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2002/6/1
『雪のひとひら』
ポール・ギャリコ(矢川澄子訳) 新潮社 1975年
新聞で矢川澄子さんの訃報を読みました。この本は20年近く前、たしか「暮らしの手帖」誌上で紹介されていたと思います。今は文庫でも新装版でも出ているようです。矢川さんを追悼して、またこの美しい物語を手にとりました。矢川さんの文章は深く心に沁みいります。

ある寒い冬の日、空の高みで生まれた「雪のひとひら」の誕生から死までが、美しい文章で綴られます。あとがきにもありますが、自然描写も心理描写も、誇張もなく純粋に、しかも克明に描ききっています。
「雨のしずく」と結ばれ、子ども4人をもうけ、夫に先立たれ、子どもたちも独立し、いよ最期のときに彼女は思います。

「いかなる理由あって、この身は生まれ、地上に送られ、よろこびかつ悲しみ、ある時は幸いを、ある時は憂いを味わったりしたのか。」
「こうして死すべくして生まれ、無に還るべくして永らえるにすぎないとすれば、感覚とは、正義とは、また美とは、はたして何ほどの意味をもつのか?」

これは誰もが問い掛ける、永遠の疑問ではないかと思います。
そして「雪のひとひら」は「だれひとり、何ひとつとして無意味なものはない」ことに気づき、安らかな、みちたりた思いに包まれます。
最期に彼女を迎えたなつかしくもやさしいことば。

「ごくろうさまだった、小さな雪のひとひら。さあ、ようこそお帰り」
”Well done,Little Snowflake.Come home to me now.”

ここではおそらく神を示しているのだと思いますが、この言葉をかけてもらえる誰かを持っていることは、なんという幸せなことかと思います。




2002/6/3
『南総里見八犬伝1 妖刀村雨丸』
滝沢馬琴原作(浜たかや編著) 偕成社 2002年
ご存知滝沢馬琴の作品を、浜たかやさんが原作に沿って書いたものです。NHKの「新八犬伝」で知っていた内容とほぼ変わりなく、登場人物紹介や山本タカトさんの挿絵もあって、とても読みやすくおもしろかったです。全4巻ですが、第2巻だけ貸出中のため、この続きが読めないのが残念です。第1巻は犬塚信乃と犬飼現八の一騎打ちで終っています。その後のあらすじは知っていますが、やはり順にきちんと読みたいです。




2002/6/5
『喪神の碑』全5巻
津守時生 角川スニーカー文庫 1990-1991年
念願の『喪神の碑』を読み始めました。『三千世界の鴉を殺し』から『カラワンギ・サーガラ』とさかのぼり、ようやくこの『喪神の碑』へとたどりつきました。
「1.ラフェールの末裔 」「2.ウロボロスの影」「3.カイユの封印」「4.フィラルの戒厳令」「5.エリノアの光輪」の5巻。
憧れのマリリアード・リリエンスール(マリリン)が、『三千世界〜』のルシファードの絵柄から想像していた姿よりもっとたくましくごついので最初は驚きました。さらに女言葉と笑い声には軽いカルチャーショック。オリビエ・オスカーシュタイン(O2=オーツー))のなんというかっこよさ!(2巻の表紙にクラッ)美形の男性は目の保養です。
マリリンとO2にいいように遊ばれ(ある意味とても愛され)成長していく青年ロヴ・ジョナサン。彼が宇宙船<黄金のイルカ号>での冒険に、否応なく引きずり込まれるところから始まり、その後のあれよあれよという展開にぐいぐい引き込まれてしまいました。すごい迫力です。
最初はマリリンとO2の話だと思っていましたが、これはマリリンが新生ラフェールを作るまでの長く苦しい戦いの記録だったのです。途中「なぜマリリンだけが!」というロヴや皆の悲痛な叫びに、何度も目頭を熱くしました。その都度立ち直るマリリンに、ロヴと一緒に最後まで楽しく翻弄されつづけました。凄惨な戦闘場面もあれば、おバカなギャグもあり、人間のこころの闇をのぞく怖さもあり、思わず涙の感動あり、本当にめいっぱい楽しませてもらいました。挿絵が「あぶない竜」のシリーズの小林智美さんでした。




2002/6/7
『西風の戦記 ゼピュロシア・サーガ』
田中芳樹 講談社ノベルス 1999年
高校生香澄と史郎は同じ夢を見て,それをもとに同じ設定の物語を書き、教師に盗作の疑いをもたれてしまいます。無理解な教師の追跡から逃げようとした二人は、階段から落ち、そのまま小説に書いた世界<西風の王国 ゼピュロシア>に入り込んでしまいます。異世界に行った二人は、それぞれ敵対しているアポロニアとレオン両軍に分かれ観察者となり,一国の戦乱とその終結を記録しようとします。最後はいったん元の世界に帰った二人ですが、結局また今度は自らの意思で、ゼピュロシアに還ろうとするところで終ります。
物語の発端から魅力的な異世界ファンタジーでした。、二人の高校生の扱いがちょっと安易かなと感じられましたが、ゼピュロシアの話そのものは戦闘場面、王宮の陰謀、敵同士の恋、と盛りだくさんで物語を堪能しました。もっと膨らませて大河ドラマにしたら『デルフィニア戦記』のようになると感じました。




2002/6/9
『青春の門 挑戦篇』上下
五木寛之 講談社 1993年
前作再起篇(第6部)を読んでから、もうずい分経ちます。第6部までは文庫で出版されるたび購入していました。7部との間が少しあいたので、この挑戦篇が出る頃は少し熱が冷めてました。1993年刊ですから、出版されてから10年近くほっておいたことになります。
読み始めてすぐなつかしい人に出会った気になりました。信介の年齢はまだ25歳で、私の約半分の年齢。「自立篇」を読んでいた頃には同じような年齢だったのに、いつの間にか自分だけが年をとったような寂しさを覚えます。
物語は丸谷玉吉の遺骨をもって信介が江差の街に現れるところから始まり、思いがけない方向に物語が展開し、信介がロシアのハバロフスクへ行こうとするところで終っています。時代は1960年から翌年にかけて。この時代はソ連がまだ存在し、ケネディが大統領に就任したころ、そして安保騒動などの社会背景があります。信介が織江のマネージャーをしていた頃は、信介の最終的な生き方がこれなのかと少しもの足りなかったのですが、この作品では北方領土問題、レポ船、スパイ疑惑など、やや危ない話に信介が巻きこまれていきます。
ずい分長く書いている作品ですが、まだまだ終りそうにありません。信介はどこまでいくのか、織江はどうなるのか、早く続きを書いてほしいものです。




2002/6/10
『赤の神紋 第7章』
桑原水菜 集英社コバルト文庫 2002年
いよいよ暴走を始めた連城!死にかけたくせに何をやっているのでしょう。そしてケイの衝撃の過去。はたしてこの秘密は事実か幻想か?結局みんな榛原に狂おしいほど恋慕している。




2002/611
『朽ちる散る落ちる』
森博嗣 講談社ノベルス 2002年
ずっと前に小鳥遊練無と関わりのあった人が登場し、あのときから伏線をはっていたのかと驚きました。前回の事件も関連し、今回何だか話が大きくなっています。今回の事件は一応解決したのでしょうが、(紅子さんの説明は私には専門的すぎて、ちんぷんかんぷん)どこかで次につながっているような気がします。このシリーズは謎解きよりも、人間関係におもしろさがあるように思います。紅子さんや保呂草さんは自身がすでに謎です。一番知りたいのはへっ君の本名ですが、グローブのイニシャルはS.S。瀬在丸のSは分かりますが(紅子さんはCと自称しているが)ではなぜへっ君がSなのか、ますますわからなくなりました。(これは後で間違いに気づきました。紅子さんは瀬在丸をCであらわしていました)




2002/6/14
『三千世界の鴉を殺し6』
津守時生 新書館ウィングス文庫 2002年
口絵カラーのサラディンのあまりの色っぽさにクラクラしました。ご丁寧に薔薇が散っています。今回カジャ・ニザリの出番が少なかったのが残念。代わりに都市警察のレッドが接近。告白までされて、ルシファーったらほんと「男殺し」。そして最後は思いっきりの引きです。こんなとこで終られたら気になって仕方ありません。『喪神の碑』を読んだ後なので、O2を痛めつけたキラと今度のレスが重なり、ルシファーがひどい目にあわされそうな気がして心配です。




2002/6/15
『自立 あなたのための小さな物語11』
赤木かん子編 ポプラ社 2002年
『こわいものしらずの少女』(アン・ローレンス 金原瑞人訳)
しっかりした働き者の少女プリスが、境遇に負けず自分の手で幸せをつかむ話。

『あの女はろくでなし』(アンデルセン 山室静訳)
<ろくでなし>と呼ばれようと、懸命に生きた彼女は子どもの心に残る。

『ガール・フレンド』(モリス・ハーシェンス 吉野美恵子訳)
少女を追い込んだものを思うとやりきれません。

『虫めづる姫君』(坂田靖子)
自分の価値観を持った姫君の生き方がいさぎよい。

『加賀の千代』(工清定)
いつの世も女の価値を美醜によってはかる男たちの勝手さ、あさはかさ。

『サロメの乳母の話』(塩野七生)
当時の歴史を考えるとこの話のほうが本当らしく思えます。

『金持ちの夫人の事件』(アガサ・クリスティー 小西宏訳)
パーカー・パインの事件簿の中の1話。あたり前だけど幸福はお金では買えない。

この巻での女性はみな何らかの形で戦っています。なかでも「加賀の千代」が印象に残りました。




2002/6/18
『宮尾本平家物語二 白虎之巻』
宮尾登美子 朝日新聞社 2002年
平家一門の絶頂期から、以仁王の乱を経て次第に行く手に黒い影の差し始めた頃までが描かれています。同時期に日本経済新聞で池宮彰一郎氏の「平家」が連載されており、比べてみるとおもしろいかもしれませんが、新聞の方は少し読まないでいたら溜まってしまい最近は読んでいません。
時子の活躍を読んでいると、昔読んだ吉屋信子の「女人平家」を思い出しました。実の娘徳子をなんとしても入内させたいと思うところ、さらに何としても皇子を産んでもらおうと、あの手この手をつくすところなど、その執念に圧倒されました。
今回気づいたのですが、各巻の副題が「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」と四神になっています。




2002/6/19
『サティン入江のなぞ』
フィリパ・ピアス(高杉一郎訳) 岩波書店 1986年
10歳のケートは母と祖母と二人の兄ランとレニーと暮らしています。死んだと聞かされていた父親のことを知りたいと思った彼女は、自転車でサティン入江に向かいます。そこで思いがけない父親の秘密を知るのですが…。
読み始めてすぐ、昨年の秋の講演会で上橋菜穂子さんが、この作品について言及されていたのを思いだしました。つねに少し開いているおばあちゃんの部屋のドア。そこには家族を見つめる彼女の目の存在が感じられ、この家族を支配しているのが彼女だということが、緊張感の中に読者に伝わります。うまい描き方だと思います。また、ケートが1つピースが足りないジグゾーパズルをする場面がありますが、これもその後の展開を暗示する印象的な場面です。 前半で掲示された様々な出来事や謎が、後半パズルのピースをはめていくように次々と解明されていく進め方は、ミステリーのようでおもしろかったです。
ただその解明が何となく未消化のような気がします。あくまでもケートの視点で描かれているためか、客観的事実がはっきりせず、すっきりとした終わり方ではないように感じました。10歳の少女ならこれが限界なのでしょうし、逆に読者をケートに同化させたと考えればいいのですが…。私としては少し納得がいかない結末になりました。




2005/6/20
『劫尽童女』
恩田陸 光文社 2002年
「劫尽(こうじん)」という言葉の説明が本文中にあります。
「悪いことをすると、地獄で劫火(ごうか)に焼かれるんだよ。劫尽火(こうじんか)ともいうんだけどね。世界が崩壊する時に、世界を焼き尽くす炎のことをそう呼ぶのさ」
戦闘場面もあり、軍や秘密組織もでてきてスケールも次第に大きくなり、スピーディに話が進むので漫画や映画をみているようでした。SFファンタジーに分類されるのでしょうか。題材のせいでしょうか、読んでいて萩尾望都の「スターレッド」や他のいろいろな小説、漫画を思い出しました。でもこういう作品なら『光の帝国』のほうが好きです。というより『光の帝国』は著者の作品中一番好きかもしれません。




2002/6/21
『黄金の鍵』
ジョージ・マクドナルド(中村妙子訳) 偕成社 1985年
前に読んだ時よりこちらの訳のほうが読みやすかったです。(どうもあの太平出版の全集は全般に訳がよくないようです)
虹の橋のたもとで見つけた黄金の鍵に合う鍵穴を求めて、少年と少女が旅に出ます。時間の流れが普通と違うところで、妖精や不思議な女の人、老人などと出会いながら旅は続きます。この作品に明確なストーリーや意味を求めると、少しとまどってしまいます。とにかく美しく不思議なイメージのあふれるお話です。東逸子さんの絵が美しい。




2002/6/22
『コーンウォールの聖杯』
スーザン・クーパー(武内孝夫訳) 学研 2002年
同じ作者の「闇の戦いシリーズ」はずっと気になっていた作品でした。これはそれ以前の物語、事実上のシリーズ第1作ということです。絶版だったのが今回改訂再版されたので、こちらから読みました。
夏休みでコーンウォール地方に滞在しているドルウ家の三人の子どもたち、サイモン、ジェイン、バーニィが発見した古文書。そこにはアーサー王伝説をめぐる秘密、<闇>の勢力とたたかう騎士たちに受け継がれてきた「聖杯」について書かれていました。3人は両親の知り合いで学者のメリィおじさんといっしょに「聖杯」をさがす冒険に挑みます。
ちょうどサトクリフ関係でイギリス史をひもとき、ケルトやアーサー王伝説にも興味をもっていたのでおもしろく読めました。最初単なる宝探しの冒険かと思っていたら、歴史や伝説をふまえた<闇>に対する<光>の戦いというもっと大きく深い物語でした。「闇の戦いシリーズ」が楽しみです。




2002/6/24
『樹上のゆりかご』
荻原規子 理論社 2002年
『これは王国のかぎ』の主人公上田ひろみが高校生になって登場します。『これは王国のかぎ』と同じくひろみの1人称で語られますが、語り口は静かです。中学3年生から高校2年生になって、彼女が成長したことがうかがえます。独立した話として読めるので無理に『これは〜』と繋げなくていいのですが、彼女が夢として認識しているのが『これは〜』の話なので、やっぱり続編かなと思ってしまいます。しかしうまいです。あの経験をこういうふうに認識させるなんて。異世界へ行った主人公のその後がどうなるか、気になっていたひとつの答えがあるように思います。これを淋しいととることも出来ますが、私はとても自然なことのように思いました。
お話はもうもう涙が出るほど懐かしい高校生活です。これは私の母校か?と思えるほど似た校風で、とても冷静に読めませんでした。私の過ごした青春がここにある。気恥ずかしい表現ですがこういうよりほかありません。




2002/6/25
『天の瞳 あすなろ編T』
灰谷健次郎 角川書店 2002年
いよいよ倫太郎たちのクラスが活動を始めました。学校を良くしようという純粋な気持ちの生徒たちに比べて、校長、教頭、担任のなんと卑小なこと。生徒たちの真摯な思い、行動が徐々に教師たちをも動かしていき、生徒、教師、保護者の3者集会を開く方向へ進んで生きます。
この作品を読むといつも、真剣に子どもに向き合っているか、卑しい大人になっていないか、と自分の生き方を問われているような気がします。




2002/6/26
『南総里見八犬伝2〜4』
滝沢馬琴原作(浜たかや編著) 偕成社 2002年
「2.五犬士走る」「3.妖婦三人」「4.八百比丘尼」
やっと1巻の続きが読めました。
昔NHKTVの人形劇ではもう少し長かったように思いましたが、作者のあとがきによると、原作を6分のTから7分の1に縮めてあるそうです。ダイジェストとはいえこれを読んでようやく八犬伝の物語の終わり方が分かりました。でも玉梓の怨霊はどこへいったのか、最後までわかりません。まだまだ里見家に祟りそうなのに。原作ではどうなっているのでしょう。
「八犬伝」といえば何年か前、薬師丸ひろ子と真田広之の映画をTVで見ました。何だか原作とは違って里見家が滅ぼされて、お姫様である薬師丸ひろ子が逃げ出して、八犬士に助けられるという話になっていました。真田広之と恋仲になって最後は二人で旅立ったような。いろいろ脚色できるのも原作の魅力なのでしょう。




2002/6/27
『詩歌の待ち伏せ 上』
北村薫 文藝春秋 2002年
待ちに待った北村さんの新刊です。「待ち伏せ」という言葉について、北村さんは新聞のインタビューにこう答えています。
「小説などは通して読みますが、詩は偶然のきっかけで目にしたり、ちょっとしたことで惹かれたりします」
だから「待ち伏せ」というわけです。「ふい討ち」という表現もでてきます。おもしろい表現だと思います。そしてこれを読んだ後、私にも偶然の出会いがありました。図書館で何気なく手にとった「阪田寛夫童謡詩集 夕日がせなかをおしてくる」のなかに「もえあがれ雪たち」を見つけたのです。小学生のころ「NHKみんなのうた」で放送されたこの歌がとても好きでした。こんなところで出会うとは。まさに待ち伏せ、ふい討ちでした。
この本は装丁も素敵です。「本は内容さえよければいい、内容こそ大事だ」という考えももっともだと思いますし、わたしも経済的にも文庫で買う方が圧倒的に多いのですが、なかにはどうしても手に入れたい装丁の本もあります。この本も挿し絵や表紙カバー絵に惹かれました。群馬直美さんによる木の葉や実などの、たぶんボタニカルアートというものでしょうが、時折見かける細密すぎてくどさを感じる絵と違い、すっきりした絵です。色彩も濃くなく本文中の絵はモノクロです。手元に置いておきたいと思う本です。
印象に残ったのは、『れ』という子どもの詩に関する章、「ふらここ」(ブランコのことだと初めて知りました)の章、石垣りんさんの「悲しみ」という詩の章などです。

この本の所々に著者北村さんのご両親に対する思いがあふれています。人が若い頃に戻りたいと願うのは、自分がどうこうというだけでなく若いころの親に会えるからではないか、というふうに書いてあるところがありましたが、それには共感を覚えました。私もそういう感覚のわかる「ある程度の年齢」になりました。




2002/6/28
『漢字と日本人』
高島俊男 文春新書 2001年
久しぶりの高島さん。残念なことに私の理解能力がついていかず、内容を100%理解できたわけではありませんが、文章は相変わらず読みやすくおもしろく読めました。
高島さんは「日本語は成熟する前に漢字が入ってきたため、そこで成長が止まってしまった。本来日本語と漢字とは性質が違うのに、漢字に変換しないと意味が確定しないというきわめて奇妙な形で成熟してしまった」と書いています。他の作品でもそのことに言及しておられましたが、ここではよりくわしく、といっても一般向けにやさしく説明してあります。漢字について知らなかった発見が多くあり、勉強になりました。あくまでも私の理解の及ぶ範囲でですが。こちらが高島さんの専門なのでしょうが、『お言葉ですが…』シリーズも早く読みたいです。カバーに著者の写真があり、初めてお顔を拝見しました。意外と可愛らしいかたです。



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