観劇日記〜2003年11月〜
●01日(土)14時〜 中鉢聡「風の丘HALL 2003 プライベートリサイタルシリーズ VOL.1」@風の丘HALL
●02日(日)15時〜 青山学院女子短期大学青山祭「中鉢聡ミニ・リサイタル」@青山学院女子短期大学礼拝堂
●05日(水)19時〜 来日カンパニー「Riverdance」@東京国際フォーラムホールA
●09日(日)11時〜 宝塚歌劇団雪組「Romance de Paris」「レ・コラージュ」JCB貸切@東京宝塚劇場
●10日(月)13時半〜 宝塚歌劇団雪組「Romance de Paris」「レ・コラージュ」@東京宝塚劇場
●13日(木)19時〜 カール・ライスターwithストリング・クヮルテットARCO@紀尾井ホール
●15日(土)18時20分〜 藤沢市民オペラ「オッフェンバック:地獄のオルフェ」ハウプロプローベ@藤沢市民会館
●17日(月)13時55分〜映画「ジャスト・マリッジ」@日比谷スカラ座2
●19日(水)18時半〜 展望室サロンコンサート「星月夜に寄せて・・・」@東京都庁第1本庁舎・南展望室
●20日(木)17時半〜 ペーテル・ヤブロンスキー「インストア・イベント」@ヤマハ銀座店1Fミュージックステージ
●23日(日)17時〜 竜小太郎 「夢二稿花紅彩畫」 @博品館劇場
●24日(祝)12時〜 東宝「十二夜」千秋楽@帝国劇場
●28日(金)18時半〜 新国立劇場「オッフェンバック:ホフマン物語」@新国立劇場オペラ劇場
●29日(土)18時半〜 沼尻竜典&トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ@三鷹市芸術文化センター風のホール
2003年11月01日(土)14:00-16:00
中鉢聡「風の丘HALL 2003 プライベートリサイタルシリーズ VOL.1」@風の丘HALL
全席自由 3200円 / TEA PARTY 1500円(パンフレット:無料)
ソプラノ:服部礼子
ピアノ:瀧田亮子
ロウ:君住む街(マイ・フェア・レディ)
プッチーニ:冷たい手を(ラ・ボエーム)
ビゼー:ハバネラ(カルメン)
モーツァルト:手を取り合って(ドン・ジョヴァンニ)
バーンスタイン:マリア(ウェスト・サイド・ストーリー)
バーンスタイン:トゥナイト(ウェスト・サイド・ストーリー)
(休憩)
マスカーニ:アヴェ・マリア(カヴァレリア・ルスティカーナ)
ショパン:ノクターン 第20番
ラカジェ:アマポーラ
カルディルロ:カタリ
岡野貞一:もみじ
ヴェルディ:乾杯の歌(ラ・トラヴィアータ)
(アンコール)
ディ・カプア:オー・ソレミオ
レハール:メリー・ウィドウ・ワルツ
ファン冥利に尽きるコンサートでした。メインは気配り王の中鉢さん。ピアノは僕とらっしいが大のお気に入りの亮子さん。(中鉢さんに亮子さん、のぶをちゃんに伊都子さん。共演者に恵まれるのも演奏家にとっては大事ですよね。)さらに、中鉢夫人の礼子さんも登場。この奥様がまた最高! ダンナさまに負けないエンターテイナーぶりと、頭の回転の速さを感じさせる切れ味鋭いトークに「格好良いなぁ」と大感激。旦那様がボケ担当だとしたら、奥様はもっぱら突っ込み担当。その突っ込みが、歯切れは良いんだけれど、テンポと間がぴったりはまっているので、きつい事を言っても爽やかなのだぁ。10年後か15年後にでも、お二人主演で「メリーウィドウ」や「こうもり」のようなオペレッタが観たいなぁ!! 絶対に面白いと思われます。
終演後は会場を大急ぎで片付けて、出演者を囲んでのパーティ。このパーティがアットホームでまた楽しかった〜。主催者の挨拶が長くなると、すかさず礼子さんが「おなかすいた〜」と叫びだすし、つまらないオヤジギャグに対しても「つっまんね〜」と突っ込みあり。あ、文字にするとキツイ印象になりますねぇ。でも、実際はとても暖かで和やかな雰囲気だったので、笑いの連続。中鉢夫妻はあちこちに気を使い、話かけ、写真に納まり、まさにこれこそファンの集いだと感じ入った次第。内容に応じて予算を組むのではなく、予算内で上手にやりくりするのも大切ですね。ファンがおのおのの公演に何を望んでいるのか、スタッフたるものはもっとお勉強する必要があるんじゃないかな?と思わせる名采配でした>主催者 今回のパーティは決して贅沢ではないけれど、懇親会がメイン、という基本をきちんと押さえて企画・実行されているので、それこそ、お客さんも会場で働かされるんですけれど、それもまた楽し、でした。そして、僕にとってもファンの在るべき姿について勉強になりました。そして、某事務所の方々にもぜひ観ていただきたいコンサート&パーティでしたね〜。
いつの間にやら中鉢さんの存在も大きくなってしまい、それが嬉しい反面、遠くの人になってしまった寂しさもあるのですが、地元のみなさんを中心とした、小規模な集いはこれからも続けて欲しいものです。楽しい休日となりました。
2003年11月02日(日)15:00-15:55
青山学院女子短期大学青山祭「中鉢聡ミニ・リサイタル」@青山学院女子短期大学礼拝堂
全席自由 無料(パンフレット:なし)
ピアノ:瀧田亮子
ヴェルディ:女ったらしの歌(リゴレット)←本当は「女心の歌」です・笑
マスカーニ:アヴェ・マリア(カヴァレリア・ルスティカーナ)
プッチーニ:愛の二重唱(トスカ)
プッチーニ:星はひかりぬ(トスカ)
吉幾三:雪国
クルティス:忘れな草
カルディルロ:カタリ
ディ・カプア:オー・ソレミオ
(アンコール)
ヴェルディ:乾杯の歌(ラ・トラヴィアータ)
連日の中鉢さんの公演です。さすがに声が疲れているのを感じました。名伴奏ニストの亮子さんはあちこちで伴奏を伸ばしたり縮めたりと大活躍。中鉢さんは日ごろから亮子さんのことを「信頼しているピアニストです」と言い切っているのですが、臨機応変に対応できる頭の良さと実力に感服です。いつもにまして、中鉢さんの歌が行っちゃってたのですが、自由に泳がせたり、軌道修正したりを完璧にこなす彼女。それでいて、ニコニコと楽しそうに演奏するのですから、名人技を目の当たりにできる幸せを感じましたぁ。
今回は学園祭での、そして短大のオペラ講座の一環でのリサイタルとのことで、曲間に解説を入れながらのコンサートなのですが、オペラやリサイタルの裏話連発で、クラシックのコンサートとは思えない程、笑いに溢れた楽しい時間となりました。毎度毎度の比較で申し訳ないけれど、僕のご贔屓の某チェリストのトークは、裏話もなければ、自分の素の部分を出さないということで面白くないんですよねぇ。(あ、でもそれでもファンです・笑)。ユーミンでも、中村紘子でも、音楽家は演奏のみならず、客席と舞台(音楽)を一体化させるナビゲーターも担っているわけでして、しゃべるならしゃべるできちんとエンタメとして成り立てて欲しいなぁ。ま、それを許しちゃう(というか、何しゃべっててもOKになっちゃうんですけど)ファンも良くないのかも。
で、中鉢さんに戻りますけれど、まずはテノールのテーマ曲とでも言いますか「女ったらしの歌」で、テノールリサイタル初体験の人たちを圧倒。あの声量・高音で掴みはOKってやつですね。お次は、テノールのリサイタルにもかかわらず「癒されてみませんか」というトンでもないキャッチフレーズを書いてしまったコンサート実行委員に気を使ってか、「アヴェ・マリア」で荘厳な雰囲気に(そういや、会場は礼拝堂でした・笑)。そして、本日最初のハイライト。なんと、客席からは美しく見える愛の二重唱も舞台上では難聴必至の騒音合戦だという話をしながら、実際にお客さんの女性2人かを舞台に上げてのラブシーンを再現、という美味しい企画も。その直後にはテノールの聞かせどころアリアを真面目に聞かせたかと思いきや、早くも本日2つ目のハイライト。なんでも、イタリアのカンツォーネの歌詞構造や節回しが演歌に似ているということで、イタリア語約&カンツォーネ風に編曲した「雪国」を熱唱。確かに、原曲を知らない僕にとっては、情熱的なカンツォーネに聞こえましたが、会場の半分以上を埋め尽くした「短大のイベントとは思えないお年を召したお客様たち」には大受けしてました。日本歌曲を歌うクラシック歌手は多いけれど、結構、外国でのリサイタルの時にさりげなく演歌なんか歌ってみたら受けるかも(笑) 「テノールの曲は短いけれど体力を消耗する短距離走のようなものなので、オペラと違って休憩の取れないリサイタルはしんどい」と言いつつも、これでもかぁ、と張り上げ系の歌の連発。最後はお正月の「ラ・トラヴィアータ」の宣伝も兼ねて「乾杯の歌」で締めくくり。
決して調子は良くなかったのです。でも、調子の悪さすらネタにして、客席を沸かせ、一曲一曲をドラマティックに盛り上げるあたり、不屈のサービス精神を感じました。コンクールへの入賞も外国のオペラハウスでの活躍もない歌手が、藤原のプリモへと抜擢されるのには、それなりの理由ってものがあるのですね。のぶをちゃんのコンサートの後は、酔っ払ったような気分になるのですが、中鉢さんのコンサートの後は「明日からしっかり働くぞ」という気分になります。どちらが良いとかでなく、個性の違いですね。
2003年11月05日(水)19:00-21:30
来日カンパニー「Riverdance」@東京国際フォーラムホールA
S席 11500円 1階-25列-6番(パンフレット:2000円)
大好きな「リバーダンス」の再来日です。三度目の来日とあってか、東京公演初日にもかかわらず、客席の盛り上がりが今ひとつだったのが残念。でも、これはねぇ、スタッフもよろしくないんですよ。開演時間が数十分も遅れているのにアナウンスの一つもないし、スタッフが大勢いる癖に、カメラチェックばかり熱心で、蛍嬢なんてほとんど皆無。フォーラムAという巨大会場なのに「あっちです」程度の案内しかしないだなんて信じられない。おかげさまで、開演直前は「さっさと始めろ」だの「いつ始まるの?」と客席の雰囲気は悪化。観客の気分を上手に盛り上げるのがスタッフの役目ですよねぇ。残念ながら「リバーダンス」の日本側スタッフは毎回レベル低いです、キッパリ。
そして、舞台の出来も今ひとつ迫力に欠けた気がします。相変わらず、ラインダンスの見事さん、空間感覚の完璧さには舌を巻きましたし、各国の超絶技巧のダンスも堪能しましたが、技術ばかりが前面に出てしまったかも。ん〜、なんと言いますか「凄いでしょ」「見て見て〜」という勢いがなかったのです。芝居でいうと見得を切る部分が滑ってしまったかのような印象。あぁぁ、勿体無い! 技術的に「あらららら」という人がチラホラいたのも否定できませんが……」
とはいうものの、腐っても「リバダン」とでも言いますか、見所いっぱいで、最高に楽しいショーであることには変わりありません。観劇回数が増えるとそれだけアラが目立ってしまっただけ。同行のS氏は1幕では意識を失っていましたが(リバダンで寝る人を始めて見た!)2幕では大喜びしてました。うん、うん、仕事帰りで疲れてただけですよね!? 音楽良し、振付良し、メリハリ良しで、大好きな作品です。
2003年11月09日(日)11:00-14:05
宝塚歌劇団雪組「Romance de Paris」「レ・コラージュ」JCB貸切@東京宝塚劇場
S席 8000円 1階-16列-20番(パンフレット:1000円)
演出:正塚晴彦(Romance)/三木章雄(コラージュ)
ヴァンサン:朝海ひかる
ナディア:舞風りら
ラシッド:樹里咲穂
ムジャヒド:貴城けい
ディディエ:壮一帆
ディミトリ:音月桂
パトリシア:白羽ゆり
久しぶりに宝塚ならではの夢物語を堪能。気楽に雰囲気を楽しめば良いので、観劇後の披露度が違います。年末にふさわしい作品だったと思います。とあるアラブの国のクーデターを縦線にした割に、結末がお気楽ご気楽、超簡単なので、肩透かしをくらったような(そういや、正塚さんの作品は最後のツメがないのでクライマックスが盛り上がらないのが多くないですか?)それでいて「ローマの休日」よろしく、パリの街を王女さまとクラブのオーナーがデートするというだけの、場面が延々と20分も続くのには参りました。ストーリーは気にしちゃいけない作品です。とはいえ、場面場面の台詞は気が利いているし、各生徒に効果的な見せ場が与えられているので、僕は割りと好きでした。これで、上演時間が1時間15分だったらなぁ。。。
ショーもあと15分〜30分短ければ良かったかも。というのも、なまじ歌えて踊れる人が揃っているので、そして、各場面の競演ではなく、共演させてしまっているので、どの場面も同じ印象。突出したダンスや歌がないのですもの。まずはトップさんが歌い、スター連中が歌い、トップさんが踊り、総踊りになる、というパターン。「みんな声が出てて気持ち良いな」「ダンスがキビキビしてて気持ち良いな」と喜んでたのですが、飽きちゃいました。ん〜、トップさんも含めて、舞台っぷりは丁寧だし真面目なのですが、遊びや余裕がないんですよ。模範演技を見ているようで、個性が感じられないのが原因かと思われます。雪組は他組に比べて、極端に若い生徒が多いわけでもなく、むしろ、下級生まで粒が揃っているように思えるだけに意外でした。
で、個々の生徒ですが、下級生になればなるほど、勢いと華が感じられました。トップのコムさんは、歌は声が良くでるようになったし、ダンスは相変わらず素晴らしいのですが、実は存在感が薄く、どんなに豪華な衣装を着て登場しても、その後からトドさんか誰かが登場するのではないか、と無意識のうちに期待しちゃう僕がおりました。ん〜、トップさんは、技術の追求もさることながら、もっと「私が主役よ!」というアピールが必要なのかもしれません。あ、これは宙組のトップさんにも共通した感想なんですけどね。そして、樹里さんは個人的にファンだったのですが、今回の舞台はちっとも良くなかったな(涙) トップを脅かすような勢いが売りだっただけに、昨今の覇気のない舞台にはがっかりです。貴城さんと壮さんはまだまだ客席へ向けるエネルギーが弱いし、実は音月嬢が一番ノリノリだったかも。今までは歌手だと思っていたけれど、芝居でもショーでも気持ちよさげに踊っていたのが印象的です。そして、踊りといえば、やはりこの人。トップ娘役の舞風嬢。真ん中で「私がトップよ」とバリバリ踊るのが似合うようになったのが嬉しい。歌も安定しているし、実質的に公演をひっぱっていたのはこの人かもしれません。踊れるコンビは良いですねぇ〜。
でも、まぁ、一回の観劇だけで満足かな。一ヵ月後にもしも誰かに誘われたら、生徒のアピールの変化を見てみたい気もしますが、本日がmy楽でいいです。良くも悪くも、気楽〜に楽しむ宝塚作品でした。
2003年11月10日(日)13:30-16:35
宝塚歌劇団雪組「Romance de Paris」「レ・コラージュ」@東京宝塚劇場
立ち見席 1500円 2階-8番(パンフレット:1000円)
演出:正塚晴彦(Romance)/三木章雄(コラージュ)
ヴァンサン:朝海ひかる
ナディア:舞風りら
ラシッド:樹里咲穂
ムジャヒド:貴城けい
ディディエ:壮一帆
ディミトリ:音月桂
パトリシア:白羽ゆり
なぜか連日雪組観劇。「一晩たってはまった?(笑)」という問い合わせをいただきましたが、残念ながらシラフです、ええ。でもね、しょうもない作品は慣れます。そして、二階のてっぺんから「1500円」で観ると不思議と楽しいよぉ。1000days〜新東宝と劇場が変わり、いつの間にやら旧東宝の倍額もの入場料を取られているので、普段は結構厳しいんですけれど(「リバーダンス」の13000円はお得だけれど、「雪組公演」の10000円は高い!)1500円ともなると観る側も気楽。おまけに、立ち見とはいえ、中央ブロックだったので、劇場構造の関係で、あぐらをかいての観劇。ついでに、ショーでは「これなら出来るね」と一緒にステップふんでました(笑) 東宝劇場は二階からでも舞台が良く見えるので、満足満足。
二階席からの観劇の醍醐味は、振付家やスターの力量が一発でわかってしまうこと。トップのコムちゃんは、まだまだ若葉マークがはずせないながらも、一階で観ても、二階から観てもそこそこのエネルギーが届くのはさすが。いつもながら、トップになると同時にどんな生徒でも格段にランクアップするのが興味深かったです。あ、お歌はね、、、諦めてます。反して、一階席から観た時には素晴らしいと思えた音月嬢は二階からだとてんでダメ。エネルギーが途中でなくなってしまう感じ。ま、一階席で存在感を感じられない人は、二階席からだと存在を忘れてしまう程なので、それよりはマシですけど。。。それにしても、久しぶりの宝塚観劇(前回は月組の「シニョール ドン・ファン」)の母も、コムちゃんのダンスは気に入ったみたいで「格好良いわ」と喜んでました。が、が、作品のつまらなさにはさすがに苦言を呈してました。芝居はね、ルミさん時代にもっとくだらないのを観てたのでさほどでないらしいけれ
ど、ショーの構成のワンパターンさと、振付の変化のなさにはね。。。それにしても、雪組って踊れる子が多いのに、ティップネスのダンスクラスみたいな振付多くないですか? 全員で同じ振りを踊るってやつね。
そして、最近は女帝化傾向の強い宝塚ですが、雪組も実はりらりらが作品を支えているかのような印象を受けました。なぁんて書いているやさきに、「コムではなく、りら嬢?(爆)」という問い合わせ第二弾をいただきました。はい、その通り(笑) ま、スターとしての輝きにはまったのではなく、ダンス力にはまったというのが正解かな。幕開きのバレエの優美さ、フィナーレのデュエットダンスのリフトの形の美しさは、確かなダンステクニックと腹筋の強さを物語ってます。僕の好みの娘役ではないけれど、一芸に秀でているというのは素晴らしいな、と。某トップ娘役の直後の観劇のせいか、歌も素晴らしく聞こえたし(笑) あちこちでバッシングの声を聞く彼女ですが、コムちゃんの相手役としては合格点かと僕は思いました。ちなみにオペラグラスは使っていません。
2003年11月13日(木)19:00-21:05
カール・ライスターwithストリング・クヮルテットARCO@紀尾井ホール
S席 6000円 1階-5列-8番(パンフレット:無料)
ライヒャ:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 op.89
ハイドン:弦楽四重奏曲 第77番 ハ長調「皇帝」
(休憩)
ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 op.115
ライスターおじちゃんも今や67歳。もしかしたら聴きおさめかもしれない、と思いながら会場に向かいました。会場はブラバン少年・少女がいっぱい見受けられました。いつもの紀尾井ホールとは客層が違って新鮮な印象です。
普段僕が見慣れているクラリネット奏者というのは「息をいっぱいに吸い込んで、全身で吹く」というイメージがあるのですが、ライスターの場合は「軽く吹いているのに、いつまでも音が伸び続ける」なので「管楽器は体格がモノを言うなぁ」と再認識。簡単そうにヒョウと演奏できてしまうのが凄い! そして、息漏れだのキンキン音とは無縁のまろやかな綺麗な音色にうっとりでした。でもね、音からイメージするのとは裏腹に、水面下の白鳥のように、ライスターも足癖が悪いのです。のぼぉちゃんは演奏が乗ってくると、足がダンスのように動きまわるのは既に有名ですが、ライスターの場合はそんな優雅なものではなく、勢い良く閉じたり開いたりするのです。文字で表すと「ガバッ」っていうのがピッタリ。なんだか、デュエットダンスのリフト時における女性ダンサー開脚を思い浮かべてしまいました(笑)
一曲目はそもそも「ライヒャって作曲家は知らんがな」なのですが、パンフレットによると、ベートーヴェン時代の作曲家だそうな。なるほど、ちと堅苦しい音の流れ、明快な響きはベートーヴェンチックな印象を受けます。実は、親子以上に年の離れたライスターを相手にARCOは萎縮しないかとひそかに心配していたのですが、自由に楽しそうに演奏していたのが何より。
続く二曲目のハイドンはARCOのみの演奏。メンバーの一部が留学していた関係で、僕にとっては一年ぶりのフルメンバー。頭をつき合わせて椅子に腰掛けた姿を見ただけで、思わず嬉しくなってしまいました。で、演奏なんですけれど、いつもはこっそり「麻呂」とまで呼ばれている(平安貴族っぽくない?)亮太郎君がいきなり情熱的にヴァイオリンをかき鳴らすのにびっくり。だって、いつも上品に、何事にも動じず、という印象があってものでして……。そして、イタリア帰りの正哉氏は、音色もフレージングもやたらと色気が出てきて、思わず「Hになったねぇ」と大騒ぎしてしまいました。(あまりに「H」を連発して、教授からイエローカードを喰らってしまいました・汗)。この時点で、今までの爽やか&さっぱりのARCOのイメージが大変化。逆にいつもは自由気ままに演奏している(ように見える)のぼぉちゃんが、今日はぬぁんと暴走防止役に! そんなわけで、舞台上手は省太君も含めて、手綱を引いているカミテと、暴走しかかっているシモテという構図がなんとも新鮮でした。役割分担は変化したせいか(?)音楽の流れや勢いもCD(あ「皇帝」はCD販売されてます!)とは大違い。個人的には今日の演奏の方が好きです。面白かった〜!! ARCOはやっぱりお客さんを前にして、生き生きとしている姿が良いですわ。そして、四人揃っての演奏は、耳のみならず目にも微笑ましいのです。実はこの曲はチェロが仲間外れになる箇所がいくつかあるのですが、他メンバーが演奏している姿をのぼぉちゃんが嬉しそ〜に眺めているのですョ。ファンとしてはこの「幸せ〜」という表情に弱いですね。「うん、うん、良かったね」という気分になります。
休憩を挟んでの後半は再びライスターも加わっての演奏。本当の一流は決しておごらない、高ぶらない余裕があるものだと思うのですが、ライスターもARCOの面々を自由に泳がせ、その反応を楽しんでいる雰囲気が感じられました。さすがに、ARCOだけの演奏に比べて、大御所相手にはねっとりとしたアイコンタクトは影を潜めるのですが(正哉氏は不敵にも微笑み返ししてました。おぉ!)同じ土俵で演奏している、というのが嬉しかったです。亮太郎君の攻めの演奏も面白かった〜。あれ、ところで、なぜARCOが共演に選ばれたのでしょうね? 「あぁ、こんな演奏もできるんだ」と最初は思えたのぼぉちゃんですが、ファンとして「今日はひたすら縁の下なの?」とやや欲求不満をおぼえた矢先に、必殺技のピツィカートが登場。毎回言ってる気がしますが、のぼぉちゃんのピツィカートは最高なのです。温かみと洒落っ気があって大好き。それまでの押さえた演奏と、軽やかに響き渡るピツィカートはコントラストが生きて高価抜群でした。ちゃんと自分の見せ場を押さえた本日ののぼぉちゃんには「出来る男」の称号を捧げましょうぞ! そして、静かに静かに曲が終わってもライスターはビクともせず、もちろん、ARCOの面々もフリーズ。客席もシンとしたまま。(あ、僕の前の席のおっちゃんはなぜか早々と拍手をしたかったらしく、何度も拍手しかけては奥様に止められてました)。客席と舞台が一緒に息を潜める「無」の状態が生まれたことに、心地よい緊張感を感じました。
曲が曲だけにアンコールはなかったのですが、カーテンコールは何度も繰り返されました。会場の雰囲気は熱狂的ではないのですが、暖かな幸せな空気が流れていました。ロビーに飾られた、もしくはホール正面のニューオータニのクリスマスツリー効果かしらん? ちなみに、ライスターが縦にも横にも巨体なので、彼の後ろについてくるARCOのメンバー(演奏では頑張って張り合っても、ご挨拶の時には恐縮しまくりなのが可愛い)が「花嫁のヴェールの裾を持つ少年たち」もしくは「カルガモ親子」のように見えました。あ、これは僕だけの感想ではありません、あしからず(笑)
2003年11月15日(土)18:20-21:50
藤沢市民オペラ「オッフェンバック:地獄のオルフェ」ハウプロプローベ@藤沢市民会館
1階-25列-16番(パンフレット:500円)
演出:岩田達宗
指揮:増田宏昭
管弦楽:藤沢市民交響楽団
ユリディス:半田美和子
オルフェ:湯川晃
プルトン(アリステ):猪村浩之
ハンス・スティックス:彌勒忠史
ゲスト歌手:佐藤美枝子
ハウプトプローベというのは舞台稽古のことです。藤沢市民オペラの存在は知っていましたが、いかんせん遠いので今回は初体験でした。ホールのロビーには今まで上演した作品の舞台模型が展示されているのですが、想像以上に立派なものなのに感心。上演途中に演出家や指揮者による中断があったり、佐藤美枝子さんのオケ合わせの関係で、彼女の超難関なR.シュトラウスのアリアを三回も聴けるなど、舞台稽古ならではの楽しみを満喫しました。
「天国と地獄」といえば「カステラ一番、電話は二番、、、」のコマーシャルで地獄のテーマ曲は有名ですし、オーケストラのコンサートでは序曲もお馴染みではあるのですが、不思議とオペレッタの公演の時にこの序曲が演奏されるのを聴いたことはありません。元来、パロディ作品として作られているせいか、台本も演奏曲も勝手放題なのでしょうね。今回も「藤沢特別ヴァージョン」として、だいぶ手を加えられての上演でした。
目玉はズバリ「まりのすけ嬢の看護婦役」と「カウンターテナー彌勒氏の日本デビュー」でした。まりのすけ嬢は今まで歌手かと思ってたら実はダンサーだったのにびっくり。だってねぇ、合唱団全員が踊っているのに、一人だけ格好良かったもん。とってもしょうもない振付なのに。……ということを観劇後にまりのすけ嬢に伝えたところ「つまらん踊りを格好よく見せなくちゃ!と、あれをおもしろく格好よく踊るのがあたしのプライドだったのよ!」とのこと。おぉ、さすがです。舞台人たるもの、お客様を楽しませてナンボのものだというのを良く心得ていらっしゃいます。贔屓目抜きで、主役を放り出してまりのすけ嬢を追ってしまいましたさ。彼女が居眠りの芝居で登場の時点から釘付けさぁ! 実はそれまでは「来たのは失敗か?」とすら思っていたのですが、一気に空気が変わりました。あのね、客席の上下左右に行き渡せる目線だとか、体の角度やポージングはさすがタカラジェンヌって感じ(笑) 変身写真館で自己の見栄えを研究したのもきっと役に立ってたのでしょうね。向上心のある人は見るもの聞くものを自分の芸として取り込むのが上手いなぁ、と感服いたしました。新人公演に、なぜか組長さんが混ざってしまったかのような状態でしたよぉ。もちろん、見た目は逆に若いんだけどね。
そして、もう一人の(って並列にしては本当は申し訳ないのですが・汗)エンターテイナーが彌勒氏。イタリアの音大の先生だというのに、スターブーツに超ミニスカート、リアルに作られたオッパイという、ぶっとんだ衣装での登場。いやぁ、とんでもないことをさせるものです。でも、彼が偉いのはちゃんと公演成功のためにと、物凄くジェントルに、そして「芸人として」舞台を盛り上げたのでした。コメディというのは、
間だとか、ちょっとしたお遊びの重なりによって面白くなるので、非常に難しいのですが(申し訳ないけれど、ほとんどの人は台詞の粒は立たないし、台詞術がないから面白いものも面白くならない)、まりのすけ嬢と彌勒氏の二人だけはちゃんとコメディしてました。エライ!!
演出は……作品自体滅茶苦茶だから、ここまでまとめるのは大変だったでしょうが、僕の好みではなかったなぁ。歌詞と台詞の温度差が大きくて違和感があったり、懲りすぎた設定が効果をあげてなかったり(天国:老人の集まる病院)、アイデアが中途半端で途切れてしまったり、何だか息も絶え絶えにゴールできましたぁ、というマラソンランナーみたい。アマチュアがオペレッタを上演するのは難しいですね。でも、でも、出演者もスタッフも勢いがあって、力技で上演してしまう、という火事場の馬鹿力みたいな、アマチュアならではのエネルギーを感じました。これはプロにはありえない醍醐味ですね。藤沢市民オペラの人気と継続の秘密を垣間見た思いです。
2003年11月17日(月)13:55-15:30
映画「ジャスト・マリッジ」@日比谷スカラ座
H列-10番(パンフレット:700円)
監督:ロバート・シモンズ
トム:アシュトン・カッチャー
サラ:ブリタニー・マーフィ
ピーター:クリスチャン・ケイン
この秋のラブ・コメディ第二段です。原題は「JUST MARRIED」なので、微妙に邦題と違います。中学生英語だけれど、変なタイトルに変えちゃって問題ないのやろか?
周囲の反対を押し切って結婚してみたものの、彼女は超お嬢様、彼はごくごく庶民派。ラブラブで出発したものの……悪夢のハネムーンになってしまいました、といういかにもハリウッド映画らしいストーリー。結末はあらかじめわかっているので、次から次へと巻き起こるハプニングを気楽に笑ってれば良いので、休日の午後にはうってつけでした。ま、一度見れば十分な娯楽作品ですけどね。
自宅はビバリー・ヒルズの豪邸だし、ハネムーンの先はフランス・イタリアと、僕好みの舞台設定で、景色もインテリアも金持ち連中の衣装もステキでした。そして、コメディの定説ではあるのですが、反対にダンナさんがステレオタイプなアメリカ人で、超高級の場でも常にカジュアルだし、せっかくヨーロッパに行ったのに、アメリカンバーで大リーグの試合なんて見ているし、いつもHのことばかり考えているし、いかにも頭が悪そうな言動を繰り返すので、僕としては「こんな奴のどこが良いの?」とすら思っていたのですが(おまけに主演男優がオバサン顔)、ヒロインが可愛かったので良しとしましょう。綺麗なお姉さんが好きな人にはオススメです。でも、一番気に入ったのは、ヒロインの愛犬(この子が馬鹿夫によって殺されてしまったのがアンチ夫の原因かも)。表情豊かでとっても可愛いのです。ブサイクなのがさらにGOOD! あぁ、犬欲しいなぁ!!
あ、上流階級の人々に対しても全く物怖じせず、自分の価値観で押し通してしまうのにはびっくり。もっとも、上流階級は上流階級で、庶民を馬鹿にしてましたので、五分五分かな?
2003年11月19日(水)18:30-19:30
展望室サロンコンサート「星月夜に寄せて…」@東京都庁第1本庁舎・南展望室
全席自由(パンフレット:無料)
ソプラノ:渡邊清美
ピアノ:塚本裕希子
岡野貞一:紅葉
海沼実:里の秋
虫の声
オードウェイ:旅愁
中田喜直:ちいさい秋みつけた
小林秀雄:落葉樹
(休憩)
ドヴォルザーク:月に寄せるうた(ルサルカ)
ハーライン:星に願いを(ピノキオ)
マンシーニ:ム−ン・リヴァー(ティファニーで朝食を)
ロイド・ウェバー:メモリー(cats)
(アンコール)
ロウ:踊り明かそう(マイ・フェア・レディ)
今までは北展望室での開催だったのが、今回から南展望室へ変更。作りは似ているものの、北のそれに比べて一回り小さいかな。が、相変わらず安物の電子ピアノを利用なのでピアニストが可哀想。コンサートホールでの開催ではないので、会場はザワザワしているし、音響も決して良くはないのですが、都庁でのクラシックコンサートは実力はが出演するので、ナカナカ楽しいひと時を過ごせます。今回出演の渡邊さんも、劇団四季の「ファントム」でカルロッタを演じていたそうですが、スミマセン、存じて上げておりませんでした。でもね、ナカナカの実力派で、前半は秋にちなんだ歌を、後半は夜空にちなんだ歌をまとめて、休憩を含めても一時間というミニコンサートながら充実した宵となりました。
2003年11月20日(木)17:30-18:00
ペーテル・ヤブロンスキー「インストア・イベント」@ヤマハ銀座店1Fミュージックステージ
全席自由(パンフレット:なし)
ピアノ:ペーテル・ヤブロンスキー
ドビュッシー:花火
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番より第2楽章
ヤブロンスキー:幻想曲第2番
開演の一時間半前にヤマハに到着してしまいました。こんなに早く、そして雨だというのにもう席取り合戦は開始。僕? ピアノまで1.5mという至近距離をget。ふふふ、通常のコンサートではまずありえないほど演奏者が近いのです。昨日の都庁といい、YAMAHAや山野のインストア・ライブは演奏時間こそ短いものの、ファンとしては嬉しい配置です。ちなみに、今日はYAMAHAのCD売り場内ということもあり、用意された椅子はわずか20脚。立ち見を含めても50人位の聴衆を前にしてという、非常に贅沢な状況でした。ヤブロンスキーもスラックスにセーターというラフなスタイルで登場し、質問コーナーでは気さくに話をし、とてもフレンドリーな集いとなりました。
YAMAHAは銀座の中央通りに面しているので、騒音がひどく(こんな時に限って、拡声器付の車がやたらと行き来してました)、隙間風もやたらと吹き込むステージでしたが演奏は圧巻! あまりに指が早く回るので打鍵が見えない(*_*) タッチはクネクネと、そしてソフトに見えるのですが、音量の幅が物凄く広くて、何だか魔法の指のよう。「あぁ、ピアノは打楽器なんだな」と再認識しました。
終演後のサイン会では久し振りに英会話してきました。感じ良いのに、媚びは皆無。リラックスしているのにキラキラ輝いていて、まさにスターって感じ。デカイ、可愛い、ハンサムで、愛想も良い! 足が長すぎてピアノの下で邪魔そう(^O^) 人気・実力・美貌が一人に集中するなんてズルイなぁ! 足を組むと即・顔で胴が短いのだぁ。ん、この構図は新鮮。
2003年11月23日(日)17:00-20:00
竜小太郎 「夢二稿花紅彩畫」 @博品館劇場
全席指定 4000円 G列-18番 (パンフレット:なし)
第一部「瞼の母」
第二部:歌謡・舞踊「バラエティ・ショー」
新橋駅から劇場へ向かう道すがら「博品館劇場はどちらですか?」と声をかけられました。失礼ながら、普段この劇場で見かける人たちとは違った雰囲気の方々。そして、劇場へ向かうエレベーターの中は、公演への期待に胸膨らませる方々ですでに熱気がムンムン。もちろん、客席はコマ劇場状態。お煎餅やみかんの匂いはするし、おみやげ物の品評会は行われているし、いつもの博品館と違〜う。何だかとっても不思議な光景。さらには、元・お嬢様のおばさま方に対抗するように、心はお嬢様の短髪色黒マッチョのオネエさま方も沢山。ここは新宿二丁目かしらん? 舞台上は「楽しませまっせ」という熱気に溢れているし、お客さんはすれてなくちょっとした仕掛けにもイチイチ大騒ぎして喜んでいるので、何だか僕までのせられてしまい、前回と同じネタまでも笑い転げてしまいました。
一時間ほどの芝居はねぇ「あらすじだけ」の台本で、深みもひねりも何もなし。「お江戸でござる」の短縮版と言うか、ドリフの「8時だよ全員集合」と言うか、とにかく簡単。台本だって、文字にすると寒〜いものなのですが、出演者がどっぷりコテコテに演じているので、何だかこちらもコテコテ気分。通常の芝居だったら、前フリの15分で演じてしまうような内容とでも言いましょうか、降りてきた幕に「続き」とでも書かれているような気分になります。このしょうもない台本を投げずに、お客様が喜ぶよう演じている役者さんたちはエライ!「役者たるもの、例えおもしろくない台本でも自分で見せ場にしなくちゃ、なんでも全力投球してどれだけ魅力的にするかが大事」ですね(ってどこかでオペラに参加している某フランス人発言みたいですけど・笑) 小太郎さんはヤクザにはとっても見えなかったけれど、たっぷりとした長台詞をリズム良く語り、最後まで良く作品を引っ張ったのには拍手。さとうみさこ嬢は、騒ぐだけ騒ぎ、観客に今後の展開の期待だけさせて引っ込んでしまい、およよ、そのまま幕でしたぁ! ん〜、どうすりゃ良いの
ショーは一転して手馴れた物でした。袴姿での男役での踊りあり、ゲストによる歌あり、洋装での歌とトークあり、女形での早替七変化あり、と盛りだくさんの一時間半でした。もしかしたら、このパターンはマンネリなのかもしれないけれど、間や芸で笑わせるという方式のため、二度目でも面白い! 面白いよ!! さすがに二度目ともなるとびっくりはしないけれど、差し入れ大歓迎発言はあるし、おひねり頂戴のために一曲丸々費やしているし、お土産品のハンカチを利用した客いじりも多いし、おまけに出る人出る人、自己紹介とセールストークが多くて、そして、それらに対して拒絶反応どころか大喜びしている客席の空気にはやっぱりカルチャーショック。僕なんて思考回路が完全ショートしちゃって、自分でも信じられないことに、そのような状況に大喜びしてたもの(汗) 次回は差し入れ持って(もちろん、ショーの途中に客席から渡すのです)、小太郎さんデザインのハンカチを購入し、ショーの山場では頭上で振り回さなくちゃ、と反省してしまいましたさ(笑) あ、今回のハイライトは舞台上で女形への化粧の実演。「ラ・カージュ・オ・フォール」で洋装だけれど女装の過程の大ナンバーがあるのですが、今回はその和物ヴァージョンとでも言いましょうか。それにしても、化粧の手際の良さと、合間合間にお客さんに向けられるサービス芸が素晴らしかった! まったく、根っからの芸人さんなんですね。色っぽさと素とのギャップを上手に組み合わせて、大地真央風のコメディとなっていました。←あ、だから僕好みなのかしらん!? アンサンブルのみなさんの色気はまだまだでしたが(流し目だとか、クネクネ感がないので…)、ダンスはビシビシと気持ちよく踊ってました。少人数ながら、なかなか効果的なダンスシーンが楽しかったなぁ。純粋な和物ショーではないし、宝塚もエンターテイナータイプのトップさんの時の和物ショーの時は、一度小太郎さんを呼んでみてはいかがかしらん?と思いました。ほら、早替わりだとか、洋物の曲での日舞だとか、結構共通点あるんですよ。
フィナーレの小太郎さんの衣装は「ヴァンパイア・レクイエム」のチラシにおける紫吹淳のようなカツラと衣装なんだけれど、さすがに格好悪かったなぁ。終演後の有料撮影会もそのままの衣装だったけれど、妖怪って感じで僕は嫌いでした。最後の最後だけにこれはがっかり。やっぱり女形は美しくなくっちゃあきまへん!! って、月組のりかちゃんが細くて怪しく美しいからついつい比べちゃうだけなんですけどね。宝塚ファンはこんなところ厳しいあるよぉ(笑)
2003年10月05日(日)17:00-20:20
東宝「十二夜」千秋楽@帝国劇場
S席 12500円 1階-A列-30番 (パンフレット:1500円)
演出:鵜山仁
ヴァイオラ/シザーリオ:大地真央
オーシーノー公爵:鈴木綜馬
ネコ:本田美奈子
道化:川崎麻世
セバスチャン:岡幸二郎
マルヴォーリオ:上條恒彦
サー・トービー:安崎求
フェービアン:治田敦
アンドルー:山形ユキオ
アントーニオ:越智則英
レオナート:秋川雅史
マライア:鷲尾真知子
オリヴィア:愛華みれ
初日の次は千秋楽の観劇でした。途中で観劇回数を増やす気分にはならなかったのですが、さすがに作品自体が練られ、真央さんもタモさんも歌が上達し、椅子から落ちるということはありませんでした。千秋楽ならではのお遊びもふんだん、指揮の塩田さんは棒振りのみならず、作品への強引な参加でも大活躍。楽しい楽しい打ち上げとなりました。それにしても、真央さんって近くでみてもいまだにお肌ツルツルですよぉ。顔は小さいし、細いし、よくもまあ公演期間中にバテないものだと改めて感心しましたわぁ。タマさんは無表情なのが最近気になってきています。そういや、今まで感情の起伏の激しい役ってあまりやってなかったなぁ、、、と思ってしまいました。本田美奈子嬢はいつの間にやら立派なミュージカルスターに成長していたし、真世さんの舞台上での重み、岡さんの遊び心、上條さんの美声には今日も惚れ惚れ。安崎・治田・山形のトリオは下品な役をやらせたら右に並ぶ者はいないし、越智さんはオペラ歌手でありながら安定した芝居とベルカントっぽくない歌い口で違和感がないし、秋川さんのオペラティックな歌唱は聞き応えあるし、鷲尾さんの演技力には舌を巻くし、タモさんは半ケツ衣装も照れなく着こなすようになり(今日は間近の席だったので僕が目のやり場に困って照れました)甘え上手なところもみせて新境地を見せた(今までどちらかというと委員長タイプだったでしょ)し、文句を言いつつも楽しんでしまいました。でもね、やっぱり、この作品は一時間半にまとめて欲しかったなぁ。。。
2003年11月28日(金)18:30-22:30
新国立劇場オペラ「オッフェンバック:ホフマン物語」@新国立劇場オペラ劇場
D席 5670円(会員割引) 4階-2列-9番 (パンフレット:800円)
演出:フィリップ・アルロー
指揮:阪哲朗
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ホフマン:ヤネス・ロトリッツ
二クラウス/ミューズ:エリナ・ガランチャ
オランピア:幸田浩子
ジュリエッタ:佐藤しのぶ
アントニア:アンネッテ・ダッシュ
リンドルフ/コッペリウス他:ゴードン・ホーキンス
オッフェンバックはフランス人の作曲家だとばかり思っていたのですが、実はケルン生まれのドイツ系ユダヤ人なんだそうです。本名はヤーコプ・エーベルストですと。ん〜〜〜、何だかイメージと違う名前ですねぇ。14歳でパリに留学したときからジャック・オッフェンバックなのだとか。ま、そんなことはどうでも良いんですけど。。。
ちなみに、今月は藤沢オペラで「地獄のオルフェ」を観ているので、オッフェンバック作品が重なったことになります。どちらも、台本はねぇ……滅茶苦茶。今日も幕間のロビーでは「話がわからない」というおば様の集団に出くわしました。確かに、未完の作品なので、あちこちほころびもあるようですが、そもそも飲み屋で酔いつぶれたおっさんの夢物語なのでして、まともに付き合う方が良くないのです、キッパリ。機械仕掛けの人形に恋をしたり、恋人が歌いすぎで息絶えてしまったり(←これだけまともな話かな? 「赤い靴」の歌唱ヴァージョンですね!)、娼婦に騙されたり、というものだもの。
就任直前は大騒動を巻き起こした芸術監督=ノヴォラツスキー体制は、「フィガロ」〜「ホフマン」とたったの二つのプロダクションを観ただけですが、大成功を確信しました。まずはシングルキャストということで、脇に至るまで実力者が揃い、アンサンブルも上々。畑中〜五十嵐体制では「オペラ入門」といった趣のプロダクションが大半を占めていましたが、ノヴォラツスキーは「オペラ応用編」とでも言いましょうか、ひとひねりした演出が売りかと思われます。個人的にはオーソドックスでゴージャスな公演が好きなのですが、ドイツの歌劇場のような「ムジークテアター」とでも呼びましょうか、歌手やコーラスにも演技力の求められる作品作り。これによって、オーソドックスで豪華な藤原、禁欲的でシンプル、おまけに日本人歌手育成の二期会、時代を反映した演出でメッセージ発信の新国立劇場、とそれぞれの立場がくっきりして、個人的には「日本のオペラも面白くなってきたなぁ」と喜んでいるところです。やや前衛的でありながらも安っぽくならず、贅沢気分を味わえるのが新国ならではかな? 東京に似合うシンプルな劇場と、そこから発信されるソフトが一致した感じかな? ことに今回は、合唱団とバレエ団(新国バレエの男性ダンサーはギャルソン役を躍らせたらぴか一!)が大活躍。藤沢オペラのプロフェッショナル版、という印象を受けました。(というのも、演出の路線がちと似てたんだもの・笑)僕? 劇場の姿勢としては好き。でも、プロダクションとしてはゴージャス系が好き(ゼッフィレッリとかポネルとかね)。
アルローという演出家は初めてでしたが、もう圧巻。ことに群集さばきが素晴らしいのです。斜めに傾いた階段装置と回り舞台を駆使して、立体感のある演出なのですが、一人としてぼけ〜っと歌う人なんておらず、誰もが芝居にのめりこんでいるのです。これって、結構日本の舞台では画期的な事なんですよ。ブラックライトと蛍光色の衣装が眩しく光るオランピアの場面、舞台上に斜めに傾きゆがんだ壁で囲まれ(新国ってこれ好きですよね)色味の押さえられたアントニアの場面、赤と黒の衣装、偽物巨乳に勃起した男性器の衣装は登場するわ、ソリストから合唱団までSMからフェチにいたるまで大乱交パーティを繰り広げてしまうジュリエッタの場面。はっきり言って「18禁指定」が必要なプロダクションなのですが(誰かと一緒の観劇でなくて良かった〜・汗)下品の一歩手前で踏みとどまり、ギリギリの線で品の良さを保ったバランス感覚に脱帽。ストーリーそっちのけで、動く美術展って考えれば超一流の空間でした。そんなわけで、演出に対しては賛否両論でカーテンコールまで刺激的でした。
タイトルロールのロトリッツは出ずっぱり歌いっぱなし動きっぱなしの役にもかかわらず、最初から最後まで曇りのない輝かしい高音を響かせまくり。さすがにカーテンコールではフラフラのヨレヨレでしたが(一日おきに公演できるんかぁ!?)歌っている間は「懲りない酔っ払い」にふさわしい一定のテンションをキープしたのはさすが。そんなホフマンを見守るニクラウス/ミューズのガランチャは、まずは男装の凛々しさにため息。光物満載の燕尾と硬質な低音が相まって惚れ惚れするような男役。おまけに女性の姿に戻るとゴージャスな美人になるのがこれまた嬉しい。ホーキンスも豊かな表情と歌唱表現で憎憎しい悪役を造詣。総じて外来キャストは好調でした。
ホフマンをたぶらかす女性陣ですが、オランピアの幸田浩子さんは先日の「ばらの騎士」とは打って変わったコメディエンヌぶりを発揮。グリグリと書きなぐったかのようなメイク、大地真央も真っ青になるような蛍光色の衣装とカツラ、遠目だと生身の人間だとは思えない機械っぽい動きが笑いを誘います。おまけに、微塵の不安も感じさせない完璧なコロラトゥーラ。個人的には彼女の金属質な声は苦手なのですが、あまりに弾けた演技と人間離れしたテクニックに思わず僕も大拍手。もしかしたら、本日最大の喝采を受けていたのは彼女かもしれません。アントニアのダッシュは重要な役でありながら派手なナンバーがないので損をしていますが、西洋人歌手には珍しく、演歌の世界が似合いそうな雰囲気の方で、潤いのあるつややかな声を駆使し、前幕とは打って変わってロマンティックな雰囲気に。トリは日本が誇るスターオーラ発散しまくりのしのぶさんに締めていただきましょう……と期待していたのですが、残念ながらこけてくださいました。かつては飛ぶ鳥を落とす勢いで、劇場中に響き渡る豊かな声が売りだったしのぶさんですが、いつの間にやら声はやせ衰え、四階席まで届かないといったありさま。フレージングも苦しげで、もしかしたら体調が悪かったのかな? 来年は彼女主演のオペラもありますし、早期復帰をお祈りいたします。カーテンコールでただ一人「ブー」の洗礼を受けている姿を見るのは辛かったです。
そして、今回特筆したいのがその他大勢の集団。付け鼻でピノキオになっている助演陣、オペラ歌手と同じ舞台に立ってもすんなりその空間に馴染んでしまったダンサー陣(上田遥氏の振付もコクのあるお酒のように香り高かったです)、各場面で色々な芝居を要求され、それに見事に応えた新国立劇場合唱団。通常、ソリストとその他というのは温度差があるものですが、今回は立場こそ違うものの、舞台を作り上げる仲間というカンパニーの結束力を強く感じました。おかげで、とってつけたような大合唱で幕を下ろすグランドフィナーレがなんと効果的だったことでしょうか! 決して万人受けする作品でもプロダクションでもないけれど、作品のクオリティの高さ・テンションの高さは新国で上演されてきた作品の中でも屈指のものかと思います。素晴らしい完成度でした。とはいうものの、作品のレベルと人気というのは別ものでして、客席はそんなに熱くはなってなかったかな。ま、盛り上がる曲ないしね。
2003年11月29日(土)18:30-20:50
沼尻竜典&トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ@三鷹市芸術文化センター風のホール
全席指定 3500円(一般) 1階-B列-8番 (パンフレット:無料)
指揮:内藤佳有
ナチュラルホルン:小川正毅
管弦楽:みたかジュニア・オーケストラ
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412(386b)
(休憩)
ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ
管弦楽:トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」より《四季》
(休憩)
指揮:沼尻竜典
管弦楽:東京・モーツァルトプレーヤーズ
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調作品60
G教授の代役で行かせていただきました。駅から遠いというのに雨。開演の挨拶時に沼尻さんが「メンバーの中に雨男か雨女がいるに違いありません」とおっしゃってましたが、あーた、そりゃあ「のぼぉ」でんがな(笑) 駅から歩きでホールに向かうつもりでしたが、急遽タクシーに変更。あぁ、ベンちゃんでのお出迎えがほしかったなぁ(爆)
さてはて一曲目は藝大ホルン科の入試曲(今もか?>自分)。ナチュラルホルンという楽器は初めて目にしました。通常のホルンと違って、ピストン類は一切なし。長い管をクルクル巻き取りました、というシロモノ。調によって管の一部を差し替えるそうで、今日はもちろんニ長調用の管を利用。とはいうものの、やはり演奏には無理がある楽器のようで、G音はほとんど聞こえないし、音によって音色がまったく異なるのです。おまけに音量があまりにない楽器で、音圧の低いジュニア・オーケストラ(この種のオケにしては弦の音程がしっかりしてて嬉しい驚き!)相手でも、聞こえない箇所が多かったです。音量のなさをカバーするために、奏者は舞台上手に向かい、ベルを客席に向けた状態での演奏でした。でもきっと、モーツァルト時代のホルンってこんな感じだったのでしょうね。貴重な体験をさせていただきました。
休憩を挟んで登場したのはかの有名な「四季」。本日はのぼぉが参加というのは聞いていましたが、まっさきに目に入ったのは亮太郎君。さらには省太君まで登場。あらら、何だか得した気分(何がじゃ?>自分)。アゴスティーニのソロはちょっと癖が強くて僕好みではなかったけれど、彼本人もオケのメンバーも楽しそうに演奏していたのが印象的でした。ジュニアの面々が不気味なほどに無表情だっただけに、客席の僕も解放されたかのようにリラックス。こんなに出演者のみなさんが楽しそうなオケも珍しいですよ。演奏後なんてみんなでニコニコ嬉しそうだし。風のホールはバロック音楽を聴くにはちょうど良いサイズのホールで、格調高い雅な響きに魅了されました。
さらにもう一度休憩を挟んで、本日のトリはベートーヴェンのシンフォニー。ARCOの残るお一人、双紙さんも登場。いつもとは逆に、双紙さんが1st、亮太郎君が2ndでした。G教授からいただいた席は、ARCOのメンバー全員がしっかり見える席で、かつ、伸ちゃんにそっくりと噂の和久井さんがのぼぉの真後ろで演奏しているのまでバッチリ。視覚的には最高の席でした。さてはて、第4番ですが「英雄」と「運命」に挟まれて知名度こそ低いけれど、いかにもベートーヴェンって曲で僕は好きです。ベートーヴェンってピアノソナタは無骨でしんどくてあまり好きではないのですが(弾くのはもっと嫌い・汗)シンフォニーは好きですねぇ。色気も遊びもない、とっても不器用な作曲家ではありますが、その分、変に手を加えないバリバリした演奏だと聴き応えがあります。のぼぉは主席でなかったのでソロはないものの、ピツィカートを連発。近くだったせいか、ちゃんと彼の音が聞こえて幸せ。ピツィカートにおける彼の右手の使い方って他の人とは違うんですよ。こんどじっくり眺めてみてくださいまし。のぼぉでベートーヴェンのソロ作品聞いてみたい……と思うのですが、さてはてベートーヴェンってチェロソナタ書いてましたっけ? 体の節々がきしみ、頭痛もひどい状態だったので、ギリギリまでキャンセルするか検討し、コンサート会場でも休憩時間ごとに「帰ろうかな」と悩み、たしかに体調が良くなかったのですが、コンサート後は気分はスッキリ。ベートーヴェンは精神を高揚させる効果があるのかもしれません。TMPはベートーヴェンのシンフォニーのライヴCDを販売しているようですが、今宵の演奏もCDになるのかな? 販売されたら是非お聞きくださいまし。聴き疲れなしの爽やかな快演ですよ!
えっと、のぼぉちゃんの様子については「勝手にVIPファン」の方に掲載(笑)