☆ タイ語翻訳はタイ人か日本人か ☆
もしかすると、どこに依頼すればいいかを考えている時間がないかもしれません。「見積もりをお願いします」では、翻訳者は作業に入れないことをどうか覚えておいて下さい。「内容が緊急の場合はすぐに作業に入って下さい」と添えることで間一髪、事無きを得た方々の例がたくさんあります。すでに手遅れの連絡事項を翻訳して、料金をいただくのは翻訳者にとって辛いものがあります。
少なくとも、見積り依頼のメールに、「緊急かどうかだけでもお知らせ願います」と添えて、数時間以内に返信がないかを確認しましょう。小生の場合は頼まれなくてもすぐに緊急の旨を連絡差し上げています。
タイ語→日本語の翻訳は、日本人に依頼すべきです。
日本語→タイ語の翻訳も、日本人に依頼すべきです。
念のために完成原稿をチェックしてもらう必要がある時も日本人に依頼した方がいいでしょう。
日常会話における流暢さ(ここではタイ人の方の話す日本語のこと)は翻訳能力と比例しません。もし比例するなら、英語の発音がきれいな帰国子女の方々は、みんな優秀な翻訳家になってしまいます。
翻訳に限らず、きちんとした日本人は、分からないことは調べます。分かる人に聞きます。それでも分からなかったことについては、「分かりませんでした」と正直に報告します。
☆ 手紙が届いたら ☆
タイから手紙が届いたら、とりあえず受け取ったことを電話、FAX、葉書などで差出人様に知らせてあげることがとても重要です。あまり慣れていらっしゃらない方は、タイ語から日本語の翻訳→返信を書く→日本語からタイ語への翻訳→郵送の作業に1週間以上かかってしまうようです。そのうちに2通目が届いて、せっかくお金を出して翻訳してもらった返信の手紙が使えなくなってしまうことになりかねません。
ごく簡単な表現例を挙げますので、その日のうちに電話で知らせてあげて下さい。
Thank
you very much for your letter. コープクン・マーク・サムラップ・チョットマーイ
Your
letter has reached me. チョットマーイ・マー・レーオ
I have received your
letter. ダイラップ・チョットマーイ・レーオ
1分の電話で何千円もの無駄を省くことができます。
☆ 手紙を出したのに返信がない ☆
昔は普通郵便で送る手紙はよく消えたものです。中身が紙切れだけと分かるようにペラペラの便箋を使わねばなりませんでした。今はそういうことはありません。
手紙は届いているようなのに、どうしてか返信がこない。経験のある翻訳者は、どんな種類の手紙でも、返信がくるかこないかは分かるものです。
次のうちどれか1つでも当てはまると、返事はあまり期待できません。
1)答えるのに困る手紙を送ると、返信はきません。
2)手紙を書くのはエネルギーが必要です。手紙を書くことに慣れていない方々にとって返信はついつい後回しになりがちです。
3)ネットカフェで手紙の代わりに電子メールを利用する方は、毎週のようにメールチェックをするわけではありません。時には1〜2ヶ月も間が空きます。
4)“Phuut
Oom Oom.”
「遠回しに言う」=返信をしないことが返事になるのです。タイ社会では、面と向かってノーということは憚られます。また、相手が自分に期待してお願いしていることを断るのは悪い気がする。この感情はどの民族でもある程度共通のものかと思われます。ノーと言う返信より、返信しないという返事の選択です。
☆ タイ語の翻訳サービスを賢く利用する方々 ☆
翻訳サービスをうまく利用している方々がいらっしゃいます。日本語からタイ語への翻訳では、以下のような例があげられます。ご参考になさって下さい。
<私信>
一度にたくさんのことを詰め込まれません。(翻訳依頼の回数が増えると負担が大きくなる、とお考えにはなりません。適量を適当な間隔で連絡されます。結局は節約になります。)
電話で話がついているが、確認のためにその内容をタイ語の書面で届けられます。(英語のできる方は外国語の落とし穴をよくご存知です。)
相手を責めることをなさりません。(たとえ相手に100%の落ち度があっても責めません。あえて言及しないことで懐の深さを示します。タイ社会でポイントの高い美徳です。ただし相手がそのことを理解していないと話になりません。理解させる方法はあります。)
普段は自分でタイ語の手紙を書くけれども、重要な話や微妙な気持ちを正確に伝え、かつ理解してもらう必要が生じた時に、翻訳を依頼されます。(翻訳者にとって一番うれしい依頼です。ただ伝えるだけではなくて、“理解してもらう”には翻訳以上の能力を要します。)
<公文書>
役所に提出する書類は役所が受け取ればそれでいいことをご存知です。(誰が翻訳しても同じです。節約の方法はいろいろあります。婚姻関係は情報がたくさんあるので、自分でできることは少なくありません。会社登記などの書類でも必ずしも専門の会社に頼る必要はありません。一方、教育関係は知識のある翻訳者に限ります。違う世界だからです。単位の読み替えもあります。)
<スピーチ>
タイに行って英語でスピーチをする際にタイ語の挨拶文を用意されます。(文面はフォーマルに。スピーチは多少のアドリブを加えて楽しく聞いてもらいます。)
<アンケート>
リサーチ用のアンケートは分量と形式をタイ式にされます。(ただタイ語に訳しただけでは質問に対して選択する答えがないこともありえるのです。)
<覚書>
1枚に収める。項目ごとに番号をあてて、日本語とタイ語の対比がはっきり分かるようにされます。(日本語原本1枚に対して同じフォームのタイ語翻訳1枚です。日本語原本にタイ語訳を同居させるようなことはしません。)
<ビジネスレター>
最初の1通目に時間と手間とお金をきちんとかけられます。(最初が肝心です。)
<アカデミック>
簡潔であっさりした原本を用意されます。(優秀な研究者や要職にある方々は、毎日たくさんの書類に目を通します。長いものはいけません。また、相手を気遣う一言を添えます。)
<マニュアル>
翻訳原本に関係するあるだけの付属情報を添えられます。(特に画像は見れば何のことかすぐ分かるので、翻訳者は助かります。)
<製造現場で必要な翻訳>
車を用意して翻訳者に現場を見てもらう。(現物を目で見て手で触れるのが一番です。なお、タイからの留学生の方々の多くは、中流家庭の坊ちゃんお嬢さんです。VIP待遇は当たり前です。「電車賃はのちほど実費を支払います」はダメです。)
いずれにせよ、数千円の翻訳で多くの実益を得られています。1通の手紙でビジネスを掘り起こしたり、自らの世界を広げていく方々を見るのは、爽快です。徒手空拳というのでしょうか。何故か羨ましいとは思わないものです。
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