観劇日記〜2007年08月〜
04日(土) 13:00 宝塚歌劇団OG「DANCIN' CRAZY」 文京シビックホール
10日(金) 19:00 「PHANTOM THE LAS VEGAS SPECTACULAR」 THE VENETIAN
THE PHANTOM THEATRE
10日(金) 22:30 CIRQUE DU SOLEIL「ZUMANITY」 NEW YORK-NEW YORK
11日(土) 19:30 「Folies Bergere」 TROPICANA
THE TIFFANY THEATRE
11日(土) 22:00 「MAMMA MIA!」 MANDALAY BAY
MANDALAY BAY THEATRE
12日(日) 19:00 CIRQUE DU SOLEIL「MISTERE」 TREASURE ISLAND
12日(日) 22:30 「AMERICAN STORM」 RIVIERA
13日(月) 19:00 CIRQUE DU SOLEIL「LE REVE」 Wynn
13日(月) 21:30 「PHANTOM THE LAS VEGAS SPECTACULAR」 THE VENETIAN
THE PHANTOM THEATRE
14日(火) 16:00 DIRK ARTHUR「XTREME MAGIC」 TROPICANA
THE TIFFANY THEATRE
14日(火) 19:00 CIRQUE DU SOLEIL「KA」 MGM GRAND
KA THEATRE
14日(火) 22:00 「LANCE BURTON」 MONTE CARLO
15日(水) 20:00 「THE PRODUCERS」 Paris
Le Theatre Des Arts
15日(水) 22:30 「Jubilee!」 BALLY'S
19日(日) 17:00 東宝「レ・ミゼラブル」 帝国劇場
21日(火) 18:30 宝塚歌劇団宙組「バレンシアの熱い花」「宙FANTASISTA!」 東京宝塚劇場
25日(土) 12:00 東宝「レ・ミゼラブル」 帝国劇場


2007年08月04日(土)13:00-15:15
宝塚歌劇団OG「DANCIN' CRAZY」@文教シビックホール

 S席 12000円 2階-13列-7番 (パンフレット:2000円)

 演出:三木章雄

 大浦みずき 紫吹淳・湖月わたる・朝海ひかる
 風花舞・星奈優里

 発売と同時に完売。関係者ですらチケットなしでプレミアつきまくりの超人気公演。シビックホール×3日間、梅芸×5日間、ゆうぽうと×2日間だけだなんて、チケットなくて当たり前。何しろ、ナツメさんをトップに据え、同じく元月組トップの紫吹淳と風花舞、退団したての元星組トップの湖月わたる、元雪組トップの朝海ひかる、さらには、ダンサートップとして人気を二分した元月組娘役トップの風花舞と、元星組娘役トップの星奈優里が登場とあっては期待せずにはいられません。(個人的にはこれに安寿ミラも加わっていればナツメさん〜リカちゃんの隙間を埋めてくれたのに…と)。そして、期待に違わぬ、素晴らしいステージを見せてくれたのでした。
 みなさん財団中よりもスキルアップしていて、実に頼もしい限り。そして、それぞれが「自分の売りはココッ」と見せ場をわきまえているにも関わらず、ちゃんと年功序列になっているのが宝塚の面白いところ。東宝劇場では「私を見てっ」ときざりまくっていた面々も、ナツメさんを前にすると、とたんに新人公演出演中の下級生状態。変わりっぷりが可愛い。そして、娘役のお二人は、退団して男性との共演をこなすことにより、独立度がUP。格好良いお二人になっていて、これまたよだれジュルッ。
 一部はスターが次々に登場して歌い次ぐレビュー的な場面でスタート。とはいえ、衣装も装置も実にシンプルで「ダンスで勝負!」という意気込みがアリアリ。今回のメンバー「歌が苦手」というスターがずらりなのですが、キーをちょっと高めに設定していたり、娘役声にこだわらずに済んだりで、みなさん楽々歌っていたのがまず嬉しい。高音なら伸びやかな男役に、低音が得意な娘役も、自分にあった歌ならちゃんと聞かせられるやん、と嬉しい発見。そして、男役のトップ4と娘役トップ2がほとんど同等に扱われているのも宝塚としては珍しいこと。それに見合った実力と華を持っている二人なだけに、これはとっても嬉しい。
 オープニングの後は学年順に個々のスターの場面。娘役のようだった男役トップ朝海ひかると、娘役っぽくなかった娘役トップ風花舞によるバレエ場面。「男女逆にした方が良いんじゃないの?」なぁんて観る前は思っていましたが、朝海ひかるが男役の意地を見せて、見事な男っぷり。そして、どちらかというと情感よりもバリバリとしたテクニックを前面に出すのが得意だった風花舞が実に優雅でたおやかなバレリーナぶりを披露。東京バレエ団の高岸氏の振り付けも相まって、幻想的な美しい場面でした。高岸氏が宝塚関係の振り付けをするのは初めてだと思いますが、テクニックの制約を感じさせず、ちょっとした動きの中での感情表現や難易度を超越したスター性の表出といった宝塚スターならではの特性を生かして実に見事な采配ぶりでした。
 いきなりこんな高度で、次のスターは大丈夫か?と心配することもなく、次の場面ではいきなりわたるワールド。ちょっと動くだけで舞台の端から端までスススと移動してしまうスケールの大きさ、これぞ男役といった、キザりまくりで、ダイナミックな男役芸を披露。相手役に色気あるダンスを踊らせたらピカイチの星奈優里をもってきたので、グイグイ引っ張る男役vs色気ムンムンのマダムな娘役という、ザ・星組ワールド(そういえば、今回の公演、星組関係者が多いですねぇ)。
 次なるスター紫吹淳は…最近踊ってないでしょ、というのが見え隠れしますが…クネクネした爬虫類的動きが相変わらず魅力的。彼女に関しては、先日ようやく性転換が完了したと思ったのに、声も動きもすっかり男役。メイクは通常の宝塚メイクではなくちょっと女性的なので、もともとは女性的な彼女については「もっと作りこんだ方が良いなぁ」と。
 そして、ダンスショーにもかかわらず、一部ではほとんど歌手に徹っしている大浦みずき。年齢的に他の出演者よりも一回りより上なので体力的に仕方ないのですが、ちと不完全燃焼。もちろん、ちょっと動けば「おぉぉ」という圧巻のスターオーラはあるんですけどね。スターとして過ごした時代もあるのですが「私を観てっ」という強制的オーラに関しては今回のメンバーの中ではダントツ。
 第二部は大浦みずきワールド。彼女が最近得意としているタンゴを中心に展開。ちょっとした足さばきやステップ、目線や腕の動かし方など「ダンスの神様」「宝塚のフレッド・アステア」再降臨です。彼女の場合、テクニックはもとより、見せ方・魅せ方が抜群で、それゆえに次から次へと名ダンサーが排出されている宝塚の中でも別格扱いされているんでしょうね。そして、そんなナツメさんを盛り上げようと、歴代トップさんたちが懸命に盛り上げる姿も微笑ましいです。弟キャラが似合う面々というのもあるでしょうが、トップとして、組を引っ張らないとというプレッシャーから解放され、心からダンスを楽しんでいるのが客席にも伝わってきて、会場内は実に幸せムード。正直、誰もが上手いから、テクニックで「おぉ〜」となることはあまりないんです。目が肥えちゃって麻痺します。でも、そんな中、個性の発揮できるかできないかが、トップさんとその他大勢の違いなのかな、と。
 フィナーレは、個々のトップが現役時代の名場面を再現。場面ごとに人はかわるものの、サヨナラショーを観ているみたいで、このあたり、ファンサービスですね。最後はお約束、黒燕尾による「すみれボレロ」の総踊り。もちろん中心はナツメさん。今回の燕尾服は男役仕様ではなく、女性用のものを着用。よって、ラッキーシューズではなく、パンプスだし、ブラウスはスケスケで黒のブラジャーが丸見え。娘役のお二人はもともとパンツスーツでのダンス場面が多かったし、ナツメさんは退団後脱ぎ慣れしているし、りかちゃん、コムちゃんは元が女だから似合うんです。格好良いお姉さんがいっぱい。そんな中、お一人だけどうしても似合わない方が一名。。。本人は可愛い顔して踊っているんだけれど、オカマちゃんになってるのが可笑しかった〜〜〜。誰とは言いませんが(ってバレバレ)、そういえば、彼女だけドレスで踊るシーンがなかったような。。。大好きなんですけどwww


2007年08月10日(金)19:00-20:40
「PHANTOM THE LAS VEGAS SPECTACULAR」@THE VENETIAN THE PHANTOM THEATRE

 GOLDEN CIRCLE 78.50ドル(半額チケット) SECTION3-J-67 (パンフレット:10ドル)

 演出:HAROLLD PRINCE

 The Phantom : Brent Barrett
 Christine : Elizabeth Loyacano
 Carlotta : Elena Jeanne Batman
 Raoul : Jason Forbach(Tim Martin Gleasonの代役)
 Madame Giry : Rebecca Spencer

 ラスベガスは「ミュージカル不毛の地」と呼ばれています。ま、その割にちょくちょく上演はされているんです。しかし、ロングランはたいして続かないのが実情。世界的人気作「オペラ座の怪人」も既にTIX 4 TONIGHTで販売されています。ちなみに、TIX 4 TONIGHTは、ロンドンやニューヨークではおなじみの「売れ残りのチケットを半額+手数料で販売する」というお店。日本にもぜひ進出していただきたいシステムです!! ということで、座席は選べないものの、一階前方席(通常150ドル)を安く確保でき、まずまず満足。
 ラスベガスにおけるショービジネスは、休憩なし・90分がスタンダード。泣く子も黙る、サー・アンドリュー・ロイド・ウェバーの代表作であっても、再演出がなされています。通常、再演出は専門のスタッフによって行われることが多いのですが、今回はなんとオリジナル演出家のハロルド・プリンスが直接指揮。基本的にナンバーのカットを行わない方向で(もちろん、カットはあります)見事な刈込みに成功。新演出版はその名も「PHANTOM The Las Vegas Spectacular」です。んまっ。
 劇場ごと作品に合わせて作ってしまうシステムこそ劇団四季でお馴染みですが、ゴージャス大好きなラスベガスとあって、ハードのクオリティは特筆モノ。ロビーの階段はオペラ座をイメージさせる、どこまでも続く長いものですし、何よりも客席がそのまんま馬蹄型のオペラハウス。ミュージカル劇場というと、客席を舞台を近づけようと、二階席を一階席のかなり前方まで競り出させることが多々ありますが、一階席情報は広くて丸い空間。そして、それを取り囲むように桟敷席を設置。圧迫されることのない、開放感のある素敵な劇場です。この空間にはシャンデリアの断片が三つ吊るされています。実は、かの有名な「ファントムのファンファーレ」の調べで舞台から天井に移動するシャンデリアも、ラスベガスでは劇場に合わせて平面体ではなく、立体のものが採用されているんです。実物大をオークションの場面に登場させるのは不可能なので、空中で合体したものが吊るされるというとんでもない仕掛け。合計4つものパーツが合体するだけではなく、ルーレットのごとく、合体したシャンデリアが斜めに傾いて客席を一周。ケーブルがよく絡まないもんだと関心してしまいます。いやはや度肝を抜くオープニングです。
 シャンデリアの上昇とともに、装置を隠していた幕も片づけられるのですが、そこに現れるのは、三層に連なる桟敷席。エンタメ・シティ・ラスベガスの面目躍起なのは、雰囲気は良いけれど、舞台を観るには死角の多いこの席に蝋人形を配置したこと。これは、同じベネチアン内部にマダム・タッソー蝋人形館があるので、そちらとの提携かと思われます。着飾った貴族たちが思い思いに舞台を眺める様は、まるでヨーロッパのオペラハウスに来たかのような(にしては巨大な劇場ですが)、エレガントな雰囲気を醸し出します。
 劇場がオペラハウス仕様なので、プロセニアムのタッパ(高さ)も通常版の五割増し。よって、奈落から釣りあげられる幕の数々も、すのこからジョセフ・ブケーらが手動で引き上げている姿をしっかり見せます。そんな中に登場するカルロッタですが、いきなりお笑い担当。オペラ歌手独特の歌唱法を見事にコケにしてマネするので、会場はいきなり爆笑。そういえば、日本版でのカルロッタはちゃんと「プリマ」として扱われていますが、他国でのカルロッタは「態度だけはプリマだけど……」ということが良くあります。よって、これはラスベガスのみの演出ではないです。そして、ウバルド・ピアンジの歌はばっさりカットされていて、第一テノールとしての見せ場はなし。なんだかカルロッタの腰ぎんちゃくみたいな扱いで気の毒です(メイクはテナルディエみたいですし)。
 一幕については、せっかく常設の桟敷席を用意したということもあって、舞台上のボックス席の装置は登場しません。また、支配人たちの部屋も桟敷席下部分(新国が字幕用電光掲示板を設置するあたり、というとわかりやすいかな?)で行われます。全然違和感ないです。逆に、こちらが自然? ちょっとずつソロがカットされていますが、有名ナンバーはほとんどそのまま踏襲。はて、これでホントに時間内に終わるのかと心配になってきます。
 が、一幕後半からの畳み込みがすごいんです。まず、前述のようにプロセニアムのタッパが高いので、ファントムはプロセニアム上で芝居をするのではなく、マジシャンよろしく、シャンデリアにぶら下がって登場、ラウルたちに宣戦布告。そして、シャンデリアが……落ちてこず、いきなり本物の花火が舞台で華やかに打ち上げられます(日本だと消防法の関係で絶対無理な演出)。ここでまたお気に入りの新演出が登場するのですが、なんと、1幕と2幕の間奏曲に合わせて、舞台幅いっぱいのパリ・オペラ座が奈落からせり上がってくるのです。黄金に輝く装置のきらびやかさに圧倒されているうちに、なんとそのまますのこへと釣りあげられて行ってしまうとは! どうってことない場面ですが「オペラ座の話なんだ」ということと「オペラ座のスケールの大きさ」を強烈い印象付ける演出です。そして、通常は幕前芝居で処理されるアンドレとフィルマンの前口上が桟敷席下でなされるといよいよ「マスカレード」の始まり始まり。ここでもスペクタキュラーな演出が登場します。なんと大階段が舞台奥から回転しながら登場するんです。レビュー的演出におじちゃんヨダレ垂れ流しで大喜びですわ。おまけに、この階段はタッパある舞台に合わせて、押しつぶされた通常版ではなく、パリ・オペラ座そっくりの巨大な奴。よって、階段に設置されている蝋人形の数も倍増。このあたり、ミュージカルというよりもレビューです、レビュー。
 そして、2幕はビュンビュン飛ばしまくります。「オペラ座の怪人」には、ヴェルディ風、モーツァルト風、シェーンベルク風の3つのオペラが劇中劇で登場しますが、シェーンベルク風(変拍子と不協和音満載のケッタイなやつです)の稽古場面はすべてカット。オペラ本番もあっという間に主人公たちの二重唱に。ここでの新演出は、舞台から逃げ出そうとするクリスティーヌを支配人らが舞台に押し戻すこと。そして、包囲されたファントムは窮地を抜け出すために、ここでシャンデリアを落とすこと。このシャンデリアの落下は超恐怖を味わえます。4つのパーツの集合体が、手を伸ばせば触れそうな近距離まで、まるでほんの一秒で落ちてくるんです。どこかの国のどこかの劇場のように、の〜〜〜んべんだらりと下降なんてしてきません。そして、同じ速さで天井に戻ります(でないと邪魔ですものね)。落ちるぞ、と待ち構えていないと、一番有名なシーンにもかかわらず、見落としてしまいます。バンジージャンプで人間がバウンドしますよね、あんな感じ。あまりに急展開、それも客席中央部で行われるので、初見の人には不親切な演出かもwww
 そして、オペラ座地下のファントムの隠れ家にやってきたラウルですが、通常はバンジャブの輪で首を吊られてしまうところ、なぜかせり上がる床とこれまた床から登場するナイフが四方八方から飛び出た檻に閉じ込められてしまいます。ん〜、この装置はちょっとやりすぎでしょう。無駄にシステマチックな無駄な演出。ん〜最後がちょっとねぇ、と不満を持って終わるかと思いきや、カーテンコールでのファントムはマジックで神出することで帳消し。(鬼没はしないけど)。怪しさ満載で僕は好き」
 ということで(1)オペラチックな場面は笑いにするorカットしてしまう (2)暗くて色味の乏しい装置は花火やスペクタクルでカバー (3)観客が飽きる前にビックリ演出を盛り込む、ことによって、いかにもラスベガス用の賑やかな処理がなされています。とはいえ、パチンコ屋のように賑やかなラスベガスの街と、エレガントなパリ・オペラ座の物語は、流れる空気が違いすぎます。ものすごく良くできたヴァージョンだと思いますし、ハードさえ実現できれば、日本でもぜひ取り上げてほしい演出ですが、ラスベガスで人気がないのも納得しちゃうものがありました。ギャンブルの合間に観る演目じゃないですわ。おまけに、シアター・ゴーアーならばともかく、いきなりこの作品の短縮版だと、かなり理解するのが難解かもしれません。
 でも、でも、作品も演出も僕はとっても好きで、実はリピートしてるんです。演出の説明ですっかり長くなってしまったので、感想についてはまたあらためて。


2007年08月10日(金)22:30-0:00
CIRQUE DU SOLEIL「ZUMANITY」@NEW YORK-NEW YORK

 Upper Orchestra 86.90ドル SECTION202-L-2 (パンフレット:15ドル)

 演出:Andrew Watson



2007年08月11日(土)19:30-21:00
「Folies Bergere」@TROPICANA THE TIFFANY THEATRE

 58.89ドル SECTION BTF TABLE8-8 (パンフレット:無料)

 演出:Jerry Jackson



2007年08月11日(土)22:00-0:25
「MAMMA MIA!」@MANDALAY BAY MANDALAY BAY THEATRE

 Main level 55.00ドル(半額チケット) SECTION C K-128 (パンフレット:10ドル)

 演出:Phyllida Lloyd

 Donna Sheridan:CAROL LINNEA JOHNSON
 Sophie Sheridan:KELLY ANISE DANIELLS
 Tanya:VICKI VAN TASSEL
 Rosie:LISA RICHARD(ROBIN BAXTERの代役)
 Sam Carmichael:RICK NEGRON
 Harry Bright:ROBERT DUSOLD
 Bill Austin:JEFFERSON SLINKARD
 Sky:PATRICK SARB
 Ali:KATE MORGAN CHADWICK
 Lisa:GABRIELLE HATCHETT
 Deeie:CLARK JOHNSEN
 Pepper:RONALD DUNCAN



2007年08月12日(日)19:00-20:45
CIRQUE DU SOLEIL「MISTERE」@TREASURE ISLAND

 Cat.1 82.50ドル SECTION C K-128 (パンフレット:10ドル)

 

2007年08月12日(日)22:30-0:00
「AMERICAN STORM」@RIVIERA

 30.23ドル(半額チケット) (パンフレット:なし)

 

2007年08月13日(月)19:00-20:15
CIRQUE DU SOLEIL「LE REVE」@Wynn

 Premium 130.90ドル SECTION A I-26 (パンフレット:15ドル)

 

2007年08月13日(月)21:30-23:20
「PHANTOM THE LAS VEGAS SPECTACULAR」@THE VENETIAN THE PHANTOM THEATRE

 BALCONY 82.00ドル SECTION202-NN-14 (パンフレット:15ドル)

 演出:HAROLLD PRINCE

 The Phantom : Anthony Crivello
 Christine : Elizabeth Loyacano
 Carlotta : Geena Jeffries Mattox(Elena Jeanne Batmanの代役)
 Raoul : Tim Martin Gleason
 Madame Giry : Maureen Dodson(Rebecca Spencerの代役)


2007年08月14日(火)16:00-17:00
DIRK ARTHUR「XTREME MAGIC」@TROPICANA

 34.90ドル SECTION A I-26 (パンフレット:15ドル)



2007年08月14日(火)19:00-20:25
CIRQUE DU SOLEIL「KA」@MGM GRAND KA THEATRE

 Standard view 137.50ドル SECTION 201 CC-23 (パンフレット:15ドル)

 

2007年08月14日(火)22:00-23:30
「LANCE BURTON」@MONTE CARLO

 Mezzanine 72.55ドル T-3 (パンフレット:なし)

 

2007年08月15日(水)20:00-21:40
「THE PRODUCERS」@Paris Le Theatre Des Arts

 Red Section 99.00ドル H-26 (パンフレット:なし)

 演出:Susan Stroman

 Max Bialystock:Tony Danza
 Leo Bloom:Larry Raben
 Ulla:Katrina Loncaric(Leigh Zimmermanの代役)
 Franz Liebkind:Bill Nolte
 Roger DeBris:Lee Roy Reams
 Carmen Ghia:Rich Affannato



2007年08月15日(水)22:30-0:05
「Jubilee!」@BALLY'S

 Section E 48.00ドル U-39 (パンフレット:無料)

 演出:DONN ARDEN



2007年08月19日(日)17:00-21:00
東宝「レ・ミゼラブル」@帝国劇場

 B席 4000円 2階-M列-13番 (パンフレット:1500円/2000円)

 演出:トレヴァー・ナン、ジョン・ケアード

 バルジャン:橋本さとし
 ジャベール:石川禅
 エポニーヌ:坂本真織
 ファンテーヌ:今井麻緒子
 コゼット:菊池美香恵
 マリウス:藤岡正明
 テナルディエ:徳井優
 テナルディエ夫人:瀬戸内美八
 アンジョルラス:東山義久
 リトル・コゼット:大下夕華
 リトル・エポニーヌ:加藤ゆらら
 ガブローシュ:横田剛基

 いよいよレミゼ20周年公演も終盤戦です。猛暑の中、ヘロヘロになりながら劇場入りしました。観るだけでしんどいのですから、役者さんはさぞ大変なことでしょう。でも、それはそれ、これはこれ。今回のカンパニー、アンサンブルのレベルが低すぎます。レミゼはアンサンブルも活躍するミュージカルですが、一言ソロがあまりにひどすぎます。発声といい、声量といい、聞き苦しい人がズラリ。歌の上手い下手はさておき、聴かせるという意味で、プリンシパルとの格差を感じます。
 かといって、プリンシパルも適役かというと、かなり違和感があります。今日は芝居の上手な人を中心としたキャスティング。橋本さとし、石川禅、瀬戸内美八と、僕のお気に入りの役者さんが揃っていますが、全員役にフィットしてない気がするんです。ファンの欲目で観てるのと、作品の良さに支えられてはいますけど。
 橋本バルジャンは初日近くに観て以来ですが、歌唱力が抜群にUPしていました。テクニックとしては決して「歌手」とは言えず、聞き苦しい箇所多々&声量のなさはありますが、役者歌としてかなり聴かせます。感情のこもった歌というのは、かなり訴えるものがありますね。テクニックがあっても、棒読みならぬ、一本調子の歌が大嫌いな僕としては、ミュージカルにおけるこの歌唱は好印象。前回は「契約に生きるバルジャン」という感想を抱きましたが、今回感じたのは「人のために生きるバルジャン」ということ。そもそも刑務所に入れられたのも、脱獄を繰り返したのも妹の子たちのため。そりゃ、刑務所暮らしが長く、仮釈放後も虐待されれば、ちっとはひねくれるでしょうが、司祭さまに信頼され、ファンティーヌに娘を託され、自己の欲望ではなく、誰かのために生きることに生涯を費やす姿に感銘を受けます。リトルコゼットを迎えに来た際の「さ、おいでっ!」や、マリウスにコゼットを託す際の「頼むよ!」は対になっているキーワードではないでしょうか。仮出獄許可証を破り捨てて、自らの新しい居場所(市長)を得てから、(工場設立で失業者を救うなどはあれども)初めて「誰かのために生きる」時のセリフであり、やるべきことをやり隠居生活に入るキッカケのセリフです。たった一言ですが、このセリフがここまで際立つのが橋本さとしならでは。残り少ない上演回数ですが、機会があったら注目(耳)してみてください。温かさや感情のこもり方が実に素晴らしいです。
 あ、バルジャンですっかりスペースを割いてしまったので、他キャストはサクサクと(汗) 石川ジャベールは歌唱力と演技力は確かで、バルジャンとの細やかなやり取りは抜群ですが、いかんせんニン違い。声質が明るく軽いので、ジャベールのナンバーがドラマティックに盛り上がらないんです。もちろん、持ち前の歌唱力でかなりカバーしていますが。そして、もともとの顔立ちが丸顔で優しいのをなんとか強面にしようとメイクも凝っていますが、書き込み過ぎて、帝劇よりもコマ劇場が似合いそうに見えます。北島○郎みたいで、フランス人にはほど遠いなぁ。。。顔色でいえば、徳井テナルディエの赤ら顔もサルみたいで気になります(彼に関しては一本調子の歌にイライラ・怒)
 坂本エポニーヌと藤岡マリウスはすっかり安定期。歌に芝居に余裕があります。今回のエポニーヌ、マリウスの中では一番手ではないでしょうか。(島田エポニーヌの人気は絶大ですが、年齢・体型・貫禄ともに既に旬を越してますし)。中でも、藤岡マリウスの歌唱力のUP度は目覚ましく、ワンデイモアでも、しっかり声が突き抜けるのが心地良いです。ちょっと体型が丸いので、革命家としてはどうよ、と思う部分もありますが、登場した瞬間に華やかさを振りまくのも、この役に合ってるのでは? エポニーヌにとっては王子様ですし、コゼットにとっては一目ぼれの相手ですし。
 ルミさんのマダムはちょっと暗くおっかなくなりがちな芸風が「ちょっと違うんじゃないかなぁ」と気になりますが(ツレちゃんや森クミさんのおおらかさがないので)、芝居の細かさ・上手さは歴代一ではないでしょうか。芝居が売りの人だけあります。宿屋のシーンでは、亭主の歌やセリフにいちいち突っ込みを入れつつも、コマネズミのように良く働きます。小芝居の積み重ねですが、一つ一つが実に計算されていて、大筋の芝居の邪魔をせずに、それでいてルミ・ワールドを繰り広げるのはさっすがです。彼女は組長格での参加になりますが、さりげなく若手を前に押しやるあたり、人柄の温かさを感じます。それにしても、今だに動きが男役のまんまなのには思わずクスッ。気がつけばキザってますし、顔の作りや手の動きなど、ショーの決めのポーズそのまんまなんですもの。でも、ファンにとっては嬉しい箇所でもあります。
 アンジョルラス、ファンテーヌ、コゼットの三役は今日に限らずどのキャストも帯に短くタスキに長い状態。プリンシパルが大勢いて、おまけにクワトロキャストを組む公演となると、役者を揃えるのも大変な作業ですね。でも、レミゼに関しては、東宝が四季化しているようで、薄味になりつつあるのがかなり心配。
 なお、今日はファン感謝デーとして、橋本バルジャン・徳井テナルディエ・瀬戸内マダム・東山アンジョルラスによる、関西人カルテットによるトークショーが終演後にありました。四人が囚人服姿で歌いながら登場するもんだから客席は一気にヒートアップ。組長格のルミさんを中心に、軽快に話が弾みました。四人とも関西出身ということで、なぜか関西弁が飛び交う舞台。橋本コゼットにルミ・アンジョルラス、徳井ガブローシュなんかが飛び出しておもろかったです。30〜40分あったと思うのですが、あっという間でした。


2007年08月21日(火)18:30-21:35
宝塚歌劇団宙組
「バレンシアの熱い花」「宙FANTASISTA!」@東京宝塚劇場

 B席 3500円 2階-13列-67番 (パンフレット:1000円)

 演出:柴田侑宏、中村暁(バレンシアの熱い花)/藤井大介(宙FANTASISTA!)

 フェルナンド・デルバレス:大和悠河(榛名由梨)
 イサベラ:陽月華(小松美保)
 ラモン・カルドス:蘭寿とむ(順みつき)
 ロドリーゴ・グラナドス:北翔海莉(大地真央)
 レオン将軍:美郷真也(水代玉藻)
 ルカノール侯爵:悠未ひろ(藤城潤)
 シルヴィア:美羽あさひ(舞小雪)
 マルガリータ:和音美桜(優ひかり)
 セレスティーナ婦人:邦なつき(専科)(三鷹恵子)
 ルーカス大佐:十輝いりす(鷹匠恵)
   ( )は1979年公演

 お芝居も非常に古めかしく、ミュージカルナンバーの挿入も唐突。セリフ回しも独特の文語調が多く、登場人物の決めのセリフのたびにファンファーレが入ったりする70〜80年代の古き良き宝塚のレトロな雰囲気。最近は宝塚といえども、自然な芝居と、スピード展開が早くミュージカル処理がスマートな作品が多いので、久しぶりにこの手のお芝居は新鮮です。そういえば、最近は大芝居が少なくなった気がします。生徒は芝居と芸風をすり合わせるのが大変そう。大スターが育ちにくいという現状は、こういった作品の傾向も関係しているのかもしれません。
 初演時の榛名由梨・順みつき・大地真央(ムラでは瀬戸内美八)によるトリオは、今思えば、野暮ったさの漂う舞台でしたが、その不器用さが、スペインの熱き血を感じさせました。トップとして充実期を迎えていた榛名由梨、トップ就任直前の順みつき、ようやく主要キャストに入れられ張り切っている大地真央と、座組みもとっても濃厚で、シンプルなストーリーをコッテリ&タップリ見せてしまうのが印象的でした。ただし、当時の娘役は可憐ではあるけれど、少女漫画っぽくて、セリフ回しは感情よりも様式性が強くて、あまりの甘ったるさに僕は苦手でした。でも、大芝居だといかにも「宝塚な娘役」なお芝居って妙にはまりますね。芝居巧者が揃っていた当時の月組は集団芸としての演技力レベルが高いです。ルックスだとか、歌だと、突っ込まざるを得ない弱点をいつしか忘れてのめりこんでしまいます。ビデオを見返すだけでどっぷりです。
 さて、そんな初演時とは個性も売りも全く異なるのが今回の宙組公演。大和悠河はひたすら格好良いです。松方弘樹のような雰囲気榛名由梨の後任ということもあってか、顔の小ささ、スタイルの良さ、美貌・華やかさと、出てきただけでいかにも今風な垢ぬけたスター。なに、歌唱力なんて榛名由梨もどっこいどっこいでしたので、初演と比べて気にするこたぁありませぬ。プロローグのやたら張り上げる歌い方が榛名由梨にソックリで微笑ましい位。(音程は榛名由梨の方が正確かも。そして、やっぱり……頑張れ>歌)。ダンスは格段に大和悠河の方が上かと思います。ポーズの一つ一つがきれいに決まってますし、余裕で踊りこなしてます。技術点云々以前に、ルックス点で高得点マークです。大和悠河の偉いところは、技術(特に歌唱力)に問題があっても、そんなことは全く気にした様子もなく、今ある力をすべて出してしまうところ(時に食傷しますけど)。委縮なんてしていません。でも、このスマートさがスペインの濃さにつながらないのは若葉マークトップゆえ??? 表は美しき貴族で、裏では復讐に燃える革命家という「怪盗ゾロ」のような、「遠山の金さん」のような、はたまた「忠臣蔵」のような裏表キャラが面白いこの作品ですが、竹を割ったような真っすぐタイプの彼女の芸風だと、深みがでません。も少し、お芝居にしろ、エネルギー配分にしろ、コントロールができるようになるとさらに良いかも。
 娘役は頑張りました。陽月華は低音でのセリフ回しと押し出しの良さで健闘(歌はこちらもド下手)。メイクや所作、鬘に関しては、初演ブリッコ、再演リアルってところでしょうか。このあたり、流行や体系、テクニックもあるから好みの問題ですが、僕は再演版の方が「意思のある女」って感じがして好き。でも、熱さや濃厚な空気は初演の方があったかな。良くも悪くも現代っ子による、サラサラしたお芝居でした。芝居の思い入れ、セリフの重みが段違い。
 ショーは大和悠河の元気が売り。通常、トップになるとセーブして踊ったり、歌の発声すら変えてしまう人もいる中、組子の誰よりも張り切って歌い踊ってます。なんだか、若手スターのバウホール公演のようなノリです。陽月華も「相手役だから」と委縮することなく、「トップよぉ」とばかりにバリバリ踊ってます。想像していた以上に体育会系コンビです。この二人の手加減なしの関係って、宝塚のトップコンビとしては珍しいので、僕としては大歓迎。舞台狭しと暴れまくるサマは、POPS・スターのよう。トップコンビが舞台で暴れているので、下級生たちもボケボケしていられませぬ。中でも、悠未ひろの返信ブぶりはアッパレ。ここまで必死に踊ってるのって初めて見た気がします。今までは大きな体を持て余して、モタモタ踊っていたのが、バリバリに頑張ってます。このまま芸風が変われば、ダイナミックなスターになれるかも。男役としてのキザな芸に目覚めてくれたんなら嬉しい。そういえば、今回の彼女のお芝居、ちょっと暗めな顔と柄の大きさが生きて、悪のニオイがぷんぷん。美味しい役を美味しく演じてました。まだ悪役としての迫力は出し切ってないみたいですが、今の1・2・3トリオの薄さにはちょうど良いバランスかな。今後はトップさんたちに脅威を与えられる役者に育ちますように! とりあえず、今回の公演での出世頭。
 その他の下級生はまだ個性を出しきってない感じがします。みなさん綺麗だし、そつなく演じてはいるんだけれど、印象に残る子がいなかったなぁ。これからの大和体制だと、いくら下級生が張り切っても大丈夫そうなので、今後の宙組の進化に期待してます。そして、トップトリオに関しては、これ以上の歌唱力UPはそうそう期待できないので、「A/R」の時のようなボロのでない主題歌をお願いします>音楽スタッフ


2007年08月25日(土)12:00-15:10
東宝「レ・ミゼラブル」@帝国劇場

 B席 4000円 2階-M列-12番 (パンフレット:1500円/2000円)

 演出:トレヴァー・ナン、ジョン・ケアード

 バルジャン:今井清隆
 ジャベール:今拓哉
 エポニーヌ:笹本玲奈
 ファンテーヌ:渚あき(シルビア・グラブの代役)
 コゼット:富田麻帆
 マリウス:藤岡正明
 テナルディエ:三谷六九
 テナルディエ夫人:阿知波悟美
 アンジョルラス:東山義久
 リトル・コゼット:加藤ゆらら
 リトル・エポニーヌ:大下夕華
 ガブローシュ:横田剛基

 2007年版レミゼもいよいよmy楽となりました。正直、3ヶ月の上演の割に仕上がりが悪いなぁ、と思うのですが、キャストが多すぎるのが原因かもしれませんね。そして、アンサンブルの面々は和気あいあいと演じていますが、一生懸命やっているのと、出来が良いのとは別物。レベル……落ちてます、キッパリ。
 今日を含めて、千秋楽までラスト3daysということで、劇場は熱気に包まれています。6月・7月は週末公演でさえブロックごとごっそり空席だったりしたのに、補助席まで人・人・人。まずは満員の劇場で観られることの幸せに浸ります。実際に舞台を観る際は、僕vs舞台ではあるのですが、不思議とガラガラの劇場と満員御礼の劇場とでは、舞台から受けるエネルギーが違うんです。劇場は生き物だな、と感じる瞬間。それにしても、帝劇のB席はかなり座席が狭いです。短足を自負する僕ですら、前の座席に膝が付く状態。ちょっとでも姿勢を崩すと足の痛さで観劇気分がそがれます。建て替えの際はぜひともこのあたりを改善していただきたいものです。
 さて、本日のキャストはテナルディエ夫妻のみ初お目見え。阿知波マダムは初演&再演でツレちゃんとWで演じて以来ですので、とっても久しぶりの登場。決してスター路線ではないけれど、それがゆえに、スター・オーラで劇場の空気を動かすのではなく、きちんと計算された芝居で参加する人なので、狂いが少ないんです。マダムたちの中でも安定度はもしかしたらピカ一だったかもしれません。安定した技術を持っているので、お気に入りの役者さんの一人。何よりも、下町のおばちゃんぶりがとっても似合うのが素敵です。テナルディエにガミガミどなるけれど、決して威圧的ではなく、上下関係ではなく同士としての連帯感が感じられます。最も夫婦らしい夫婦ではないでしょうか。
 そして、そんなマダムを受け止めるのが三谷テナルディエ。音楽座時代からお気に入りの役者さん。テナルディエにしては芸風が柔らかすぎやしないか、声は通るのか、マダムに押しつぶされやしないか、などなど、観るまでは心配してたんです。好きな役者さんだけに心配度も倍増。でも、蓋をあけてみれば、これまた芝居巧者っぷりを見せてくれました。マダムに何を言われても「どこ吹く風」なテナルディエ。夫婦のバランスがしっかり取れてますwww 歌だって、結構楽譜を無視しちゃうのですが、「歌えないからごまかしちゃいます」というのではなく「テナルディエが楽譜通り歌うはずないでしょ」というのが、計算ではなく、ごくごく自然に見えてしまうのが絶品。テナルディエ役はキャラクターで選ばれることが多いので、ちゃんと歌える人がキャスティングされることは珍しいのですが、このごまかし方があざとい人が多いんです。そんな中、サラっと自然に崩してしまうあたり、かなり僕好みの味付けです。客に媚びてないってあたりが、フランス人らしくて良いでしょwww マダムの話を聞いてないようでいて、しっかり息があってしまうあたり、なかなかのシタタカ者です。阿知波マダム以外での組み合わせも気になる〜〜〜。次回もまた参加していただきたいテナルディエです。
 その他のキャストは上達組と、崩れまくり組に二分されました。上達組の筆頭は渚あきファンテーヌ。初日近くに観た時は宝塚調の歌唱が帝劇では全く通用しなかったこと、低音が出なかったこと、一歩後ろに引いた芝居が「目立った者勝ち」なプロデュース公演では裏目に出ていたなど、宝塚時代の活躍を知っているだけに、観ていて痛々しかったです。しかし、上手い人は這い上がりますね。歌唱法をガラリと変え、声量のなさ・パンチのなさを、微妙なポルタメントや粘りでカバー。しっかり胸声も出せるようになり、頭声だけでか細く歌っていた人とは別人。元々儚げな雰囲気を持っている人でもあるので、フィナーレ直前に「行きましょう〜♪」とバルジャンを迎えに来るあたりの透明感は圧巻。エネルギーに満ち溢れた「レミゼ」の中で、一服の清涼剤となりました。スタンダードなファンテーヌではないでしょうが、実力で自分の役とした渚あきの役者根性に脱帽。ひょんな代役で最後に彼女が観られて良かった。笹本エポニーヌは声の通り・抜けが良く、一人ステレオ状態。好き・嫌い以前に、この特質はスターって感じがしますね。
 で、渚あきに出演を譲ることになったシルビア・グラブですが、喉の調子が悪いとのこと。猛暑の中での長期公演。かなり負担がかかっているようです。実は今井バルジャンも相当調子が悪く、公演途中で誰かと入れ替わるかと思った位。包み込むような豊かなバリトンの響きが薄くてびっくり。この人がこんなに調子が悪いのって初めて。高温やなんとか音をひっかけてる感じ。調子が悪いのをカヴァーしようと、変な癖をつけて歌ってみたり(逆効果!?)、無理やり声を押し上げてみたり、今回が初めての観劇だったら、かなりガッカリの感想を書いてそう。今ジャベールは崩しすぎ。楽譜からそれた歌い方は粋になることもあれば、下品になることもあるのですが、今回は観客受けを狙ってか、妙に音を引っ張ってみたり、張り上げてみたりが見苦しい。テクニックのある人が余裕をもって遊ぶのではなく、決して歌手とは言えない人が、スタイルだけ真似て崩してみると……品位がなくなります。藤岡マリウスも、なんだかライオンキングになっちゃいそうな弾けっぷりで、王子様ぶりが激減。アンジョルラスよりも元気でたくましくって「アータそりゃないでしょ〜」な張り切りぶり。役を離れて藤岡正明に戻ってまんがな。
 で、最後だから書いちゃうけれど、子役は色んな意味でペケ。リトル・コゼットはやたらと作りすぎな歌唱が気持ち悪く、僕がテナルディエ夫人だったらもっといじめます(ってことは役作り成功だったってこと!?!?) やたらオーバーに表情をつける歌唱は「アニー」じゃあるまいし、イライラします。役になり切ってるのではなく、役を演じている自分に酔いしれているのが気持ち悪いです。あ、そういえば、そんな芸風のトップスターが宝○歌劇団にもいましたねぇ。そして、大人になってからは、声の支えができずにビブラート過多なコゼット。子供〜大人と一貫して嫌いやわ。統一取れてますわな。
 ガブローシュは子役の子たちはみんな上手です。ここ数年の男の子たちのレベルアップは頼もしいです。問題は演出。クライマックスで、バリケードを越えて弾を拾いに行くのは良いのですが、いきなりお説教めいた演説をさせるってどないこと?
 「10発の弾で自由を手に入れる」→いきなり何?
 「一発目で王様、二発目で貴族、三発目で坊主か司祭、四発目で警察署長」→子供らしくない思想だし、唐突に歌われるので、五発目〜十発目は誰を倒したいのかが気になる!
そもそも、いきなり偉そうにこんな演説を始め、大して弾拾いもせずに、さあ殺せとばかりに「イチッ! ニッ!」と敵の軍隊に大見得なんて切るんだもん。打たれて当然。アホちゃうかな演出。カットが激しく、ガブローシュのそこまでの考えが見えないバージョンなので、あまりに唐突でした。ここで泣けないと、この後が盛り上がらないんですよね〜。
 そんなこんなで、僕にとっての2007年の「レミゼ」が終了しました。正直「プレビュー公演ですか?」もしくは「新人公演ですか?」なまま千秋楽となってしまいました。感情表現のないまま、サラサラと進行してしまう舞台は、既に宝塚では主流となってて、たまに古い作品のリバイバル上演を行うと、間が持たずに生徒は四苦八苦。劇団四季も元々無個性が売りですが、輪をかけてサイボーグ化。「レミゼ」よ、お前もか。。。土曜日の公演での特別カーテンコールで、某役者が「全員をプリンシパルと呼びたい」とのたまたそうですが、それはプリンシパルとしてのプライドなさすぎ。「全員がアンサンブルになってます」な公演は勘弁してください。役者の仲が良いのは結構ですが、仕事とプライベートは分けてね。……結構辛口になってしまいました(汗) でも、無視されるよりマシでしょ!? 次回公演も追いかけますよ〜。