観劇日記〜2004年04月〜
18日(日)
15時
宝塚歌劇団OG
「新版 桜吹雪狸御殿」「ボンジュール・タカラジェンヌ」初日
新宿コマ劇場
23日(金)
18時30分
新国立劇場バレエ団「ロメオとジュリエット」
新国立劇場オペラ劇場
28日(水)
19時
来日カンパニー「ON YOUR TOES」初日
ゆうぽうと簡易保険ホール
2004年04月18日(日)15:00-18:10
宝塚歌劇団OG「新版 桜吹雪狸御殿」「ボンジュール・タカラジェンヌ」初日@新宿コマ劇場
A席 5000円 中段-J列-42番 (パンフレット:1000円)
演出:植田紳爾、酒井澄夫、三木章雄(狸御殿)/酒井澄夫、三木章雄(ボンジュール)
狸吉郎/狸次郎:鳳蘭
きぬた姫/きぬた郎:麻路さき
悪兵衛:美吉左久子
腹鼓締衛門:大路三千緒
夕月城の北の方:榛名由梨
お蓮:安奈淳
ポン吉:瀬戸内美八
お黒:峰さを理
満月城の御台所:寿ひずる
梅小路:未央一
お松:若葉ひろみ
ポン松:朝香じゅん
ポン竹:郷真由加
ポン梅:真織由季
ゲスト:麻実れい/松あきら/甲にしき
新宿コマ劇場はワンスロープ構造で二階席がなく、舞台は小さくても客席の横幅もとても広いので、ツレちゃんの圧倒的ご挨拶の後ミラーボールが回りだすやいなやいきなり幻想の世界へ引きずり込まれました。こんなにもミラーボールが効果的な劇場を僕は他には知りません。有無を言わさずツレちゃんワールドへ強制移動! 導入はバッチリです!!
で、チョンパで舞台が明るくなると、三重回しの盆がコマのように競りあがってて、その上に歴代トップがズラリと並んでのプロローグ。いやぁ豪華、豪華。アンサンブルかと思うと元二番手や三番手なんですもの。一人一人が「私を見て〜」オーラをガンガン放っているので誰を見たら良いのやら。ま、そんな中でもツレちゃんが登場すると有無を言わさず主役に納まってしまうのが素晴らしいです。ベルばら四強と呼ばれたショーちゃんやおとみさんから、舞台の真ん中こそ似合うといわれ続けたマリコさんまで一緒に舞台にのっているというのに、ツレちゃんがせりあがるだけで一同はは〜〜〜っとひれ伏してしまうのがスゴイ! 自画自賛もごもっとも。客席はツレちゃん以外のファンも沢山いるはずなのに、自分のご贔屓がツレちゃんにはは〜〜〜っとするのに疑問も反発もなく、一緒にひれ伏してるんだもの(笑)
今年は二本立てということで「狸御殿」はテンポアップ。昨年もとても楽しかったけれど、枝葉を刈り込みすっきりまとまった印象を受けました。なまじ出演者が濃いから、しつこく演じなくても充分コッテリ(汗) 消化不良を起こす前に終了してくれてどこかホッ(笑) どこまでが台本でどこからがアドリブなのかわからない程みなさん遊んでいる舞台なのですが、ダラダラとお遊びに流れず、テンポ良くメリハリをつけるのはさすが元・座長の集団。それにしても、今回は(も?)星組の歴代トップがズラリと揃っているのですが、体型が崩れないという点では他組出身者とは段違い。元々オッサン・トップが多い組ですが、現役を退いてもいまだにエロエロ。元々「青年」は得意としない方々だっただけに、年をとっても現役生さながらの男っぷり。腰の入りっぷりが男そのまま、というのもスゴイですよ〜。
そして、ツレちゃんに「ハロー!(この一言が暖かくてフレンドリーで絶品!)」と歌いかけられて始まるレビュー。セットはほとんど転換なく、ダンスもさすがにヒラヒラ系で、さすがに足は上がってないのですが「お客様を楽しませまっせ!」という気迫に一瞬にしてのめり込み〜。花組公演「アプローズ・タカラヅカ!」でフーちゃんに「アプローズ、皆様お手をどうぞ!」と銀橋から歌いかけられた時には思わず「結構です」と客席で固まってしまいましたが、ツレちゃんに「ハロー!」と呼びかけられたら、こちとら「ハロー」と返してしまいそうな雰囲気。実際に返しているお客さんも多かったみたい。ショーの構成は、歌詞にタカラヅカが入る曲のメドレー〜戦前の主題歌〜ベルばら特集〜ゲストコーナー〜鳳蘭の世界〜フィナーレというものでしたが、各スターの見せ場満載、おしゃべりに歌にダンスに、ゴージャスで楽しいひとときでした。現役生は若さと勢いで見せるけれど、OGは芸と迫力で魅せるって感じかな。そして、普段の公演だと鼻白む宝塚賛美のオンパレードも、なぜかここまで堂々と心から歌い上げられるとつられて賛美するっきゃないでしょ。この手の曲は、役者はこれっぽっちも照れちゃいけないんだな、と認識いたしました。最近でこそ作品云々が言われる宝塚ですが、スターありきの時代のトップさんたちはスゴイわぁ。
ツレちゃんに関しては散々↑でも登場していていまさら書くまでもありませんが、とにかくせりあがって振り向くだけで客席は大喝采。これぞスター! タダでさえ派手で濃い出演者の揃った狸組の中ですら、立ってるだけで大スターってどういうことなんでしょ!? こういう人こそ宝塚の象徴として、春日野八千代の後を継いで欲しかったなぁ。あ、現役生が困るか(笑)
ルミさんは久しぶりの洋物男役で登場。顔でこそハデハデなツレちゃんに負けてしまいますが(勝てる人なんていないか・笑)、芸では負けていません。いったいいつ退団したんだっけ?と計算してしまう程、男役の技術を保持していて、腰の入り方(これ絶品)、ショーの中で恍惚となる表情、共演者への絡み(アニキって感じね)、色気ともども、思わずオペラグラスで凝視。顔で踊らせたら他の追随を許さない方ですわ。ルミさんに限らず、今回の公演は出演者の追っかけを選択できるDVDが欲しい! 今日はツレちゃん、明日はルミさんって感じでね。
御大二人の前とあって、峰ちゃんもマリコさんも可愛く見えてしまうのが微笑ましいのですが、峰ちゃんは歌い上げ、マリコさんはスター性で勝負。この二人は揃って手つきがヤラシくて嬉しい。ツレちゃん-ルミさん−ミネちゃん−マリコさんの「セ・マニフィーク」なんざ、誰かいちばんエロエロかの芸比べ。同じ振り付けにもかかわらず、それぞれの味付けが全然違うので、もう誰を見たら良いのか困ってしまう位。客席で悶絶です!
……とまぁ、現役生に張り合っている歴代星組トップに対し、他組出身者は得意分野で勝負! あ、でも、ショーちゃんも星組への出演結構あったし、オトミさんもトップお披露目は星組、イーちゃんも元星組やねぇ。。。で、ショーちゃんは久しぶりに踊ってくれました! 星組歴代トップは顔で踊ってたのに対して、ショーちゃんは真面目に踊ってました(汗) もっとも、彼女は芝居の人なので、ダンス場面よりも、ベルばら特集のように台詞が絡んだ場面の方が輝きます(ダンサー時代は知らないのです……)。彼女はいぶし銀タイプのスターさんだったので、今回の座組だととっても地味かなぁ。でも、自分の立場をわきまえてて、後輩に華やかな見せ場を譲り、自分は縁の下の力持ちとなって舞台を支えているところがいかにもショーちゃんらしく好感を持ちました。全員が張り合うとしんどいものね(笑) そしてオトミさんは完全復帰。芝居では女役でしたが、レビューでは男役として登場。膠原病を患った直後は声に伸びがなく、聴いていて辛かったのですが、今や声量も歌いまわしもすっかり回復、圧巻でした。彼女はテクニックで歌い上げるだけでなく、常にハートを感じさせる歌唱なのでまことに聴き応えがあります。イーちゃんは芝居もショーも女役としての出演。一瞬、榛名由梨かと見間違えてしまうほどお太りになってて、かつてのシャープな面影は今いずこ。おそらく、彼女のファンが一番ショックを受けているのではないかなぁ。とはいえ、初風諄のパートを演じても違和感のない歌唱力・品の良さには驚きました。今後はもっとミュージカルに出演していただきたいものです。あ、でも「静かになさい by アントワネット」の部分だけはカンちゃんほどのインパクトナシ。仕方ないか。
ゲストとして登場の元トップスターのお三方ですが、松ちゃんは何しに来たの?というほどつまらなかったなぁ。彼女は政治家としての活動に専念した方が良いかも。元トップなんだから一曲位披露したって良いのに。ま、もっとも甲にしきともども「下手だから歌わせない」とツレちゃんに言われてましたけど(うん、うん、とは思うけれど、それを平気で言ってしまうツレちゃんもスゴイ)。で、結局はターコさんが「君はマグノリア〜」を披露。同じハッタリタイプではあっても、ターコさんって狸組の勢いでノリノリではなく、アダルトでアーティスティックな雰囲気が売りなので、宝塚のイベントには顔を出すものの、今回のように少しだけしゃべって一曲披露ということが多いですね。賢明な方です。セクシーなドレスにロングヘアで女の色気タップリにもかかわらず、バトラーの歌がこんなにもはまってしまうのには毎度のことながらビックリ。そういえば、このような場に大地真央が登場するってまずないですよねぇ。ツレちゃんとウマが合わないのかしらん?
2004年04月23日(金)18:30-21:35
新国立劇場バレエ「ロメオとジュリエット」@新国立劇場オペラ劇場
B席 5985円(会員割引) 3階-2列-32番 (パンフレット:800円)
振付:サー・ケネス・マクミラン
演出:ジュリー・リンコン
指揮:アンソニー・トワイナー
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ジュリエット:シオマーラ・レイエス
ロメオ:デニス・マトヴィエンコ
マキューシオ:吉本泰久
ティボルト:イルギス・ガリムーリン
ベンヴォーリオ:マレイン・トレウバエフ
パリス:森田健太郎
キャピュレット卿:本多実男
キャピュレット夫人:楠元郁子
乳母:大塚礼子
ロザライン:真忠久美子
大公:小原孝司
ロレンス神父:ゲンナーディ・イリイン
当初ジュリエットを踊る予定だったアリーナ・コジョカルが怪我による降板で、代役はアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルのシオマーラ・レイエス。申し訳ないことに彼女については何も知らなかったのですが、登場した瞬間から14歳の女の子に見えたほどの可憐なダンサーでした。とにかく初々しくて、人形大好きな女の子がいきなり政略結婚(?)させられる戸惑い、仮面舞踏会で出会ったロメオといきなり恋に落ちてしまった時の喜び、実らぬ恋への絶望、運命に立ち向かって仮死になる薬を飲む時の恐れと決意、ロメオを追って自殺する際の凛とした強さ、とまあ、登場する度に変化に富んでいて、素晴らしいジュリエットでした。テクニックはプリンシパルならではの安定したものでしたが(逆にスッテンコロリンした時には劇場中がウッと声を出しましたさ)、「ロメオ様に恋しちゃったワ、あぁウットリ」とバルコニーにもたれかかるだけのシーンなんて表情といい柔らかな動きといい絶品でした。
さて、対するロメオはというと、ルックスといい、若さといい、世界一のロメオダンサーだと僕が勝手に思っているマトヴィエンコ。今まではガラで志賀三佐枝嬢とのバルコニーシーンしか縁がなかったのですが、全幕はやっぱり良かった〜。マクミラン作品とあって、これでもか!という程の力技が男性ダンサーには要求されるのですが、ポキンと折れてしまいそうな足でのリフト&ブンブン振り回しの連続にはブラボーです。ロメオというと単純馬鹿なキャラクターというイメージがあるのですが、彼の場合、いたずらっ子の坊やが本当の愛を知る過程を丁寧に演じているので、すんなりとストーリーに入れるのが嬉しい。
とまあ、中心の二人がバッチリなのですが、彼らを支えるバレエ団も素晴らしかったぁ! 娼婦たちなんて新国女性ダンサーの長身が映えて、宝塚宙組若手男役のラインダンスメンバーみたいだったし(すみません、わかり難い例えで……)、マキューシオの吉本氏は今や三枚目キャラを踊らせたら日本屈指の名ダンサーだし(表情も豊か!)、ガリムーリンや森健さんなど脇も豪華メンバーだし、アンサンブルは相変わらず生きが良いし「プロの仕事ってこういうものでっせ!」と見せ付けられましたさ。あぁ、明日から頑張ろう、と元気をいただいた公演でした。
2004年04月28日(水)19:00-21:55
来日カンパニー「ON YOUR TOES」初日@ゆうぽうと簡易保険ホール
S席 13000円 1階-21列-49番 (パンフレット:2000円)
演出:ポール・ケリソン
ジュニア・ドーラン:アダム・クーパー
ヴェラ・バロノワ:サラ・ウィルドー
コンスタンティン:イヴァン・カヴァラッリ
フランキー・フレイン:アンナ=ジェーン・ケイシー
シドニー・コーン:マシュー・ハート
ペギー・ポーターフィールド:ジリアン・ビヴァン
セルゲイ:ラッセル・ディクソン
この作品の日本初演はシュツットガルトバレエ団の日本公演で、奇しくも会場がゆうぽうとでした。同じ会場での同じ作品ですが、前回は演出重視で、ジャズvsバレエということで、ジャズダンスも頑張っていたのですが、今回はアダム&サラ夫妻が主演ということもあってか、歌や芝居の部分をだいぶ刈り込み、バレエシーンを中心に据えた公演でした。よって、バレエシーンはまことに見ごたえタップリ。この時代は「アンデルセン」をはじめ、バレエダンサーが活躍する作品が沢山生まれた時期でもあるのですが、今だに歌とダンスのどちらかを我慢しなければならないのはいたし方ないところ。
というわけで、何はともあれクーパー様ですが、メガネをかけた時はダサダサな音大教授、メガネを外すとハチャメチャに踊りまくるダンサーという、何だかスーパーマンのような設定がまず笑えました。情けなさそうな顔が絶品! そのまま苦手な歌も披露とあって、表情はガチガチになっちゃうのですが、それが作品にあってて笑えました。目が死んでるの。 それが踊りとなるとフォームが滅茶苦茶になるほど暴れまくり(ダンスとしてのクオリティはいつもより数段低かったと思います)あの横にだだっ広いゆうぽうとの舞台をフルに使って踊りきったのは圧巻でした。実は「アダムって芝居や歌できるのぉぉ? 期待値が低〜」と思っていたので、意外としっかりした声でしゃべりだし、歌い始めた時には「おぉ〜」っと猫だまし状態にはなったのですが、だんだんとアダムの声が出なくなるにしたがい、僕も冷静な気分に戻ってしまい「やっぱり下手ねぇ」と。。。でも、それにもかかわらず、踊りだせばやっぱりスター。短いおみ足にもかかわらず移動距離は長いし、押し出しの良さ、華やかさは他の追随を許さない状態でした。アンサンブルにも錚々たるダンサーが揃っているというのにアダムの横だと損ですワ。それにしても、パンフレットがアダムの写真集状態で、表紙にはアダムの写真は沢山あるのに、作品名なんて書かれてないという徹底振り!? そんな中、アダムは全身の毛を剃ってまでTバック姿をタップリ披露しちゃうもんだから客席は大騒ぎ。ま、バレエダンサーが脱いでも別にセクシーでもなんでもないんですけどね(笑) 色、白いです。そして、筋肉はあるのに贅肉はないです。あ、でもお腹はそろそろ気を付けた方が良さそうです!
さて、対するアダム夫人のサラさんですが、歌は全部カットされてました。でも、それにもかかわらず、大仰なゼスチャーと、日本人にもわかる重度のロシア訛りの英語で大笑いさせてくれたのでした。プリマと聞いて、一般にイメージされる「高飛車」「気まぐれ」「感情的」「大げさ」「ちょっと白鳥麗子」をそのまんま期待通り見せてくれるので、客席中が大笑い。実質的に芝居を動かしていたのは彼女だと思います。
そんなわけで、おおいに楽しんだ公演ではあるのですが、いかんせん古い作品なので、そのまったり感には落ち着きのなさを感じたのでした。これは演出も原因があったと思います。とにかくアダムが際立つように、アダムがやりやすいようにと装置も極力排除し、そして振り付けもアダム自身とあって、ややメリハリをなくしてしまった印象をうけました。ダンサーが自分の主演する作品の振り付けを行った場合、どうしても見せ場の連続になりがちなのですが、いくら見せ場とはいえ、それがあまりに続くと逆に効果減になってしまうのですョ。緩急があってこそ動と静が映えるのですがね。。。よって、芝居の要となる部分の芝居があっさり片付いてしまい「いつの間に終わっちゃったの?」と肩透かしの部分も見受けられたのが残念。同行者が「これってミュージカルなの? バレエなの??」と聞いてきた位です。ま、楽しい時間を過ごせたので満足です、うん。
甘い物倶楽部