[ タイムトンネル ] へ戻る



映画 2003/7/1
「スパイ・ゾルゲ」
篠田正浩監督(映画館) 2003年
昭和史の勉強にはなるが、エピソード盛り込みすぎ。感動の余韻にひたる時間なし。最後のゾルゲの恋人の場面は余計。しかも台詞つき!せめて黙ってベルリンの壁崩壊のニュースを見ているだけにしてくれれば…。




2003/7/3
『鏡 ゴースト・ストーリーズ』
スーザン・クーパー他(角野栄子・市河紀子共訳) 偕成社 1999年
いろいろな国の作家の不思議な話、怖い話を集めた作品集。

『幽霊の話』(スーザン・クーパー)
普通の幽霊話。救いがある。

『鏡』(角野栄子)
これはどうもちょっと…。ホラーなんだけど説明不足な感じ。

『首すじにおかれた手』(マーガレット・マーヒー)
タイトルからして怖い。でもさすがうまいなあ。

『山』(チャールズ・ムンゴシ)
すごくかわった雰囲気の作品。

『クジラの歌』(ウリ・オルレグ)
夢の中へ連れていく能力。

『眼』(キット・ピアソン)
人形はどこの国でもこわい。




2003/7/5
『闇の中のオレンジ』
天沢退二郎(挿画・林マリ) 筑摩書房 1976年
何という不気味な不思議な物語だろう。こんなの読んだら子供はうなされるんじゃないかと本気で心配してしまったほどです。いいようのない不気味さに、ざわざわと肌が粟立つような落ち着かない気持ちにさせられる。何の説明もなく日常生活が突然異世界へ変わり、化け物は出てくる、人はいなくなる―。いとも簡単に崩れゆく日常。こんなの児童書でいいのか?個々の物語は独立しているようで、微妙に登場人物が重なりあっているように感じられます。「オレンジ党」シリーズを先に読んでおけばよかったのかもしれません。
ファンタジーというより、むしろホラー、伝奇小説、幻想小説(はっきりとした定義は知りませんが)とよんだほうがしっくりくるような気がします。そしてこんなに恐いのに、なぜか忘れられない強烈な印象が残るのです。熱狂的ファンがいるのもうなずけます。




2003/7/8
『西の善き魔女 外伝3 真昼の星迷走』
荻原規子  中央公論新社C★NOVELS  2003年
このシリーズは外伝の1だけが素晴らしかったのだと、あらためて思いました。この作品は外伝というより本編の続きになりますが、本編の終わり頃はもう惰性で読んでいてほとんど覚えていないので、何だかよく分からなかった。ファンタジーなのかSFなのか、はっきりしない。
外伝1はよかったのに残念です。




2003/7/9
『だれかを好きになった日に読む本』
日本児童文学研究会編 評論社 1991年
那須さんの『The End of the World』が収録されているというので読んでみました。
しかし題名からは想像もつかない作品群でした。これが「だれかを好きになった日に読む本」だとは―。那須さんの作品はもちろんだけど、驚いたのが『電話がなっている』ラストの衝撃がすごい。なんという恐ろしい話だろうと震えがきたほど。他の作品もそれぞれ味わいがあります。

『詩 たかしくん』(谷川俊太郎)
『リボンをつけて』(森 忠明)
『吉沢くん』(河野喜美子)
『初恋』(三木卓)
『詩 練習問題』(阪田寛夫)
『夜』(松谷みよ子)
『観音だんご』(長崎源之助)
『恋狐』(渡辺茂男)
『そり』(神沢利子)
『詩 燈台』(大久保ティ子)
『草原』(加藤多一)
『電話がなっている』(川崎誠)
『The End of the World』(那須正幹)




TVドラマ 2003/7/10
「プリズナーbU」(DVD)
高校のころ夢中になったテレビドラマ。最終回がわけ分からなくて悩んだ記憶が。忘れられなくてとうとう購入。6月以来中毒のように観続け、本日とうとう全17話鑑賞終了。この感想は別にきちんと書きたい。




2003/7/11
『陰陽師 大極ノ巻』
夢枕獏 文藝春秋 2003年
相変わらずおもしろい。晴明と博雅のコンビは健在。




2003/7/15
『光車よ、まわれ!』
天沢退二郎(司修挿画) 筑摩書房 1973年
これまた忘れられない不思議な話。前の『闇の中のオレンジ』よりは怖くないけれど、この作品も冒頭からもうなにやら化け物が出てきて(しかもそれが昨日まで同級生)一気に異世界へ誘われます。とにかく何の説明もされず引きずり込まれる居心地の悪さ、不気味さ。しかも仲間が途中であっさりと死ぬ。ふつう児童書ではありえないような展開。ただこれは一応善と悪の戦いという図式ははっきりしているので、『闇の中のオレンジ』よりかは読後感はすっきりしています。
再読 2005/3/14




TVドラマ 2003/7/15
「刑事コロンボ完全版・仮面の男」(ビデオ)
日本語吹替え版。これにもマッグーハンが犯人役で出演。「祝砲の挽歌」のときより後に作られたのに、こちらのほうが若々しい。はまり役のスパイ役だからか、さっそうとしている。変装で老人に扮すると、まるで別人になる。髪も薄くて白い。ふしぎに思っていたら、コロンボが変装を見破るシーンで「鬘をつかっている」と白状していた。するとあの白髪頭が地毛?コロンボの「かなり額が遠い」という台詞もあったけど、失礼じゃないか?でも監督もマッグーハンなので、承知の上なのだろうなあ。当たり前だけど老けたなあ。




2003/7/16
『イグアナくんのおじゃまな毎日』
佐藤多佳子(はらだたけひで絵) 偕成社 1997年
最初はいやがっていた主人公や家族が、だんだんイグアナに慣れて魅せられていく過程がおもしろい。楽しい楽しい作品。




2003/7/17
『荒野の太陽』
アンドレ・ドーテル(天沢退二郎訳 マリ林絵) 福音館 1988年
読みにくいヘンな話。さすがは天沢退二郎が翻訳するだけのことはある、と妙なところで感心してしまいました。とにかくファンタジーだと思って読んでいたら、そうではなかったので困惑しました。
巻末の「訳者おぼえがき」によると、ドーテルは独特の偏執的な探求主題や幻想性を持っているそうで、なるほどそういわれるとそうかもしれません。
再読 2004/2/18




2003/7/17
『炎の蜃気楼38 阿修羅の前髪』
桑原水菜 集英社コバルト文庫 2003年
題名を見て「チャンスの神様は前髪しかない」という言葉を思い出したのは、わたしだけではないはず。 いよいよ佳境。小太郎そして信長のなんという意外な換生。思わず悲鳴を上げてしまった。しかし「桃太郎状態」って何?相変わらず作者の言語感覚っておもしろい。




2003/7/17
『トイレまちがえちゃった!』
ルイス・サッカー(唐沢則幸訳) 講談社 1998年
まずタイトルにびっくり。愉快な話かと思ったら中身はかなり深刻。「どんな人にだっていいところはある」というカウンセラーの言葉。誰もがこういう気持ちで他人に接することができるといいのに。理解されることで、主人公がかわっていくところが感動的。ただ『穴』の凄さに比べるとどうしても物足りなく思える。




2003/7/17
『いとしのドリー』 
風野潮(挿画・白井弓子) 岩崎書店 2003年
 『ビート・キッズ』の著者だけに期待があったのですが、これはイマイチ。ちょっとがっかり。表紙の絵、さし絵もどうも気に入らない。いっそないほうがまだよかった。




2003/7/21
『金鯱の夢』
清水義範 集英社 1998年
わっはっは、笑った笑った。豊臣秀吉の正妻ねねに息子がいた!その秀正が優秀で、名古屋に幕府をひらいて―というとてつもなく壮大なパロディ。とにかくおもしろかった。



2003/7/21
『道』
ルイス・サッカー(幸田敦子訳) 講談社 2003年
傑作『穴』のサイドストーリー。しかし『穴』の印象が強いので、どうしても二番煎じのように感じてしまいます。




2003/7/24
『マチルダはちいさな大天才』
ロアルド・ダール(宮下嶺夫訳) 評論社 1991年
マチルダは大天才。なのに愚かな彼女の両親はそれにまったく気づかず、彼女は不当な扱いを受けています。しかしマチルダにはそれをはねとばす賢さとたくましさがありました。教師のミス・ハニーという理解者を得た彼女は、理不尽な大人たちに立ち向かい、勝利を勝ち取ります。マチルダの天才ぶりもかなりぶっ飛んでますが、両親や凶暴な女校長の醜悪さはさらにものすごい。ちょっと大げさすぎるところもありますが、やっぱりおもしろい。さすがはダールです。




2003/7/24
『二人の眠り姫 暁の天使たち4』
茅田砂胡 中央公論新社C★ノベルス 2003年
やったー♪ついに女王が目ざめた。もう一人(?)の眠り姫はこれから起きる予定。
でもジャスミンとケリーだけは以前の絵(忍青龍)で見たかった。「次に宇宙に出るときはあんたも一緒にだ、女王!」ああ、うっとり。




映画 2003/7/24
「ブリキの太鼓」
フォルカー・シュレンドルフ監督(DVD) 1979年
公開されたときからずっと気になっていた作品。しかし気持ち悪くて吐きそうになった。なんど途中で止めようとしたことか。名作かなんかしらんが、生理的に受け付けなかった。




2003/7/25
『ドリームバスター2』
宮部みゆき 徳間書店 2003年
おもしろかった。この話は好きです。だけどこんなに次に引っ張ってるとは思いませんでした。シェイたちの世界で何が起ころうとしているのか、気になる展開。全7巻という情報ですが、やきもきさせられます。




2003/7/27
『流血女神伝 女神の花嫁 中篇』
須賀しのぶ 集英社コバルト文庫 2003年
決して簡単には幸せにはなれないと思ってはいたけど、ラクリゼもサルベーンも大変な目にあってきたんだなあ。エドの母親になるんじゃないかという人が出てきたけど、そうするとエドと彼らの間には20才近い年のひらきがあることになる。そうだったっけ?
はづきメモ>過去にどんな関係だったのかと思えば、夫婦かよ! ささげた子どもって、サルベーンの子かよ! とか叫んでしまったり。マヤルがかつて探りをいれていましたけど、彼の妬心まじりの憶測をはるかにこえてる事態ですよ。しかもすごいらぶらぶしてた。ふたり、むちゃくちゃしあわせだった。最後のラクリゼの選択だけが原因とも思えないし、なんだって現在あんな状態に…でもこれをふまえてかんがえると、ラクリゼがサルベーンにつっかかるのもなんかわかるかな。えーしかしおふたり、美形すぎて年齢不詳という設定ですが、…いまお幾つ? ひょっとしたらドゥネダイン?
エドはラクリゼの選択のおかげで生まれてきたわけですな。父親はホルホーゼでいいのかな。あいかわらず堅実な文章で、読みごたえあるストーリーをぐいぐいひっぱっていってくれています。自分と母はながらく須賀しのぶくらいのレベルがコバルトの標準だとかんちがいしていました。これなら「ライトノベル」だってばかにしたもんじゃないじゃない、と息巻いていました。…いまはコバルトにだってよいものもある、という主張におちついています。がくり。




絵本 2003/7/28
『おりづるの旅 さだこの祈りをこめて』
うみのしほ(作)狩野富貴子(絵) PHP研究所 2003年
広島に原爆が落ちたことも、原爆症で亡くなった少女の像が建てられていることも、知識としては知っていました。その像がどういう経緯で建てられ、またどのように世界にひろまっていったのかは、昨年『折鶴のこどもたち』(那須正幹)と『折鶴は世界にはばたいた』(うみのしほ)を読むまでは全然知りませんでした。正直「ああ、また原爆の話か。もう充分知っている」というとても不謹慎な考えを持っていたのです。これらの本に出会えて自分の不明を深く恥じ、決して忘れてはならないことだという思いを新たにしたのでした。
その『折鶴は世界にはばたいた』が絵本になりました。絵本ということで制約も多く難しい仕事だったでしょうが、やはり絵によって文字とはまた違った強い印象を与えられました。幼いさだこの可愛い表情に、かえって原爆の悲惨さが胸にせまります。絵本になったことで、より多くの人たちにこの物語を知ってもらえることを祈ります。




2003/7/29
『管仲』上下
宮城谷昌光 角川書店 2003年
相変わらずおもしろく読めました。読みやすくぐいぐい引き込まれます。歴史上有名な人物ですが、「管鮑の交わり」というように鮑叔とセットで認識していました。この作品でも管仲よりむしろ鮑叔のほうに魅力を感じてしまった。




映画 2003/7/30
「アルカトラズからの脱出」
ドン・シーゲル監督(ビデオ) 1979年
これもマッグーハンが出てるので観た映画。刑務所長役。神経質そうに手を動かすあたりに「プリズナーbU」の面影が。実話を元にしただけあって華やかさはないけど面白かった。掘った穴を隠すのに排気口に見せかけた絵を書いて張ってたけど、よくバレなかったもんだ。




映画 2003/7/30
「ウエストサイド物語」
ロバート・ワイズ監督(ビデオ) 1961年
ミュージカルの名作。でもなぜか今まで観る機会がなかった。冒頭のニューヨークの俯瞰から始まり、流れるように群舞にに移行していくカメラワークは圧巻。やっぱりなんといっても、ジョージ・チャキリスのあのダンスシーンが最高に格好いい!高校時代体育の授業で、教育実習の先生が「クール」のダンスのほんのさわりをやってみせてくれたっけ。ストーリーはなるほど見事なほどに「ロミオとジュリエット」だった。




映画 2003/7/31
「ブレイブ・ハート」
メル・ギブソン監督(DVD) 1995年
これもマッグーハンが観たくて友人から借りた。冷酷な王様役だった。うわあ本当に老けた。ずっと前にクイズ番組で「キルトの下には何もつけない」といってたけど、この作品で納得しました。主役のメル・ギブソンが駆け回るスコットランドの山々の映像が、「ロード・オブ・ザ・リング 」によく似ていた。メル・ギブソンの妻役の女性がとてもきれい。




2003/7/31
『猫の帰還』
ロバート・ウェストール(坂崎麻子訳) 徳間書店 1998年
第2次大戦中、ロード・ゴートと名づけられた猫の飼い主の元へ帰るまでの旅を描く。その旅の途中でロード・ゴートに関わるさまざまな人々との交流があり、戦争と人間について深く考えさせられました。でもけっして暗くない。『かかし』の時はちょっと首を傾げたが、この話はとてもいい。



戻る