まるでCDを聞いている時のような特権環境を生で体験。ピアノはYAMAHAのG3の蓋を全開したのですが、チェロとの音量のバランスもバッチリ。最近、のぶおちゃん(←コレ長くて入力しにくい!)の音って太くなった???
 のぶおちゃんファンにとってはお馴染みのナンバーが並んだし、ピアノは伊都子さんだったので、リラックスしての鑑賞だったので、安心してのび太節を堪能。弦楽器は一つの音を伸ばす際に、音色を変化させたり、音の強弱を付けたりできるのが強みだけれど、だからといって、やりすぎると嫌らしくなるでしょ。ここいらのバランス感覚についてはのぶおちゃんのことを信頼しているんだけれど、聞いてて羨ましくなるほどの音遊び。気持ち良いねぇ。反面、これはのぶおちゃん以外でもそうなんですけれど、弦楽器による重音演奏は響きはきれいじゃないし、流れも悪くなるので僕はあまり好きじゃないんです。こちらはピアノの方がずっと良いわぁ。で、ここで出てくるのが伊都子さんの弾力のある和音の連打。羊羹のような音とでも言いましょうか。これだけの音を楽々と弾きこなしてしまうピアニストも珍しいと思います。彼女の腕の動きを真似してももちろんそんな音が僕には出せないことはわかっているのですが、ついつい帰宅すると真似してしまいます(笑)
 さて、聞きなれた曲ばかりとはいえ、逆にそれはのぶおちゃんの変化がわかりやすいということもあり、これはこれで楽しいものです。さっき、チラリと書きましたけれど、CDでの音と今の音はだいぶ違いますし、演奏の波っていうのもありますしね。今日はしっとりジックリ。弾いているご本人様も会場の響きを楽しんでいる感じ。(もっとも僕の席からは、前の人が邪魔で、のぶおちゃんの輪郭部分しか見えなかったのですけど。額縁効果とでもいいましょうか。) 今日みたいなノリの演奏が僕は一番好きです。クラシックのアンコールピースは小洒落てたし、ポップスはクラシックの人が苦手とする音の抜きが絶妙だったのですが、僕にとっての白眉はアンコールの2曲。「シニョール ドン・ファン」を観にいってはフィナーレで「のぶおちゃんプリーズ!」と怒りまくってた「アヴェ・マリア」を、この会場で、この音響で、そして、期待通りの演奏で聴けて大満足。難しい曲だと、ハッタリで感動を与えることはありますけど、シンプルかつ簡単な曲(ってチェロでは弾いたことないけど)で、じっくり聴かせていただくと得した気分になります。「愛の香り」も、チェロの響きに合っててキレイ。
 ……久しぶりののぶおちゃんのチェロだったので点数が甘いのか、休憩時間にいただいたタルトやクッキーが美味しかったため機嫌が良かったのか(どこのお菓子だったんでしょう?)、とにかく楽しけりゃOK。音「楽」ですもの。夏休みも終わり、本格的にクラシックシーズン到来ですね。次の週末がこれまた楽しみです。


2003年09月16日(火)18:30-22:30
新国立劇場「ヴェルディ:アイーダ」@新国立劇場オペラ劇場

 D席 6615円(会員割引) 3階4列47番 (パンフレット:1000円)
 演出:フランコ・ゼッフィレッリ
 指揮:ダニエル・オーレン
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 アイーダ:マリーナ・フラタルカンジェリ
 ラダメス:ヴァルテル・フラッカーロ
 アムネリス:ルチアーナ・ディンティーノ
 アモナズロ:牧野正人
 ランフィス:妻屋秀和
 エジプト国王:彭康亮
 伝令:於保郁夫
 巫女:岩永圭子

 30〜45分歌っては、25分休憩の繰り返し。全4幕のこの作品、開場記念公演の時は、4時間半の上演時間でしたが、スムーズな進行と休憩時間の短縮化により、4時間に収まってました。23時終演か22時半終演かというのは、ウィークデーの観劇の場合は翌日の仕事に大きな影響を与えるのです。
 人気作とあって、見どころが見事に構成されたこの作品はオペラ初心者にもぴったり。字幕がなくても何とかなりそうな作品です。あらすじをまとめてみると、
【第一幕】
 かつてエチオピアの王女だったアイーダだが、今は捕虜としてエジプト王女アムネリスの奴隷として仕えている。彼女の目下の恋人はエジプト軍の戦士ラダメス。ラダメスには戦いに勝ってもらいたいが、それは祖国の敗北を意味することに苦しむアイーダ。一方、アムネリスは財産と権力と美貌を兼ね備えた完全無欠な王女様。が、よりにもよって奴隷女が自分の恋する相手と愛し合ってるという疑惑にはじめての敗北感を味わう。
【第二幕】
 アムネリスはアイーダの境遇を慰めるふりをしながらも、アイーダの恋人がラダメスであることを聞き出して改めてショックを受ける。「奴隷のくせに」とののしるアムネリスに対し、アイーダも「世が世なら私だって王女よ!」と張り合ってしまう。
 そんなアイーダに対して「これがエジプトの力よ〜!」とアムネリスが見せ付けるだけのことはある、と思わず納得するのが、大人気、凱旋の場。壮麗な舞台装置、300人もの出演者による大レビューとなる(あ、今回のプロダクションの話ね)
【第三幕】
 捕虜に紛れ込んでいたアイーダの父は、革命を成功させるため、ラダメスからエジプトの軍事機密を聞き出すようアイーダに命令。祖国への愛とラダメスへの愛の間で苦しむアイーダ。
 アイーダは悩んだあげくようやくの思いで機密事項を聞き出すが、アモナスロがフライングで喜びの叫びをあげたため、革命は失敗。ラダメスは捕らわれの身になってしまう。
【第四幕】
 政治的には許せるけれど、女心としては許せない、と怒りまくったアムネリスは、神官たちによるラダメスの裁判を行う。が、いざ死刑が決まると後悔の念に苦しみ、何とかラダメスを救おうとするが、時はすでに遅し。思わず神官に向かっても逆上してしまうアムネリス。
 地下牢に生き埋めとなるラダメスだったが、なんとそこには(どうやって入り込んだのかわからないけれど)愛するアイーダの姿。愛し合う二人は抱き合って息絶える。そして、ラダメスの冥福のため、アムネリスは墓の上で祈り続けるのだった。。。

 開場記念公演以来、再演希望が多かったプロダクションの待望の再演。チケットはあっという間に完売するし、当日券やキャンセル待ちも長蛇の列。ま、それだけの価値はあるのです。ゼッフィレッリによる、金に糸目をつけない(とすら思われる)プロダクションですから。彼の演出は古めかしいだの、保守的だの、バブリーだの言われますが、オペラを一番楽しませてくれる演出家として、僕は一番好きです。装置は壮大なだけでなく、細かな部分の装飾まで丁寧に施されているし、衣装なんて宝塚のトップスターのフィナーレの衣装がズラリ、という状態。おかげで舞台のあちこちで、裾を踏んづけている姿がみられます(笑)
 演出のみならず出演者のノリも良かった! オケは勢いがあるし、バレエも合唱団もやる気に満ちてて、舞台から客席に向けてのエネルギーが圧倒的。ffでエネルギーを感じるというのは良くあるんだけれど、今回はppでのエネルギーが素晴らしかった。大人数での押しまくりの迫力はある意味当たり前なんだけれど、ppの響きをピシッと美しく決めることに、集中力と実力を感じました。ここまで完璧な響きが充満すると、見た目とのギャップで思わず背中がゾクゾクします
 その中で圧巻だったのがアムネリス。まずは声が素晴らしく、硬質な低音が迫力に満ちているのはもちろんなんだけれど、高音もピッチがずれずにきっちり決まります。が、何よりも素晴らしいのはそのお姫様っぷり。ポーズ一つ一つが「私を見て〜」ではなく「私は見られて当然!」と超越しているのにまず感嘆。おまけに、プライドの高さもチョモランマ。でも、最初の登場が完全無欠であればあるほど、その後の哀愁が際立つのです。だって、今まで何一つ手に入れられないものはなかったお姫様が、初めて拒絶されることを味わい、奴隷女に恋人は奪われるんですよ。さらに、王女としての権力も神官(というか神)の前では無力、結局は自分の手で恋人を死刑にしてしまうんですもの。自分の思いが通らないことなんてなかっただけに、「欲しい」という感情に対してかわいくすら思える素直さが印象的でした。回りくどいことをせずに滅茶苦茶ストレート。アイーダやラダメスがあまりしどころのない役ということもあるんだけれど、今宵は主役を食いまくりのアムネリスでした。おかげで、決して「悪くはない」はずのアイーダとラダメスの影が薄い薄い。カーテンコールもアムネリスが主役であるかのような喝采でした。


2003年09月19日(金)19:00-1幕のみで退席
「PURE LOVE」@アートスフィア

 S席 8500円 3階B列12番 (パンフレット:2000円)
 演出:小池修一郎

 純:中川晃教
 有希:大和田美帆
 京介:NIRO
 香奈:旺なつき
 漣:曾我泰久
 亜津子:伊東弘美
 征樹:石川禅
 澪:朝比奈慶

 しょっぱなの感想は「何もかもが高い」ってこと。500円位で売ってそうなパンフが2000円ってどういうことでしょう?(買っちゃったけど)。そして、僕の席番でS席だというのもちょっとねぇ。。。
 中川君の歌がすばらしい公演でした。歌手の人がミュージカルに挑戦した場合、歌詞が聞き取れなくてイライラすることが多いのですが、中川君の場合は、言葉がクリア。そして、リリカルな声を生かした、軽めの歌い口が心地よいことこの上なし。それを生かそうとしたのか、とにかく歌いっぱなしの印象。大人役では石川禅ちゃんの歌唱が一歩抜きんでて、ソロは少ないながらも(からこそ?)印象的。中川君は歌いすぎで、うまいんだけれど、逆に一曲一曲の印象が弱まってしまったのがもったいないかも。
 若手は新人っぽい人、ミュージカルに不慣れな人が多かったみたいで、三階席まではエネルギーが届かず。でも、さすがに若さを感じましたわぁ。僕が見慣れている舞台というのは、バレエもしくはジャズダンスを基本としたものなので、動きは軌跡が決まっているし、タイミングも揃う、どちらかといえば、軍隊系。それに対して、今日のダンスは市川駅のコンコースで夜中に若者が踊っているような、ヒッピホップがかったもの。良く動いているし、関節がバラバラになるような動きは凄いんだけれど、ダンスとして上手いのか下手なのかはわかりません。そもそも、一人一人バラバラなんだもん。どの振り付けが、どのタイミングが正解なのでしょう???(笑)
 眠くなるほどつまらないわけではなく、かといっても盛り上がりもなく(三階席に関しては、オープニングも幕切れも客席は盛り上がらず静か。そして、一幕が終わっただけで、なぜかモノレールの駅に向かう人がぞろぞろと。。。) そういえば、先日、同じ劇場で観た「愛の果ては」の時はバンドが素晴らしくて褒めたものですが、今日は逆。途中で帰ってしまったので、生演奏なのか録音なのか確認してないのですが「これってチェロの音なの???」と愕然。ジャンルもキャリアも違うので、比べちゃいけないと知りつつ、のぶおちゃんの音の素晴らしさを再確認。たまには浮気をしてみるものですね(って、浮気とは違うか。。。)のぶおちゃんの演奏の中での波というのもありますが(そして、ついそこを突っついちゃうんですが)よその演奏を聴くと「やっぱりのぶおちゃん(←この表記長くて嫌。変えるかも・笑)が良いな」と再認識。聞きなれた楽器だけに、最近はチェロで汚い音を出されるとそちらが気になっちゃうんですよねぇ。。。って、なんだか話が脱線してきたので、ここいらで幕としましょう。


2003年09月20日(土)15:00-19:10
新国立劇場「ヴェルディ:アイーダ」@新国立劇場オペラ劇場

 D席 6615円(会員割引) 4階1列32番 (パンフレット:1000円)
 演出:フランコ・ゼッフィレッリ
 指揮:ダニエル・オーレン
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 アイーダ:ノルマ・ファンティーニ
 ラダメス:アルベルト・クピード
 アムネリス:ルチアーナ・ディンティーノ
 アモナズロ:牧野正人
 ランフィス:妻屋秀和
 エジプト国王:久保田真澄
 伝令:田代誠
 巫女:出口正子

 主役三人にプリンシパルが揃ったためか、がっぷり三つ巴になっての歌合戦となった公演でした。まぁ、みなさん楽に声が出ること出ること。イタリアオペラならではの醍醐味を堪能しました。それでも、やはり、アムネリスのディンティーノは圧倒的な歌唱力と存在感。ファンティーニのアイーダは柄の大きさと声の強さが相まって、ボロを着てても奴隷女ではなく王女でした。二幕一場での女の争いの場面はなかなか見もの・聞き物でしたよ。そんな強い王女二人に挟まれたものですから、ラダメスはちと分が悪いかな。張りのあるスタミナたっぷりの声で人気のクピードですが、途中で疲れてしまったらしく(もしくは年?)終幕ではだんだん歌が荒くなってしまったのが残念。本当に死にそうでした(笑)
 終幕はまさにアムネリスが見せ場も締めも受け持っているのですが、「国を裏切ったのは罪じゃないけれど、私を裏切ったのは許せない、死刑よ!」とパワフルに大騒ぎしたアムネリスが一転して「安らかにお眠りください」と祈るという、このコントラストが絶品。ディンティーノはドラマティックな歌唱もいければ、しっとりと染み入るように歌うのにかけても素晴らしいので、劇場中が息を潜めて、最後のppp音まで聞き漏らさんと静まり返ったのが印象的でした。この場面は照明が落ちた後、舞台上で弔いの火のみが残るという美しい演出なのですが、この光景というのは、9.11翌日のアメリカでみた光景と同じ。「アイーダ」は古代のお話ですが、いつの世も平和を求めているのに戦争が絶えない、という悲しい現実は常に存在しているんだ、と悲しい気持ちになってしまいました。
 それにしても、どうしてこのプロダクションのアンサンブルは不気味な人が多いのでしょう? 女官たちはやたらと頭でっかちで、衣装とのバランスが悪いし、全身真っ青に塗ったくった半魚人のような兵士も登場するし。。。


2003年09月21日(日)11:00-13:35
宝塚歌劇団月組み「なみだ橋えがお橋」@日本青年館

 B席 4000円 2階F列21番 (パンフレット:600円)
 演出:谷正純

 徳三郎:月船さらら
 十六夜:城咲あい

 主演の霧矢大夢が病気のため代役公演でしたし、代役にたった人ときりやんとの実力の差が大きいということもあって期待してなかったけれど嬉しい誤算で面白い仕上がりでした! 身投げをしようとした二人がそれを助けられ、次には二人が身投げを助け、ついには身投げを商売にしようとする……というお話。何でも落語をベースにした作品だとかで、なかなか気の利いた展開。小品を集めたものなので、ちょこちょこと色んな役の人に見せ場が与えられていて、脇芝居大好きな月組の公演というのもあって、出演者もやる気に満ちてて張り切ってました。 確かにね、宝塚の作品にしては地味だし、場面転換もまったくなしでしたが、作品の完成度はナカナカ。ここ最近のバウ作品の中では一番良かったのでは? 今日の公演はいつもにまして若い男性客が多かったのですが、休憩時間にありがちな「役が多い&出演者が同じ顔でわからない」というぼやきは聞かれず、「面白いなぁ」という感想を漏れ聞きました。僕は劇団関係者ではありませんが、なんだか嬉しいぞぉ。男性好みの作品なのかな? 観劇後、考え込むことも、嫌に気持ちにもならず「楽しかった〜」と帰路につけるのは嬉しいねぇ。それだけに、客入りの悪さが残念でした。主演コンビも息が合ってて素晴らしかったのになぁ。。。さららんは「二枚目だけれど、女房の尻に敷かれてしまいそうな」へなちょこ江戸っ子を好演でしたし、あいちゃんは白城あやかの再来かと思えるほど、はじけた演技がはまりまくり。しっとりした風情とギャップがあるので、爆笑・爆笑。 感動大作じゃないけど、週末の午前にぴったりの作品でした。


2003年09月21日(日)16:00-18:05
ヤマハ サイレントシリーズ・スペシャルコンサート「近・未来派宣言!古川展生の世界」@銀座ヤマハホール

 全席指定・招待 1階B列14番 (パンフレット:無料)

 古川展生(Vc)
 渡辺睦樹(El)
 塩入俊哉(Pf、Key)
 遠山哲朗(g)
 竹下欣伸(b)←クライズラー&カンパニー以来です!
 濱田尚哉(ds)
 ペッカー(perc)←名前から外人さんかと思ってたら日本人みたい

 バッハ:協奏曲ニ長調BWV.972より第一楽章
 ルイエ:ソナタニ長調Op.3-9
 カッチーニ:アヴェ・マリア
 アディエマス:賛歌
 ジョニーがいなくてがっかり
 We Need a World from the Load
(休憩)
 Cold Duck Time
 イパネマの娘
 ショリーニョ No.1
 ウン・ア・ゼロ
 アペーロ
 男と女
 コパカバーナ
 ブレイズ
(アンコール)
 ソ〜ソファミラ、ファ〜ファミレソ……のメロディの曲。コマーシャルでも使ってるよね。何だっけ?
 古川ボサ

 またもや雨です。のぶおちゃんが雨男なのか、僕たちが雨を呼んでいるか不明です。とりあえず、今後はデータを取ってみようと、天気を記録してみることにしました。僕が行かない日についてはのぶのぶカレンダー(会員制・笑)に記載したいと思ってます。
 さてはて、本日のコンサートですが、開演時間ととなったのでのぶおちゃんが登場するかと思いきや、現れたのは渡辺氏ただ一人。拍手しようかどうか戸惑っているうちに演奏が始まってしまいました。そして「この曲を知らない」と思っているうちに演奏が終了。それでも拍手はなし。うぅぅ、ごめんよぉ>渡辺氏。会場が凍り付いている中、白シャツ&白ジーンズで登場したのぶおちゃんですが、「大人の雰囲気を目指しました(byご本人さま)」が裏目に出てしまい、前半は客席もお澄まし状態。同じエレクトーンとの競演でも、源太君との時は元気いっぱい、渡辺氏との今回はムーディな雰囲気。編曲のせいもあるのかな? カッチーニのアヴェ・マリアは「本田美奈子に迫まられて、迫られて、どぎまぎする」というイメージが焼きついている曲。本日は晴れて(?)のぶおちゃんが主役の演奏でした(笑)
 後半はバナリパ風(ブランドは未確認)オレンジシャツに着替えて、演奏者も急に大勢になり、一転してラテンノリノリの雰囲気に。今回は一部も二部ものぶおちゃんの演奏では初めて聞く曲も多くて、新鮮でした。聞きなれた曲の変化を感じるのも好きなのですが(あぁ、シアターゴーアー的感覚!)、新しい曲にチャレンジしていく過程に接するのも「あぁ、こんどはこっちの方向に向かうのか」と別の面白さがあります。サイレント・チェロ=音響的補強というイメージがあったのですが、新しい音色、響きに触れられるのも良いですねぇ。いつもの朗々としたのぶお節じゃなく、荒々しい感じ。まだまだ発展途上の楽器と、まだまだ変化していきそうな演奏家との組み合わせですので、またサイレント・チェロでのコンサートをやってほしいなぁ。
 そういや、記録用だかプロモーション用だか知りませんけれど、ホールのあちこちにテレビカメラが設置されていましたね。


2003年09月22日(月)13:30-16:35
宝塚歌劇団星組「王家に捧ぐ歌」@東京宝塚劇場

 SS席 10000円 1階5列32番 (パンフレット:1000円)
 演出:木村信司

 ラダメス:湖月わたる
 アムネリス:檀れい
 アイーダ:安蘭けい
 アモナスロ:一樹千尋
 ファラオ:箙かおる
 ウバルド:汐美真帆
 ケペル:立樹遥
 カマンテ:真飛聖

 この作品、初見感想は良くない人多いんですよ、僕のまわりでは。回数を重ねるうちにのめりこんでしまうらしいのですが。。。そして僕も拒絶反応を示してしまいました。作品としては良くできているのかもしれませんが、出演者に合ってなかった! 歌唱力には問題ありの星組ですが、コーラスもお粗末とあって、盛り上がるべきシーンで盛り上がらないのが痛い。何しろ、最大の見せ場の「凱旋の場」がまったく盛り上がらないのですから困ってしまいます。音楽も地味な上に、構成・振り付け(この部分はプリセツカヤ)がショボいので、ドラマに山・谷が出来ないのです。さらに、ただでさえ奥行きのない劇場なのに、舞台奥にはサントリーホールPブロックを組んでしまい、舞台前面も横長の移動装置(レミゼのバリケードみたいな感じね)で区切って使うので、広がりが感じられないのです。宝塚としては立体感のある装置なのが新鮮でしたが、いかんせん安っぽいんですよ。宝塚の弱点がさらけ出されてしまったプロダクションなので、僕としては(今の時点では)苦手な公演です。特定の生徒のファンならばともかく、そうでない人にはいま一つなんじゃないかなぁ。。。
 出演者は頑張ってましたよ。ラダメスの湖月わたる君は声が出なくなりかけで、歌も無理やり声を押し出しているという状態でしたが、テンションの高さと、立っているだけでトップスターという貫禄で最後まで乗り切ってました。歌とダンスは良い悪い以前に、わたる君に合ってないものばかり。リリコの人にスピントの歌を与えても、ジャズダンスの人にクラシックバレエの振りを与えても、そりゃ映えませんがな。修行中の下級生ならばともかく、トップさんには得意分野で勝負させなくては可哀想です。そんなわけで、どうしても一生懸命さが目立ってしまうので、舞台のクオリティ的にはよろしくないのですが、紆余曲折があって、トップになる過程を見てきているだけに、検討賞かな。
 檀ちゃんはトップ「女役」として圧倒的な貫禄とお姫様ぶりを発揮。歌もダンスも駄目だけれど、美貌と演技力で勝負という、かつての遙くららのようなポジションでしょうか。宝塚版もオペラ版と同じく、結局はアムネリスが主役の話なのですが、わがまま王女が真のファラオとして君臨するまでの軌跡がきちんと描かれていて、それをくっきり表現したのは素晴らしいです。彼女のベストですね。ラダメスとアイーダだけだったら「この作品は保坂さん&石丸幹ちゃんで上演できるね」と思いながら観てたのですが、檀ちゃんが登場するやいなや「宝塚じゃなくてはできないっ!」と僕も勝手に宗旨替え。品位と色気と女の感情を表現させたら宝塚のトップ娘役は追随を許しませんね。惜しむらくは、トップを立てるために、感情を吐露する場が削られていること。これは宝塚のシステム上、致し方ないのかなぁ。
 そして、これまた素晴らしかったのがアイーダ役の安蘭けい。まずキレイ。そして、奴隷でありながら、エチオピアの王女であるという貫禄もあり。彼女の特性と実力を遺憾なく発揮することのできる、これまたベストの作品でしょう。今すぐにでも宝塚を退団し、劇団四季が12月に開幕する「AIDA」にもタイトルロールで出演してほしい位です。
 この作品、ほとんどオペラの流れを踏襲しているのですが、最後のクライマックスでちょっとした変更がありありました。アムネリスが暗殺された父に代わってファラオとして就任、そして、アイーダとラダメスが地下牢に生き埋めにされるのですが、よくぞこの本を書いた!と木村先生にぶらぁぼ。三者三様の思いが、歌と芝居とダンスが一体化して表現される部分はミュージカルならではの醍醐味。圧巻でした。
 アンサンブルでは、本専科の箙・一樹両氏の旨さと、汐美嬢の芝居心とメイクの旨さ、若手の「新生星組で確固たる地位を得るぞ!」という勢いが印象的でした。娘役は……見せ場がないからなぁ。。。あ、女官たちが綺麗でした、うん。


2003年09月24日(水)18:00-20:35
宝塚歌劇団月組「Lica-Rika/L.R」@東京芸術劇場中ホール

 A席 5000円 2階C列14番 (パンフレット:800円)
 演出:齋藤吉正

 紫吹淳、映美くらら

「もうね,ぴらぴらのオレオレで凄かった」……って話をしたら
「ファン用語よねー」と笑われてしまいました。
ダンサーと呼ばれ続けたりかちゃんは,
 トップお披露目は前トップさんのための作品の再演
 ミュージカル一本立て
 ロジャースの「歌中心」のショー
 和物ショー
 そしてサヨナラ公演もミュージカル一本立て
と,意外にもダンスショーには恵まれなかったのですが,
小劇場公演とはいえ,最後に「こんな作品が見たかった」というベスト・ショーが登場。
月組&りかちゃんは正当派作品よりも,色モノ作品でこそ個性を発揮かな。
しょっぱなから「どこのクラブよ!?」とばかりに,
若手ダンサーが今風の(宝塚でこれは奇跡に近い!)のダンスを踊り狂っている中,
りかちゃんはチャラチャラと登場。
こんなにも「だらしない」のが格好良く見えるトップさんも珍しい。
いままでにいなかったタイプですね。
それでいて,決めの場面はビシッと決めて場をさらうのですから,
これはこれで完成された芸として平伏すしかありません。
へらへらと笑ってたはずが,一回ターンするだけで別人格に早がわり。
王子様じゃなくて,六本木を渇歩してそうな男になるのがりかちゃん流。
こんな男にゃ惚れるなよ,って見本のような男たちのオンパレード。
トップというよりボスって感じだったなぁ。凄い!
共演者もこれまたいろいろあるのですが(素晴らしいよぉ、えみくらと組長が!)、
もう一度見られることになったので、感想はその時に!


2003年09月26日(金)19:00-20:55
東京都交響楽団「第575回定期演奏会」@サントリーホール

 B席 4000円 1階10列3番 (パンフレット:200円・無料配布)

 指揮:広上淳一
 ソプラノ:野田ヒロ子 アルト:秋葉京子 テノール:福井敬 バス:高橋啓三
 合唱:東京音楽大学

 ドヴォルザーク:スターバト・マーテル

「秋になったなぁ」と感じるコンサートでした。
夏のコンサートにありがちな,エネルギッシュなものではなく,
じっくりたっぷり大作品に挑むのがいかにも「秋」でしょ。
「スターバトマーテル」はドヴォルザークにしては地味ながら洗練された一曲。
都響がいつもにまして透明で軽やかな音を出しているし,
東京音大もクライマックスは●友会のように絶叫でしたが,
トーンの安定したさわやかな響きだったし,
ソプラノも声量こそないものの,癖のないシンプルな響きだし,
サントリーホールに相応しいコンサートだったと思います。
このホールは2階席の方が音が良いのですが,
今日の演奏に関しては,音が散ってしまう1階席もなかなかでしたヨ。
色彩豊かにオケと合唱が響いた直後に,合唱だけがス〜っと音澪を延ばすのがとても綺麗。
残るソリストはパワフルなので,東京文化の方が似合いそう。
若手だと思ってたRちゃんのダーリンもいつの間にやらベテラン組。
合唱とソロが共演ならぬ競演をやたらと繰り広げるこの曲ですが,
お三方たちは,さすがの実力の見せ付けたのでした。
あ,ソプラノが良くないってんじゃないですよ。
ソプラノは学生たちと共演してたのでのほほんとした印象。
ん〜〜〜何と表現すれば良いのかな,,,
「学生と教授たちとの演奏」か「学生と先輩との演奏」
……というような温度の差を感じました。

温度の差といえば,金曜日の夜とあって,へろへろどろどろの僕の体調と,
今日のプログラムも相性が良くなかった!
開演前は「一つの曲を中断して休憩時間をとるだなんて!」と怒ってたのに、
その休憩の恩恵をいちばん受けたのは僕かもしれません。コーヒーおいしかったし・笑
自主反省会をしなくては。。。


2003年09月28日(日)12:00-15:35
東宝「レ・ミゼラブル」千秋楽@帝国劇場

S席 13500円 1階-N列-40番 (パンフレット:1500円/2000円)
演出:トレヴァー・ナン、ジョン・ネピア

ジャン・バルジャン:山口祐一郎
ジャベール:高嶋政宏
エポニーヌ:ANZA
ファンテーヌ:高橋由美子
コゼット:剱持たまき
マリウス:岡田浩暉
テナルディエ:駒田一
テナルディエの妻:森公美子
アンジョルラス:坂元健児
ガブローシュ:宮里駿

 今回はキャストが総入れ替え状態、それも新人揃いとあって、プレビュー初日は目を覆うカンパニーで(って今だから言っちゃっても良いよね・笑)、正直、千秋楽まで通える自信がなかったのですが、何の何の、今まででいちばん変化に富んだ人たちで、飽きることなく無事千秋楽。「役に合ってるからキャスティングしました」というよりも「今後に向けて役者を育てるためにキャスティングしました」という印象が強く、役に合ってない人も結構いたけれど、あえてそれに挑戦するだけに、見せ方を身に着けていく過程を眺められるのが面白かったです。 アンサンブルも手馴れた人がいないだけに、どこまで突っ走ってしまうのか?と心配になる位。
 千秋楽とあって、祐さんの絶唱をはじめ、各キャスト・アンサンブルも燃えてましたが、でも、でも、宮里君のガブローシュが観られたことが今回最高の収穫。歌や芝居の実力はもちろんのこと、あまりのなりきりぶり、臨機応変な演技やアドリブに関心。子役なので、次回帝劇公演(っていつになるかわかりませんが)では観られないのが残念。


2003年09月28日(日)17:00-19:25
宝塚歌劇団月組「Lica-Rika/L.R」@東京芸術劇場中ホール

 S席 7000円 1階R列21番 (パンフレット:800円)
 演出:齋藤吉正

 紫吹淳、映美くらら

 さらにパワーアップしてました。このショー大好き。りかちゃんは元より、エミクラ嬢の成長っぷりが素晴らしいのです。彼女は子役専門っぽい扱いでしたが、意外と大人っぽい役の方が似合うみたいです。一部最後のロングスカート姿でのクラシカルなダンスは、キリリとした表情も相まって、格好良いの何のって! 今まで本公演でこのような場を与えられてなかったのが悔しい!! 幸い、彼女はりかちゃんとの同時退団ではないので、今後の公演に期待。ダンスはバリバリに踊りまくるし、相手役への気遣いもみせるし、いつの間にやら真ん中がとても似合うようになってるし、今後大トップに化けるかも。ここまで育ててくれたりかちゃんに感謝! そして、大した役を振らなかった先生方には恨みを込めた一瞥を献上しましょう。(「シニョール ドン・ファン」での扱いなんてもってのほか!) 組長さんも失礼ながら結構なお年のはずなのに、パワフルで筋肉モリモリで、元気! 生粋の娘役のはずなのに、男役の誰よりも男らしいのが恐ろしい。。。可愛い衣装でニコニコ踊る場面なんて、タイのオカマショーにそのまま出れる! キッパリ!! 惚れました(なぁんて書くとびりぃさんに「やっぱりね」と言われそうですが・・・笑)
 アンコールは前回観劇時とは別の曲と衣装。聞けばアンコールの衣装と曲は3パターンも用意してあるのだとか。最後は感想を一言ずつではなく、女役vs男役の物まね対決。今宵のテーマはマイケル・ジャクソン。組長とほくしょんが大活躍で、バンドのメンバーからも大人気。カーテンコールの掛け声と歓声も凄かった〜。りかちゃん、幸せ者やね。