観劇日記〜2004年12月〜
04日(土) 15:00 新国オペラ「ヴェルディ:椿姫」 新国立劇場オペラ劇場
06日(月) 21:30 松本英明「竹の音-revolutions-」 ライブハウス『多作』
11日(土) 18:30 東宝+SHINKANSEN☆RX「SHIROH」 帝国劇場
12日(日) 13:00 A.P.P企画「愛さずにはいられない」 麻布die pratze
15日(水) 19:00 東京都交響楽団 チェロ・スーパーセッション
「みんなで聴こうよ!オーケストラ団員による室内楽」
市川市文化会館小ホール
17日(金) 20:20 十二月大歌舞伎「今昔桃太郎」 歌舞伎座
23日(木・祝) 13:00 劇団四季「コーラスライン」 自由劇場
23日(木・祝) 19:00 矢部達哉+古川展生+田部京子
「クリスマスコンサート〜パリに遊ぶ〜」
トッパンホール
25日(土) 11:00 宝塚歌劇団星組「花舞う長安」「ロマンチカ宝塚'04」 東京宝塚劇場


2004年12月04日(土)15:00-18:05
新国立劇場オペラ「ヴェルディ:椿姫」@新国立劇場オペラ劇場

 ランク6席 6615円(ATRE会員割引) 3階-4列-52番 (パンフレット:800円)
 演出:ルーカ・ロンコーニ
 指揮:若杉弘
 東京フィルハーモニー交響楽団

 ヴィオレッタ:マリーナ・ヴィスクヴォルキナ
 アルフレード:佐野成宏
 ジェルモン:クリストファーロバートソン
 フローラ:林正子
 ガストン子爵:内山信吾
 ドゥフォール男爵:小林由樹

 古今東西色々なオペラがありますが、総合点として最も高いのが「椿姫」ではないでしょうか。各音域のソロに重唱、合唱にそれぞれ名曲があり、短時間の上演時間でありながら過不足なくコンパクトにまとまっている台本、パーティやバレエなどオペラならではの見せ場あり、と文句なしの出来栄えです……って、今さらヴェルディを褒めても仕方ないんですけど(笑) 一幕ではコロラテューラ、ニ幕ではリリコ、三幕ではスピントという、マリア・カラス以外は誰が歌っても何かしらこき下ろされるヴィオレッタ役によってその成否がほぼ決まるというプリマ・ドンナ・オペラではありますが、よ〜っぽどのソプラノでない限り、まずお客さんが楽しめるという、ちょっとアマノジャクな作品でもあります。今回の上演も、ヴィオレッタは癖が強くてこぶしが回っちゃってるし、ジェルモンは存在感がないし、合唱なんてあまりのひどさに唖然ではあるのですが、だからといってつまらないということはなく、終幕では会場のそこかしこからすすり泣きの声が聞こえてくるのですから、何をもって素晴らしい公演というのかはわからないものですね。ロンコーニの演出はやたらと装置を動かすので、舞台が落ち着かず、また無駄な空間が多いため、歌手の声が広い広い新国の舞台裏に吸い込まれてしまい、客席まで伸びてこないのが相変わらず。そして、室内オペラともいえるこの作品には余った空間がとってもミスマッチ。瀕死の状態のヴィオレッタなのに大きくたっぷり動かなくてはならないのですから。ん〜個人的にはこの演出好きじゃないです。
 が、今回は何といってもアルフレードが素晴らしかった! 佐野っぴはどこまでも澄んでいてどんなにffになろうとも柔らかな声で、会場の隅々まで瑞々しい声を響かせるのに脱帽。アルフレード=新人テノールの役というイメージを払拭してくれました。一歩間違えればストーカーになりかねないアルフレードですが、貴族としての品の良さをキープしているのが絶品。勢いだけで歌われることが多い役なのですが、佐野っぴだと歌いまわしに品格があるのです。彼は今月は来月は藤原歌劇公演でもアルフレードを演じるのですが、今が旬のアルフレードですね。もう絶好調! 今までは高級娼婦の許されざる恋の話かと思っていたのですが、「青年が恋に落ち、ひと時の幸せを得たものの、最初は家柄によって、最後は彼女の病気によって恋を引き裂かれる」という「男のドラマ」でもあったことに気付かされました。でも、実は「子供たちの幸せを願うあまり、エゴイスティックになってしまう父親の話」でもあるらしいので(この部分はまだ実感としてわからないなぁ)、実はまだまだこの先も楽しめる作品なんでしょうね。


2004年12月06日(月)21:30-22:05
松本英明「竹の音-revolutions-」@ライブハウス『多作』

 全席自由 当日券2500円 (パンフレット:無料)

 松本英明(箏)
 笹木研吾(キーボード)

 松本英明:千鶴へ
 松本英明:BLOOM
 松本英明:光の庭
 松本英明:小さな想い
 松本英明:ラビリンス
 沖縄民謡:てぃんさぐぬ花

 箏とはいっても、いわゆる邦楽ではなく、平均率を用いた西洋音楽の演奏でした。時にはギターのように、時にはハープのように、はたまた打楽器としても用いるという、非常に斬新な演奏で、カルチャーショック。日本人でありながら、邦楽の摩訶不思議な音階とメロディが得意ではない僕にはありがたい音楽といえましょう(笑) 今回の会場は小学校の教室を一回り小さくしたような正方形のライヴハウスで、演奏者と観客はほんの目と鼻の先。雅やかな音とは対照的に、駒(って邦楽では何と言うんでしたっけ!?)のダイナミックな移動や、「弦、緩まないの?」と心配になってしまうような大胆な奏法に耳だけでなく目も釘付け。非常に面白い体験をさせていただきました。初めてのジャンルの場合、一度に多量の情報が入ってくるためか、いつも以上に公演終了時には疲れを感じるものですが、集中力が続くうちに、その演奏家の世界にいざなわれるのは、色々な意味でありがたいですね。とりあえず、僕の彼の演奏の第一印象は「リズム感の良さと勢いに乗った音楽」でしょうか。集客の問題がありますが、今回のようなマイクをつけた箏&電子ピアノでの演奏ではなく、願わくば、もう少し落ち着いた空間で、生音のみでの勝負演奏を聴いてみたいと思いました。特に今回はキーボードの状態が非常に悪く、叩きまくりの演奏をしても音が響かないという最悪状態。これは演奏家が可哀想。生ピアノで聴きたいなぁ。
 さて、演奏環境をさておいても、テクニックなどについては良くわからないジャンルなのですが、それだけに、演奏家のテンションについて考えさせられる宵となりました。ほんの30分ほどのコンサートにしては演奏にムラがあり、途中で緊張感がプッツリ切れてしまったのが残念です。それはたとえ、場違いな嫌がらせの野次が飛んできたり(「松く〜〜〜ん、○×△」だったり「今、間違えたでしょ」だったり、はたまた演奏中のおしゃべりだったりで、一部の固定ファンのかもし出す異様な雰囲気作りには一緒の空間を共有していた僕もウンザリ!)、演奏中にしてキーボードの音響事故があったり、はたまた観客にもはっきりわかるような演奏ミスがあったり。でも、プロといえどもアクシデント付きのコンサートなんて珍しくないものですし、そんな悪条件の中で、お客さんの魂を奪うのが演奏家であって、いちいちアクシデントに反応してしまうのはいかがなものかな、と彼の今後がちょっと心配になってしまいました。普段、結構文句は言ってますが、その点、のぼぉちゃんは、彼なりの波はあるものの、ある一定基準は常に押さえているという意味では、非常にプロフェッショナルだよなぁ、とよそ様のコンサートでご贔屓のことを考えてたりしちゃいました(あらら)。いずれにせ、松本氏については今後ブレイクするか、地道な演奏活動が続けられるか、数年で消えてしまうかの際どいポジションに居る演奏家、という印象を受けました。


2004年12月11日(土)18:30-途中退席
東宝+SHINKANSEN☆RX「SHIROH」@帝国劇場

 B席 5000円 2階-L列-5番 (パンフレット:2500円)
 演出:いのうえひでのり

 中川晃教、上川隆也
 高橋由美子、杏子、大塚ちひろ
 橋本じゅん、植本潤、吉野圭吾、泉見洋平、栗根まこと
 秋山菜津子、高田聖子、池田成志
 江守徹

 上演時間が4時間近くの大作なのですが、すみません、開演50分の時点でギブアップして劇場を去らせていただきました。「ミュージカルを観に来た」のか「SHINKANSENを観に来た」のかで評価が真っ二つに分かれるかと思われます。僕は前者なので今回の作品はダメでした。とにかく「ミュージカルに不慣れな方たちによる作品なんだな」というのが第一。音楽によって話が展開するのではなく、音楽によって話がストップしてしまうというのが致命傷。せめてその曲が良ければ楽しいのですが、これといって耳に残る曲もなければ、役者も歌芝居ではなくコンサートのノリになってしまうので、ゴメンナサイ、とにかく拒絶反応でした。おまけに、帝劇公演だというのに、二階席や後方座席のお客を無視したチマチマした演出。舞台上に家庭用サイズのテレビを沢山並べて、それに色々な画像や文字を流すのですが、そんなの見えっこないでしょ! 映像を流したければ、せめて幅10mの大スクリーンを用意しなければ。そして、群集処理も、ダンス処理も、少なくとも二階から眺める分には効果なし。あくまで10m圏内での観劇を前提としているとしか思えない演出家にブーーーーッ! 歌えば良い、体を揺らせば良いってもんじゃないんよ、ミュージカルは。そして、一時間ちかく費やしているにもかかわらず、話が動き出さない台本にもこれまたブーーーーッ! さらに、作品と関係のないお遊びや、わざと芝居の邪魔をして取る笑いは僕の許容範囲ではないのでこれまたブーーーーッ! でも、大喜びしているお客さんも多かったので、彼らのスタイルになれている人にとってはたまらない公演だったかと思います。これらはあくまで僕の感想。実際「面白かった〜、また観たい!」という友人もいましたし(ごくさんとか)。もう、ここまで個性的な舞台を作られるとちょっと気持ち良いというのも正直なところ。平凡で記憶に残らない舞台だったら、好きな人にだけ受ける舞台という方が中途半端じゃなくていとよろし、と。
 そんな中、僕が良かったなと思えるのが中川君の歌唱。声の抜けの良さ、歌いまわしの自在さでは群を抜いていました。今回の男性メンバーの中で歌えるのは彼だけ、ということもありますが、それを差し引いても見事な歌唱。これで、名曲があてがわれていたら、と惜しまれます。そして、歌わないほうが良いのではないかと思われるものの、存在感で群を抜いているのが上川氏。上記のように芝居部分もわけわからないのですが、変なおちゃらけ芝居には迎合せず、自分の世界を築く芸風に好感。立っているだけで主役を演じるための方と思わせるのが素晴らしいです。彼が歌えたら「ジーザス」とか合ってるのではないでしょうか。さらに、アンサンブルの群集芝居の迫力が素晴らしかった〜。歌やダンスは素人レベルながら、なまじカウントが取れず、揃えようという意識がないせいか(って勝手に決めていますけど・汗)、乱闘シーンなどは独特の迫力を感じました。素晴らしいです。……ということで、なんでこのスタッフ、キャストでミュージカルを上演しようとしたのかが謎だなぁ、と。中でも江守さんなんてなまじテレビやストレートプレイでは大御所扱いなだけに痛々しかった。。。


2004年12月12日(日)13:00-15:00
A.P.P企画「愛さずにはいられない」@麻布die pratze

 全席自由 前売2500円 (パンフレット:無料)
 演出:大神田潔

 落合勝利(主人公):徳山貢介
 加賀俊造(勝利が勤める工務店の社長):高橋護
 赤川(生徒。番長):牧野陽一
 坂崎(生徒。副番長):佐藤正樹
 北原(生徒。オカマ言葉の美容師):宮澤瞬(劇団サードクォーター)
 高畠(生徒。フリーター):根井晃親
 服部(生徒。内装業):長谷川洋平
 落合富江(勝利の母):早川みき
 朱美(生徒。見習看護婦):小山真千恵
 美智子(美容師):坂田良子(うさどん@裏すみれ)
 弓子(生徒。保母志望):丸尾安世(劇団サードクォーター)
 秀代(生徒。二児の母):平真薫
 鯛子(飲み屋「一心亭」のママ):木村由起子
 小坂麗子(望洋高校、数学教師):関根章恵

 実はうさどんが出演するから、というだけで観にいった舞台なので、コメディなのかシリアスなのかすらも知らないまま劇場に足を運びました。ま、彼女が「出演したい!」と思う劇団ならば間違いはないだろう、と勝手に安心と信頼のブランドとなっているうさどんですが、期待を裏切らず、非常に充実した時間を過ごすことができました。まずはジェームス三木の台本とあって、破綻なくテンポ良く話しが展開すること、役者全員の口跡が良く聞き取りやすい発声だったこと、奇抜な演出や芝居がなく丁寧に作品に取り組んでいたことが僕好みだったのかと思われます。決して派手なプレーヤーが居る訳ではないのですが、良く訓練された集団だな、という印象を受けました。暗転と同時に出演者が大道具係りに早替わりなのですが、その流れの良さは「明るいまま転換も見せましょうよ」と思う程!
 主人公は気が弱くて、何回お見合いしても振られてばかりの30代半ばの冴えない男なのですが、結婚を心配する母親との会話についつい我が家での会話を重ね合わせてしまい、思わず主人公の勝利に共感してしまう自分に「そんなんじゃいけない!」とハッパをかけながら眺めているところに登場するのが、お調子者の社長の俊造に気が強いうえにオカチメンコな、いかにも「もてません」という小坂麗子先生。キャラクターの個性がくっきりしているので、その波長の違いが生む相性の悪さに前半は大笑い。あぁ、これはコメディだったのね、と油断していたら、いつの間にやら純愛ストーリーへと転換。らっしいの口癖の「良かったかどうかの判断基準は”もう一度観たいかどうか”」によれば文句ナシにもう一度観たい芝居でした。というのも、個々のキャストが実に細かい芝居をしているんですよぉ。おまけにそれぞれに細かな複線がはられているので、見終わってから「!」ということも多かったのです、はい。見所は、とろくて要領の悪い中から、ルックスとは裏腹なピュアの心を覗かせる勝利の変化と、頑なで攻撃的で、愛想も色気もない小坂麗子先生が乙女心と柔らかな微笑みを取り戻すまでの変化でしょうか。最後の最後に、愛に満たされた二人の表情にスポットがあたって幕となるのですが、何と良い顔だったことか! 実は役の上とはいえ「ブサイクだの、もてなさそうだのこんなに言われ続ける役は可哀想」と役ではなく役者に同情していたのですが、実はこれは作戦だったんでしょうね。心の美しさを表情で表現した主演のお二人にぶらぁぼ!!
 で、我らがうさどんはというと、定時制高校の生徒の一人ということで、そんなに出番は多くないのですが、これがまぁ好き放題やってくれてます。登校と同時に椅子にドスンと「斜めに」腰かけ、同級生と一緒に先生に反抗。口は立つし、いちいち癪に障るリアクションをするし、僕が先生だったらこんな生徒嫌〜〜〜っ。でも、心の底から嫌なやつではなく、きっと何かコンプレックスだとか悩みを抱えているんだろうな、という空気を感じさせられました。そして、口や態度は悪くても、仲間の体調をそれとなく思いやり、勝利と小坂麗子先生(なぜかフルネームになるなぁ)の想いを知れば応援するという「実は良い奴じゃん」という役でした。最近良くニュースになる陰湿なイジメとは違って、反抗するにもそれなりの理由がはっきりしているのが気持ち良いです。個人的には、終幕でクラスメートが勝利宅に押しかける時に「おばちゃん、こんちは!(だったかな?)」とほんの一言の挨拶をするのですが、たったそれだけで、下町っぽさを醸し出したのに脱帽。実はうさどんのお芝居を見るのは初めてでしたが、また機会があればぜひ舞台に立っていただきたいものです。彼女の個性でいくと、チョイ役だけれど、このシーンはいただきっ、というポジションが美味しいかと思われます。


2004年12月15日(水)19:00-20:55
東京都交響楽団 チェロ・スーパーセッション「みんなで聴こうよ!オーケストラ団員による室内楽」
@市川市文化会館小ホール

 全席自由 無料 4列-15番(パンフレット:無料)

 田中雅弘、古川展生、松岡洋平、平田昌平、江口心一、高橋純子、柳瀬順平、岡本和夫、杉原捷子 (以上、Vc)
 山本真由美(Sp)

 クレンゲル:賛歌
 グリーグ:「ホルベルク組曲」より
   第1曲「前奏曲」
   第2曲「サラバンド」
   第4曲「アリア」
   第5曲「リゴードン」
 ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番
(休憩)
 マルッチェロ:アダージョ
 ヴィヴァルディ:「四季」より「冬」第1楽章、第2楽章
 フィッツェンハーゲン:アヴェ・マリア
 ビートルズ:イエスタデイ
 ピアソラ:リベルタンゴ
 アンダーソン:トランペット吹きの日曜日
 アンダーソン:そりすべり
 アンダーソン:フィドル・ファドル
(アンコール)
 クリスマスソングメドレー もろびとこぞりて〜荒野の果てに〜ホワイトクリスマス〜清しこの夜

 職場近くのサントリーホールや歌舞伎座ですら「おそ割」や「一幕見席」を利用しているので、いくら地元の市川とはいえ、平日の地方公演で開演19時というのは結構きついものがあります。ということで、清水さんには呆れられ、まりのすけ嬢には後押しされながら、17時で早退しました。のぼぉちゃんの場合は、会場によってファン層が異なるのですが、さすがに今回は常連メンバーは少なかったみたいです。そして、抽選による入場だというのに締切前に入場券がなぜか届いただけあって、小ホール公演なのに入りは半分強といったところでしょうか。クラシックのコンサートは2時間程度のことが多いのですから、開演が19時半や20時だったら、働くおじさん(あ、僕ね)やOLの方も来られたでしょうに。。。
 さて、市川でのこのシリーズは「オーケストラ団員による"室内楽"」だそうで、東フィル、東響に続いて都響が登場。のぼぉちゃんのしょっぱなのご挨拶が「東京交響楽団ではなく東京"都"交響楽団のチェロ・アサンブルです」だったのもむべなるかな。次回は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団!?……というおふざけは置いといて、このアンサンブルの演奏はパーシモンでのおしゃべりコンサートに引き続いて二度目の体験。クリスマス前ということと、特殊な編成ということがあってか、ちょっとしたお祭り気分コンサートでした。オケでの演奏とは違い、主席以外のメンバーにもそれぞれソロの聴かせどころがあって、それぞれ音色も歌いまわしも異なるのでそれだけで楽しくなってきます。そして、一曲の中で、それぞれの奏者にピタリとあてはまるパートに振り分けられているのも「仲間たち」という感じがするではありませんか! 出演者も楽しそうに弾いているな、と思ってたら、MCで「終演後は平田さん宅で飲み会なんです♪」とのぼぉちゃんがネタばらし。ふふふ、正直者めっ!
 ま、そんなわけでリラックスムードの中、気楽に楽しく、ちょっと忘年会気分のコンサートでした。クラシックからポップスまで幅広いプログラムなのですが、相変わらず「そりすべり」でのえぐちゃんのいななきが、「フィドル・ファドル」での松岡さんの高らかな歌声が僕のツボ。は?のぼぉちゃんですか? 「飲んだくれ状態でのコンサート希望」かな。ふふふ(笑)←何のこっちゃ!


2004年12月17日(金)20:20-21:25
十二月大歌舞伎「今昔桃太郎」@歌舞伎座

 一幕見席 800円 4階-立見 (パンフレット:1200円)

 桃太郎:勘九郎
 桃の妖精:福助
 忠吉:橋之助
 吾作:信二郎
 お米:門之助
 桜:七之助
 宗蔵:宗生
 妖精:隼人、国生、岡村研佑
 猿:猿弥
 犬:弥十郎
 お松:扇雀
 薬売り:三津五郎
 長老の犬:又五郎

 勘九郎による「苦労納」です。おなじみのおとぎ話「桃太郎」の後日談なので、ミュージカルでいうと「Into the woods」のような作りとでもいいましょうか。勘九郎の名前で舞台に立つのはこれが最後なのですが、別に引退するわけではないのに、彼の初舞台(ちなみに「桃太郎」)の記録映像は出てくるし、今まで演じてきた代表作を振り返るというホン(作:渡辺えり子)。きっと、彼の舞台をずっと追ってきたファンにとってはたまらない構成なのでしょうが、僕のようにあまり歌舞伎に馴染みのない人でもちゃんと楽しめるのが嬉しい限り。勘九郎のエンターテイナーとしての実力を十二分に発揮するために、おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな作りで、共演者もノリノリ。中でも、鬼の魔術によって踊りがとまらなくなってしまった桜役の七之助によるブレイクダンスが、リズム感の良さ、そして洋舞を舞いながらも芝居はきっちり歌舞伎調という演技力に抱腹絶倒。勘九郎も負けずにダンス・メドレーを披露し、なんと下駄タップまで登場。さらに、さらに、群舞の場面での下座音楽は「ウェスト・サイド・ストーリー」のパーカッション・パートのもの(ってマニアックでしょ・笑)で、ミュージカル好きな僕としては大喜び。年末にパ〜〜〜っと笑い納めするのに最適の作品でした。出演者やスタッフが楽しんでいるだけでなく、お客さんを楽しませよう、という意気込みと、その舞台をより盛り上げようというお客さんの応援との応酬で、まさに舞台と客席が一体となる素晴らしい年末公演でした。お客さんと俳優のどちらがより舞台を楽しんでいるのかわからない程です。それにしても、早替わりだの各種しかけだので、舞台裏のスタッフもてんてこ舞いだったことでしょう。堪能しました!


2004年12月23日(木・祝)13:00-15:20
劇団四季「A CHORUS LINE」@自由劇場

 A席 8400円 1階-10列-01番 (パンフレット:1200円)
 演出:マイケル・ベネット、浅利慶太

 ザック:飯野おさみ
 ラリー:中山大豪
 ダン:高栄彬
 マギー:上田亜希子
 マイク:望月龍平
 コニー:高城信江
 グレッグ:武藤寛
 キャシー:高久舞
 シーラ:八重沢真美
 ボビー:道口瑞之
 ビビ:礒津ひろみ
 ジュディー:八田亜哉香
 リチー:西尾健治
 アル:川口雄二
 クリスティン:村中ちえ
 ヴァル:石倉康子
 マーク:藤原大輔
 ポール:田邊真也
 ディアナ:吉沢梨絵
 フランク:品川芳晃
 ロイ:金田暢彦
 トム:内御堂真
 ブッチ:塚下兼吾
 ビッキー:荻原亮子
 ロイス:宮内麻衣
 トリシア:金井紗智子

 いつの間にやら、都内には劇団四季の劇場が5つ。そして、各地地方にも劇場がある……ということで、現在この劇団は層が非常に薄いのですが、その弱点が顕著に現われた公演となってしまいました。「誰もが特別な一人」ということで、それぞれに主演可能な俳優のキャスティングが必要なのですが、残念ながら新人公演状態になってしまいました。これで半額ならばともかく、通常公演の料金を取るとなると結構厳しいものがあります。ほとんど全員が台詞棒読み、歌唱力もおぼつかなく「こりゃ、合格者ではなく、失格者を選ぶオーディションになるわな」とストーリーに妙な納得。他の役者と台詞や歌、ダンスの息を合わせようというのが皆無で、みなさん自分のパートをなぞるだけで必死の状態。したがって、メリハリもなければ迫力もなし。したがって、客席のテンションも異常に低く、通常だったらウワァ〜っと盛り上がるしょっぱなのダンス・コンビネーションでは拍手皆無。笑いも取れず、泣かせることもできないこのキャストによる公演はもう結構です。一人だったら途中で帰ってきたな。。。
 そりゃ、スター総出演で一つの公演をこなしていた昔と違いますし、コッテリよりもサラサラした芝居が主流の最近ではありますが、盛り上げどころで盛り上がらない「コーラスライン」は初めてです。自然な芝居をしていたのが唯一のベテラン飯野おさみ。若者を率いていく演出家、という雰囲気と、仕事一筋で彼女に去られてしまう不器用な男という感じが出ていて良かったです。そして、新人ながらきっちり芝居をしていたのが吉沢梨絵。彼女は歌やダンスはイマイチだけれど、芝居歌、芝居ダンスとしてはなかなか趣がありました。が、他キャストは総入れ替え希望!


2004年12月23日(木・祝)19:00-21:05
トッパンホール クリスマスコンサート
「矢部達哉+古川展生+田部京子のクリスマス〜パリに遊ぶ〜」@トッパンホール

 全席指定 6500円 F列-07番 (パンフレット:無料)

 ヴァイオリン:矢部達哉
 チェロ:古川展生
 ピアノ:田部京子
 チェンバロ:西山まりえ
 朗読:小倉弘子

 ラモー:「コンセール用クラヴサン曲集」より 5つの小品
     リヴリ(ロンドー)
     軽はずみ
     内気(第1ロンドー)
     内気(第2ロンドー)
     おしゃべり
 ドビュッシー:ピアノ・トリオ ト長調
     T アンダンティーノ・コン・モート・アレグロ
       アレグロ・アパッショナート
     U スケルツォ・インテルメッツォ
       モデラート・コン・アレグロ
     V アンダンテ・エスプレッシーヴォ
     W フィナーレ:アパッショナート
(休憩)
 フォーレ:月の光 Op.46-2
 ドビュッシー:「忘れられたアリエッタ」より 私の心に雨が降る
 フォーレ:愛の歌 Op.27-1
 フォーレ:ゆりかご Op.23-1
 フォーレ:ピアノ・トリオ ニ短調 Op.120
     T アレグロ・マ・ノン・トロッポ
     U アンダンティーノ
     V アレグロ・ヴィーヴォ
(アンコール)
 ドビュッシー:ピアノ・トリオ ト長調
     V アンダンテ・エスプレッシーヴォ

 編曲物を演奏する時はとかく派手な演奏になりがちなのぼぉちゃんですが、実はちょっと禁欲的な演奏の方が似合うのではないかと思っています。それもクラシック作品ね。もちろん、編曲物のコンサートもそれなりに楽しいけれど、結局印象に残っているものはというと、しんどくはあるけれどガッチリ取り組んだ曲かなぁ。手馴れた曲は、もちろん安定感だとか、弾きこんだゆえの節回しが魅力ではありますが、たまに取り組むがゆえに真剣勝負になる曲の方が後々まで思い返すことが多いもの。
 ということで、仕切りは矢部ちゃんだし、ピアノは田部さんだし、プログラムは魅力的だし、実は密かに期待たっぷりのコンサートでありました。(前日の徹夜ということで、熟睡しないかどうか不安なプログラムでもありましたけど・汗) 今までの演奏を振り返っても、結構フランス物はのぼぉちゃんにはピッタリかと思えるのです。今回のプログラムの中では、ドビュッシーにほんのり色気があって絶品でした。元来、歌いまわしは素敵なので、頑張りや無理が目立つよりも、シンプルにさりげなく演奏した方が垢抜けてて僕は好きです。そして、とっても嬉しかったのは、久しぶりに丁寧なPizzを聴けたこと! のぼぉちゃんのこの音大好き(最近は荒々しいPizzが多かったので……)。矢部ちゃんは決して派手な技巧に走らないし、それでいてカッチリ全体の演奏をコントロールするので、ま、さすがコンマスといってしまえばそれまでなのですが、のぼぉちゃんの演奏とは相性がよろしゅうございます。そして、改めて思ったのはピアニスト選びの重要さ。伊都子さんや亮子さんは大好きなピアニストではありますが、伴奏ピアニスト(と言い切って良いのやろか?)と、ソリストとしてのピアニストの差を見せ付けられた気がします。のどかに草を食べている草食動物と、獲物を狙って目を光らせている肉食動物といった位、切り込み方が全然違いますわ。今度、チェロ・リサイタルの時に「チェロとピアノのどっちがメインよ?」といわれるようなピアニストとの共演があると嬉しいなぁ。


2004年12月25日(土)11:00-14:05
宝塚歌劇団星組「花舞う長安」「ロマンチカ宝塚'04」@東京宝塚劇場

 S席 8000円 1階-10列-36番 (パンフレット:1000円)
 演出:酒井澄夫(長安)/荻田浩一(ロマンチカ)

「花舞う長安」
 玄宗・げんそう(唐の第六代皇帝):湖月わたる
 楊貴妃・ようきひ《玉環・ぎょっかん》(玄宗の妃):檀れい
 安禄山・あんろくざん(将軍):安蘭けい
 高力士・玄宗の側近の宦官:星原美沙緒
 仙人(道士):英真なおき
 緑妃・りょくひ(妃):万里柚美
 陳玄礼・ちんげんれい(唐の将軍):汐美真帆
 楊国忠・ようこくちゅう、楊鉦・ようしょう(後に、唐の宰相):立樹遥
 皇甫惟明・こうほいめい(唐の武将):真飛聖
 李補国・りほこく(唐の将軍):涼紫央
 琳花・りんか(楊貴妃の侍女):叶千佳
 寿王・じゅおう(武恵妃の太子):柚希礼音
 梅妃・ばいひ(妃):陽月華

「ロマンチカ宝塚'04」
 プロローグ
   ヴェネツィアに架かるリアルト橋。夕闇の中でカーニバルが始まる。
 花市場
   港近くの花市場。休暇で訪れた船乗り達が花市場の少女達と踊る。
 サテリコン
   船乗りSは出会ったドルチェ・ヴィータに惹かれて怪しげな世界に入っていく。
 船
   豪華な客船でのパーティ。
 青の洞窟
   海に溺れて青の洞窟に辿りついた少女が海神に見初められる。
 フィナーレ

 宝塚の中国物はなかなか見応えがあります。何がって、美術がです。そして、強烈な色彩の装置や衣装、これでもかっという装飾品の数々に負けずにキラキラ輝くスターたちの姿は圧巻です。今回は宝塚の中でも、コスプレを最も得意とする星組公演とあって、そのキラキラ・ギラギラ感に圧倒されてしまいました。トップのわたさんなんて、スキーのジャンプ台のような被り物をあてがわれているにもかかわらず、その堂々とした様は「さすが」の一言。おまけに、雛人形も真っ青な「重ね着」にもかかわらず切れ味の良いダンスを見せ、芝居も男気溢れる豪快な芝居をみせ、まさに「野郎」でした。皇帝といえども武将である役なので、荒々しさのある彼女の姿は気持ち良かった〜。どちらかというと楊貴妃メインの話ではあるのですが、ちゃん玄宗がと主役として存在していたのがスゴイ。
 そして、絶品は檀ちゃんの楊貴妃。宝塚のトップ娘役についてはファンそれぞれに好みがあるのでしょうが、個人的には若くてキレイだけの小娘には興味がなく「トップ女役」が好きな僕としては檀ちゃんの楊貴妃はとても楽しめました。歌も今までの作品に比べ「檀ちゃん仕様」になっていたため、ボロがほとんど出ず、美貌と貫禄に満ち溢れたすばらしい女帝でした。檀ちゃんは月組時代の可愛らしい娘役の時にはこれといった印象がありませんでしたが、星組に来て、色の濃い大人の役を演じるようになって、魅力が倍増した気がします。中途半端な時期に退団しなくて本当に良かった。
 と、トップコンビが魅力的だったのですが、役の上では美味しい安禄山に芝居の上での大きな見せ場がなく、おまけに退団メンバーを含めた中堅以下の生徒に関しては、ほとんど「その他大勢」扱い。ま、それ位の方が芝居が拡散せずにまとまりはするのですが、スターが大勢揃っている星組にはなんとも役不足続出。とってももったいない気がしました。でも、特定の生徒のファンではなく、宝塚にあまり浸かってない人にはオススメの舞台かな。ストーリーはわかりやすく、宝塚ならではの華やかさも満喫でき、役者のボロもほとんど出ていなかったので。実に壮大な夢絵巻でした。
 さて、休憩を挟んでのショーは、芝居とは打って変わって、ベテランから若手までそれぞれ得意分野限定で起用されまくっていて、異様なまでのテンションの高いものでした。不得意なことはさせない代わりに、非常にしんどい構成というのも、いさぎよくて気持ち良いではないですか! わたさんはとっかえひっかえいろんな相手と踊りまくり、檀ちゃんは妖しく美しく君臨し、瞳子ちゃんはパワフルに歌いまくり、若手もそれぞれアピールしまくり。個々の技量についてはそりゃ注文はありますが、細かなところにこだわっていられない、という勢いに飲まれてしまいました。そんな中、一番印象に残ったのが、わたさんの爽やかな水兵さん。彼女は気の良い兄ちゃん役が本当に良く似合いますね。ただ、今回のショーは勢いがつきすぎていて、後半には観ているだけなのに疲れてきたのも事実。芝居コッテリ、ショーもコッテリは結構体力が必要です、はい。バイキングで好物ばかりを「食べ過ぎた」気分です。でも、ダークな色合いと怪しげな雰囲気は僕好みなので嬉しかった〜。