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私達は神経症になりました。ではその原因は何だったんでしょうか?それを一人ひとりに聞いてみると、必ず答えが出てくるだろうと思います。ある人は「親がとても口うるさかった」とか「親が世間体ばかり気にしていた」とか「学校でいじめを受けた」とか「恋愛でひどくふられてしまった」とか「結婚相手にひどく傷つけられた」等々、各自いろんな原因をあげる事が出来るだろうと思います。カウンセリングの理論でも、こういう時期にこういう事があると神経症になると書いてある理論書もあります。 たしかに皆さんは、辛い思いをされて来たでしょう。私も神経症の体験者ですから、その気持ちは理解できるつもりです。ある時期に辛い事があって、その時にある受け止め方をし、その後の自分の生き方を決断してしまったんだろうと思います。それはその頃の自分にはどうしようもなかった事かも知れません。神経症になる事が、自分を守る唯一の方法だった人もいるでしょう。 ただ、問題なのは、その神経症の原因として考えられる相手に対して、どういう感情を持っているか?という事です。「もっと愛して欲しかった」という人もいるでしょうし「あんな事をするなんて許せない。相手が憎い」という人もいるでしょう。あるいは「うらんでいる」という人もいるかも知れません。 そういう感情を持つようになったのも、ある意味では無理のない事なのかも知れません。ただ、相手を憎んだり、うらんだりする気持ちというのは、結局は相手の不幸を願っている気持ちだと思うんです。「あなたの希望を実現する方法」のページの「希望が実現したら、あなたは幸せになれますか?」にも書いてありますが、相手の不幸を願う気持ちを強く持っていると、相手が不幸になるだけでなく、その思いが自分のところに戻ってきて、自分も病気になったり不幸になったりしてしまいます。そうすると自分の思いで自分の不幸が続いていくという悪循環が現実にあらわれてきます。 今でも過去の事を忘れられずに、相手を憎んでいませんか?相手をうらんでいませんか?そういう相手を不幸にする思いを持っている事に気付いたなら、それを変えて行く必要があります。なぜなら、それは自分をも不幸にする思いだからです。 それでは、どうしたらその思いを変えていく事が出来るでしょうか?これはなかなか難しい問題です。なぜなら子供の頃から長年持ってきた思いだからです。まず意識的にその思いを止めていこうとする事が大切です。それだけでも大きな進歩で、自分自身をも不幸にする自己実現を止めていく事が出来ます。しかし神経症になる程まで思い詰めてしまった場合、なかなか相手を許せない気持ちが強いだろうとも思います。それ為の2つの方法を提案してみたいと思います。 ●子供の自分に戻ってみる まず1つ目として、辛かった自分の子供時代を振り返ってみるという方法です。アダルトチルドレンではインナーチャイルドという言葉を使いますが、子供の頃、辛い中で耐えている自分を思い出してみると、そこにイメージとして子供の姿が見える事があります。例えば、膝を抱えて座っている自分の子供時代の姿が見えたりする訳です。これがインナーチャイルドで、その時の辛い思いを忘れる去る事が出来ない記憶の部分です。 それでは、具体的な方法を書きます。今現在、皆さんは大人ですから、その知識や経験を持ったまま、子供の頃の辛かった時代に戻ってください。そして今の自分だったら、その辛かった事を、どのように受け止め、どのように対処していくか?を考えてみていただきたいんです。その頃は子供でしたから、相手の気持ちもなかなか理解できなかったでしょうし、表現力もあまりなかったから自分の気持ちを上手に説明出来なかったでしょう。上手な受け止め方も出来なかったかも知れません。しかし今現在、大人となった自分なら、それをどのように受け止めていくか?どのように対処していくか?それを考えてみてください。 そうしてみると、子供の頃にはわからなかったかも知れないけど、大人の知恵で対処の方法が見えてくる事があります。「あの時、自分はこう感じていたけど、ホントはこうすればよかったんだ」という事が見えてきます。そしたら、子供の頃の自分(インナーチャイルド)に向かって「今まで一人にしていてごめんね」と謝って「もう私がいるから大丈夫だよ」と言って、頭をなぜてあげてください。 こうしていく事で、過去の傷を癒していく事が出来ます。そうすると憎しみやうらみの気持ちも少しずつ減少し、いつの間にか消えていくでしょう。そうした時、幸せの光があなたを暖かく包み込んでくれるのを感じるかも知れません。「今まで辛かったなー、でも自分なりによくやって来たじゃないか」と思えるようになれば、辛かった感情も解消している事でしょう。 ●相手の立場に立ってみる 2つ目の方法は、2つの段階に分けて実行しますが、これは一人でやる方法です。特に辛かった気持ちをぐっと抑えてきた人に有効だと思います。第1段階はイスに座り、今までどんな思いをしてきたのか?どれだけ辛かったのか?その気持ちを、神経症の原因として考えられる相手をイメージして、それに向かって、思う存分発散して下さい。声に出して言うとなおいいと思います。おそらく、辛かった気持ちを押さえて来たと思いますので、ここで充分に吐き出す訳です。もし相手が目の前にいて、怖くて言えないようでしたら、恐怖感が消える所まで距離を取ってください。相手と自分との間に分厚いガラスがあるとイメージするのも効果があるでしょう。もし一人では心細いと感じるようでしたら、誰か支えてくれそうな人を自分の近くにイメージしてみてください。 最初は多少言いにくく感じるかも知れませんが、思い切ってたまっていた気持ちをその相手に向かってぶつけてください。どうしても言葉に出せない場合には、最初はノート等に言いたい事を書くといいでしょう。それを繰り返していくうちに、次第に冷静になっていく自分を感じるだろうと思います。そして自分の言っている言葉を聞いて「いや、そこまでは悪く思ってなかったぞ」というように感じる時もあるかも知れません。ここまでが第1段階です。
そして言いたい事が一段落したら、自分のイスから立ちあがり、次に相手のイスに座ります。そして今度は相手の立場に立って、発言してください。例えばそれが親のイスだったとしたら、自分の子供が今までこんな辛い思いをしてきたという事を、今聞いた訳です。それに対して答えてあげてください。 人間は誰でも不完全ですから、完璧な親はいないでしょう。でもそこは親は親なりに子供を思う気持ちがあったかも知れません。もしそういう事に心当たりがあるなら、子供に向かってまず、あやまりたい気持ちになるでしょう。そして説明してあげて下さい。子供に話していなかったかも知れないけど、親の自分はこんな気持ちだったと説明してあげて下さい。もちろん今は自分が親のイスに座っている訳ですから、自分が親になったつもりで目の前にいる子供の自分に謝るわけです。 そしてイスから立ち上がり、また自分のイスに戻って、今聞いた話しについて自分の気持ちを言います。そうやって何度かイスを変えて、話し合いを続けていくうちに、お互いの気持ちが少しずつ理解できてきて、次第にお互いの距離が近づいてくるだろうと思います。そして最終的に「どっちも悪くなかった」という結論に達するまで、続けてみてください。もし1度で無理なら、2度3度と回数を重ねてやってみて下さい。 親は親なりに子供の事を考えてやった事だった。子供は子供なりに、必死に対応してきた事だった。そう思えるようになった時、相手を恨む気持ち、憎しみの気持ちは消えて行くだろうと思います。そこまで行けたら、もう気持ちが落ち着いているんじゃないでしょうか。今はどんな気持ちですか?「辛かったけど自分なりによくやったなぁ」と思えるようになったら、それで終了です。
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