☆豆腐の添加物
☆豆腐には、製造過程において、次の2種類の添加物が一般に使用されます。
いずれも食品衛生法で規定され、その使用基準などに基づいております。
なお、防腐剤は、使用されていません。
◆泡消剤◆
◇砕いた(磨砕)大豆(生呉)を、加熱(煮沸)すると泡が生じます。この泡を消すために
使用します。泡があると、食感の良い豆腐に仕上がらなく、日持ちも悪くなります。
泡消剤には、a.高酸化油、bグリセリン脂肪酸エステル、c.シリコ−ン樹脂があります。
昔は油揚げの廃油に灰などを混ぜたものを自家製で使用していましたが、同様の成分で
商品化したのがaです。
bは、食用油脂とグリセリンを反応させて造ったもので、乳化剤として広く用いられて
いるものです。
cは、自然界に広く存在する珪石(けいせき)を構成する珪素が主成分です。
これらのうち、使用度の高いものは、bとcです。
なお、これらの泡消剤は、食品衛生法で、加工中に消滅または最終食品に残っていても
微量な「加工助剤」として扱われています。
◆凝固剤◆
◇豆乳から豆腐を作る次の工程「凝固」のための添加物で、豆腐製造には不可欠
なものです。
豆腐の凝固剤として食品衛生法で指定されているものは、次の凝固剤です。
a.硫酸カルシウム
b.塩化マグネシウム(ニガリ)
c.グルコノデルタラクトン
d.硫酸マグネシウム
このうち、主に使われているものは、a、b、c、dです。また、凝固剤には、それぞれ特質
があり、豆腐の種類に応じた使用がなされており、豆腐製造者が自分でこれらを
ミックスしたり、ミックスされた製品をそれぞれ工夫して使用している場合もあります。
☆a.硫酸カルシウム(すまし粉)
天然ものとしては石膏から作られますが、現在では、科学的に合成されたものが多くを
占めています。業者間では、「すまし粉」と一般に呼ばれています。このすまし粉は
昔から使用されてきた「ニガリ」が第二次大戦中に軍需物資として調達された代替品として
多く使われるようになったものです。豆腐が作りやすいなどの特質がある、現在まで主流と
なってきました。
硫酸カルシウムは、水に溶けにくく、豆乳の凝固反応が遅い(遅効性)ため使いやすく
また保水力が高いので舌ざわりの良い滑らかで弾力のある豆腐のできる特質があります。
☆b.塩化マグネシウム(ニガリ)
ニガリの名称:苦汁(苦が味のある汁)
塩化マグネシウムは、ニガリの主成分です。
昔から豆腐はニガリで作られてきましたが、戦時中に軍需物資(ジュラルミンの原料など)
として調達されたことを契機として、その使用は大きく減少して参りました。しかし、最近では
自然志向やグルメ指向をあって、使用が増えつつあります。
ニガリは、海水から塩(塩化ナトリウム)を採った残りのものから産出されますが、主成分が
塩化マグネシウムです。なお、海水から塩化ナトリウムと塩化カリウムを分離した粗製のもの
(粗製海水マグネシウム「別名・塩化マグネシウム含有物」)もニガリとして付記表示が
認められています。
ニガリは、水に溶けやすく、豆乳の凝固反応が速い(速効性)ので、凝固に技術を要する
いえますが、ニガリは大豆の甘みなどを引き出す面もあります。
☆c.グルコノデルタラクトン
でん粉を原料として、発酵法で作られたものです。
この凝固剤は、水に溶けやすく、豆乳に均一に溶けますので、均一で保水性に富んだ豆腐が
得られます。そのため、絹ごし豆腐の製造にも適しており、また凝固の速度が遅いこともあって
機械による製造にも向いている面があります。なお、他の凝固剤が塩で反応する凝固である
のに対し、酸で反応(酸凝固)するという特質があります。
☆d.塩化カルシウム
この凝固剤は、水に溶けやすく、凝固力が強く、凝固の速度が速い等のため、主に
油揚げや凍り豆腐用に使用されています。