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2002/2/1
『穴』
ルイス・サッカー(幸田敦子訳) 講談社 1999年
おもしろい!最高!最初なぜ主人公の先祖(初代や2代目)の話や、全然関係ない西部開拓時代の悲恋物語なんかが出てくるのかと思っていたが、これが伏線となっていてラストでピタッとつじつまが合う。その見事さに痛快さにすっかり脱帽。主人公のスタンリーとゼロとの間に友情が生まれていくところ、二人で力を合わせて危機を乗り越えていくところなどもよかった。




2002/2/1
『子どもの本屋はメリー・メリーゴーランド』
増田喜昭 晶文社 2001年
三重県四日市市で子どもの本屋メりーゴーランドを営む著者のエッセイ。この人灰谷さんの『天の瞳』に登場する「あんちゃん」みたいな人だ。少林寺を教えているところなど良く似ている。子どもと子どもの本が好きなんだということが、がんがん伝わってくる。こんな本屋さんが近くにあればいいのに。
のちにこの増田さんが本当に『天の瞳』のモデルだったことを知った。ほんとうにこういう人がいたんだなあ。




2002/2/2
『流血女神伝 砂の覇王6』
須賀しのぶ 集英社コバルト文庫 2002年
前回海賊につかまりそうになったカリエたち。海賊修行も楽しそう。バルアンとカリエの関係に進展が?今回のラストもまた、続きが気になる。




2002/2/2
『解放 あなたのための小さな物語8』
赤木かん子編 ポプラ社 2001年
『めいめい自分の言葉で』(モンゴメリ)
音楽の天分のある少年が祖父に禁じられたバイオリンを許される話。

『ピネロピへの贈り物』(ロバート・F・ヤング)
SF。宇宙人(?)の少年が地球の老婦人の飼い猫を救う。

『森には真理が落ちている』(川原泉)
これは川原さんの作品の中でも好きな一編。名台詞「カメでもいいよ、好きだよ」

『アンクル・エナー』(レイ・ブラッドベリ)
翼をもつ彼が以前とは違う形で空を飛ぶ。既存の形にとらわれているうちは、精神の自由はない。




2002/2/2
『おいしい話 あなたのための小さな物語6』
赤木かん子編 ポプラ社 2001年
『焼岳の月見』(庄野英二)
キツネたちがかわいい。

『ソリマンのお姫様の話』(カレル・チャペック)
「長い長いお医者さんの話」の一1編。

『ぶり大根』(清水義範)
おいしそう。そのままぶり大根が作れる。

『夏の盃』(波津彬子)
「雨柳堂夢咄」の一編。酒呑みたくなる。

『食べる』(池波正太郎)
さすが文壇随一の食通。グルメ話でないところがいい。




2002/2/2
『ロマンティック・ストーリーズ あなたのための小さな物語3』
赤木かん子編 ポプラ社 2001年
『よみがえった改心』(O・ヘンリー)
いい話だ。O・ヘンリーは昔好きだった。

『夏の手鏡』(今市子)
「百鬼夜行抄」の一編。ちょっと怖いけどこのシリーズおもしろい。

『お気に召すことうけあい』(アイザック・アシモフ)
ロボットのかなしさ。恋する女心。「OZ」(樹なつみ)や「メタルと花嫁」(清水玲子)を思い出す。

『春の磯』(坂田靖子)
この人の作品は初めて。とてもおもしろい。絵がほわほわしている。

『空飛ぶフライパン』(ロバート・F・ヤング)
なんかクスっと笑える、おとぎ話。




2002/2/3
『安楽椅子の探偵たち あなたのための小さな物語2』
赤木かん子編 ポプラ社 2001年
『十五人の殺人』(ベン・ヘクト)
医師たちの話。たしかに医学はそれ自体がミステリーだ。

『九マイルは遠すぎる』(ハリィ・ケメルマン)
以前も読んだが、少しの手がかりで推理していくのはすごい。

『登場人物を探す作者』(フィリス・ベントリィ)
とてもおもしろかった。

『多すぎる証人』(天藤真)
この作品は『遠きに目ありて』で読んでいたが、再読してもおもしろかった。




2002/2/4
『悪童ロビーの冒険』
キャサリン・パターソン(岡本浜江訳) 白水社 2000年
舞台は100年前のアメリカ。牧師の息子ロビーと家族の絆<の物語。この時代に設定したのは、キリスト教や教会が人々の生活や精神に、今よりもっと深く密接にかかわっていたからだろう。父の泣く場面を見たロビーのショックはよくわかるし、最後に父と二人で新年の鐘をつくところがいい。




2002/2/4
『戦争 あなたのための小さな物語1』
赤木かん子編 ポプラ社 2001年
『人間の運命』(ミハイル・ショーロホフ)
戦争に行き捕虜になり、やっと帰ってきたら妻子は爆撃で死んでいた男が、親を失った子と親子として共に生きていく。戦争の残酷さを強く訴えている。とても悲惨だが、未来に希望が持てる終わり方がよい。

『ぼくは戦争を忘れない』『語り部になりたい』『紙の砦』(手塚治虫)
手塚治虫がこういう手記を書いていたとは知らなかった。漫画『紙の砦』は自伝的。




2005/2/4
『花のお江戸のミステリー あなたのための小さな物語7』
赤木かん子編 ポプラ社 2001年
『お文の魂』(岡本綺堂)
「半七捕物帳」の一編。「半七」はいつか読みたいと思っていたので、この機会に読めて嬉しかった。

『「銭形平次」誕生 他』(野村胡堂)
銭形平次が生まれた過程がよくわかる。

『おくり火』(石ノ森章太郎)
懐かしい!「佐武と市捕物控え」だ!たしか「ビッグ・コミック」に連載されていたっけ。大好きだった。

『小梅富士』(都筑道夫)
岡っ引きが頼りにしている<なめくじ長屋のセンセー>の推理が冴える。




2002/2/5
『くますけと一緒に』
新井素子 新潮文庫 1993年
はじめてこの作者の作品を読む。うん、おもしろい。ぬいぐるみのくますけに象徴されるもの。悪霊のパパやママが言うことにも共感してしまうのは、わたしもやはり親だから。でも親は子どもを絶対愛さなくてはならない。たとえ子どもからは愛されなくても。うーん、これってやっぱりホラーかな。




2002/2/6
『陰陽師 龍笛ノ巻』
夢枕獏 文藝春秋 2002年
相変わらずおもしろい。賀茂保憲が登場して、以前漫画『晴明』で読んだ敵役のイメージとは違っていい奴だった。道満もしょっちゅう登場して、もうすっかりレギュラー。




2002/2/7
『リトル・トリー』
フォレスト・カーター(和田穹男訳) めるくまーる 1991年
両親を亡くした5歳の少年が、チェロキーインディアンの血をひく祖父母にひきとられ自然の中で暮らした、短いが至福の日々が綴られる。法律をたてにとる心ない人々に一時は孤児院に入れられ、はらはらしたが無事帰ってこられてほっとした。祖父母やウィロー・ジョーンの死の場面では泣けてきた。祖母の話「からだの心」と「霊の心」の話は胸を打つ。「霊の心」を大きく強くしていかねばならないことを少年は学ぶ。「リトル・トリー」は少年につけられたインディアンの名。




2002/2/8
『五人姉妹』
菅浩江 早川書房 2002年
短編集。それぞれおもしろかった。

『五人姉妹』
成長型人口臓器を埋められ会社の象徴として生きる主人公と、4人のクローン。トーストの食べ方に父への愛を感じる。

『ホールド・ミー・タイト』
ハッピーエンドでよかった。

『KAIGOの夜』
かなしい。

『お代は見てのお帰り』
名作『永遠の森』の博物館惑星でくりひろげられる大道芸。父と息子の関係。

『夜を駆けるドギー』
IT用語駆使して描かれるペットとの交流。あまりに用語が多いとわたしの頭が理解不能に陥る。

『秋祭り』
この中ではこれが一番好き。神を探す主人公に共感。

『賤の小田巻』
これまた父と息子の葛藤。

『箱の中の猫』
一番切ない話だった。

『子供の領分』
ロボットは人間の<役に立つひと>でなければならない。永遠の宿命。




2002/2/9
『なぞの転校生』
眉村卓 角川文庫 1975年
その昔NHK少年ドラマシリーズで人気をはくしたドラマの原作。ジュヴナイル小説の名作。読んでいてドラマと違う部分はあるが、懐かしく思い出した。文体が古いのか、または子ども向けを意識したのか、ちょっとしっくりこない。




2002/2/11
『ネシャン・サーガV 裁き司最後の戦い』
ラルフ・イーザウ(酒寄進一訳) あすなろ書房 2001年
「ネシャン」最後の巻。前巻までのことが伏線となっているが、けっこう忘れていることも多かったので分かりにくい点があった。ヨナタン=ゲシャンがバール・ハザットの《目》を次々に破壊していく話がメイン。友人たちや1、2巻で登場したディン=ミキト、ガラル、ゼノアなどと再会し、協力して敵を倒していく。憎しみではなく愛を持って対峙しなければ勝てない、というのが大きなテーマ。伏線が多くて完全には理解できなかった。特にガン=エデンという庭。これが地上世界からネシャンに移され3分割されたというところ。ここらへんはキリスト教や聖書の教えが身についてないと難しそう。




2002/2/11
『魔女おばさんのお話大好き』
有田道子 アスラン書房 2000年
魔女おばさんと名乗って、絵本や本の読み聞かせなど、いろんな活動をしている著者が語る自分のこと。いろんな絵本や本が紹介してあり楽しかった。




2002/2/11
『天の瞳 成長編U』
灰谷健次郎 角川書店 2001年
久しぶりの倫太郎たち。あんちゃんが体調を崩すエピソードは『子どもの本屋はメリー・メリーゴーランド』のエピソードと重なる。周りに理解者というかファンが増えてきて、学校も少し変わりかけてきて、倫太郎たちも成長していく。




2002/2/14
『シルマリルの物語 上下』
J・R・R・トールキン(田中明子訳) 評論社 1982年
やっと読み終えた。苦労した。『指輪物語』の前史。『指輪』世界の創世神話。「アイヌリンダレ」によるとアイヌアの音楽によって世界が生まれたという。なんと美しい神話。これを読んでようやくフロドたちが旅立った西方王国が何のことかわかった。
再読 2004/02/26




2002/2/14
『月冠の巫王』
たつみや章 講談社 2001年
シリーズ最終話。ポイシュマとワカヒコが力を合わせ非道なアヤのクニをやっつけ、ムラ人を解放する。シクイルケも手助けしてくれる。まあまあの出来。児童書ではこれが限界か。自然界のカムイの考え方、祈り、かざり花をささげるという風習はよく考えてあると思う。




2002/2/16
『暗号と名探偵 あなたのための小さな物語4』
赤木かん子編  ポプラ社 2001年
『踊る人形の謎』(ドイル)『黄金虫』(ポー)
どちらも名作。子どものころを含めて何度か読んでいる。何度読んでもやはり名作はおもしろい。

『暗号とミステリー』(戸川安宣)
著者は東京創元社社長。乱歩の作品にふれながら、いろいろな暗号を説明してくれていておもしろかった。




2002/2/17
『自選ショート・ミステリー2』
日本推理作家協会編 講談社文庫 2001年
宮部さんの「車坂」が収録されているので読んだ。いろんな作家の作品があったが、その中で新津きよみの『ホーム・パーティ』が一番印象に残った。




2002/2/20
『プラチナ・ビーズ』
五條瑛 集英社 1999年
おもしろかった。けっこうきつい描写もあり、確かに知らなければ作者を男性だと思うかも。葉山の恩師で父親役もしている田所さんの、学者バカぶりや葉山への愛情がなんともいえずいい。サーシャのかっこよさ、坂下のたくましさ、エディのサドっぷりもいい。プラチナ・ローズの意味が最後にやっとわかったとき、飽食の時代に生きる自分たちの軟弱な精神を思い知らされた。




2002/2/24
『今昔続百鬼―雲 多々良先生行状記』
京極夏彦 講談社ノベルス 2001年
妖怪研究家多々良先生と、その仲間の妖怪馬鹿の沼上蓮次。このコンビの愉快な話。16歳の富美ちゃんがしっかりしている。最後の話には京極堂と里村医師も登場。『塗仏の宴ー始末』を読み返すと、多々良先生も登場しているが、こんなにうるさくない。そこでもちゃんと今回の出会いのことを述べている。伏線はあったわけだ。でもこんなにうるさいキャラになるとは思わなかった。京極堂とはまた違うおしゃべりで、とにかく騒がしい。




2002/2/24
『死んでも治らない 大道寺圭の事件簿』
若竹七海 光文社カッパノベルス 2002年
凝ったつくりだ。オムニバスの話の間に大道寺が警察を辞めた最後の事件が語られ、それが微妙に今の事件に関係している。けっこう辛口。




2002/2/25
『ローワンと伝説の水晶』
エミリー・ロッダ(さくまゆみこ訳) あすなろ書房 2001年
「リンの谷のローワン」シリーズの3作目。今回はマリスという町へ行って水晶の司を選ぶという、大変な役目をすることになったローワンの活躍。といっても、ただただ母親のジラーの命を救いたいという思いからだ。だんだん成長していくローワンがかわいい。




2002/2/26
『メメント・モーリ』
おのりえん 理論社 2001年
児童書なのに「メメント・モーリ(死を思え)」なんて凄いタイトルに惹かれて読んだ。テーマの「見えるものだけがすべてではなく、見えるものだけが真実ではない」というのは共感できるのだが、異世界やそこでの冒険がいまひとつおもしろくない。みんな自分の居場所をさがしているのだ、ということはよくわかるのだが。




2002/2/26
『作家小説』
有栖川有栖 幻冬社 2001年
作家の内輪話として読めばおもしろい。出版事情などわかるし、締め切り前の作家の切羽詰った様子も同情できる。こわい話ではある。




2002/2/27
『クリスマスの4人』
井上夢人 光文社 2001年
これは…何というかSFなのか?『パワー・オフ』も『クラインの壷』もSF的だが、まだ現実味があったように思う。この手を使われたらもう仕方ないというほかない。漫画なら許せる気がするが、うーん。




2002/2/27
『鏡の中は日曜日』
殊能将之 講談社ノベルス 2001年
またやられた。まったくこの著者は一作ごとに見事に裏切ってくれる。今回はちょっと感動。石動さん前回とは違ってまあまあの活躍。でも名探偵は水城さんの方。




2002/2/28
『シャトウルージュ』
渡辺淳一 文藝春秋 2001年
男がバカだ。ただそれだけ。




2002/2/28
『杉の柩』
アガサ・クリスティー(恩地三保子訳) ハヤカワミステリ文庫 1976年
タイトルは覚えていたが内容はすっかり忘れていた。久しぶりのポアロさんが懐かしい。裁判の場面からはじまるのがおもしろい。プリンス・エリザベスという記述があり、エリザベス女王の即位前のことなのだとわかる。クリスティを読んでいると、この間の大戦というのが第1次世界大戦のことだったというのがよくある。



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