観劇日記〜2004年06月〜
05日(土) 16時 アキコ・グレイス&古川展生「J-roomライヴ in 赤坂studio 」 コロムビア本社第1スタジオ
12日(土) 18時 大浦みずき「Dream by Dream」 アートスフィア
13日(日) 11時 宝塚歌劇団花組「NAKED CITY」 日本青年館
13日(日) 15時 サントリーホール・メンバーズ・クラブ特別コンサート
 「古川展生ロマンティック・チェロ」
サントリーホール(小)
19日(土) 16時 映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 TOHOシネマズ市川コルトンプラザ 1 SCREEN
20日(日) 14時 古川展生「チェロ・ミニ・コンサート」 山野楽器本店7Fイベントスペース「JamSpot」
22日(火) 20時 古川展生「ロマンティック・ストーリズ・オン・チェロ」 STBスイートベイジル
26日(土) 10時 映画「ブラザーフッド」初日 日比谷 スカラ座1
26日(土) 18時 新国立劇場「INTO THE WOODS」千秋楽 新国立劇場中劇場


2004年06月05日(土)16:00-17:00
アキコ・グレース&古川展生「J-roomライヴ in 赤坂studio」@コロムビア本社第1スタジオ

 全席自由 無料 (パンフレット:なし)
  古川展生(Vc) /嶋田陽子(Pf)
  アキコ・グレース(Pf) /山下弘治(b)/嘉本信一郎(ds)

 (古川展生)
  アディエマス:賛歌
  サン=サーンス:白鳥
  塩入俊哉:夢のしずく
  ショパン:ワルツ第3番「華麗なる円舞曲」
 (アキコ・グレース)
  わらべうた:Kagome Kagome
  アキコ・グレース:東京狂詩曲
  矢野顕子:春咲小紅
  パーカー:Donna Lee
 (アキコ・グレース&古川展生)
  アキコ・グレース:悠久の路
  ピアソラ:リベルタンゴ

 怒涛ののぼぉちゃん月間が始まりました。CDの新譜発売記念のイベントが今回はあちこちで繰り広げられるので、演奏者が飽きないうちに聴きにいかねば(笑)、とまずはさっそく新星堂のイベントに参加。のぼぉちゃんのソロ20分、アキコ嬢のソロ30分、二人のデュオが10分といった構成でした。今日ののぼぉちゃんはわりと穏やかな雰囲気をかもし出していて、丁寧にゆったりといった趣。心なしか音も目つきも柔らかかった印象を受けました。ただ「賛歌」も「白鳥」もゆったりした曲ですし「夢のしずく」も耳当たり良く終わってしまうので、ようやく「ショパンのワルツ」でようやくエンジンがかかってのぼぉ節が出てきたかな、という時点で終了。ま、今回のアルバムは癒し系なので、あまりたっぷり演奏されたら夢の世界に入ってしまう人が出てくるかも知れないので、丁度良いボリュームだったのかも。
 そして、アキコ嬢のピアノはあいかわらず冴えてました。散々書いてますけれど、クラシカルな基礎に基づいた美しい音色と無理のないテクニックに支えられ、自由気ままに音で遊ぶ(という印象を受けます)彼女のピアノは独特の世界があって、まことに聴き応えがあります。ちょっとしたパッセージも、チェルニーおじさんも真っ青な同じ音形の繰り返しでも、サラリと、しかししっかり味付けしてあって、その面白いことといったら! 個人的にJAZZは得意じゃないので、彼女の演奏はミディアム加減が絶妙で大好きです。思えば、クラシック奏者とジャズ奏者のセッションによるタンゴなんですよね。面白い組み合わせだぁ〜。
 そして、お待ちかねのデュオは、hakuju hallでも演奏した二曲。音量のバランスといい、音楽的な攻め合いといい、アキコ嬢とのぼぉちゃんの組み合わせは相性が良いみたい。クラシック出身とはいえ、畑違いのアキコ嬢のフレージングはなかなか新鮮で、のぼぉちゃんも攻めに回って伸びやかに弾きまくっていてとてもキュート。同じレコード会社なんだから、いっそのこと二人のデュオアルバムを出してほしいなぁ。萎縮することなく、ひっぱるでなく、自分の好きなように共演できる組み合わせってそうそうないから、結構良いと思うんだけどなぁ。思いのままに弾いても下品にならず、暑苦しく野暮ったくならない、というのもこの二人の魅力ですし。個人的には、レコーディング用の人選よりも、実際に共演して良かったからレコーディングしましょう、の方が好き。
 それにしても、のぼぉちゃんが今後どのような方向に進むのでしょう。あまりPOPSに流れてしまい、クラシックから遠ざかってしまうのも淋しいしなぁ。ここ1〜2年、プログラムの偏りが感じられますが、今の演奏活動からすると、そうそう新しいプログラムの準備も大変なんでしょうね。。。

2004年06月12日(土)18:00-20:20
大浦みずき「Dream by Dream」@アートスフィア

 A席 6000円 3階-C列-29番 (パンフレット:1000円)
 演出:小池修一郎
 共演:戸井勝海、本間憲一、新上裕也

 舞台生活30周年の「夢」をテーマにしたショー。「ドリーム・オブ・ドリームズ」というショーもあったからちょっと混乱(汗)
 第1部は「宝塚入学まで」「宝塚トップ時代」「タンゴ」の3ブロック。最初の「宝塚入学まで」は,この手のショーのお約束とでもいいましょうか。緞帳があがるとなつめさんがジャジャーンと板付きしているのですが……なんだか部屋着みたいでイマイチ。ミッキー・マウス体型があらわになってるし,とってもおばさん臭い(T.T) でも,結婚披露宴でありがちな,昔の写真をスライドで写す,という手法を取らず,本間さん(女装も含めて大活躍)との実演方式は楽しかった〜。会場は東京だし,二人ともサラリと演じるタイプなので,関西のコテコテにならない方がスッキリ落ち着きます(大阪公演だとどうなるんでしょう?) たった二日間のショーにあつまる観客は昔からのナツメさんのファンがほとんどなわけでして「知ってる、知ってる」というものばかりですが、それなりに楽しいのも事実。
 そして「宝塚トップ時代」のシーンではお約束のエンビやコートが登場。どこがどう,と説明するのは難しいのですが,とにかく似合いますわ。これらの衣裳はもはや体の一部になっていて,ちょっとした裾さばきやラインの見せ方は絶品。さすがにダンスは年齢を感じさせるもので,決めポーズの連続という印象でしたが,この部分が上手いのなんのって! 多分,男役として格好良く見せられるのはこれが最後でしょうが(今後は現役時代とオーバーラップしながら観る人限定!?)スターとしての見せ方はさすが。もちろん客席一同満足満足。なつめさんは素の部分を見せようとすると照れが出てしまい,見ているこちらまで照れてしまうことが多いので,作りこんで作りこんで,というスタイルの方がしっくりきます。究極の作りこみ,という意味で,男役は彼女に合っているなぁ。当時としては標準だったけれど,トップ作品の多さも圧巻。
 続いての「タンゴ」の場面はいきなり大人の女の色気がプンプン。休憩時間を挟まずにこの切替が出来るのも素晴らしい。だって,男→オンナだというのにどちらも決まっているし,異和感ナシだなんてどういうこと!? 若さや勢いを押し出した男役のダンスに比べ,味わいを感じさせる歌とダンス。音域も勢いも今のなつめさんにタンゴはどんぴしゃり。彼女とタンゴが出会えたことに感謝! タンゴといっても色々な種類があるのですが、のぼぉちゃんがチェロで弾くようなメロディアスなものよりも、言葉だとかアクセントに重点を置いているのがなつめさんのタンゴの特徴。
 短いなりに充実感タップリだった第1部にく第2部でのなつめさんはいきなり若がえっていて,キュートな60年代スタイル(たぶん・笑)で登場。「グリース」あたりに登場しそうな,裾がクルンとカールした髪の毛や,マリリン・モンロー好みの胸とウェストを強調したドレスが,いかにも今の季節に相応しいさわやかさを醸し出してて,いかにも垢抜けた女優さん! まったく,第1部からこれが良かったのにぃ、プンプン。で,昔も今も「空前絶後のダンサー」と褒め讃えられているご本人様が,何と「踊れない」ということをネタに「Dream by Tap」という場面を演じちゃうのにはのけぞりましたぁ。さすがに,オントシ4●才ですから,そりゃ若い頃のように踊れないのは当然なのですが,この勇気・センスに脱帽。ここで,彼女が苦手とするタップを持って来て,タップの名手の本間弟に影ソロならぬ,影タップやらハチャメチャなレッスンをやらせちゃうもんだから,客席は心おきなく笑えるという仕組み。ストレートに「踊れなくなっちゃったね」と持って来ないのがスマートでしょ。で,さすが元トップと脇役専科の組合せということで,どんなに本間さんが超絶技巧を披露しようとも,決めのポーズとなるとナツメさんの方が決まってしまうのですワ。きっと写真だとナツメさんがバリバリ踊っているように見えるはず。ま,このあたりは,踊っている時の表情にもいえるんですけど。本間さんも自分の役割をしっかり認識していて,さりげな〜く笑いに持って行くのが上手い! しつこくなる直前にスッと引く,こういう部分も「東京のショーだなぁ」と思いました。もちろん,ナツメさんが本気で踊る部分は今でも絶品なんですけど,そして,手を抜く部分も見せ場にしちゃうのが彼女の非凡なところ。格好良い振りを格好良く踊るダンサーは他にもいれども,ちょっとした振りでお客を魅了できるというのはスゴイことだと思います。
 第2部の後半はミュージカル特集。「レミゼ」のコーナーでは,テナルディエ夫人として「ここだね!!!」とおっかなく登場したものの,コゼットとマリウスのデュエットを歌ってみたいと爆弾発言をしたり(元マリウスの戸井氏はともかくとして,演出の●ちゃんに大却下されたんですと・笑) で,代わりに歌ったのがアンジョルラスとマリウスの二重唱(爆) むか〜し,帝劇でやったやつの再現。リーダーとしての凛々しさ,スケールの大きさ,歌に乗せる感情表現のどれをとっても歴代アンジョルラスの中でもピカイチ。いやぁ,惚れ惚れとしますわぁ。型で見せる宝塚の男役とはまた違い,リアルな男性。昔取った何とやらではなく,今もなお進化し続けているのに,息長く活動している彼女の神髄を見た思いがしました。そして、なぜかイメージの違うファンティーヌのナンバーも披露。意外にも高音がキレイに伸び、そして、ファンティーヌの意志の強さを印象付ける演唱に聞きほれました。あぁ、この強さにバルジャンは惚れたのねと、作品の根本に迫る発見があるのも面白いものです。
 とはいうものの,何もかもが良い,ということもなく「クモ女のキス」はいまいち。アルゼンチンでテロリストを始めとする囚人をからめとるには,まだまだナツメさんもスマートすぎます。実は,この役の日本版オリジナルがターコさん(麻実れい)でナツメさんがマルタ役だと聞いた時には,ちょっとムッとしたのですが,いざ蓋をあけてみれば,ターコさんじゃなけりゃ市村さんを絡み取れない,と納得したものでした。妖艶な雰囲気とゴージャスさが圧巻でしたもの。ちなみに,この年はあの「エリザ」初演を差し置いて「クモ女」がベスト・ミュージカル賞を獲得したのでした。あれ、でもこの作品の日本初演は1996年だから、当時のターコさんと今のなつめさんは年齢的には大差ない!?!? でも、まあなつめさんにはまだまだ夢として追い続けていただきましょう。
 そして,迎えるフィナーレ。最後はシャンソンで締めくくり。30年の流れを主要駅にはしっかり停車の超特急で駆け抜けた2時間ですが、過不足なく進行し、かつ最後には「今がいちばん」ということを確認できたことが嬉しいショーでした。あまり大舞台への執着のない役者というのがなつめさんの困ったところですが、でれば上手いんです。技術的なものもさることながら、たとえダンスを封じ込められたとしても、昨年末の「イーストウィックの魔女たち」のように、トリプル主演の三大女優(体格が、ね・笑)の迫力にも、たった一人で拮抗できちゃうんです。まだまだこれから、と感じさせる懐の深さがオソロシイ。。。


2004年06月13日(日)11:00-13:40
宝塚歌劇団花組「NAKED CITY」@日本青年館

 B席 4000円 2階-E列-36番 (パンフレット:600円)
   演出:小柳奈穂子  
 ビリー・フォッグ:彩吹真央
 デイジー・ミラー:遠野あすか
 マイク・バインダー:一樹千尋(専科)
 デーニア・ローザ:五峰亜季(専科)
 アレサ:梨花ますみ
 ウィリアム・ウィルソン:矢吹翔
 マダム・パラダイス:幸美杏奈
 アレク:高翔みず希
 ビッグママ:絵莉千晶
 ニコラ・ダッジ:愛音羽麗
 バーナード・スタイン:未涼亜希
 キャシー・レアマン:花城季帆

 宝塚としては珍しく「主要キャストに下手な人がいない」公演でした。バウ作品ともあって、少人数の出演者それぞれに見せ場が作られているのですが、各自がそれを立派にこなしたという印象を受けました。やる気に満ち満ちていて、エネルギーを感じさせられる舞台というのは気持ちが良いですね。おかげで、ちょっと詰め込みすぎに感じる部分もありましたけれど、全体的には楽しい公演でした。
 主役であって、実はあまりストーリーにはからまない立場というのが彩吹真央。実力はあるものの、地味な存在というイメージの生徒ですが、あえて彼女をストーリーテラーのような役にしたのが成功。ミステリーのからんだ作品なのですが、観客も彼女と一緒になって謎解きをしていく作りなので、筋書きに置いていかれることもなく、基準線がしっかり引かれることにより舞台が締まった気がします。でも……中心は似合わない人かと思いました。主役なのに、舞台に居るのに、上手に歌っているのに、固定生徒のファンでない僕なのに……いつの間にやら彼女を観るのを忘れてたりします。別格スター〜組長〜専科路線としてだったら素晴らしいのですが、トップ候補としては難しいかも。舞台での華というのは天性の部分が大きいと思うので、もしかしたら、今のポジションと今回の公演が彼女のタカラジェンヌとしてのハイライトかも、と思ってしまいました。
 逆に、あまりに真ん中が似合ってしまったのが遠野あすか嬢。ルックスや実力以前に華があります。実際、今回のストーリーだと彼女が主役のようなものですが、舞台を一人で支えられるだけのスターですね。本公演での某トップ娘役をはるかにしのいでます。二幕の幕開きでの男役を引き連れる貫禄&オペラティックな歌唱の見事さには惚れ惚れとしました。今、上り調子の勢いを感じました。技術点ではさほど高くないと思うのですが(特に芝居ね)そんなことを跳ね除けてしまうオーラをまとい始めた印象を受けました。
 専科のお二人は相変わらずのうまさだし、「こんなに実力派を引っ張ってきちゃって、全国ツアー組はどうなってるんでしょ?」と心配になるほどの花組の中堅実力派(やぶしょうさんのダンディと、さお太さんのスマートなダンスが絶品)が揃ってて、相変わらずの上手さを見せ付けたのですが、出番が少ないにも関わらずスターとしての押しの良さと存在感に溢れた愛音羽麗と、ほんの二言三言の台詞に感情を乗せた花城季帆、主役並に出ずっぱりの未涼亜希の体当たりの芝居が印象に残りました。


2004年06月13日(日)15:00-16:50
サントリーホール・メンバーズ・クラブ特別コンサートNo.34
「古川展生ロマンティック・チェロ」@サントリーホール小ホール

 全席指定4000円 2列-4番 (パンフレット:無料)
 ピアノ:安宅薫

 シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ イ短調
 ドビュッシー:チェロとピアノのためのソナタ
(休憩)
 ドヴォルザーク:「四つのロマンティックな小品」から第1曲
 ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌
 ポッパー:ハンガリアン・ラプソディ
 サン=サーンス:白鳥
 フォーレ:夢のあとに
 ピアソラ:アディオス・ノニーノ
 ピアソラ:リベルタンゴ
(アンコール)
 バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番より「サラバンド」
 クライスラー:愛のかなしみ
 カザルス:鳥の歌

 小ぶりなコンサートホールでのクラシカルなリサイタルとあってワクワクドキドキ。そして、たおやかな時間を過ごしてきました。のぼぉちゃんも絶好調。色んなジャンルの曲を演奏するのがのぼぉちゃんの魅力ではありますが、やはり専門分野の演奏が一番説得力があります。
 前半はソナタを二曲、後半は小品集で「ざ・のぼぉ」とでも言うべく、油の乗った作品が並び、今現在ののぼぉちゃんのベストの状態が披露されたのではないでしょうか。のぼぉちゃんの音や音楽はリリカルなので、重厚でドラマティックなものよりも、フランス物の軽やかさのあるものや、歌い回しに工夫の凝らせる民族音楽の絡んだものはまさにベストマッチ。(重い作品や、のっぺりした作品は今後に期待してます・笑)。安宅さんの包容力のあるピアノと自由自在に泳ぐのぼぉちゃんの演奏とが絶妙な味付けでした。
 先日のコロンビアの時から感じているのですが、最近ののぼぉちゃんは、ギラギラした感じがなくなり、押しと引きをコントロールするようになって、演奏家としての男ぶりが一段あがったように感じます。全力投球だけだと息が詰まってしまうので、この余裕はとっても嬉しいなぁ。余裕はあるといっても、手抜きをするのではなく、ピアノとの掛け合いや、会場に響く音澪の処理にいたるまで、非常に丁寧。pppで消え行くチェロの響きの美しかったことといったら!! そして、演奏中ののぼぉちゃんは表情が生き生き&柔らかで、一緒の空間に居られてシアワセ気分でした。あくまで僕の想像ですが「効果的に演奏しよう」という空気が消えたように感じます。もちろん、それには本人の準備だけでなく、ホールや客の雰囲気なども影響するとは思いますけどね。今日はサントリー・ホールが主催とあってか、客層も落ち着いた方々が多く、みんなでワインを一杯ひっかけながら「休日の午後を楽しみましょう」という空気があったのも嬉しい限り。何だか、すべてがパズルのようにピッタリはまった公演でした。満喫!
 そろそろ次の「クラシックの」アルバムが欲しいのですが、ドビュッシーのソナタなんて、のぼぉ節炸裂で良いと思うなぁ。ショパンとかもね。特性に合ってる&弾き込んでいる曲がよろしゅうおま。


2004年06月19日(土)16:00-18:20
映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」@TOHOシネマズ市川コルトンプラザ 1 SCREEN

 大人一般 1800円 C列-11番 (パンフレット:700円)
 監督:アルフォンソ・キュアロン

 ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ
 ロン・ウィーズリー:ルパート・グリント
 ハーマイオニー・グレンジャー:エマ・ワトソン
 ドラコ・マルフォイ:トム・フェルトン
 ルビウス・ハグリッド:ロビー・コルトレーン
 アルバス・ダンブルドア:マイケル・ガンボン
 シリウス・ブラック:ゲイリー・オールドマン
 スネイプ先生:アラン・リックマン
 マクゴナガル先生:マギー・スミス
 リーマス・ルーピン:デイビッド・シューリス
 シビル・トレローニー先生:エマ・トンプソン

 ファンタジー色の強かった前2作ですが,ダークな色あいが強くなって来ました。監督が変わったことも勿論ですが,衣裳と美術のマイナー・チェンジと役者の成長が大きい気がします。
 今まではホグワーツでの授業が中心だったので,おのずと制服での登場が多かったのですが,今回は授業外での場面が多いこともあってか,ジーンズやパーカー姿でのシーンが多いのが特徴です。が,イギリスの中高生なので,日本と比べると全体の色味が地味なのです。では,制服のシーン華やかかというと,色調補正によって褐色がかってきたのと,実用性を考え始めたためのデザイン変更により,だいぶ趣がかわってきました。ロンドン郊外の平原が美しかったホグワーツ周辺の描写も,高低差を強調しワイルドなものが中心に。もちろん,こちらはこちらで美しくて僕好みです。ハグリッドの小屋への急な階段なんて,日本の温泉旅館に登場しそう。
 さて,主役の3人組ですが,実年齢が12〜14才なので13才の役を演じるにはちょうど良いのですが,いかんせん成長期ゆえ,あまりの大人っぷりにおじちゃんドギマギ。丸顔のハリーも心なしか顔長で男性的になり,ロンには落ち着きと風格が,ハーマイオニーには色気が出て来ました。もちろん,まだまだ3人とも可愛い(^o^) そして,思春期まっただ中なので,3人とも小生意気なのがますます可愛い!
 原作だと1人1人の大人への成長が丁寧に描かれているのですが,日曜日夜の大河ドラマでもない限り時間が足りないので,カットたっぷりなのはいたしかたないところ。もちろん,映画だけでも楽しめるように作られているのですが,原作の1章分が数秒のショットで終わってたりするのが残念。巻を追うごとに膨大な分量になってくる原作のストーリーを追うのに精一杯で、大味になってしまったのです。基本的に、ハリーとシリウスの部分を抜き出した感じで、学園生活や友情面でのシーンがバッサリ切り落とされてしまったので、一年間にわたるストーリーというよりも、新学期始まってからの一週間というように見えてしまいました。自然描写によって季節を表しているみたいなのですが、インパクトが弱いなぁ。。。
 原作を読まずにして映画版を見た人がどんな感想を抱くのか興味のあるところです。第四巻からは原作も二冊組になるので(分量が倍)、今後の映画版での展開に興味津々です。


2004年06月20日(日)14:00-14:30
古川展生「チェロ・ミニ・コンサート」@銀座山野楽器 本店7階イベントスペース Jam Spot

 無料 全席自由 (パンフレット:なし)
 ピアノ:嶋田陽子※

 アディエマス:賛歌
 サン=サーンス:白鳥※
 塩入俊哉:夢のしずく※
 妹尾武:蒼茫※ ←ご本人様は「ぼうそう」と呼んでました。思わず千葉県某所を想像(笑)
 ピアソラ:リベルタンゴ※
 ショパン:ヴァルス・コン・フエーゴ

 CD発売記念のイベントなので、勝手にピアノ=塩入氏と思い込んでいたのですが、嶋田さんでした。大阪〜九州〜東京の毎日が乗り撃ちコンサートだとかで、さすがにのぼぉちゃんも嶋田さんもお疲れのご様子。ことに嶋田さんは生気がなかったなぁ。ミスタッチも多く、やっとこさっとこ弾ききりました、という状態が痛々しかったです。のぼぉちゃんは力を抜いた弾きっぷりが今日のプログラムには合ってたみたいで、ピッツィカートも荒々しさが抜けて、さりげなく響いていたのが嬉しいです。
 150人位のキャパの会場でしたが、チェロにはヘッドセットのようなマイクを付けての演奏。「このホールならば生でも良いのに」とも思いましたが、録音とのバランスを考えるとチェロの音もアンプを通す必要があったのでしょうね。ただ、ここからは好みの問題になってきますが、あまりエコーをつけてしまうと、せっかく目の前で演奏されているにもかかわらず、何だか録音演奏を聴いているような気分になってくるので、もう少し効果は抑えた方がよろしいかと……。デッドな空間での弦楽器の演奏の難しさを感じました。
 CDを買ってもほとんどライナーノートを読んでいなかったのがバレバレですが、今までさんざん”ショパン:ワルツ第3番「華麗なる円舞曲」”と記録を残していたのですが、編曲にあたって、タイトルが変わっていたのですね。和訳すると「炎のワルツ」とでもなるのでしょうか。「華麗なる」がとても似合わない曲でしたが、なんと「炎の」にまで変貌を遂げるとは思いもしませんでした(笑)


2004年06月22日(火)20:00-22:10
古川展生「ロマンティック・ストーリズ・オン・チェロ」@STBスイートベイジル

 全席自由 5000円 (パンフレット:なし)
 pf・key:塩入俊哉、g:遠山哲朗、b:斎藤順、per:菅原裕紀

 アディエマス:賛歌
 サン=サーンス:白鳥
 塩入俊哉:a tout prix〜果たせぬままに
 ピアソラ:タンティ・アンニ・プリマ
 ピアソラ:アディオス・ノニーノ
 京谷弘司:レコルダシオン
 ピアソラ:リベルタンゴ
(休憩)
 小野リサ:CANCELA
 フェレイラ:ショリーノNo.1
 ピシンギーニャ:ウン・ア・ゼロ(1対0)
 パウエル:アペーロ(哀訴)
 チャップリン:スマイル
 黒人霊歌:時には母のない子のように
 塩入俊哉:桜の時に
 ショパン:ヴァルス・コン・フエーゴ(華麗なる円舞曲)
 塩入俊哉:夢のしずく
(アンコール)
 Happy birthday dear 塩入さん
 塩入俊哉:抱きしめるより、、
 ピアソラ:ブエノスアイレスの冬
 カッチーニ:アヴェ・マリア

 「久しぶりにCDを出します」に始まり「録音してます」「発売日決まりました」と、前宣伝は活発だったのですが、4月下旬にCDが発売されてからしばらく、東京公演がほとんどなかったのぼぉちゃん。よって、なぜか6月になってからCD発売イベントが目白押しとなりました。本日のコンサートはそのハイライトとも言えるものでしょう。CDに収録されていない曲も数多く演奏された一夜となりました。
 クラシックのコンサートはミュージカルやオペラと違い、演奏時間がせいぜい2時間なので、今夜のように20時だとか21時開演のものがもっと増えると嬉しいです。電車が云々というのは関係ないと思うんですよ。そんな事を言っていたら、22時以降に終演が珍しくない他のジャンルの観客はどうなっちゃうの!?となりますものね。そんなわけで、20時開演という今宵のコンサートは仕事帰りに寄るにはありがたい限りです。おまけに店内でとりあえず食事ができるのもね。これで、もう少しお味が良ければ……というのは贅沢かしらん?
 「みなさんの心の隙間に入り込めたら」と始まったコンサート。「泣いていただきたい」「やっぱり愛も」という前半、「ラテン系も聞いてください」という後半とまとめられていて、合間合間にはMCをはさんでのステージでした。今回はプログラムが配られませんでしたが、馴染みの薄い曲が多いので、配布してほしかった!! 上記演奏曲リストも不完全です。余談ですが、今回は「ふむふむ、のぼぉはこんな風に泣くのかぁ」という表情を何度か見せていましたが、何を思って弾いていたんでしょうね。


2004年06月26日(土)10:15-12:45
映画「ブラザーフッド」初日@日比谷 スカラ座1

 大人ペルソナ割引 全席自由 1500円 N列-28番 (パンフレット:600円)
 監督:カン・ジェギュ

 ジンテ:チャン・ドンゴン
 ジンソク:ウォンビン
 ヨンシン:イ・ウンジュ
 ヨンマン:コン・ヒョンジン
 北朝鮮軍大佐:チェ・ミンシク
 青年団長:キム・スロ

 初めての韓国映画でした。そもそも戦争モノは好きじゃないし、韓国のお話となると登場人物の名前が覚えられないし、華やかさは皆無でテーマも重そうだし、とってもとっても僕好みじゃない映画のはずなのですが、なぜかとっても興味を持った映画です。このような直感は結構信頼できるものでして、見て良かった〜の大満足映画となりました。
 台本の作りとしては「タイタニック」とでもいいましょうか、現在を生きる老人が過去を振り返るという作りで、昔の戦争を身近なものとして感じさせるのに成功していました。
 同じ戦争物ではあっても、ハリウッドと韓国では規制基準が違うらしく、人間が死ぬことにたいする描写の細やかさは前代未聞でした。腕や足がもげるだけでなく、手術するシーンや蛆虫がわくシーンなど、冷静には見ていられないのですが、それを上回る清涼感を感じさせたのがチャン・ドンゴン&ウォンビンの兄弟愛でした。正確に言うと兄の愛かな。父亡き後、弟を大学に行かせるために自分は靴磨きとして一家を支える兄。おまけに、弟に甘いこと甘いこと。でも、弟がそれに甘えることなく、きちんと兄を目上の人として敬っているのが清々しい。貧乏ながら幸せに暮らしていた兄弟(ここの描写が幸福感に満ちていて微笑ましいのです)が巻き込まれたのが朝鮮戦争。前触れもなくいきなり強制徴収されてしまった弟を家に帰そうと、自らも志願する兄の無償の愛の物語とでもいいましょうか。チャン・ドンゴンが格好良いことこの上ないのです。決して表情豊かなわけでもないのですが、ちょっとした表情や仕草で愛情を表現するあたり「あぁ、アジアのスターだな」という印象を受けました。窮地に追い込まれるに従い、それがだんだん感情が露になり、弟が殺されたと勘違いした時にはついに狂気に至ってしまうのですが、この変化が見事で見事で、惚れ惚れとしました。甘さのみならず、危険な香りを放つ俳優というのが僕の好みではありますが、多面的な魅力に満ちた役と、それを表現しうる役者とのベストマッチが素晴らしかったです。弟役のウォンビンは見た目も芝居もいかにも次男坊というのがこれまたドンピシャリで、感情表現は豊かだし(良い意味でヤンチャな役ね)、思い込みの激しい部分、そして愛情があって当たり前だったがゆえに、兄の無謀さが深い愛情ゆえということに気付かないというのが泣かせます。もちろん、弟は弟で兄の愛情を最後には理解し、受け止めるのですが、時はすでに遅く、前述のように兄は狂気に……ということで、泣けた〜〜〜。僕は次男なので勝手にウォンビンの支点で映画を見ているのですが(脚本的にも正統的な見方でしょ)世の長男の方々はどんな感情を抱くのでしょうね。
 余談ですが、チャン・ドンゴンは二枚目だとは思うけれど、お目目の大きさだとか、お顔の大きさ、そして高身長ということからしてもとても舞台向きのお方だと思うのですが、ミュージカルとかやってくれないかなぁ。って、プロフィールは全然知らないんですけど(笑)


2004年06月26日(土)18:00-21:25
新国立劇場「INTO THE WOODS」千秋楽@新国立劇場中劇場

 S席ATRE会員割引 5670円 1階-11列-48番 (パンフレット:800円)
 演出:宮本亜門

 魔女:諏訪マリー
 パン屋:小堺一機
 パン屋の妻:高畑淳子
 ジャックの母:藤田弓子
 シンデレラ:シルビア・グラブ
 シンデレラの王子・狼:藤本隆宏
 赤ずきんちゃん:SAYAKA
 ジャック:上山竜司
 ラプンツェル:吉岡小鼓音
 ラプンツェルの王子:広田勇二
 シンデレラの母・巨人・おばあさん:荒井洸子
 ナレーター・謎の男:鈴木慎平
 執事:大森博史
 シンデレラの継母:藤田淑子
 フロリンダ:仁科有理
 ルシンダ:山崎ちか
 シンデレラの父:二瓶鮫一
 白雪姫:山田麻由
 眠れる森の美女・ミルキーホワイト:飯野愛