観劇日記〜2003年10月〜
●04日(土)17時〜  新国立劇場バレエ団「THE CHIC」@新国立劇場中劇場
●05日(日)17時〜  東宝「十二夜」初日@帝国劇場
●07日(火)18時半〜 宝塚歌劇団星組「王家に捧ぐ歌」@東京宝塚劇場
●08日(水)19時〜  市村正親「オモチャ箱」初日@シアターコクーン
●11日(土)14時半〜 東京藝術大学「モーツァルト:フィガロの結婚」@東京藝術大学奏楽堂
●12日(日)14時〜  日本オペレッタ協会「J.シュトラウス:こうもり」@北とぴあ
●14日(火)18時半〜 藤原歌劇団「グノー:ロメオとジュリエット」@東京文化会館
●16日(木)16時〜  宝塚歌劇団「樹里咲穂コンサート JUBILEE-S」千秋楽@日本青年館
●17日(金)18時半〜 新国オペラ「モーツァルト:フィガロの結婚」@新国立劇場オペラ劇場
●22日(水)19時〜 「ラフカット2003」@スペース・ゼロ
●23日(木)19時〜 伊藤亮太郎「ヴァイオリン・リサイタル」@かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
●24日(金)19時〜 京都市交響楽団 「ザ・シンフォニー特選コンサートVol.6 佐渡裕の世界 」@ザ・シンフォニーホール
●25日(土)11時〜 宝塚歌劇団宙組「白昼の稲妻」「テンプテーション」@宝塚大劇場
●26日(日)13時〜  来日カンパニー「GREASE」千秋楽@東京厚生年金会館
●27日(月)15時〜 宝塚歌劇団花組「二都物語」@日本青年館
●27日(月)20時〜 古川展生×井上鑑@STB139スイートベイジル
●28日(火)16時半〜 映画「恋は邪魔者」@新宿武蔵野館
●29日(水)18時半〜 新国立劇場バレエ団「マノン」@新国立劇場オペラ劇場
●30日(木)14時〜  宝塚歌劇団花組「琥珀色の雨にぬれて」「Cocktail」@市川市文化会館
●30日(木)18時半〜 宝塚歌劇団星組「王家に捧ぐ歌」@東京宝塚劇場


2003年10月04日(土)17:00-19:35
新国立劇場バレエ団「THE CHIC」@新国立劇場中劇場

 B席 6300円 2階-1列-21番 (パンフレット:1000円)
 指揮:渡邊一正
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 「シンフォニー・イン・C」
   酒井はな/マイレン・トレウバエフ/志賀三佐枝/奥田慎也/遠藤睦子/冨川祐樹/西川貴子/陳秀介
 「ジゼル」
   さいとう美帆/小嶋直也
 「こうもり」
   湯川麻美子/山本隆之
 「ラ・バヤデール」
   西山裕子/マイレン・トレウバエフ
 「ロメオとジュリエット」
   志賀三佐枝/デニス・マトヴィエンコ
 「JARDI TANCAT」
   厚木三杏/湯川麻美子/寺島ひろみ/貝川鐵夫/白石貴之/山本隆之

 新国立劇場バレエだんもようやくガラ公演が打てるようになりました! ここのバレエ団の公演は主演が日替わりなので、いつもはご贔屓さんばかり追いかけてしまうのですが、こうして一挙にプリンシパルが並ぶと、各々の個性の違いがあって、ナカナカ面白かったです。
 しょっぱなの「シンフォニー・イン・C」では、いきなりお花ちゃんのソロが爆裂。彼女の踊りは見得の切り方が立派なこと、そして、動きが大きく美しいのが見事なのです。孔雀が羽を広げるかのような、もしくは蕾が花開くのを高速再生で眺めているような、広がりと豪華さが最高!
 こんなに素晴らしいのならば、お花ちゃんによるワンマンショーでも良いかも、と思ってしまったのですが、さすがに主役を張っている方々は各々の実力を見せる術を持っているのがさすが。中でも印象に残ったのが志賀三佐枝嬢。小柄だし、ちょっと地味な印象があるのですが、踊る女優といった風情でこれまた僕を魅了。感情表現の幅が広く、とてもゴージャス。「ロメジュリ」に関しては、今や世界一のロメオダンサー(と僕が勝手に思っているだけですが)のマトヴィエンコとの共演もあって、本日のハイライトとなったのでした。スターのお花ちゃんと女優の志賀三佐枝嬢。タイプが違うけれど、それぞれの道を極めてて大変見ごたえがありました。(例えて言うなら、某お花ちゃんと麻乃●代って感じ)。
 男性陣も前述のマトヴィエンコがスピードと勢いがあるのに、力任せではなく、柳がしなうような柔らかな強さを感じさせ、かつては勢いが先行していて苦手だった小嶋君が抑えた表現を店、山本君は大人の男っぽさを、トレウバエフは男性的な力強さを、と登場する人が変わる度に新たなダンスの魅力を見せ付けられ、非常に楽しく充実した一夜となりました。
 トリの「JARDI TANCAT」は僕の好きなドゥアト振り付けによる小品。相変わらずのスピーディな動きと、フォーメーションの変化は面白かったけれど、いかんせんトリにするには地味だったなぁ。そして、もっと残念だったのは客入りが悪かったこと。こんなに面白い公演もそうそうないと思うんだけれど、客席が半分しか埋まってなかったのにはびっくり。新国中劇場は客席が狭いので、二階席だろうとZ席だろうと、舞台が近く見やすいのでオトクなんですよ。機会があれば是非覗いてみてくださいまし。


2003年10月05日(日)17:00-20:20
東宝「十二夜」@帝国劇場

 B席 4000円 2階-J列-11番 (パンフレット:1500円)
 演出:鵜山仁

 ヴァイオラ/シザーリオ:大地真央
 オーシーノー公爵:鈴木綜馬
 ネコ:本田美奈子
 道化:川崎麻世
 セバスチャン:岡幸二郎
 マルヴォーリオ:上條恒彦
 サー・トービー:安崎求
 フェービアン:治田敦
 アンドルー:山形ユキオ
 アントーニオ:越智則英
 レオナート:秋川雅史
 マライア:鷲尾真知子
 オリヴィア:愛華みれ

 一幕が終わった時点での印象は「真央さんとタモさんの音痴合戦f^_^;」 二人とも歌が苦手ということでは共通しているので覚悟をしてはいたのですが、それでも、絶叫するわ、音はひっくり返るわで、凄いよぉ(汗)。共演者に歌える人を揃えたので、主役の二人が歌えないのが目立つこと目立つこと。それにもかかわらず、舞台の真ん中が似合ってしまうのだから大したものです。
 真央さんは退団してからの方が長いけど、ブリブリブリッコな娘役(あの妙に馬鹿っぽい台詞回しが大嫌い!)よりも、サラサラ話す男役のシーンの方が映えますね。歌も台詞も断然格好良い! 駄洒落満載で笑いを取ってはいたけれど、彼女の武器は無表情に気取りかえった「上品さ」ではなく、勢いと反抗できない怖さで押しまくる「下品さ」だと思うので、今後の壊れ方に期待かな。盛り上がりがなく、かつ長〜いんだもの。亜門さんの演出でみたかった! 
 東宝だけ丁寧に作られた新作ミュージカルではあるし、眠くもならなかったけれど、何だか音楽座の横山作品を劇団四季の加藤演出(装置も四季風)を、宝塚劇場で上演してるみたいで、落ち着きの悪さを感じたなぁ。鏡を多用した装置は、舞台袖のスタッフや、暗転後に手を引かれる真央さんの様子までバッチリ見えるので、僕は面白かったけれど、いかんせん客席だの裏だのが見えすぎるのが作品にのめりこめない原因かな。だって、主役の人よりも舞台裏ばかり見てしまったもの(笑) おそらく「鏡に映る姿こそ真実の姿」ということと、シェイクスピアならではの上演形態を狙ったものなのでしょうが、劇場と演出がマッチしてなかったなぁ。。。二幕は話が大きく動くので、一幕ほどひどくはなかったです。
 で、他キャストの印象です。タモさんが「シニョール・ドン・ファン」の初舞台生ロケットのような衣装で歌い踊るのにはたまげたぁ! タマさんは品と温かみがあって人望ある君主にぴったり、本田美奈子嬢はいつの間にやら歌以外でも魅せられる女優になったし、麻世さんは台詞が聞きやすかったなぁ。岡さんは真央さんも真っ青の美しさでしたし(歌は結構ひっくり返ってて大汗)、越智さんは美声とハンサムさとこれまた品の良さで良き兄貴分、鷲尾女史はミュージカルとしては、洋物作品としてはどうかな、と思う部分はあれど、いかにも食わせ物な風情が楽しい。ダンサーも見せ場を与えられて張り切ってたし、これから二ヶ月、千秋楽までにどう変わっているかが今から楽しみです。でも…千秋楽まで……もういいや(爆)


2003年10月07日(火)18:30-20:35
宝塚歌劇団星組「王家に捧ぐ歌」@東京宝塚劇場

 S席 8000円 2階1列73番 (パンフレット:1000円)
 演出:木村信司

 ラダメス:湖月わたる
 アムネリス:檀れい
 アイーダ:安蘭けい
 アモナスロ:一樹千尋
 ファラオ:箙かおる
 ウバルド:汐美真帆
 ケペル:立樹遥
 カマンテ:真飛聖

 二度目の観劇です。ん〜〜〜、宝塚でコレやる必要あったのかな?というのが正直なところ。主要キャストで歌えるのはアイーダ、アモナスロ、ファラオだけだし、宝塚の売りの一つである何十場面にも及ぶ舞台転換も変化に乏しいし、装置も衣装もショボイとなっては、何を楽しみにすれば良いのだぁぁぁぁ! ……という僕の気持ちを察してか、わたさんファンのまりのすけ嬢から長大な見所レポートを頂戴しました。何十回も通っている人ならではの詳細なレポートに感激しつつ、そちらに集中。結局、宝塚ならではの場面を中心に楽しむ公演となりました。で、それはどんな場面かというと、「エジプトはすごっ、すごっ!つよっ、つよっ!」と謎の歌と踊りを繰り広げたり、「ハハハッ」と高音の発声練習をしながらアイーダをいじめる可愛い女官たち! 主役を邪魔せず、それでいて、自分の場面を小見せ場として練り上げる、という宝塚ならではの力を見せ付けられました。次回観劇(my楽の予定)は、今月末なのですが、最後の最後にはまれるかなぁ? あ、もちろん、わたさんの大きさや包容力、檀ちゃんの壊れっぷり(なぜか歌やダンスもだんだん怪しくなってますけど・汗)、中堅役者のスターとしての魅せ方と実力とのバランスの取れた安定度した舞台っぷりはナカナカなのですよ。観る人を選ぶ公演だと思いました。


2003年10月08日(水)19:00-21:00
市村正親30周年記念リサイタル「オモチャ箱」@シアターコクーン

 A席 6500円 2階-B列-28番 (パンフレット:無料)
 演出:井上尊晶

 オーバーチュア
 ようこそ 劇場へ(アプローズ)
 彼らの心は天国に(JCS)
 ヘロデ王の歌(JCS)
 ミュージカルメドレー
   ぼくって何?(ACL)
   こいつはサーカス(エビータ)
   空を行く(エビータ)
   ヴィルコンメン(キャバレー)
   ポエトリー(シラノ)
   ハンス・クリスチャン・アンデルセン(ハンス)
   みにくいアヒルの子(ハンス)
   アプローズ(アプローズ)
   ジェット・ソング(WSS)
   スヌーピー(きみはいい人、チャーリーブラウン)
   シー・ラブズ・ミー(シー・ラブズ・ミー)
   ドレスアップ(蜘蛛女のキス)
   ありのままのわたし(ラ・カージュ・オ・フォール)
   ぼくって何?(ACL)

 ヨイトマケの唄
 エノケンの月光値千金
 ラストダンスをわたしと
 ダンス・ヒストリー
   プロローグ(WSS)
   クール(WSS)
   ジャズ・コンビネーション(ACL)
   バレエ・コンビネーション(ACL)
   ミストフェリーズ(CATS)
   タップ・コンビネーション(ACL)

 オペラ座の怪人メドレー
 アメリカン・ドリーム(ミス・サイゴン)
(アンコール)
 センド・イン・ザ・クラウン(リトル・ナイト・ミュージック)
 ハッピーバースデー dear いっちゃん
 もう一度始めるぞ(スクルージ)
 サンキュー・ベリー・マッチ(スクルージ)

 もう、プログラムを書き出しただけで圧巻。今回取り上げられなかったあの作品、この作品をあわせると、一体どれだけの役を演じてきたのでしょう。そして、それらどれもが最高の出来栄えというのがまさに奇跡。思えば、市村さんは気づけば身近にいる役者さんで、いちばん多彩な役を見ている人かもしれません。30年もの間、ほとんど主役を演じ続けたんですもの。同じ長期政権者でも、真央さんが「どの役も大地真央として演じる」のに対し、市村さんは「どの役にもなりきって演じる」のが対照的。もちろん、各々の道を究めているのですから大したものです(ファンではあるけれど、最近の真央さんはちと苦手かも・汗)。四季時代の代表作を聴きながら「市村さんの在籍期間は劇団四季にとっても黄金時代だったんだな」と思いを馳せてました。一曲一曲にかけるエネルギー、表現の幅、どれをとってもまさに別格。楽しいコンサートだというのに、途中から涙がとまらない状態。なんだかね、あまりに幸せで幸せで、アンコール最後のナンバーはそのままいっちゃんに捧げたい気持ちでしたさ。市村さんは日本初演の作品に出演することが多いので、トークではオリジナルスタッフとの興味深いエピソードも満載。そのどれもが愛情と尊敬に満ちています。今回は市村さんの30周年記念リサイタルではあるけれど、そのまま日本のミュージカル史30年でもあるので、沢山の作品を紹介してくれ、魅せてくれた市村さんに感謝です。
 さて、このリサイタルは、やっぱりこの曲「ようこそ劇場へ」で開幕。オモチャ箱をかたどった大道具のてっぺんから顔を出すだけなのに、いきなり劇場中にオーラが充満。市村さんは実力面でも尊敬すべき役者さんですが、何よりも「劇場が好きで好きでたまらない」というのが客席に伝わってくるのが嬉しい。役者嬉しい・観客嬉しいの二乗の楽しさがになりますもの。このナンバーは結構シュールなんだけれど(何しろスターを蹴落とす話ですから…)、今宵集まっているのは気違いなシアターゴーアーばかりなので、いっくら「臭いトイレの空間へ♪」なんて言われても「うん、うん」と子羊のように付いていく状態。
 しょっぱなでいきなり観客の心をわし掴みにしたものだから、あとはもうジェットコースター。何しろ30年分を2時間(休憩なし)で駆け抜けるのですから大忙し。おまけに、コーラスもダンサーもなしの一人舞台なものだから、市村さんも出ずっぱり。でも、彼がスゴイのは、衣装も変えず、小道具も使わず、ポーズと表情だけで、ちゃんと作品世界をかもし出すこと。30年前に演じた役であっても、今すぐにでも出演できそうなのには舌を巻きまっせ〜。それにしても、役の幅の広さもスゴイですよねぇ。「やらなくちゃ、役がもらえない」「やらなくちゃ仕事がない」と茶化してましたけれど、それもこれも実力があってのこそ。決して「歌手」ではない市村さんだけれど、「役者歌」としては、世界屈指の実力者だな、と再確認。
 今回はリサイタルなので、ミュージカル作品が中心ですが、MCの途中で「エレファントマン」のハイライトシーンの独白の披露があったのも市村さんならでは。衣装もつけず、装置もなし、凝った照明もないのに、ちょっとした仕草と演技力だけで、ミュージカルの華やかなナンバーに酔っていた客席も水を打ったような静けさ。それでいて、演技が終わって素に戻る時の間の良さ、ほっと流れる空気。あぁ、こんなにも観客を自由自在にコントロールさせるだなんて、あたしゃ初めての体験。いえね、泣かせたり、笑わせたりのできる役者さんはいますけれど、曲ごとに、トークごとに、劇場の空気を動かしてしまうだなんて、まさに天職ですね。劇場の神様っているのかもしれない、とこの時点で僕はもうメロメロ。
 その後、ご両親や越路吹雪さんに捧げるナンバーがあり、ちょっと袖に引っ込んだと思ったら、いきなりラッパーの格好で登場。市村さんとラップの組み合わせって意外だったけれど、リズム感も言葉もメリハリも抜群の最高のラップを披露。で、そのまま、ぬぁんと「ウェストサイド」や「コーラスライン」「CATS」の超絶技巧のダンスを披露。そりゃ、トレーニングとしてダンスのレッスンを続けていたのは知ってましたが、失礼ながら年齢的なこともあり、最近はジックリ芝居&歌に専念、というイメージがあっただけに、昔と変わらず見事なテクニックに会場の熱気もさらに上昇。足は上がるしターンもバッチリ。この年でここまで踊れる、それも一人でメドレーで舞台狭しと踊るのには唖然としましたさ。ミストフェリーズのフェッテまで披露ですぞ!!!
 サプライズプログラムに酔いしれる間もなく、鳴り響くのはファントムのオーバーチュアー。幻の、ファントム様の再出現についに僕もぶっ壊れましたさ。圧巻。市村さん以降、数々のファントムを観て来ましたが、月とスッポン。同じ楽譜なのに、こんなにも表現されるものが違うの!?!?と、僕がファントム役者だったら、明日からきっと役を降りてますワ。数少ないナンバーだというのに、怪人の狂気・切なさ・苦しさがヒシヒシと伝わってきて、胸いっぱい。今すぐにでもファントムに出演して〜〜〜!
 薬物使用中のような感覚の中、あっという間に二時間経過。トリは「アメリカン・ドリーム」。あぁ、この作品も来年再演ですよね。ひょっとして、僕が大嫌いな某俳優がエンジニア役になるのかと、今から危惧しているのですが、小手先だけのその俳優と違い、市村さんのこのナンバーの広がり、役としての存在感にこれまた感動。何もないはずのステージだけれど、僕にはキャデラックとゴージャスなバックダンサーたちが見えましたさ。懐かしい舞台というのは、そのまま思い出にしておいた方が美しいことが多いのですが、今宵ばかりは思い出をさらに極彩色に染め上げてくれた市村さんの渾身のステージに圧倒されました。力が抜けて椅子から立てないって初めて。ま、そう思うのは僕だけではないようで「変なおっさん」として目立たなかったのが幸でした(笑)
 アンコールの選曲は僕の想像と違ったけれど(レオポルドパパのナンバーだと思ってました)、今までの歩みを歌い、現在を祝い、未来への決意を表明、といういかにも市村さんらしい選曲。自慢せず、客に媚びず、それでいて、自分の仕事に誇りを持っている姿に「仕事人」としての理想的なあり方を見せ付けられた気がします。歌にダンスに芝居に、これほどの代表作を持つ驚異的な役者さんに出会えた事、そして、その最盛期に接することが出来たことに、幸せと感謝の気持ちでいっぱいです。自分に厳しく、観客に優しい市村さんのこれからの舞台にも期待! 今日は良い夢を見せていただきました。ありがと〜〜〜。

追記1:市村さんのコンサートに感動しながらも、のぶおちゃんが30周年の時はどんなコンサートになるのかなぁ、と考えているなんて、痛いファンだよねぇ>自分

追記2:30周年のお祝いの言葉がプログラムには満載。そして、客席には劇団四季の関係者もチラホラ。でも、浅利さんの書き込みはなかった。でも、彼の書き込みがないのが気にならない位、退団後の人脈が素晴らしい!


2003年10月11日(土)14:30-18:25
藝大オペラ定期公演第49回「モーツァルト:フィガロの結婚」@東京藝術大学奏楽堂

 全席自由 2400円 6列-32番 (パンフレット:無料)
 演出:国松真知子
 指揮:H.M.シュナイト
 管弦楽:藝大フィルハーモニア(管弦楽研究部)

 アルマヴィーヴァ伯爵:渥美史生
 アルマヴィーヴァ伯爵夫人:柳澤利佳 ←目が大きく愛くるしい美人さん♪
 フィガロ:今村雅彦
 スザンナ:飯島香織
 ケルビーノ:山下牧子 ←絶品。タカラジェンヌも真っ青な色男っぷりでした

 二年ぶりの芸大オペラです。日暮里駅から谷中の街をフラフラと藝大へ向かったところ、おりしも「谷中祭り」開催中で、コーラスだのお琴だの、藝大生の生演奏を聴きながら会場入り。気分はすっかり学園祭でした。
 さて、藝大奏楽堂は一応多目的ホールではありますが、コンサートホールの色が強く、本舞台は狭く、袖もほとんどないので、小屋の作りといい、舞台の制約といい「音響の良くなった、新国立劇場小劇場オペラ」といった印象。他音大のオペラが結構お金をかけて豪華なのに対し、二年前の「ドン・ジョヴァンニ」は、いかにも「お金かけてません」という、あまりのショボサにびっくり。が、今年の「フィガロの結婚」は、場数は少なく奏楽堂に向いているのか、宝塚調の舞台装置を生かした演出が優秀だったのか、舞台の制約をほとんど感じさせなかったのが嬉しい。もちろん、音大オペラではあるものの、主要キャストはほとんどが「藝大OB」なので、安心して聴くことができました。そうそう、劇場エントランスでのお出迎えに立っているのが、錚々たるオペラ歌手たちだったのにはどひゃあ〜。そういや、みなさん教授でもありました!
 通常のオペラと違い、客席は親類や友人が沢山、小屋は学校内の施設、出演は仲間たちとあって、劇場内はちょっとしたお祭りムード。オケピ内の某奏者は靴脱いで演奏してました(笑) プロダクションに勢いはあるし、小屋は作品にちょうど良い大きさだし(約1000席)、台本や音楽は天才的だし(モーツァルトのオペラでいちばん好きです)、ソリストも傑出した歌手はいなかったけれど、アンサンブルの良さと気心知れた安定感は抜群。「フィガロの結婚」は若手の出番が多いし、チョイ役のソロもあちこちに存在するので、学生オペラにはぴったりですね。で、学生コーラスですが、登場するやいなや「わ、わっか〜い」と改めて認識。僕が普段見慣れているオペラやミュージカルだと、お年を召した方が「花売り娘」を演じてたりするのですが、今回のプロダクションでは、体型も動きも若々しい現役大学生(平均年齢は20歳位でしょうか?)が演じているとあって、非常にリアル。たまに例外はいらっしゃるものの、背は高いし、足も長いし、動きも軽いので、見ててワクワクします。素直に「楽しい!」と浸れる公演でした。来年は何を上演するのかなぁ?
 気持ち良く劇場を出ると、まずは学内を通り抜け。帰りは上野駅に向かったのですが、大学〜駅までお店は一件もなし。最近ライトアップを始めた上野公園内の博物館の美しい姿を堪能し、噴水や美術館の屋外展示を眺めながらの小散歩は観劇後のクールダウンにぴったり。東京文化では次回の浪費材料をかき集め、気持ちよく帰宅したのでした。ちゃんちゃん。


2003年10月12日(日)14:00-途中退席
日本オペレッタ協会「J.シュトラウス:こうもり」@北とぴあ

 B席 5000円 2階-L列-23番 (パンフレット:1000円)
 演出:寺崎裕則
 指揮:ルドルフ・ビーブル
 管弦楽:日本オペレッタ管弦楽団

 アイゼンシュタイン:田代誠
 ロザリンデ:佐々木典子
 フランク:小栗純一
 ファルケ:坂本秀明
 アデーレ:蒲原史子
 アルフレード:五郎部俊朗
 オルロフスキー:三矢直生

 昨日の藝大とは客層が全然違うのがまず面白い。場所がら?
 オペレッタ協会の作品は自画自賛が多いのですが、素人臭さと野暮ったさがあるので、僕は苦手。台本の笑いもジジババ向けなので、テンポは悪いし笑いの内容もコマ劇場チックで、オペレッタの世界じゃないんですよね。そもそも、コメディというのはたたみかけるように言葉の応酬があると思うのですが、飲み屋のおっさんの駄洒落合戦をそのまま舞台でやられても一つも面白くありませんわ。若手のファンを獲得したいのであれば、まずは台本をそれこそ三谷幸喜さんや鴻上尚史さんあたりに上質なものを委嘱すべきでしょう。容姿をとやかく言うのは酷ですが、ウィーンの上流階級を演じるにはオペレッタ協会の面々はあまりに田舎臭いし。。。あまりの酷さに途中退席を決意。
 ま、本日のお目当ては三矢直生さんなので二幕までは我慢。元タカラジェンヌがオペラでの男役をできないものか、とず〜っと思ってたのですが、このたび、退団後藝大で学んだ彼女の出現によって夢がかないました! まずは舞台上での見せ方が段違い。体の角度、目線の使い方、ポーズのとり方、台詞術、全てが他キャストとは段違い。ひいき目抜きで、彼女にどうしても目が行ってしまうんですもの。衣装の着こなしも、キザリ方も様になっているので、ただでさえ野暮ったい男性陣がますます惨め。あぁ、こんなにも力量に差があるのでは、元ジェンヌの起用は控える方がカンパニーのためだな、と再認識してしまいました。三矢さん以外のファンの人には酷なキャスティングでした。……舞台って難しいですね。。。とはいえ、彼女も藝大は出たものの、声量やソプラノ歌唱の自在さではまだまだこれからの人。オクタヴィアンや作曲家は無理かなぁ。。。あ、でも、ケルビーノは見たいぞ!! 途中退席ではあるけれど、第二幕での三矢さんが観られただけで満足の公演でした。第三幕は想像するだけで恐ろしいのでさっさと劇場を後にしましたさ。
 あ、指揮にはオペレッタの神様・ビーブル氏(フォルクスオパーの方です)を起用。さすがに、ワルツのリズムの崩し方が絶品。ワクワク感じが最高!


2003年10月14日(火)18:30-22:30
藤原歌劇団「グノー:ロメオとジュリエット」@東京文化会館

 E席 3500円 4階-R2列-3番 (パンフレット:1200円)
 演出:ニコラス・ジョエル
 指揮:マルコ・ボエーミ
 管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 ロメオ:中鉢聡
 ジュリエット:高橋薫子

 サバティーニ&ボンファデッリ組のチケットも購入していたのですが、思うところがあって捌いてしまいました。まずは中鉢&高橋組の公演を楽しむため、そして、作品がさほど好きでなかったため。いえね、フランスオペラは独特の響きが素晴らしいと思うんですよ。でも、あまりに心地よすぎて意識を失ってしまいがちなので苦手なんです。フランスオペラはヤマやタニがはっきりせず、メロディやリズムも取りにくいので、観客にも集中力が要求されますね。仕事帰りに気楽に観劇、というタイプではないですね。さらに、上演時間の長さの割に話が進まないのが辛いわぁ。
 ロメオの中鉢さんは、藤原の本公演としては初主演と言っても良いのかな? けっこう下積みが長いのですが、それが災いしてか、舞台上でのアピールが弱かった! 普段のリサイタルでは「サービス精神旺盛だし、観客思いだなぁ」とお気に入りの歌手なのですが、オペラでの大群衆に囲まれての演唱とあっては「俺を見ろ〜!」というある程度の強引さが欲しいな、と切に思ってしまいました。第一幕では緊張からかガチガチの様子で、オーラどころか「中鉢さんどこ?」状態。これはソリストとしては結構厳しいなぁ。。。
 お歌は中鉢さんも高橋さんも良く歌っていたのですが「サバちゃんorボンファデッリだったら、○○と歌うんだろうな」と聴いてもいないのに思いをはせちゃったのが自分でも意外でした。サバちゃんお得意の「いきなり高音、それも弱音」という歌いだしや、小技連発が要求される「絶対に楽譜起こしは嫌っ(ってやらないけど)」と思わせるパッセージ、おまけに、歌いまわしの難しいフレーズが延々と続き、出演者が必死なのが客席にもビンビン。なんだか新人公演を観ているような気分でした。主役カップルが文字通り、息も絶え絶えになって絶命した時に、どっと疲れが出た観客は僕だけではありますまい。藤原は脇役や合唱団が安定しているので、すごく助けられてましたけどね。
 あ、華はなくても、衣装が似合うという点では、おそらく中鉢&高橋組が上だと思います。ピチピチタイツとフリフリシャツをサバちゃんが、そして、ブリブリお嬢様衣装をポンファデッリが着ているところなんて想像できないし、似合うとも思えない(ぎゃ〜)。音友のグラビアが今から楽しみです。


2003年10月16日(木)16:00-19:10
宝塚歌劇団「JUBILEE-S」千秋楽@日本青年館

 A席 4000円 2階-D列-21番 (パンフレット:600円)
 演出:藤井大介

 出演:樹里咲穂

 会場入りしてから知ったのですが、千秋楽公演でした。おかげでお遊びがいっぱいで、オリジナル状態を知らない&樹里さんのファンではあるけれど、プライベートの彼女には興味なしの僕には理解不能な部分の多い公演で、正直、満喫したとは言いがたかったなぁ。なんだか、お茶会にまぎれこんでしまったかのような気分。
 公演案内では「リサイタル」となっていますが、実際はミュージカル。この話がとてもショボイ。下級生の未熟な芸の連続に僕は睡魔との戦い。いえね、宝塚ですからたいそうなレベルを期待はしていませんし、下級生の育成のために、場面を与える意義もわかっているつもりですが、ベテラン中年俳優が演じてこそ映えるような場面や役を与えても力量不足で空中分解してしまうのはわかりきっていること。今こそ席を蹴って帰ろうと思う直前に樹里さんが歌い踊ってくれるのでどうにか最後まで鑑賞。こんな中途半端なことをせずに、リサイタルならばリサイタルらしく、樹里さんがたっぷり歌い踊るべきだったと思います。これは構成ミス。藤井作品はガチャガチャしているのが特徴で、ベテランが揃うとジェットコースターのように楽しいけれど、いっぱいいっぱいの若手キャストによる公演だと食傷。おまけに役者に任せっぱなしの場面も多く、駄洒落や楽屋落ちの連続とあっては困ります。僕は舞台人を観に来たのであって、生徒個人はどんな子か、なんて気にしちゃおりません宝塚なんだから、もっと宝塚ならではの売りを前面に出し、弱点は隠さなくちゃなぁ。カーテンコールになって、おばさん役だと思ってた生徒が演じていたのは実はオカマ役だったというのに気づく体たらく。客席が異様に受けていた訳がやっとわかったけれど、面白かったかぁ? 普通の女性に戻っただけじゃん。。。
 ……と辛口になってしまうのですが、おそらく、市村正親氏の「オモチャ箱」という絶品のワンマンショーを観た直後であり、さらに、今回の作品に流用されているミュージカルのオリジナルをロンドンやブロードウェイで観ているだけに、あまりのクオリティの差に愕然とし、おまけにちぐはぐな衣装の組み合わせの悪さに引きまくり。宝塚の「王家に捧ぐ歌」を観る前に新国の「アイーダ」を観たのは失敗でしたが、サバちゃんの「ロメジュリ」をキャンセルして中鉢さんの「ロメジュリ」を観たのは正解。そして「JUBILEE-S」を観る前に市村さんの「オモチャ箱」を観たのも失敗。最高のものを観てしまうとその直後のものがあまりにしょぼく見えてしまうので、今後はスケジュールを立てる時に注意しなければ、と反省している今日このごろです。藝大の「フィガロ」と観た後の新国「フィガロ」はどう感じるかしらん?
 観る人を選ぶ公演でした、はい。そして、僕は選ばれなかった人。。。樹里さんは安定した力を発揮していたけれど、歌もダンスもそつなくこなすだけに「ここぞ」という場面がなかったのが辛い。常にff状態=常にpp状態みたいなもので、変化がないのは飽きます、はい。きっと、僕は宝塚の「生徒」ではなくて「芸」を観にいっているんでしょうね。宝塚ファン向きじゃないのかも。でも、それでも通ってしまうのは、やはり宝塚に他の劇団が逆立ちしてもかなわない独特の「芸」があるからに他なりません。


2003年10月17日(木)18:30-22:00
新国立劇場オペラ「モーツァルト:フィガロの結婚」@新国立劇場オペラ劇場

 C席 9450円(会員割引) 3階-4列-25番 (パンフレット:800円)
 演出:アンドレアス・ホモキ
 指揮:ウルフ・シルマー
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 アルマヴィーヴァ伯爵:クリストファー・ロバートソン
 アルマヴィーヴァ伯爵夫人:ジャニスス・ワトソン
 フィガロ:ペテリス・エグリーティス
 スザンナ:中嶋彰子
 ケルビーノ:エレナ・ツィトコーワ

 「フィガロ」いうと雅な趣のある舞台装置や衣装を連想・期待してしまいますが、今回の新国劇場のプロダクションは僕が今まで観て来た中でもっともモダンなもの。客席に一歩足を踏み入れた途端「今日は『ラインの黄金』だったっけ?」との錯覚に陥りました。だって、ヴァルハラ城のよう、かつ、斜めにゆがんだ装置だったんだもの。全幕同じ装置の使いまわし、かつ、写実的なものはほとんどなく、やたらとダンボールが積み重ねてあるだけの舞台。。。僕の好みではないけれど(オーソドックスなのが好きです)、アイデア満載の面白い舞台ではありました。そもそも、この作品ほど完璧なオペラってないと思うのです。音楽だけでも最高だけれど、芝居としてもリズムと変化に富んでいて面白いんですよ。愛の姿だけでも、新婚さん、倦怠期の中年、縁りを戻す老年、ロリコン、浮気、女ったらし等が登場。争いだって、主人と使用人、夫と妻、男を取り合う二人の女。さらにさらに、どんでん返しの連続とあって、何度観てもワクワクします。
 今回は装置にあわせてか、出演者に対する演出が、役柄に合わせた細かな指定はなかったらしく、逆にキャラクターの差があまり出てこない構成。たとえば、伯爵とフィガロが同じ体型で見分けが付け難いし、伯爵夫人も品位だとか上品さはあまり感じず(ま、元々庶民ですからこれはこれで良いかも)、衣装も貧富の差がほとんどないし、ゆえに変装のシーンもインパクトなし。使用人の部屋、伯爵夫人の部屋、お城の大広間、庭園という各場面も前記のようにダンボールがころがっているだけの空間でしたし。初「フィガロ」の方にはこのプロダクションはオススメできないなぁ。状況がわかりにくいもの。
 歌手は傑出した人は見当たらなかったけれど(期待の中嶋さんは後半持ち直したものの、前半は不調。フィガロは発声は歌いまわしが上條恒彦さんソックリ。)、今回から採用のシングルキャスト制度が功を奏してか、アンサンブルとしてもまとまりは良かったです。あ、ケルビーノはとっても美男子。声も立派で、カーテンコールの拍手は彼女がいちばん大きかったと思います。


2003年10月22日(水)19:00-21:30
ラフカット「ラフカット2003」@SPACE ZERO

 全席指定 3500円 5列-8番 (パンフレット:なし)

 第1話「ウィンカーを、美ヶ原へ」
  脚本:土田英生
  演出:G2
 第2話「消息を絶つ」
  脚本・演出:G2
 第3話「ビートバン・ゴー!ゴー!」
  脚本・演出:堤泰之
 第4話「ファイナリスト」
  脚本:福田卓郎
  演出:堤泰之

 知人が出演の舞台です。30分位の小品を4作品連続上演。僕が普段見慣れているジャンルの舞台ではないので、良いのか良くないのかもよくわからん、というのが正直なところ。ストーリーもあるような、ないようなで、知らない人の普段の会話を立ち聞きしているような気分。落ち着きが悪かったです。
 公演には関係ないけれど、東宝劇場等でお馴染みのダフ屋、通称「西郷さん」がなぜか観劇していました。どなたか知り合いが出演してたのでしょうか?


2003年10月23日(木)19:00-21:20
伊藤亮太郎「ヴァイオリンリサイタル」@かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール

 全席自由 3000円 I列-5番 (パンフレット:無料)
 ピアノ:土田英介

 ヘンデル:ヴァイオリンソナタ 第3番 ヘ長調 作品1-12
 ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2
(休憩)
 土田英介:ラプソディ〜ヴァイオリンとピアノのための(1991)
 フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調
 クライスラー:ロンディーノ
 パガニーニ(クライスラー編):ラ・カンパネラ
(アンコール)
 ガーシュウィン:「ポーギーとべス」より「そんなことはどうでも良いさ」
 ピアソラ:アディオス・ノニーノ
 シューマン:トロイメライ

 ARCOの1stヴァイオリニストの亮太郎君です。相変わらず盛りだくさんのプログラムで、お勉強になりました。(何しろ弦楽器の曲は詳しくないので。。。) ヘンデルで典雅な響き、ベートーヴェンでは今までになく野太い響き、土田作品ではいつもの亮太郎君の面影はいずこ???「お〜い、戻っておいで〜」ってな程に壊れてくれ、僕の大好きなフランクのソナタ(エロティックに始まり、憎しみだとか軽やかさだとか変化に富んでて面白い曲なのです)は濃厚に、そして、クライスラーでは気軽に、アンコールではヴァイオリン用に編曲されたピースを弾いてました。変化に富んでて面白かったですよ。
 実はベートーヴェンの器楽曲はどんなに素晴らしい演奏であっても、聴いたことのない曲であっても、思わず「ソナタの練習しなくちゃ」という気分になるので、あまり好きでないのですが、ホント、ベートーヴェンのピアノパートって、難しいくせに聴き栄えしないなぁ、と再認識。ヘンデルはシンプルでこれまたしんどいし、土田作品はあまりの音の多さがわけわからないし、ピアノに関しては、フランクになってホッと聴き入る状態でした。演奏云々じゃなくて、上記のソナタのことだとか、昔「フレーズごとに弾きわけろ!」と言われたこと、現代曲の譜読みに苦労したことなどを思い出しちゃうのでね。。。
 そんなわけで、パガニーニは、リスト版と同じメロディでありながら、展開だとか、テンポやリズムが全く違っていたりで、こちらは単純に楽しみました。まったく別の曲みたいですね。ガーシュウィンやピアソラは亮太郎節での演奏。お上品でした。そういや、亮太郎君のコンサートって「みなさま、ただいまから演奏いたしますのでお聴きください」って感じ。方や、某チェリストの場合は「みんな来てるよな? 今から弾くぞ。聴けっ!」って感じ。こんな二人が室内楽しているのも不思議よのぅ。そして、二人(というより四人か)が調和した音楽になってしまうのもこれまた面白いですワ。


2003年10月24日(金)19:00-20:55
京都市交響楽団 「ザ・シンフォニー特選コンサートVol.6 佐渡裕の世界 」@ザ・シンフォニーホール

 A席 6000円 1階-F列-5番 (パンフレット:無料)
 指揮:佐渡裕
 チェロ:古川展生

 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
(休憩)
 ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92
(アンコール)
 チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ

 ザ・シンフォニーホールに初めて足を踏み入れました。エントランスはどこかのホテルのようで落ち着いた印象。客席はサントリーよりも一回り小さく、また一階席の傾斜が急なので、舞台が近く感じました。演奏会には関係ないけれど、バーカウンターでのケーキの種類の豊富さが嬉しい。終演後、ロビーで「明日の朝にいかがですか?」とパン屋さんがワゴンを出しているのも面白かった〜。
 のぶをちゃんのドヴォコンは久し振りですが(一年ぶり?)、共演者やオケが違うとこうも印象が変わるものか、と驚いているところです。佐渡さんが指揮だったので、丁丁発止の演奏バトルを想像していたのですが、佐渡さんが古川さんを自由に泳がせる様子に「いつもの佐渡っちじゃない!」とビックリ。古川さんのみならず、佐渡さんの新しい面を見ることができ、また、古川さんがのびやかに演奏しているのが見ていて気持ち良かったです。予想外の展開でしたが、おかげで新鮮な楽しみを満喫したコンチェルトでした。
 佐渡っちは「ここまでやるか!?」って程のぶをちゃんを覗き込み、弾きっぷりを観察。ソロが映えるようにと、ひたすら黒子役に専念。のぶをちゃんの長所は前面に、あやしい部分はフォローしてくれるので、弾きやすそう&のぶをちゃんファンとしては嬉しい演奏。でも、佐渡っちファンにとってはあまりに禁欲的な指揮ぶりがつまらなかったかも。のぶをちゃんが最後の1音を弾き終わった途端に、佐渡さんらしい指揮っぷりに大変貌したのが何だかおかしかった〜。
 後半のベートーヴェンは遠慮なく佐渡っちも大暴れ。かつての佐渡っちは暑苦しい指揮者というイメージが先行していましたが、今や充実期に入られたようで、まことに聴き栄えがしました。でも、京響とは相性が悪いみたい。佐渡さんがいつもにましてオケを煽っても煽っても反応が鈍いのです。弦楽器の後ろの方のプルトの奏者たちは指揮者を無視してた感じだし、前方プルトは激しい指揮っぷりに付いていけず、空中分解してましたもの(アインザッツばらばら)。管楽器は「上手いじゃん」と思った直後に「なんなんじゃあ〜」という演奏が混在してて、聴いてて結構ハラハラしました。それと、僕が座った席は音響の関係で、とんでもない方向から金管の音が聞こえてきたりして戸惑うことが多かったです。新日フィルで聴きたかったなぁ(関西のオケはほとんど知らないので相性の良さそうな団体が思い浮かばず)。……とはいえ、お客さんはとても暖かな雰囲気で、拍手が惜しみなく送られていました。独断と偏見なのですが、関西のお客さんって東京よりも優しいかも。都内のお客さんって、時にとっても冷たくなることがあるでしょ。
 佐渡っちのことだからと、終演後は楽屋口に回ってみたら、案の定サイン会をしていました。のぶをちゃんも一緒に座っていたので、しっかりお二人のサインをいただきましたとも、ええ。佐渡っちは相変わらず人好き、子供好きっていうのが滲み出ていてホンワカムード。あぁ、でも、すみません、今回の目的はのぶをちゃんなので、いい加減ずれて〜(笑)


2003年10月25日(土)11:00-14:10
宝塚歌劇団宙組「白昼の稲妻」「テンプテーション」@宝塚大劇場

 S席 7500円 1階-15列-90番 (パンフレット:1000円)
 演出:荻田浩一(白昼の稲妻)/岡田敬二(テンプテーション)

 アルベール:和央ようか
 ヴィヴィアンヌ:花總まり
 オーギュスト:初風緑
 エドモン:水夏希
 ローラン:大和悠河
 カッサンドラ:出雲綾
 ギャランティーヌ:貴柳みどり
 ジャン:遼河はるひ
 ベラ:彩乃かなみ

 2番手格に特別出演の専科生・初風さんがトップと同期、そして組内2番手の水君と3番手の大和君がほぼ同列の扱いとあって、芝居はあちこちに見せ場を作ってしまい、焦点が定まらない状態。さらに、実質的な主役が副組長の高柳ポッポさんなので話は余計にこんがらがります。いえね、僕はポッポさんのファンですから、彼女の見せ場が沢山あるのは嬉しかったのですが、ピリリとスパイスを効かせられる人を多用するのが良いわけではない、というのを実感。どんなにポッポさんが好演したとしても、作品のバランスを崩してしまうのでは逆効果。ん〜、トップが絶対君主として君臨しているならば、生徒の競い合いも楽しいのですが、中心が定まらないまま周辺のストーリーを膨らませてしまったために、散漫な印象。(何しろトップさんが芝居苦手でしょ。。。)スター制度の弊害をもろにかぶってしまった作品と言えましょう。それをフォローするためか、サブストーリーを膨らませたものの、終盤は息切れしてしまい(もしくは時間切れか)、唐突にトップコンビのみハッピーエンド(あ、これは宙組のお得意芸ですね←嫌味よ、嫌味)。トップコンビが担うのストーリーはシンプルなのですが、中途半端な劇中劇や映えない芝居と歌唱も映えてないがために逆効果。宙組のトップコンビは綺麗ではあるけれど、舞台にすっきり漂うちうタイプのスターなので、心理描写や、位取りの難しいこの作品を振ってしまったのはプロデューサーの大ミス。なまじキャリアのある二人なので、小手先でまとめてしまったのが逆効果。時間ばかりが長く感じてしまった公演となりました。
 ショーになるとトップと二番手の差が小さくなるだけに(たいてい順番に場を持つでしょ)、ますます混乱状態。大勢でワ〜っと騒いでも、最後の最後にトップさんがドンっと締めてくれれば良いのですが、トップさんが出てきても締まらないのが致命傷。一つ一つの場面は楽しいのですが、作品としてのまとまりは今一つ。「ル・ポァゾン」の涼風真世のシーンの再演で始まったので「おぉ、耽美の世界ね」と期待したのですが、期待はあっけなく崩れ去り、ちょっと「ダンシング・スピリット」的なショーに仕上がってた印象です。それに「歌の宙組」という印象があったのですが、今回に限ってはどうも……。いえね、名前も知らない新人さんが物凄く上手いソロをいきなり歌い出したりして、さすが!の部分もあるのですが、とにかく主要キャストで歌えるのが初風さんだけというのが痛かった〜。トップの和央さんは高音&張り上げ部分はオンナ声だし、水・大和と歌い継がれると、さすがにゲンナリ。いちばんの低音を朗々と歌ったのが、女役の組長さんだった、、、というのも困りものです(組長さんファンですが・汗)。
 ……と文句は言っても、それなりの楽しみ方があるのが宝塚。組替えで宙組にやってきた大和君の女役はでかいけど可愛い! 元々素顔は可愛いし、プロポーションや動きの大雑把さが、アメリカ女優って感じで、宝塚にブロードウェイの風を持ち込んだみたいで、見ごたえがありました。デカイといえば、怖い位に長身揃いの下級生が立派に成長してきて、スケールの大きなダンスはなかなか見ごたえがあります。大階段の燕尾服での群舞なんて、他組と出演人数は大差ないのに、圧倒的な迫力があります。おまけに、ダンスの揃い方がピシっと決まっていてナカナカ気持ちがよろしゅうございます。「ラ・カンタータ」でシメさんとあやちゃんが披露した超エロエロダンスも、現宙組コンビが踊るとどんなに大胆な振り付けであろうと、すっきり爽やかでお子様にも安全に見せられるダンスになってしまうのが興味深かったです。今後下級生は上級生にとって脅威となるよう、そして上級生は自分のポジションに合った表現が必要かと思われます。次回の「ファントム」は大丈夫かぁ!?
 トップコンビはゴージャスだし、下級生にまで見せ場はあるのでお目当てのスターを眺める、という人には楽しい公演でしょうが、初観劇の人や、ご贔屓がいない人にとっては物足りない公演ではないでしょうか。


2003年10月23日(木)19:00-21:20
来日カンパニー「GREASE」千秋楽@東京厚生年金会館

 S席 11000円 1階-2列-25番 (パンフレット:2000円)
 演出:DAVID GILMORE

 DANNY:BEN RICHARDS
 SANDY:JOANNE FARRELL
 RIZZO:DAWN SPENCE

 人種差別も出てこなければ、ドラッグも不治の病も貧困話も出てこない、ひたすら元気でつっぱしるゴキゲンなミュージカル。プレスリーが全盛期のアメリカの高校生のお話です。話についていけなくなることもなく、単純なのに飽きることもなく、キャストのレベルも安定しているし、各種キャラクターも揃っているし、安心して眺めれば良いだけ。観ている僕たちはもちろんのこと、舞台上のみなさんも幸せいっぱいでした! それにしても、この時代のアメリカの高校生の物資の豊かさ、自由さには驚くばかりです。
 作品内容の割に料金が高く客入りは悪いのが残念でしたが、舞台上も客席もノリも良く、台詞に対して掛け声があったり(←アドリブで返してました)リーゼントを決めて入場している人もチラホラいたり、何よりも手拍子歓声の絶えることのない、楽しい楽しい千秋楽となりました。このプロダクションはすでに何度も観ているので、見所は押さえてあるし、字幕が見えなくても困らない展開なので、僕としては珍しく一階前方席を確保。ふふふ、実はお目当てのシーンがあったのです。が、が、ツアー用に簡略化されたセットのおかげで、そのシーンがお目当てじゃなくなってた〜。下心なんて出すもんじゃないですね(笑) それにしても、近くでみると来日カンパニーのみなさんはお腹が立派! お嬢様も二枚目君もポンポコリン。ダンスの時はお腹の肉が邪魔そうでした(爆)


2003年10月27日(月)15:00-17:40
宝塚歌劇団花組「二都物語」@日本青年館

 B席 4000円 2階-D列-35番 (パンフレット:600円)
 演出:太田哲則

 シドニー:瀬奈じゅん(初演時:大地真央/新人公演:涼風真世)
 ルーシー:桜乃彩音(黒木瞳/こだま愛)
 チャールズ:彩吹真央(剣幸/麻路さき)
 ロリー:立ともみ(麻月鞠緒/一文字新)
 マネット:未沙のえる(汝鳥伶/大和なつ希)
 ストライバー:悠真倫(桐さと実/若央りさ)
 エブレモンド公爵夫人:梨花ますみ(エブレモンド公爵:小柳日鶴/有峰里妃)
 バーサッド:真丘奈央(未沙のえる/不明)
 ドファージュ:矢吹翔(星原美沙緒/八汐祐季)
 テレーズ:水月舞(有明淳/梨花ますみ)

 初演が85年なので、18年ぶり! 当時の新人公演メンバーもすでにほとんどが退団。大劇場の前物芝居がバウ一本立てになったのですが「小さな花がひらいた」の時とは違って,あちこちに手を加えた改訂版として登場。全体的に状況説明が丁寧になった印象を受けました。フィナーレもなくじっくり芝居にひたれる2時間半。舞台も客席も勢いと集中力に満ちてました。
 今回の主演は瀬奈じゅん。今や飛ぶ鳥を落とす勢いですね。キャリアからくる余裕,トップに向けての最後の追い込み中の輝き,色気と男臭さ。まさに今が旬のスターですね。太田作品は音楽やダンスなしで,じっくり芝居のみというしんどそうな場面が多いにもかかわらず,しっかり観客をひっぱり場をもたせたのには脱帽。情感あふれる演技派ですなぁ。初演時とは役者のタイプが異なるのが得かな? でも、ここまで安定感が出てきちゃうと、来年の他組回り後、花組に戻ってこれるのだろうか?と心配になってしまいます。ほら、どこかの組でトップになるとか……。
 が,問題はルーシーさん。黙って立ってれば綺麗なお嬢さんなのですが,しゃべりだした途端に女中に格下げ。とにかく下品。役者修業以前に,日常の生活言葉はどんな子なんだろう? こんな女のために命をかけるの?とシドニーまで間男になってしまいました。それにしても,最近はやたらとガチャガチャした新人が多いですね。主役としての位取り,勢いというのはガムシャラに突っ走れば良いってものじゃないで〜。
 彩吹嬢は今回適役。主役を温かく支えるポジションがピッタリの人で,確かな技術と適度な存在感が心地良い役者さんですね。個人的は,トップ候補としてよりも,専科・組長候補として,息の長い活動を行っていただきたい……なぁんて,組内3番手さんい言っちゃ失礼かしらん?
 ルーシーパパに昇格(?)の未沙さんは,コメディよりも,今回のような抑えた役の方が僕は好きです。他組子とはさすがに技術と余裕が段違いなので,目立っちゃうんですよ,コメディだと。
 やぶしょうさんのダンディな格好良さは実はお嬢さんだというのが信じられない! 鋭く深い低音が心地よいし、動きは気障だし、最高!! 梨花さんは性格の悪い貴族の嫌な女を完璧に表現。彼女は上品な奥方よりも悪役の方が似合うと思う(褒めてるんだよぉ〜、念のため)。

2003年10月27日(月)20:00-22:05
古川展生×井上鑑@STB139スイートベイジル

 全席自由 4500円 (パンフレット:なし)
 出演:古川展生(vc)、井上鑑(pf,key,arr)、古川昌義(g)

 沖縄民謡:てぃんさぐぬ花
 井上鑑:午後の紅茶、ぶらんこ、The Gateway、Old River Bossa
 Jobim:Song of the Jet
 Donaldson:Alligator Boogaloo
(休憩)
 今剛:NE-ON
 Desmond:Take Five
 Stuff:How long will it last
 The Beatles:Lady Madonna
 Queen:Bohemian Rhapsody
 Villa-Lobos:ブラジル風バッハ 第5番
 Corea:500 Miles High〜Spain
(アンコール)
 小野リサ:CANCELA
 カザルス:鳥の歌

 ドヴォコンとはうってかわって、ムーディなライヴで、今までになくアダルトな雰囲気がNYのクラブみたいでした。クラシックの定番の曲で、演奏の変化を感じるのも楽しいけれど、その時その時の編成に合わせた編曲、掛け合いの演奏もまた面白いですね。最近ののぶをちゃんは色気が出てきまして、エロティックとでも言いましょうか、ちょっとした節回しがヤラシイのです。そういや、クラシックの演奏も音が変わってきていると感じませんか? 1年後にはまた今とはまったく違う演奏になってたりして!
 個人的には今回の編成好きなんです。えっとね、ベテランさんに囲まれて自由に泳ぐのぶをちゃんってやつが。若手をひっぱて行こうだとか、自分で何もかも仕切らなくては、というプレッシャーがない時ののぶをちゃんの演奏って遊びも余裕もあって、爽快感のある伸びやかさがあるでしょ。そして、不思議とそんなのぶをちゃんを「うん、うん」と目を細めて見守る共演者に恵まれるんですよねぇ。
 井上さんはやっと名前と顔が一致しました。実はお顔は前々から存じていたのですが「一般人じゃなさそうだけれど何者?」と思っていたのです(笑) 昌義さんはたぶん初めて。クラシックと違って、今回限りの譜面というのが多かったと思うのですが、のぶをちゃんはそのほとんどを目を閉じて演奏。プロなんだから当たり前といえば当たり前なのですが、譜読み大嫌いな僕としては、その速読&消化力に脱帽(才能だけでなく練習もあるのでしょうけどね)。ま、努力は見せずに夢だけ見せていただければ良いのです。あまり努力・努力を前面に出されると引きます、ええ。


2003年10月28日(火)16:45-18:25
映画「恋は邪魔者」@新宿武蔵野館

 全席自由 1300円 (パンフレット:600円)
 監督:ペイトン・リード

 バーバラ:レニー・ゼルウィガー
 キャッチャー:ユアン・マクレガー

 この秋は僕好みの映画が立て続けに公開されます。この映画もその一つ(ちなみに他に気になっているのは「キューティ・ブロンド2」と「ジャスト・マリッジ」です。えっ、お前の趣味が丸わかりですか? おっしゃる通りです、はい。)です。「恋は邪魔者」ですが「セックスはイエス!」という視点のノンフィクションが大ブレイク、という60年代のNYを舞台にしたラブコメディです。衣装はとっかえひっかえデコラティヴだし、音楽はPOP、会話はお洒落な上にどんでん返しの連続。お腹をかかえて笑い転げてしまいました。この映画好きやわぁ。
 そもそも、この映画のベースとなっているのは「セックスの快感は来いや愛とは関係なし。快感はチョコレートで得ましょう! チョコに生物的反応を示し、脳内でセックスと同じ快感を覚えます。セックスと愛の違いを理解し、恋愛感情に縛られなくなり、そのエネルギーを新しいことに向けることができます。」という理論。あれ、そういや、僕はほぼ毎日チョコレートを食べてはいるんだけど、、、オトコはダメなのかぁ(残念)
 保守的な時代の最後(間もなくウーマンリブの時代が到来)とあって、女性が現状に満足せずに爆発寸前、の話なので、スリリングな展開が楽しめますよぉ。おまけに、レニーとユアンのW主演とあって、展開が読みにくい部分もあるしね。もちろん、最後はちゃんと二人はくっつきますのでご安心を。元気になりたい時に観るのにぴったりな映画ですよ。オススメ。


2003年10月29日(水)18:30-21:30
新国立劇場バレエ団「マノン」@新国立劇場オペラ劇場

 C席 3150円(会員割引) 4階-1列-51番 (パンフレット:800円)
 振付:サー・ケネス・マクミラン
 指揮:バリー・ワーズワース
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 マノン:アレッサンドラ・フェリ
 デ・グリュー:ロバート・テューズリー
 レスコー:ドミニク・ウォルシュ

 前売りも当日券もあっという間に完売。キャンセルチケットを求める列が劇場前に出来ている、というなんだか嬉しくなってしまう公演。そして、そんな期待にバレエ団がしっかり応えた公演でした。(残念ながら、定番作品の公演でだれてしまうことがたまに見受けられるので……)。
 バレエ振付の巨匠は沢山いらっしゃいますが、僕はどうやらマクミランが一番好きみたいです。アイデアの豊富さとスピーディさに今日もシビレマシタ。出演者全員がソリストと言って良い位、個人個人に高度なテクニックを求められる作品なのですが、全員がきちんとバラバラになって踊り狂う姿に新国バレエ団の勢いを感じました。どこまでがソロでどこからがコールドなのか不明な程です。そんなわけで、スミマセン一回だけじゃわけわからないです。だって、観たい部分が沢山ありすんですもの。そして、宝塚で言えば、花組公演に月組のトップと、元トップの専科生が特別出演、のようなゴージャスなキャスティング。実も華もある面々がダイナミックにかつ繊細に踊り狂うものだから、僕まで興奮。おかげで、すっごく楽しく、かつ充実していましたが、疲れた〜。
 お気に入りの場面は沢山あるのです。まずは主役カップルのパ・ド・ドゥ。通常のバレエだと終幕でちょこっとだけあるだけなのに、この作品(3幕7場)では、出てくる度にコンビを組んでしまう状態にもかかわず、、フェリがほとんど宙に浮いたままという大ナンバーもあれば、鯉の滝登りのような超難関リフトの連続のナンバーもありで、ちっとも飽きないのです。恋に落ち、喧嘩し、和解し、衰弱し、とそれぞれテーマがある(と見受けられました)のですが、それぞれにぴったりの動きが紡ぎだされるのにはマクミランに才能を与えてくださった神様に感謝感謝。
 ソロ場面ではレスコーの酔っ払い踊りに大感銘を受けました。酔っ払いだから、じっと立ったりポーズを決めるなんてできないわけでして、常に重心はずれるし、足だってフラフラ。が、酔っ払いの動きでありながら、実は超難関テクニックを切れ目なく繋げているので、ここは振付にも、それを演じきったダンサーにも大ぶらぁぼ! 


2003年10月30日(木)14:00-17:05
宝塚歌劇団花組「琥珀色の雨にぬれて」「Cocktail」@市川市文化会館

 S席 6500円 1階12列20番 (パンフレット:1000円)
 演出:柴田侑宏、正塚晴彦(琥珀)/藤井大介(カクテル)

 クロード:春野寿美礼
 シャロン:ふづき美世
 ルイ:蘭寿とむ
 エヴァ:矢代鴻
 ノアーユ子爵:夏美よう
 ミッシェル:愛音羽麗
 フランソワーズ:遠野あすか

 花組の層の厚さを感じさせる公演でした。宝塚の地方公演は、人数は半減するし、装置はショボイしで、結構見劣りすること甚だしいのですが、今回については舞台がスカスカに感じられなかったのです。もちろん、兄役が弟にしか見えなかったり、役替りの面々が未熟だったりするのですが、全体的に良い意味で熱演が繰り広げられてて、見ごたえがありました。
 トップの春野さんは額の巨大なたんこぶが痛々しく、ダンスや芝居の動きも小さかった気がします。が、それでも、真ん中に立つのが本当に似合う人で、圧倒的な歌唱力にも改めて脱帽。この人の歌唱法は宝塚のレベルを超えていると思います。素晴らしい! 大地真央さよなら公演「ヒートウェーブ」からの一場面を再演しているのですが(奇しくも、花組の残り半分のメンバーでその時兼演の「二都物語」を上演してました)、あまりのレベルの差にまったく別の場面に感じました。(余談ですが、「二都物語」も「ヒートウェーブ」も再演するほどの作品なのかしらん? 昔の生徒が芸術点重視だとすれば、今の生徒は技術点重視なので、受ける感銘もまったく違いますし……)。
 ふーちゃんは期待値が低かったというのもあるのですが(失礼!)、意外とおとなしいだけでない娘役だということがわかり、大鳥れいとまではいかなくても、なかなかのショースターぶりを発揮。歌声も通りが良く、歌詞もきちんと聞き取れるので、今後に期待です。
 蘭とむ君は普段の本公演だと研16に見えてしまうのですが、今回の二番手格というのはさすがに荷が重かったらしく、芝居はかなりの苦戦。初めて学年相応に見えました。彼女の歌い方は、宙組の大和悠河と歌唱法が似ていると思いませんか?(歌唱力はずっとあるけどね…)。
 花は花なり、とでも申しましょうか、花組の「目立った者勝ち」の伝統は若手主体の地方公演でも発揮され、群舞というよりソロの集まりのような勢い。全員が「私を見て〜」と踊り狂うのはナカナカの見ものでした。全員が張り切っちゃうから揃ってしまうというのが面白かったなぁ。


2003年10月30日(木)18:30-21:40
宝塚歌劇団星組「王家に捧ぐ歌」@東京宝塚劇場

 S席 8000円 2階5列63番 (パンフレット:1000円)
 演出:木村信司

 ラダメス:湖月わたる
 アムネリス:檀れい
 アイーダ:安蘭けい
 アモナスロ:一樹千尋
 ファラオ:箙かおる
 ウバルド:汐美真帆
 ケペル:立樹遥
 カマンテ:真飛聖

 ようやくゼッフィレッリの魔力も解け、宝塚の「アイーダ」として楽しむことが出来ました。なまじ有名な作品というのも辛いですワ。僕は宝塚は大好きなのですが、生徒個人ではなく、作品として観たいタイプなので(もちろん生徒が輝いてこそ、ですよ!)二階席から見下ろすのが結構好きです。スターや演出家の実力も、群舞もよく見えますもの。
 個人主義の集まりだった花組に対して、チームプレーとしての実力を見せたのが星組。生徒一人一人ははっきり言って、ちとスター性に乏しい組なのですが、逆にそれを生かして、アンサンブルの面白さにまで昇華させたのには目を見張りました。ま、ね、男役でありながらアイーダに挑戦の安蘭けい以外の娘役・女役の歌唱力の低さには最後までうなされてしまいましたけど。。。AV女優のような某娘役や、男役に転向した方が格好良さそうな某娘役、無理してこの人に歌わせなくても、、、と思われる某女役と、前回の公演での歌える生徒が集団退団してしまったのが悔やまれる公演でした。
 とはいえ、わたさんの雄っぷりと勢い、檀ちゃんの気品と王女→女帝への位取りの鮮やかさ、瞳子ちゃんの熱演にはまたしても「格好良い」と見ほれてしまったのでした。本専科の面々の実力と渋さにも感激。