観劇日記〜2006年07月〜
08日(土) 17:00 東宝「ダンス・オブ・ヴァンパイア」 帝国劇場
09日(日) 15:00 東京都交響楽団「都響&聖響+古川展生」 大田区民ホール・アプリコ
19日(水) 13:00 宝塚歌劇団雪組「アルバトロス、南へ」OMC貸切公演 日本青年館
23日(日) 17:00 東宝「ダンス・オブ・ヴァンパイア」 帝国劇場
27日(木) 13:30 宝塚歌劇団月組「暁のローマ」「レ・ビジュー・ブリアン」 東京宝塚劇場
27日(木) 19:00 来日カンパニー「Movin' Out」初日 東京厚生年金会館


2006年07月08日(土)17:00-20:05
東宝「ダンス・オブ・ヴァンパイア」@帝国劇場

 S席 12500円 1階-C列-22番 (パンフレット:1500円)
 演出:山田和也

 クロロック伯爵:山口祐一郎
 アプロンシウス教授:市村正親
 サラ:剱持たまき
 助手・アルフレート:浦井健治
 宿屋の亭主・シャガール:佐藤正宏
 シャガールの女房・レベッカ:阿知波悟美
 女中・マグダ:宮本裕子
 ヘルベルト:吉野圭吾
 せむし男・クコール:駒田一

 東宝における、ウィーン・ミュージカル第三弾の登場です。作詞は「エリザベート」「モーツァルト!」と同じクンツェ氏ですが、音楽がリーバイ氏ではなくスタインマン氏によるもの。実は観る前はあまり期待していなかったのですが、蓋をあけてみれば「エリザベート」「モーツァルト!」初演時以上の仕上がり。東宝なので、スターを揃えての上演なのですが、あて書きではないか?と思えるほど、配役がドンピシャリだったのが成功の要因でしょう。キャスティング担当、頑張りました!! 演出は……緩急がなく平坦だったので、こちらに関しては改変があっても良いかと思われますが、ま、僕の許容範囲です。
 作品の印象としては「エリザベート」+「オペラ座の怪人」+「CATS」÷3で、ウィーンでもヒットした作品の美味しい処取りをしたのねという印象。ストーリーは「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」のヴァンパイア版とでも言ったら良いでしょうか。もうそれだけで笑っちゃうのですが、スタインマンの音楽もパロディになっていて、第一幕はまずその音楽構成の面白さに大笑い。さすがウィーンでの作品だけあって、シュタッツオパーをコケにしている感じです。ロッシーニ・クレッシェンドは登場するわ、各自が勝手に騒ぎ立てる5重唱も登場するわで、お腹の皮が痛くなりました〜。全体的にはイタリア・オペラのような節回しとポップスが見事に融合しています。かなり凝った作品です。ただ、残念なことに、出演者の歌唱力とオーケストラのレベルが低く、音楽面での不満はかなりのもの。「エリザベート」も「モーツァルト!」もですが、ウィーン・ミュージカルは高度な音楽性とテクニックを求められるので、歌専門でない役者泣かせです。どれもこれも、難しい曲だらけ。今回もちゃんと歌いこなせていたキャストが皆無。でも、ベテラン役者が揃っていただけあって、音楽面の不備を力技でねじ伏せてしまった感があります。公演を重ねるにつれ、どんな作品に変化していくのか楽しみです。
 クロロック伯爵の山口祐一郎は、近年稀にみる手抜き状態です。歌はファルセット&最後の音だけ本気で伸ばしてますし、芝居というとロボットのような動き、さらに、歌う時は必ず応援団のように片腕を振りながら。彼の悪い癖が前面に出ているのです。が、登場した時の存在感はさすが。トート閣下との役作りの違いが良くわかりませぬが、マントを翻して登場するだけで「アンタが主役」となるのは圧巻です。今回は帝劇下手の通路を歌舞伎座の花道のように使う演出だったので、やたらと近くに役者が通るのですが、山口祐一郎の場合、かなり後ろの位置の段階から殺気を感じましたもの(客席の雰囲気も原因?)。巨大な羽をつけての宙吊りも迫力がありました。あ、迫力といえば、歌舞伎座における成田屋の顔芸のごとく、表情を大きくゆっくりニマァと変化させるだけでおっかなかったです。でも、一番怖かったのは、カーテンコールの時に、ヴァンパイアの化粧&牙むき出しでニヤッと客席に笑いかけたこと。長身で歌える役者は他にもいますが、この「やばそう」な雰囲気は彼の右に出る人はそうそうおりますまい。「やっぱり人間じゃない役は似合うのね」と再認識。
 対する市村正親は役者としての上手さを前面に出していました。「ピノキオ」のジュゼッペ爺さんのようなメイクとコミカルな動きで、登場当初は「市村さん!?」と我が目を疑ってしまいました。クロロック伯爵とは逆に、大きな動きなどなく、役の年齢的に動きが制約されているのですが、その中で「芸」によって伯爵に拮抗し、挙句の果てには舞台をさらってしまったのですから、市村正親の面目躍起ってもんです。中でもロッシーニのようなナンバーでは、いつものようにリズムや発声を崩しての「キャラクター勝負」に逃げず、真っ向勝負で朗々と声を張り上げたのは嬉しい喜び。どこで息継ぎすれば良いんだ?という難しいナンバーも、歌詞クッキリ、意味ハッキリ、感情タップリ伝わる、役者歌として名唱を繰り広げてくれました。「プロデューサーズ」におけるネイサン・レインに次ぐ感動モノです。失礼ながら、今まで市村さんの歌で感動したことはないのですが、今回はノックアウトされました。歌い手ってテクニックで極めていくタイプと、情感で極めていくタイプがあると思うのですが、市村正親は完全に後者のタイプ。彼のミュージカル歴における集大成とでも言える歌唱…なんて言ったら褒めすぎ!? 芝居は今後かなり崩れてくるのではないか、とちょっと危惧しているんです。だって、踊りたくなっているのが今の時点からかなり感じられますもの。ちょっとしたポーズで場をさらえるのは、元・ダンサーならではの技でしょうね。バレエ公演におけるコメディ・リリーフみたいです。主役とは言い切れないけれど、結構美味しい役で、主役から場を奪ってしまうタイプ。そんなわけで、「顔技だけであとは"フンッ"と舞台を去ってしまう山口祐一郎」vs「小技を連発していつの間にか舞台進行をコントロールしていしまう市村正親」という構図がとっても楽しかったです。
 そして、この二人のシリアスな対立とは対照的にコミカルな笑いを提供しているのがテナルディエ夫妻…もとい、シャガール夫妻。阿知波悟美と佐藤正宏のコンビネーションがバッチリで、夫婦漫才を楽しませていただきました。佐藤正宏は「レミゼ」の時には声量不足を感じましたが、今回はそのようなことはほとんどなく、逆におちゃらけていながら、愛情いっぱいの父親像が浮き上がって絶品。阿知波悟美は脇役専門だけれど、登場するだけで安心のミュージカル・スター。台詞の通りは良いし、歌も上手けりゃ、動きも軽いときたもんだ。彼女のおばちゃんキャラ大好きです。
 若手は今の時点では割を食ってます。浦井健治はヘナヘナした助手という役どころがドンピシャリ。ここぞという場面でかならず腰砕けになるのがイメージ通りで笑えます。ま、すぐ横で市村正親がついているのでやりやすいのでしょう。そして、サラ役の剱持たまきも阿知波悟美と佐藤正宏に守られての登場。でも、二人とも歌や芝居が平板なので、一人だけ、もしくは二人だけの場面になると途端に空気がだれます。剱持たまきは中退とはいえ、国立音大の声楽科出身なのですが、宝塚の娘役も真っ青な省エネ唱法で、三列目なのに生声なんて聞こえやしません。マイクを通じてもささやき声。歌いまわしも一本調子なので飽きます。悪いけれど、彼女の歌は大嫌い。でも、別嬪さんなので、舞台姿がキレイなのは認めます。実は剱持たまき・浦井健治はダンス・シーンになると吹き替えになるんです。それも「わからないようにコッソリ」ではなく、あまりに堂々と入れ替えてしまうのですが、見た目があまりに別人なのには笑っちゃうしかありません。でも、このシステムは「ここは俺(私)の見せ場!」とアンサンブルのみんなが張り切るし、踊れない人を無理やり躍らせる弊害もないし、一つの演出テクニックとしては上手いですね。ちなみに、山口祐一郎の場合は吹き替えというよりも「ブラック・ジャックの影」のように、祐さんが歌い上げる中、ダンサーがそれに合わせて踊るというスタイルでした。
 そういえば、サラ役はダンスの他にも吹き替え場面がもう一つありました。ヘルベルト(クロロック伯爵の息子がアルフレートを誘惑する場面。あ、吹き替えというか、入れ替えか。偶然ながら顔の長さも親子で同じ!)の吉野圭吾。大浦みずきソックリのメイクで登場したかと思いきや、いきなりアルフレートにお熱。あげくのはてにサラになりすましてお風呂場で誘惑の大ナンバーを披露。その時の衣装が黒いTバック!! 脚線美をさらすだけならばともかく、ここまで脱がなくても、と無駄な演出に呆然としてしまいましたさ。マッタク、目のやり場に困るとはこのことを言います。もっとも、僕の横の席の女の子はキャーキャー言いながらも大喜びでしたけど! 綺麗といや綺麗ですョ。このところ「歌手」としての登場が多かったけれど、久しぶりに吉野ダンスも堪能しましたし。でも、この役って、それこそ大浦みずき登場なんかでも良かったんだけどなぁ。ナツメさんのダルマだったらジロジロみちゃう(ぎゃぼっ) 歌も台詞もなくキャラクター勝負だったのがクーコル役の駒田一。この人は役者ですね。ちょっとフランケンシュタインみたいな役作りでしたが、なかなかの怪演。
 ということで、全体的には役者個々の武器が駆使されていて、ナカナカ楽しめる仕上がりでした。実はオチが良くわかってないんですけどね。とりあえず「また観たい」と思える作品だったので、別キャストの日のチケットを手配。耳に残る大ナンバーがあるわけでなく、ショー・ストップになるような大ダンスシーンがあるわけでもなく、観終わった時に心に深く何かが刻まれるわけではないのですが、一つ一つの場面で僕が「好き」と思える何かがあるんです。ツボをおさえたプロの技。今回は役者の細かい動きが良く見える席だったので、二階から全体を見渡してみたいと思います。
 あ、休憩時間に「小さい秋みつけた」をオケの誰かがヴァイオリン・ソロで披露し、駒田一が幕前でマイムを披露してました。ヴァイオリン、ナカナカでしたが、それだけに「本編でもそれ位良い音楽を奏でてよ!」と僕には逆効果。せっかくのクラシカルな編曲も痩せた&色気のないアンサンブルでは台無し。今後、ウィーン・ミュージカルに関してはちゃんとしたオケをピットに入れて欲しいです!!


2006年07月09日(日)15:00-17:00
東京都交響楽団「都響&聖響+古川展生〜開拓者たちの挑戦〜」@大田区民ホール・アプリコ

 S席 4000円 1階-12列-27番 (パンフレット:無料)
 指揮:金聖響
 チェロ:古川展生
 管弦楽:東京都交響楽団

 バーバー:弦楽のためのアダージョ
 グルダ:チェロとブラス・オーケストラの為の協奏曲
(休憩)
 ドヴォルジャーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
(アンコール)
 ドヴォルジャーク:スラブ舞曲 第10番

 グルダのコンチェルトは別オケ&別ソリストの演奏ですが、昔NHKで放送されていたのを聴いて「面白い」と思っていました。何といっても、のぼぉちゃんに合いそうな曲ということで、のぼぉ倶楽部一同楽しみにしていた公演です。それが証拠に、このところ出席率の悪い「勝手にVIPファン」ですが、久しぶりにほぼ全員出席。あいにくに雨模様も「ったく、のぼぉの日だから仕方ないか」と愛らしい位。(と言うものの、期待だけさせておいて手抜き演奏ってことも何度も経験しているので、ひそかにテンションは緩んでおりました)。ワールドカップ&ブルネロに心奪われている者あり、来るかどうか迷っていた者あり、昨日になってようやくチケット購入を決意した者あり、あげくの果てに「誰かかわりに行く人いない?」と騒いでいた者あり。結局、レギュラーメンバー勢ぞろいだったのですが、さてはて、僕は前記のどれにあてはまるでしょうか(笑)
 前半の一曲目は弦楽合奏、二曲目はブラスバンドという、なかなか凝った選曲。昨日は帝劇のヘナチョコ弦セクションで「ムキーッ」となっていただけに、弦楽器の響きは「こうでなくっちゃ」という幸せ気分を満喫。バーバーのアダージョはなぜか戦争物の特番のBGMに使われることが多いせいか、僕としては聴いてて「どよーん」とした嫌な気分になるのですが、幸せ気分がキープしてくれて、何とか嫌にならずにクリア。
 その後、出演メンバー総入換につき、聖響さんがトークでつなくはずが「お相手に本日のソリストをお呼びします」とのぼぉちゃんを呼んでくれました。ん〜、のぼぉちゃんのことは大好きですし、舞台には「早く出てきてくれ〜」と思っているのですが、出てきたら出てきたで「早く引っ込め〜」と思ってしまうんです、トークについては。今日も相変わらず勢いはあるけれど内容のないトークでつまんなかったなぁ。それにしても、彼はやたらとよそ様の結婚話を持ち出すのが好きだけれど、何故だろうね?とファン一同で話題になったのですが、本日結論が出ました。「突っ込んで欲しいんだよ」って。次回からは「そういうアナタはどうなの?」と突っ込むことにいたしましょう。何で誰も突っ込み返ししないんでしょうね?
 さてはて、そんなんで始まったグルダのコンチェルトですが、ブラス&チェロという編成なので、どちらもPA入れてかなり音をいじっていました。グルダの音楽は何でもありで、クラシックのコンチェルトというよりも、ミュージカルの音楽を聴いているかのような感覚。ロックとクラシックを行ったり来たりという構成は、面白いけれど、クラシックを専門に演奏している演奏家にはやはり無理があるみたい。みなさん楽しそうに演奏してはいましたが、管楽器は今ひとつリズムに乗り切れずボロボロでした。テンポについていけなくてモタモタしてしまうんです。元々、都響の管楽器は今ひとつなのですが、この曲を演奏するには力不足を感じました。フルートやかましかったし(これは席のせいではないらしく、各地に散らばっていたみんなが言ってたのでやはりやかましいのかと)、金管はハラハラものでしたし。して、ソリストののぼぉちゃんはこの手の曲好きそうなので、期待していたのですが、今回はまだ弾くことに精一杯で、感動にはいたりませんでした。勢いだけで弾いちゃった感じ。おまけに、途中で空中分解しちゃったし。この曲を日本人として弾くのはのぼぉちゃんが初めてとのことですが、確かに、この手の曲を弾いてサマになるチェリストというと、やっぱりのぼぉちゃん。ポップなノリといい、テクニックを見せ付ける場面での華やかさはさすがです。聖響さんとのトークの様子からすると、もしかしたらシエナのコンサートでも登場するかもしれませんが、多分次回はパスしちゃいそう。曲は面白くはあるけれど、何度も聴きたいものじゃなかったし、のぼぉちゃんの限界を感じたのも事実。もちろん、テクニックの見せ場も随所にありますし、各楽器との掛け合いもあれこれ仕掛けられていて、大学オケの演奏会のような楽しいものでした。でも、でも、僕が求めているのぼぉちゃんの演奏ではありませんでした。演奏直後、僕の周囲はしばし無言。。。
 休憩後の「普通のオケの曲」は定番の一曲が登場。前半とは打って変わって聴く方もリラックス。ドヴォルジャークはいつ聴いても名曲ですね。ちゃんと盛り上がります。各パートが効果的に浮かび上がって、オーケストラを聴く醍醐味が味わえます。もっとも、グルダで力尽きちゃったのか、演奏しなれた曲で安心したのか、弦も管も荒かった〜。アンコール演奏かと思った(笑) でもまあ、日曜日の午後のコンサートとしては、その軽やかな雰囲気といい、楽しませましょうという意気込みといい、まことに相応しいものだったんですよ。勝手にアレコレ期待している僕が悪いんです。ここ数年、伸び悩みを感じさせられているのぼぉちゃんですが、今年は何かと動きが感じられるので、今後に期待です。そりゃあ「のぶお様〜」にはなれませんし、文句言いつつですが、みんなで応援してまっせ〜。でも、ピアニストとプログラムはそろそろ珍味して欲しい。。。(伊都子さんは好き♪)
 終演後はお客に混ざって都響の面々が駅に向かってテクテク。片付け早っ!!


2006年07月19日(水)13:00-15:40
宝塚歌劇団雪組「アルバトロス、南へ」OMC貸切公演@日本青年館

 A席 7000円 1階-T列-53番 (パンフレット:800円)
 演出:荻田浩一

 出演:朝海ひかる/有沙美帆/未来優希/天勢いづる/音月桂/麻樹ゆめみ/舞咲りん

 「朝海ひかるバウ・スペシャル」と銘打った特別公演。朝海ひかるのダンサーとしての実力発揮、そして「さよならショー前編」として素晴らしい公演でした。なぜ「前編」かというと、朝海ひかるの花組時代〜宙組時代〜雪組トップ就任までの作品のハイライト集だったからです。が、単なるメドレーではないのが演出家の腕の見せどころ。当時の朝海ひかるがあまりにペーペーで役なんてついてない公演の主題歌も飛び出すのですが、それらを朝海ひかるが独占するのではなく、現在の雪組メンバーで再構成してみました、という作り。よって、下級生にいたるまで見せ場が沢山です。たった7人でのショーなのに、実に充実した公演でした。もちろん、出演者は引っ込んだと思ったらすぐに衣装を変えて登場するという、舞台裏も大変そうな構成なのですが、その分、スピード感と勢いが溢れていました。公演情報が発表された時は「なんでサヨナラ・イベントのショーに、相手役にして名ダンサーの舞風りらが出演しないのさ!?」とプリプリしていましたが、この作りだと、トップ就任に合わせて雪組に編入してきた舞風りらが浮いてしまうわけですね。ナルホド、ナルホド。面白いことに、ほとんどの曲に記憶があるばかりでなく「○○という作品の○○のシーンだ」ということまで思い出すことができました。そして、ペーペーだった朝海ひかるが、今や立派なトップとして舞台の中心にデンッと構えている姿に感激。何しろ、新人公演主演なし、二番手公演もなし(W二番手みないな公演が一つあっただけ)という状態でトップに就任した時は「大丈夫やろか、雪組」と心配してたんですもの。
 第一部は主にショー作品を利用した作品。朝海ひかるのダンスはバレエをベースとした繊細な表現と、しなやかな動き、足さばきの鋭さが特徴的で、ただただウットリ。ちょっとした動きの中での表現力は宝塚のダンサーの中でも屈指のものです。一歩間違えると女性的な動きになる恐れがあるのですが、最後まで男役としての芸だったのには感服です。反面、青年館のサイズがピッタリ、と思えるスケールの小ささは最後まで解決せず。東宝劇場でのサヨナラ公演(奇しくもこれまた荻田浩一演出)でも輝きを放ちますように! とはいえ、この空間でどんな振り付けも難なくこなしてしまう彼女を観られた幸せよ!! 下級生がダンスシューズで踊る中、コムちゃんだけだハイヒールをはき、それでいて、誰よりも軽やかに、誰よりも表現豊かだったのが印象的でした。今までだったら、下級生が活躍すると「朝海ひかるは食われやしないか?」と心配したものですが、今回は未来優希と音月桂がどんなに絶唱しようともビクともしない主役ぶり。東宝劇場だと浮き勝ちな未来優希の歌も、今回の公演に関しては実に耳に心地よく「もっと歌って〜」と聞きほれました。現役男役の中では一番の歌い手になるのかな。緩急自在な表現力と、クリアな発声に惚れ惚れ。通常は「上手すぎる」という贅沢な悩みを抱えている彼女ですが、今回は「ダンスなら私よ!」&「トップは私よ!」というオーラを朝海ひかるが出しまくっていてバランス抜群。そういえば、声量タップリの男役って最近少ないですよね。それが浮いてしまう原因やろか?
 第二部は過去の芝居を利用したコラボ作品。朝海ひかるが今まで出演した作品の台詞をつなぎ合わせて別の芝居を作り上げるという、いかにも荻田浩一ならではのオタクな作り。朝海ひかるファンでなかった時代の作品ですら「この台詞は○○という作品のものだ」と思い出せちゃう僕ってスゴイ!(最近の宝塚の芝居では観終わってすぐですら覚えちゃいないのに!!) ただ、荻田作品の常ではあるのですが、ハッキリしない男たちと、口数は多いけれど言葉足らずな女たち、という設定なので、僕なんかは観ていて結構イライラするんです。独特の世界観で人気の作・演出家ではありますが、大劇場芝居としては僕は全然買っておりませぬ。朝海ひかるの歌と台詞回しは独特なので、短編とはいえ、変化のない芝居が延々と続くと思わず睡魔が。。。どうせ三本もやるならばも少し変化に富んでいた方が嬉しい(って、きっと統一感を狙ってたんでしょうけど)。第一部で盛り上がった気持ちがシュ〜〜〜と音を立てて盛り下がり。まるでコムちゃん用の作品だったかと思ってしまうリメイクぶりはスゴイんですよ。自分の個性で場面を支えられるまでコムちゃんが成長していた、ってこともあるんですけどね。
 が、フィナーレになってようやく盛り返し。フィナーレという名前ですが、実際は第三部と呼んでも良いかと思えるほどボリュームたっぷりな場面。未来優希のショーシンガーとしての盛り上げが絶品。それにつられてか、他のキャストも通常の公演以上に軽快な歌を繰り広げてました。通常、トップさん出演のこの手のショーは「トップさんと名前も知らない新人たち」ということが多いのですが、出演者一同が懸命に舞台を盛り上げていて、見ごたえがありました(もっとも、娘役のほとんどは記憶にありませんが)。四人の娘役たちはとっかえひっかえ、朝海ひかるの相手役として組むのですが、朝海ひかると並ぶと誰もが顔デカに見えてしまうのがかわいそうでした。いつもの相手役の舞風りらは顔の相性ではベストカップルだったんだなぁ、と変なところで再認識。
 とまぁ、僕と演出家の相性の悪い箇所はありましたが、総体的には、朝海ひかるの実力を最大限に発揮した素晴らしい作品でした。演出家の面目躍起。そして、振り付けといい、衣装といい、スタッフが良い仕事してました。今年の宝塚はほとんどショーがないので、寂しい気持ちでいっぱいですが、5月の湖月わたるコンサートといい、今回の朝海ひかるバウ・スペシャルといい「主演がこの人だから出来た」という素晴らしいショーに出会えて嬉しい限りです。朝海ひかるとしても今までで最高のショーだったのではないでしょうか。そして、若いころは中性度が高く、また技術的にも一杯一杯だった役が、今や違和感なく演じられていることに、最後の最後まで「成長し続けてたんだ」と、あらためての彼女の長い軌跡に思いを馳せたひと時となりました。


2006年07月23日(日)17:00-20:05
東宝「ダンス・オブ・ヴァンパイア」@帝国劇場

 A席 8000円 2階-G列-36番 (パンフレット:1500円)
 演出:山田和也

 クロロック伯爵:山口祐一郎
 アプロンシウス教授:市村正親
 サラ:大塚ちひろ
 助手・アルフレート:泉見洋平
 宿屋の亭主・シャガール:佐藤正宏
 シャガールの女房・レベッカ:阿知波悟美
 女中・マグダ:宮本裕子
 ヘルベルト:吉野圭吾
 せむし男・クコール:駒田一

 通常、同じ作品の二度目というのは一度目よりも感動が薄れるものですが、いつもと逆に二度目の観劇の方が楽しめたという嬉しい誤算でした。この作品、とっても好きです、僕。ウィーンものの「翻訳ミュージカル」ということを一瞬忘れてしまうのは、ストーリーがおとぎ話なので、カルチャー・ギャップをさほど感じないこと、「エリザベート」や「モーツァルト!」のように実在の人物ではないので、この作品だけでエピソードが完結していることなど、シンプルさゆえかもしれません。別にドラキュラが登場しそうな村ならばどこの国でも良いんですもの。そして、役者たちが見事にはまっているのはスターありきの東宝ミュージカルとしては珍しいことだと思います。「エリザ」や「モ!」の時のように、壊滅的歌唱力の人もおらず(例外:宮本裕子)、技術的にもまずまず。面白いのは、当て書きじゃないのに、役としての見せ場と、俳優の得意分野がうまくリンクしていること。一回目の観劇は至近距離からで、本日は二階席からだったので、席によって見栄えするシーンも異なり、とっても楽しい時間を過ごすことが出来ました。市村ファントムvs山口ラウル(クリスティーヌのかわりにアルフレートが一緒だけど)のバトル再現のシーンがmyツボです。
 前回の観劇の際はけちょんけちょんにこき下ろしたサラ&アルフレートの若者コンビですが、今日の二人はヒット。思うに、前回の二人は感情表現が豊かなタイプではないので、台詞も歌も平坦だったのに対し、今日の二人は表情が豊かで、実に生き生きとしているんです。サラはかわいいだけの女の子ではなく、非常に強い精神力を持ち、アルフレートもアホな男の子ではなく、まだ若者ゆえの青さを感じさせる役作り。うん、これなら納得です。大塚サラは、娘から女に変貌し、最後には男をも襲ってしまうという劇的な変化が非常にドラマティックに表現されていて、かなりタイプです。そして、泉見アルフレートは本人の全力投球ぶりと、美青年ぶりで、仕事の無能ぶりも、女性に押されまくりの態度も、はたまたヘルベルトに迫られてドギマギしてしまうのも「彼ならありなん」と納得させるものがありました。
 ベテラン勢も初日から3週間たって、役がすんなり体に入っているようです。市村正親のロッシーニ風ナンバーのシーンはますますさえまくりです。このナンバー、ぜひともロッシーニ歌手に歌っていただきたいのですが(早口言葉のクレッシェンドが最高!)市村正親の軽やかな動きとチャップリンばりのコメディ演技は歌手には無理だなぁ。あぁ、ジレンマ。でも、市村教授の歌だって、彼のベストですし、いまだフォームが乱れていないのが嬉しい限り。歌が売りの山口祐一郎は感情表現だとか芝居に関してはあきらめていますが、一幕最後や二幕の山場での歌い上げ何度聞いても圧巻。彼のいつものパターン通りの曲作りではあるのですが(前半は声も力もセーブして、最後だけバーンとロングトーンでフルヴォイスで劇場中に声を轟かせる)それが実に効果的。もう、作品もストーリーも演出も何でも良いんです。力技ではありますが、大芝居として強引に盛り上げてしまう力量は他の役者には真似できませぬ。恵まれた体躯といい、声量といい、存在感といい、これぞスターっという感じで、思わず拍手してしまいます。大劇場ですもの、盛り上げてくれれば満足ですよ、私。おまけに、彼が苦手とする「内情表現の場」ではダンサーがそれを表現してくれるという、ずるい…もとい、上手い構成。実にスケールが大きくて素晴らしい伯爵でした。
 それにしても、出演者の多い作品です。帝劇の舞台の前半分位しか使わない演出なので、余計に人・人・人に見えます。あ、ヴァンパイア・ヴァンパイア・ヴァンパイアか! 東宝ミュージカルでこんなにダンスがメインシーンに登場する作品もちょっと思いつかない程ですし、振付(上島雪夫)もかなり見ごたえがあります。アンサンブルの面々、頑張ってますよ〜。力あり余っちゃってる位。フィナーレなんて「マンマ・ミーア」ばりに踊り狂ってます。実はアンサンブルの面々は、登場するたびにメークも変わっていると聞いていたのでチェックしてみたのですが、滅茶苦茶凝ってます。みどころ満載なので、来月も観にいこうと計画中です。


2006年07月27日(木)13:30-16:40
宝塚歌劇団月組「暁のローマ」「レ・ビジュー・ブリアン」@東京宝塚劇場

 S席 8000円 1階-13列-51番 (パンフレット:1000円)
 演出:木村信司(暁のローマ)/酒井澄夫(ブリアン)

 カエサル(ローマの将軍):轟悠(専科)
 ブルータス(共和制をローマの理想とする共和主義者):瀬奈じゅん
 ポルキア(ブルータスの妻):彩乃かなみ
 アントニウス(カエサルの副将):霧矢大夢
 カシウス(ブルータスの友人):大空祐飛
 カーミアン(クレオパトラ付き女官):夏河ゆら
 セルヴィーリア(ブルータスの母):嘉月絵理
 オクタヴィアヌス(カエサルの甥。のちに息子):北翔海莉
 クレオパトラ(エジプト女王):城咲あい

 実は「暁のローマ」はあまり良い評判を聞いてなかったので、観劇前は期待しないどころか「何が起きても耐え抜くぞ」とすら思っていました。「それで良いのか、瀬奈じゅん!?」だとか「ひどい台本」と散々なことしか聞いていなかったんです。が、蓋を開けてみれば、実に楽しい時間を過ごしてきました。確かに、主役不在の台本です、歌詞ひどいです。でも、大騒ぎするほどひどくもなく(このレベルの作品なんて掃いて捨てるほどゴロゴロしてます)、作品自体、とっても宝塚的だったかと思います。ストーリーはわかりやすいし、音楽も覚えやすいし、生徒が無理せずに余裕をもって表現できる内容だったし。個人的に「いっぱい、いっぱいは美しくない」と思っているので、なまじ芸術路線に走って失敗するよりも、伸び伸びした舞台に好感を持ちました。して、この作品「ジーザス・クライスト=スーパースター」に似ているんです。民衆が心変わりする様や、男たちの権力への憧れと恐れ、そして無条件に愛情を注ぐ女たち。……おまけにロック・オペラと銘打っているところまでソックリ。よって、主役(今回だとカエサルとブルータス)たちはあまり美味しくないということには違和感なし。宙組の直後というローテーションもあって、通常は「月組って歌が下手だなぁ」と思ってしまうのですが、だだっ広い舞台での宙組公演→装置が音響反射板になって客席に声が跳ね返る月組とあってか「割といけるじゃない!」な印象でした。今回はソロを貰う人が多かったけれど、シートベルトが必要な人もなく、安心して作品世界に浸ることができました。それにしても、時代に関係なく、権力への憧れというのは嫉妬だとか争いの元になるんですね。正面から真っ向勝負を挑む人、一人で超越していて他者を相手にしない人、上手に世間を渡り、最後には自分に有利に動く人、などなど。今の社会でも本質は全然変わっていません。ま、ね、小学生の作文のような歌詞の連発や、芝居の前後に関西弁での漫才もどきが混ざる構成には参りましたけど。(僕は吉本系のお笑いはオモロイと思わないので。。。)
 「レ・ビジュー・ブリアン」は気楽に楽しめるショーです。久しぶりに舞台の奥行きを生かした演出で、幕があがるたびに別衣装のダンサーが登場という構成には思わずワクワクしました。これで、エアロビのレッスンのような振付だと興ざめですが、今回はなかなか見栄えのする振付で、畳み掛けるようなテンポが快感でした。構成もプロローグ〜トップの場面〜中詰〜専科生活躍の場面〜フィナーレとシンプルながら、場面場面で各生徒が輝いていて(宝石のショーですものね)、見所満載でした。まわり舞台やミラーを使った美術もキラキラ感たっぷりで、このショーだけだったらも一度見たい!と思ったほど。やはり、宝塚はショーがあった方が好き〜と再認識しました。生徒たちも適材適所で使われていて、張り切って歌い踊っているのが実に気持ち良かったです。芝居では「トップさん…だよね?」の瀬奈じゅんも、ショーでは水を得た魚のように元気に歌い踊っていて、面目躍起。最前列中央には元・元・元トップの真琴つばさがいたせいか、やたらとキザりまくっていたのが面白かった〜。
 専科の轟悠は圧巻です。発声が誰とも違い、太く響く声なので、登場時の貫禄は圧巻。雪組トップ時代は「地味な人」でしたが、年々輝きを増しているのは驚きです。自信に満ちた表情や物腰が役ともリンクして素晴らしかった〜。パンフを見ていて思ったけれど、一番の男前かと思います(って、彼女のファンじゃないけれど)。芝居での重厚さと存在感、ショーでは一転して軽妙なダンスを披露したかと思えば、アダルトなタンゴまで披露。専科生としての底力を見せ付けまくり。学年を考えると「まだ主役張ってるの?」という陰口が叩かれるのはわかりますが、役者としてはまだまだ魅力的だと思いましたョ。固定の生徒のファンじゃない僕からすると、今回の座組みでは一番真ん中が似合う人でしたし。
 トップの瀬奈じゅんは芝居では損な役どころ。前半1時間は轟悠に貫禄負け、後半30分は瀬奈じゅんが引っ張るのかと思いきや、霧矢大夢の大芝居と絶唱の前に霞んでしまいました。ジュリアス・シーザーとブルータスの話なので、轟vs瀬奈で張り合うのかと思っていたのに、簡単に主役の座を明け渡してしまうなんて。。。顔が小さいのと表情が暗いのが災いしちゃったのかなぁ。とはいえ、苦手だった歌もトップ就任後だいぶ上手くなり、シンガーの後のソロも自信に満ちているのが嬉しい限り。だからもっと「俺様〜」で良かったんだけどなぁ。ショーではウィンクをビシバシ飛ばしまくり、キザりまくりだし、組子を従えて元気に踊っているし、素直に楽しかったです。前回公演「レユー・オブ・ドリームズ」に比べて、変化のついた歌と振付だったので、頑張った分の効果もありましたし。そろそろ「ドカンッ」と代表作と呼べるものにぶつかりたいもんです。
 彩乃かなみは主にシンガーとして活躍。高音もピタリと決めて、心地よいサウンドでした。(それにしても、今回の公演、マイクの音量が大きすぎ。全編fffばかりで、耳疲れします。もったいないなぁ。)でも、僕の一番のお気に入りは今回がサヨナラ公演となる組長=夏河ゆら。轟悠&観客の真琴つばさの同期とあって、アドリブも快調。そして何よりも、その踊りっぷりに釘付け。彼女が登場すると、轟悠も瀬奈じゅんも、彩乃かなみもぶっとんでしまいます。クルクルかわる表情、表現豊かなダンス、男役の誰よりも切れの良い動きなど、まだまだ彼女の舞台が観たかった〜。轟悠と組んでのタンゴなんて、アンニュイな雰囲気が絶品で、思わずヨダレもんです。ジュルッ。また、城咲あいの舞台が一回り大きくなったのが頼もしい限り。歌に芝居に大活躍していました。彩乃かなみは男役に寄り添うタイプの娘役だけれど、城咲あいは男役と同等に活躍するタイプみたい。今後の使われ方によってはとても面白い並びになるかも。
 とまぁ、生徒の個々の輝きも相まって、実は評判の良かった宙組公演よりも……好きです、実は。ポスターを一工夫すればもっと売れたんじゃないやろか?


2006年07月27日(木)19:00-21:05
来日カンパニー「Movin' Out」初日@東京厚生年金会館

 S席 12000円 1階-1列-47番 (パンフレット:2000円)
 演出・振付:トワイラ・サープ

 エディ:ラスタ・トーマス
 ブレンダ:ホリー・クルイクシャンク
 トニー:デイヴィッド・ゴメス
 ジュディ:ローラ・フェイグ
 ジェイムズ:スチュアート・キャップス
 オリアリー巡査/軍教官:ジョシュア・バーギャス
 ピアノ/リード・ボーカル:ダレン・ホールデン

 初日ならば登板になるはず、と睨んでチケットを手配したのですが、ドンピシャリ。ラスタ・トーマスが登場です。彼のバレエは何度か観ていますが、ミュージカルは初めて。バレエはラインの美しさや型の美しさが求められますが、トワイラ・サープの場合はライン崩しまくり、型を決めることなく流れるように繰り広げられる振付が魅力なので、ラスタがどう踊りこなすか、楽しみにしていたんです。登場した瞬間に「大人になってる〜」と当たり前のことにビックリ。ラスタがここを読むはずないので書いちゃいますが、あちらの方は老け込むのが早いですね(笑) とはいえ、オリジナル・キャストをはるかに超越したダンスにヨダレ垂れ流しで見入ってしまいました。「ドン・キホーテ」も真っ青な回転技やジャンプの連続に目が点になりました。カンパニーの中でも際立ってダンス・テクニックが高く、ジャンプの高さといい、ターンの切れの良さといい「よくぞ参加してくれました!」という涙チョチョ切れものです。もう、ラスタのエディが観られただけでチケット代の元取りました!!
 って、他のダンサーも良かったんですよ。僕のお気に入りはブレンダ役のホリー・クルイクシャンク。長身で足長の体を生かして、実にアダルトかつ大きなダンスを見せてくれました。キリリとした実にイイオンナです。どんなにきわどいポーズを取ろうと決して下品にならず、品位があるのがお見事。「私を見なさいっ」って路線の格好良いお姉さん、大好きです。
 来日公演の場合、カンパニーの当たり外れというのはあるのですが、今回は芯の二人がシッカリしているせいか、はたまた中途半端では踊れない振付ゆえか、割とレベルが高かったように思います。日本のミュージカルに登場するダンサーはなぜかスリムな人ばかりだけれど、外来カンパニーのダンサーはいろんな体型の人がいて面白いですね。舞台の見栄えもUPする気がします。もちろん「なんでアンタが…?」と言いたくなるようなデブ&動きの鈍い男性ダンサーも混じっていましたけれど(笑) 日本のダンサーは群舞勝負、アメリカのダンサーは目立った者勝ち、って印象を受けてます。
 実は今回は最前列というダンスを観るにはあまりよろしくない席。元来僕は「役者よりも作品を観たい」タイプなので、あまり前の席よりも、ダンスのフォーメーションや全体のバランスの見える席が好みなのです。今回は座席指定できないところで購入してしまったので。。。でも、おかげで舞台袖が丸見え。場面によっては、舞台よりも袖を眺めている方が面白かったりしました。引っ込んだ瞬間の早替わりなんて見ものでしたよ。楽屋ではなく舞台袖でどんどん脱いじゃうんですが、次のナンバーのイントロが流れる中、ギリギリの瞬間に衣装替え完了、という早ワザに見とれてしまいましたさ。舞台上で物凄いナンバーを披露した人が暗転とともに舞台袖に倒れこむ姿は感動的でした。リード・ボーカルも二時間歌いっぱなしにもかかわらず、声に衰えを見せず、アンコールでは「ピアノマン」まで披露してくれて、大満足。かなり強靭な声帯をお持ちです。広がりのある歌唱に惚れ惚れ。