猫の社会化
猫とは 実に不思議な謎につつまれた生き物ではないでしょうか。犬よりも気高く、感性が鋭く、順応性にもすぐれ、決断力もあります。優雅にして大胆な動作、気品のあふれる表情、しぐさ どれをとっても実に魅力的であり、見ている人を幸せにしてくれます。でも私達が見ているのは人間社会に連れてこられた家族の中での猫の姿なのです。本来の猫の生態、行動、本能を理解して飼ってる方がどの位いらっしゃるのでしょうか。と言っても私達人間に猫を理解するということは到底無理なことかもしれませんが、知ることは出来ます。猫たちと楽しくつき合っていくため、今回は子猫の社会化についてお話します。
子猫の社会化期
猫にも犬同様(社会化期)と呼ばれるものがあります。社会化期とは若い動物が同種の仲間や私達人間、他の種(犬など)との社会関係を形成する大事な時期の事です。犬と違い猫のこの時期は生後二週目から始まり約七週までと非常に短いのです。子猫はこの社会化期に、嗅覚、視覚、聴覚も発達し活発に動き始め、自分のグルーミングも出来るようになります。目に映るすべての物が子猫にとって、興味をひくものであり、走り、障害物を上手に避け、前足で思ったところに触れ、獲物を目で追い、冒険していくのです。
この期間を通して、母猫、兄弟猫、私達人間とともに生活し、成長していく子猫たちは、適切な刺激を豊富に受けながら育っていくのです。そして 人に遊んで、話しかけ、触ってもらうことで人間との強い絆を形成していきます。このことから考えると家庭で猫が出産した場合は、あまり早くに新しい飼い主に渡すべきではないでしょう。最良の環境を子猫に与えるのであれば、その社会化期に、できるかぎり広範な刺激(犬、他の猫、大きな音、車などさまざまな事柄)を経験させてあげることが必要です。それが人間と猫とのよりよい社会生活の第一歩となるからです。
行動学が話題になる以前から眼が開く前に捨てられた子猫は猛猫になりやすいといわれていました。これは、理由はわからずに経験的に言われていたことです。母猫から新生時期に引き離されてしまった子猫には、情緒的、行動学的、そして肉体的な異常が出現する場合が多く また一般的にこれらの子猫は学習能力も劣ると言われますが、これに子猫行動学をあてはめると理解しやすいです。眼が開く前に捨てられてしまった子猫は社会化期に全く他の兄弟、親猫と触れ合う機会がないわけです。その結果、他の猫や人間に対してどうやって対処して良いか学習できないのです。その結果として攻撃という手段をとらざるを得ないのでしょう。
まだ、7週齢未満であれば社会化の学習も可能ですがある程度成長してしまうと矯正は難しいようです。
このことは子猫を飼い始めるヒントにもなります。眼が開かないような子猫を拾ってしまった場合、人間が、親猫や、兄弟の変わりに社会化期をうまく形成してやります。この時に数人の決まった飼い主しか接触が無い場合その人間以外に攻撃的になったり、またその数人との強すぎる絆ゆえに依存心の強い 内向的で他とうまくつきあえない猫になってしまいます。このようにして成長していった猫は 見慣れない場所や、音、人すべてに対して臆病になり 時に激しい攻撃性を見せたりと いわゆる(手に負えない状態)になる子が非常に多いというのが現状です。こうなってしまった猫の行動矯正は 非常に困難なものとなります。ということは いかに子猫の社会化期を有意義なものにすることが、その後の猫との生活の大事な第一段階であるということです。ですから、家庭で猫を出産させる場合は、子猫に充分な社会化を身につけさせるための さまざまな刺激と愛情を与えてあげて 最良の環境で社会化期を過ごした 二重丸つきのオススメ良品猫ちゃんとして次の飼い主に譲られることを望みます。
ポイント