[ タイムトンネル ] へ戻る



2003/8/1
『小さいきょうだい』 
アストリッド・リンドグレーン(大塚勇三訳 イロン・ヴィークランド絵) 岩波書店 1969年
楽しいイメージがあったリンドグレーンの作品の中に、こんなかなしく美しい物語があったなんて。『ミオよわたしのミオ』につうじる静かな雰囲気をもつ作品集。
4編ともつらいさだめにあった少年少女のことを、あるいは民話風にあるいは騎士物語のように描いています。表紙の絵がとても美しい。
「小さいきょうだい」
「ボダイジュがかなでるとき」
「ガラスのヒツジ」
「公子エーカのニルス」




2003/8/3
『はるかな国の兄弟』
アストリッド・リンドグレーン(大塚勇三訳 イロン・ヴィークランド絵) 岩波書店 1976年
これも『小さいきょうだい』と同じ雰囲気の作品。表紙の絵もとても美しく、作品の持つ静謐な美しさにぴったりです。冒険物語でありながらどこか物悲しい雰囲気は『ミオ』にも通じています。そしてそれに気づいたとき『ミオよわたしのミオ』に対する印象ががらりと変わってしまいました。そうか!あの話はこの系列につらなる話だったんだ!しかしそのことは同時にものすごいショックでした。『ミオ』は大好きな話だったから。




2003/8/3
『グローイング・ダウン』
清水義範 講談社文庫 1989年
おもしろかったが、初期短編集らしく、まだ少しかたさが感じられる。




2003/8/5
『海辺の王国』
ロバート・ウェストール(坂崎麻子訳) 徳間書店 1994年
この作品もまた第2次世界大戦下の出来事。ドイツ軍の空襲で両親と妹を亡くしたハリーが、居場所を求めて海辺をさまよう。ハリーの出会うさまざまな人々―そして苦い結末。でも彼の心の中に築かれた王国は消えない。人は誰でも自分の心に王国を持つことができる。




映画 2003/8/6
「パイレーツ・オブ・カリビアン」
ダリウス・ウォルスキー監督(映画館) 2003年
おとぎ話の世界がそのまま映像になったような楽しさ。登場シーンからジョニー・デップがお茶目でかわいくて、すっかり魅了された。普通ならオーランド・ブルームのウィルが主役になっていいはずだけど、ユニークな海賊野郎がその上を行く大活躍。女性キャラがたくましいのもとても気に入った。
再鑑賞 2004/1/13 2004/2/13




2003/8/6
『スイス時計の謎』
有栖川有栖 講談社ノベルス 2003年
有栖の作品は大きなはずれがないので安心して読めます。真面目にミステリーに取り組んでいる人なんだとあらためて感心します。
「あるYの悲劇」なるほど、書き順か。
「女彫刻家の首」なるほど。
「スイス時計の謎」一度読んでわからず、もう一度読んでようやく納得。でもまだ頭が混乱。




2003/8/6
『プレシャス・ライアー』
菅浩江 光文社カッパノベルス 2003年
あまりにコンピュータ用語が多くて、わたしの頭では理解できませんでした。全体のしかけは途中で分かりましたが。




2003/8/9
『迷宮百年の睡魔』
森博嗣 新潮社 2003年
『女王の百年密室』と同じサエバ・ミチルとロイディのコンビ。この二人(?)をはじめ、描かれる未来社会の設定がとてもおもしろい。ミステリーとしてもSFとしても楽しめます。このシリーズもっと続きそうです。
再読 2004/5/25




2003/8/10
『現代フランス幻想小説』
M・シュネーデール編(窪田船彌他訳) 白水社 1976年
アンドレ・ドーテルの他の作品も読もうと図書館から借りてきました。彼以外の作品は1作読んだだけ。

「見えない村」 アンドレ・ドーテル(弓削三男訳)
よくわからないお話。幻想小説ってこんなの?ますます途方にくれてしまった。著者紹介によると、―単調な田園生活のレアリスムに夢や魔法の夢幻劇を織り交ぜた、作者が少年時代に生きたアルデンヌの森の不安な雰囲気を伝える詩的、神秘的な世界である―らしい。うーんそうなのか?でもここを読んで天沢退二郎の作品に通じるものを感じました。

「怪物」ジェラール・クラン(清水 茂訳)
肝心のドーテルよりむしろこちらの話のほうがおもしろかった。




2003/8/11
『絶対音感』 
最相葉月 小学館文庫 2002年
絶対音感、言葉では知っていました。しかしこれを読むと絶対音感があっても、また違う苦労がありそうです。ドレミ唱法の固定と移動の話はややこしくてわかりにくかった。




映画 2003/8/11
「踊る大捜査線 THE MOVIE2  レインボーブリッジを封鎖せよ!」
本広克行監督(映画館) 2003年
テンポがよく楽しめた。お決まりの本庁と所轄の対決、死にそうになる仲間、と相変わらずおなじみのメンバーのおなじみのお話。目新しくはないが、安心して観ていられる。本庁の女性管理官役の真矢みきが、見事に敵役に徹してくれた。でもせっかくだからもうちょっとフォローがあればよかったのに。あれではヒステリーで嫌味な面が強調されすぎて、もったいない。




2003/8/12
『趣味は読書。』
斎藤美奈子 平凡社 2003年
おもしろかった。さてわたしは善良な読者か邪悪な読者か、どちらだろう?100%善良ではないし邪悪にもなりきれない。でもどちらかといえば善良かな。




2003/8/14
『人形の家』
ルーマ・ゴッデン(瀬田貞二訳) 岩波少年文庫 2000年
おもしろかった。甘いお話かと思ったら、思いがけない展開にわくわくしました。「人形の家」で起こる出来事は人間の世界そのもの。1978年刊行の新装版。




2003/8/15
『陰魔羅鬼の瑕』
京極夏彦 講談社ノベルス 2003年
プロローグでほとんど犯人がわかる。なんてかなしい話。でも花嫁はわかっていたんではないかと思う。それだけによけい気の毒で。
榎さんがんばれ。でも今回は珍しく関口が偉そう。関口ファンのはづきは大喜びしてました。
はづきメモ>シンプルすぎるほどシンプルな構造で、特にいままでの京極を読んできたひとにはまず100%、ポイントが冒頭でわかってしまうし、事件はいつまでたっても起こらないし、退屈かも。でも京極って「はじめからネタばれ」してる書きかたをしてるのであって、だから初読の衝撃+再読のたのしみがあり、今回初読のがつん!はなかったけど、じゅうぶんたのしめたんですけどね、自分は。関口ファンだからですか。
それから「事件のすべてを伯爵ひとりの特異性に頼りすぎている」との指摘もありますね。うーん、ようするに由良昂充という人物の物語だからいいんでないかなあ。母親と話していたのは、薫子さんはぜんぶを知っていたのではないか、ということです。聡明なひとだったし。伯爵を愛していたんだし。彼の剥製を理解できないところとか、成長を変形ととらえるところとか、そういうズレから彼の抱える瑕をわかっていたんじゃないかなあ。そしてそれを告げることは彼にとってもっとも惨いことであるということも、もちろんわかっていた。だから彼女は黙って彼の「家族」になることを選んだ。そう思って読んでいます。




2003/8/16
『お言葉ですが…7 漢字語源の筋ちがい』 
高島俊男 文藝春秋 2003年
いつもながら楽しい。通称と実名(名乗り)の章はおもしろかった。




2003/8/16
『歌の翼に――ピアノ教室は謎だらけ』
菅浩江 祥伝社ノン・ノベル 2003年
こういうお話を読むと、ピアノが弾きたくなってきます。絶対音感の話もでてきて、この間読んだばかりだったのでおもしろかった。




2003/8/16
『ローワンと白い魔物』
エミリー・ロッダ(さくまゆみこ訳 佐竹美保絵) あすなろ書房 2003年
リンの谷を異常な冷気が襲い、シバの言葉に従いふたたびマノ山へ向かうローワン。一気に読めるおもしろさは相変わらず。長老ランとローワンの祖父とのエピソードもあります。このシリーズは、ほどほどのおもしろさで気に入っています。




2003/8/17
『水の精霊第U部 赤光』
横山充男 ポプラ社 2003年
読み応えある骨太な物語。18歳になった真人とみずき。前作より二人とも年齢が上がって青年期を迎えています。この時期の少年のこころのうちがきっちり描かれていて気持ちがいい。自分の力を自覚しはじめた真人。真人に群がるさまざまな邪悪なもの。なぜか彼に接した人びとは彼に惹かれます。第1部の主要登場人物の背景がときほぐされ、真人にかかわりを持っていることが明らかになります。真人が問いつづける洋輔の死にも関連するのか?今後の展開がますます気にになります。




2003/8/18
『くらのかみ』
小野不由美(村上勉絵)講談社ミステリーランド 2003年
さすがにおもしろかった。夏休み、田舎、広い屋敷、たくさんの親戚、井戸、座敷わらし…子供の頃が懐かしく思い出されるものばかり。
講談社が出したジュブナイルシリーズ第1作。すべての作品がそうですが、総ルビで箱入り、しかもページの角を丸くする凝りよう。力はいってるな、講談社。その分値段が高くなったのは残念。




2003/8/19
『葉桜の季節に君を想うということ』
歌野晶午 文藝春秋 2003年
すごくきれいな書名に惹かれ、いつか読みたいと思っていました。ところが冒頭からすごいショック。この文章、この内容は何だ!?もう泣きたくなりました。
ところがメイントリックでびっくり仰天。ああ、そうだったのかと思わずページを繰って前に戻りました。この多少露悪的な表現には、トリックのカモフラージュの意味もあったのか。まあこの文体が主人公の内面をあらわすのに適切だということもありますが。そういえば愛子さんが、お嬢様にしては家族の人の呼び方に違和感がありました。なるほど、そういうことか。トリックを知ってからは最初の嫌悪感も幾分薄れ、読んでいくうちに慣れてもきましたが、でもやはりこの文章は好きになれません。だってこのタイトルから期待していたものとまったく違うのだもの。タイトルの意味も最後まで読めばまあなるほどとは思うのですが、わたしの期待していたものとは違ったので、やはりどうしても点が辛くなってしまいます。著者の他の作品を読んでいたなら、ある程度予測ついたのだろうけど。トリックはすごい。話もおもしろい。でも好きじゃない。




映画 2003/8/20
「英雄 HERO」
チャン・イーモウ監督(映画館) 2003年
とにかく色が綺麗。二転三転する物語の内容により色分けされているのがおもしろい。金色の葉の中を舞う赤、鏡面の湖の上を飛ぶ青、砂漠にまぶしい白、皇帝と刺客との闘いに翻る緑―。うっとりするほどの美しさ。そして飛んでくる矢の量のものすごさ、半端じゃない。これだけ多くの死人が出ながら、流血場面がほとんどないのも、好ましい。トニー・レオンが格好いい。エンドロールに中国軍の名前を見た時は驚いた。




2003/8/20
『子どもの王様』
殊能将之 講談社ミステリーランド 2003年
おもしろかったけど、これはとてもこわい。こんなのジュブナイルでいいのか?子どもの王様の正体は読者にはすぐわかります。




2003/8/21
『きつねのスケート』
ゆもとかずみ(ほりかわまりこ絵) 徳間書店 1998年
やんちゃなきつねと、ものしずかな野ねずみ。ふたりの友情物語。ほっとあたたかくなる話。とぼけた感じの絵がすごくいい。




2003/8/23
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
J・D・サリンジャー(村上春樹訳) 白水社 2003年
昔読んだ野崎孝訳『ライ麦畑でつかまえて』より訳がソフトで読みやすかった。以前に読んだのが30代だったこともあり、そのときは主人公のとんがり具合についていけなくて、読んでいて疲れてしまいました。これは若い頃に読まないと受け付けない話だなと感じたものです。でも今度読んだら、主人公がなんだか痛々しく思え、読後感は前のように悪くないです。当時もしこの訳で読んだらまた違った感想をもったのかもしれません。




2003/8/25
『弟の戦争』
ロバート・ウェストール(原田勝訳) 徳間書店 1995年
湾岸戦争時、ぼくの弟フィギスが突然自分はイラク軍の少年兵だと言いはじめた―。
弟を襲った不思議な出来事を、兄の目をとおして描く。これもとても衝撃的な作品。当事者のフィギスはもちろん弟の異常を傍で見つめつづけた兄の苦しみも大きく、この二人を通して戦争の残酷さが描き出される。湾岸戦争に限らず、今もこの世界のどこかで行われている戦争。自分には関係ないところで行われていると思いがちですが、本当は自分に関係ない戦争なんてない。この地球上に住む限り、戦争はわれわれみんなの問題であるはず。短くてすいすい読めますが、深く考えさせられる作品。




2003/8/25
『おれがあいつであいつがおれで 山中恒よみもの文庫11』
山中恒 理論社 1998年
映画やテレビドラマ化された「転校生」の原作。映画もテレビも観たことがあるので、お話はよく知っていました。知っていて読んでもやっぱりおもしろかった。




2003/8/25
『女王と海賊 暁の天使たち5』
茅田砂胡 中央公論新社C★ノベルス 2003年
待望のジャンスミンとケリーの再会!最強夫婦ふたたび。これで一気に解決と思いきや、最後でルウが暴走しはじめて、大変なことに。えっとE・V・ヴァレンタインってたしかリイ?




2003/8/26
『レディ・ガンナーと宝石泥棒』
茅田砂胡 角川スニーカー文庫 2003年
シリーズ3作目。痛快な冒険活劇でありながら、アナザーレース=異種人種のことを人種問題としてとらえると結構シビア。




2003/8/26
『ちょー葬送行進曲』
野梨原花南(宮城とおこ絵) 集英社コバルト文庫 2003年
「コバーリム編」突入前のエピソード。
ああ切ない。あのころみんな幸せで。あのサリタはもういない。




2003/8/27
『贈る物語 Terror』
宮部みゆき(編) 光文社 1999年
北村薫さんが講演会で言っていたのは、たぶんこの本のこと。
『猿の手』とかちょっと怖い話が多かった。




2003/8/28
『ビートのディシプリン SIDE2』
上遠野浩平 メディアワークス電撃文庫 2003年
前回重傷を負ったビート。彼の思い出の中のモ・マーダーとザ・ミンサーとの3人での暮らしが、おだやかでいい。外伝っぽいかと思ってましたが、ブギーポップや凪も現れ、カレイドスコープの話もでてくるので、本筋にしっかりからんでくるようです。カーメンとは何?
はづきメモ>カーメンがなんなのかはあいかわらず不明、前回朱巳がいったように合成人間たちに近寄らせてはならないものらしいということ以外進展はなし。ただビートたちに f f が合成人間だと思われていたことがおどろきだ。ビートの過去話はせつない。そしてここにきて話が『ジンクスショップ〜』とつながる。ブギーも回想だけどでてるじゃん。でも今後は関わってこなさそう。いや実は関わっているんだけど、ビートとの直接対面はないというのが希望。朱巳も同様に。彼女がミンサーと面識あったってことは、中枢候補選びに関わっていたということか。やはり立場がかなり上である。それともかってに接触していたのかもしれない。どちらにしろすてき。次回は朱巳がでばりまくる予感でうきうき待っている。




映画 2003/8/29
「レインメーカー」
フランシス・フォード・コッポラ監督(DVD) 1997年
友人から借りていたマット・デイモン主演の3作品を一気に見る。そのなかでこれが一番よかった。それまでは不細工だと思っていたマット・ディモンだったけど、笑顔がかわいいことを発見。けっこう格好いいと初めて思った。それより脇役に驚いた。所属事務所の悪徳弁護士がミッキー・ローク、訴訟相手の弁護士がジョン・ボイト。




映画 2003/8/29
「ラウンダーズ」
ジョン・ダール監督(DVD) 1998年
いくら腕がよくてもギャンブルはやっぱりやめたほうがいいのに。それでいいのか主人公。主演のマット・ディモンより、情けない友人ワーム役のエドワード・ノートンが印象的だった。でも彼が「レッド・ドラゴン」のグレアム捜査官だったなんて驚いた。彼はちょっとゲイリー・オールドマンに似ている。こういう脇役の方が好きになるのは昔からのくせ。




映画 2003/8/29
「ボーン・アイデンティティ」
ダグ・リーマン監督(DVD) 2003年
マット・ディモンがスパイ役なんてちょっと似合わないんじゃない、と思ったらけっこう頑張ってた。カーチェイスがあまり派手じゃないのが、よかった。あんまりバカスカ車が壊れるのは、見ていて気持ちよくないから。




映画 2003/8/31
「インタビュー・ウィズ・バンパイア」
ニール・ジョーダン監督(ビデオ) 1994年
主役のブラッド・ピットより、トム・クルーズのレスタトが美しすぎて、並んでるとブラピがちっともきれいに見えない。最初の人間の頃はかわいかったのに。だいたいブラピが美男子として評価されてるのがいつも不思議だった。好青年だとは思うけど、それほど美形かねえ。クローディア役のキルスティン・ダンストがすごく上手かった。ラストにインタビューアーの血を吸って元気になったレスタトだけど、いつ運転覚えたのだろう?袖口のフリルをちょこちょこ直すところが愉快。



戻る