| 2004/8/1 |
| 『魔女の宅急便4 キキの恋』 角野栄子 福音館 2004年 |
| キキも17歳になったのね。この作品の中の魔女が、たぶん本来の姿だろうと思う。 ポール・ギャリコ『トマシーナ』のローリが<赤毛の魔女>と呼ばれたのも、同じ理由ではないかと思う。 |
| 2004/8/1 |
| 『ある図書館相談係の日記ー都立中央図書館相談係の記録ー』 大串夏身 日外アソシエーツ 1994年 |
| レファレンス事例集として参考になった。「有栖川の母」には笑った。どこでも同じだな。 |
| 2004/8/3 |
| 『いちばん初めにあった海』 加納朋子 角川文庫 2002年 |
| 再読。前は図書館で借りた単行本だった。細部は忘れていたが木の洞のことは覚えていた。読んだ当時はこれが加納作品のベストだと思っていた。 |
| 映画 | 2004/8/3 |
| 「ライフ・イズ・ビューティフル」 ロベルト・ベニーニ監督(DVD) 1997年 |
| 最後は泣いた。子どもがとてもかわいかった。実際にこんなことは無理だと思うのだが、これはおとぎ話としてみればいい。監督自ら主演。もとはコメディアンらしい。どこかで見た顔だと思ったら「ピノッキオ」の人だった。 |
| 映画 | 2004/8/4 |
| 「キング・アーサー」 アントワン・フークワ監督(映画館) 2004年 |
| よく知られているアーサー王伝説とはまったく違った解釈の、アーサー王と円卓の騎士像に驚いた。でも雰囲気がサトクリフの「ローマンブリテン」作品に似ているせいか、私的にはツボだった。 ランスロットは予告編よりいい感じ。そして予告編とはまるで違う話になっている。これは予告編をわざとそういうふうに作ったのか、それともわたしがアーサー王に持っていたイメージをもとに勝手にそう解釈していたせいなのか?ともかく予告編のイメージで観にいくと、「ええー!?これはアーサー王伝説じゃないよ!」と思うところがたくさんあって裏切られたような気になるかもしれない。好みの問題だが、わたしはこの設定はおもしろいので楽しめたし、むしろ感動して涙が出そうになった。セットとはいえハドリアヌスの城壁(実際はあんな立派なものではないだろうが)が見られたのは感激!ああ、本物が見たいよ。 「トロイ」も「キング・アーサー」も、同じように有名な神話や伝説を、そのまま描かず人間ドラマに仕上げている点で同じなのに、「トロイ」の方は気に入らなかった。これは映画の出来不出来というより、好みの問題が大きいと思う。 映画の最後でグウィネヴィアが体中に青い模様を描いているのをみたときは「わあ、ピクト人だ!」と思った。キーラ・ナイトレイかっこいい!円卓の騎士たちのなかではダゴネットが一番気に入った。アーサーはもう少し若い方がよかったかな。 再鑑賞 2005/2/19 |
| 映画 | 2004/8/4 |
| 「海の上のピアニスト」 ジュゼッペ・トルナトーレ監督(DVD) 1999年 |
| 以前はビデオの吹替え版だったので字幕で再鑑賞。ピアノ曲が美しい。ティム・ロスの手の動きが美しい。これもおとぎ話だなあ。ただ最後の会話はなくてもいいんじゃないかと思う。 参照 2003/11/14 |
| 2004/8/6 |
| 『シー・ペリル号の冒険』 フィリップ・ターナー(神宮輝夫訳) 岩波書店 1976年 |
| シリーズ3作目。ピーター、ディビット、アーサーの3人は中学生になっている。訳者によると日本の高校生くらいということ。今度は3人は「シー・ペリル号」という木造船を作って冒険する。ここらへんはわたしの子ども時代、ちゃぶだいを裏返して船にして遊んだり、箱の中に計器類を書き込んで飛行機のようにして遊んだことを思い出して、とても楽しかった。3人が溺れる少女ジェインを助けるところはドキドキした。それともうひとつ今回探索する謎が「ローマの第11軍団の百人隊長マーカス」というのが、サトクリフの物語を思い出して興奮した。 |
| 2004/8/7 |
| 『クリムゾン・リバー』 ジャン=クリストフ・グランジェ(平岡敦訳) 創元推理文庫 2001年 |
| 映画が説明不足だったので原作を読んでみた。なるほどよくわかった。しかし原作のほうがもっと救いがなかった。 |
| 映画 | 2004/8/8 |
| 「レザボア・ドッグス」 クエンティン・タランティーノ監督(DVD) 1991年 |
| 何度観てもおもしろい。キャストひとりひとりがみなぴったりはまっている。今回ブシェミに注目してみたが、彼は画面の端々でちょこちょこ演技していて、それが笑える。 特典映像でインタビューがあったが、この構成がまた凝っている。しかし最初にでてきたエディ役のクリス・ペンは映った瞬間「誰?」と思ったほど変わっていた。彼がショーン・ペンの兄弟って本当?<自分の製作した映画に端役で出演し続ける>という説明のついた、ローレンス・ベンダーの項は笑える。ブシェミのインタビューがなかったのが残念。 参照 2004/7/27 |
| 映画 | 2004/8/9 |
| 「オーバー・ザ・ムーン」 トニー・ゴールドウィン監督(DVD) 1999年 |
| ヴィゴの出演作だから、という理由だけでみた。お話はいわゆる人妻の不倫ものだけれど、これじゃ浮気した妻だけがいい思いをしたみたい。だって彼女は結局は夫に許してもらって家庭に戻るのだもの。そんなこと許されるの? この人妻がダイアン・レイン。「運命の女」もそうだったけど、彼女の体当たりの演技には感心する。とても激しいラブ・シーンなので見ていてドキドキしてしまった。しかしヴィゴはつくづく天然フェロモン男だったのだと納得。きれいで色っぽい。人妻がよろめくのも無理はない。馳夫さんが特別ストイックだったのか…。そういえばアルウェンとのキスシーンは激しかったなあ。 |
| 2004/8/12 |
| 『百鬼徒然袋―風』 京極夏彦 講談社ノベルス 2004年 |
| どうも今回は面白くない。エノさんが活躍するのはいいのだけれど、第1話はともかく2話と3話はエノさんを陥れようとする奴が仕組んだ罠で、なんだかとってつけたよう。だらだらと長いし3話など退屈してしまった。京極堂シリーズ本編のギャグ的要素を、無理に発展させただけのように思える。あれはそのままで充分ギャグなのだ。エノさんは本編通りだが他の登場人物がみな著しくテンション上がってキャラが変わっている。特に京極堂。このシリーズはもう『雨』だけでよかった。 |
| 映画 | 2004/8/13 |
| 「ジャンヌ・ダルク」 リュック・ベッソン監督(DVD) 1999年 |
| ミラ・ジョヴォヴィッチのジャンヌは熱演だった。かわいいなあ。女らしいかわいさというより少年のように凛とした美しさ。それが不安におびえる様子がまた可愛い。シャルル王がなんとマルコビッチだったとは!ハゲてないので分からなかったけど、あの顔から鬘をとると―ほんとだマルコビッチだ!情けない王さま役がぴったり。王の義母がフェイ・ダナウェイ。異星人かと思うほど人間離れしていた。でも王妃より出張ってて、あんた何者?と思うほど印象的。そして神か悪魔か、後半ジャンヌの元に現れる謎の男がダスティン・ホフマン。これらキャストはみんな映画を観ているときには全く気付かず、エンドロールでようやくわかったという始末。なんせヴァンサン・カッセルがどこに出ているかだけに注目していたもんで。彼はもちろん相変わらず変な顔でかわいかった。 |
| 2004/8/14 |
| 『アルフレッド王の戦い』 C・W・ホッジズ(神宮輝夫訳) 岩波書店 1971年 |
| イギリスではじめてアングロ=サクソン民族をまとめ王国を築き上げたアルフレッド大王の話。サトクリフの一連の「ローマン・ブリテン作品」のなかでは<海のオオカミ>と呼ばれ、主人公たちに敵対した蛮族であったサクソン人たちだけど、現在のイギリス人の主な民族は実はこのサクソン人であることを知ったときは驚いた。アーサー王伝説でもアーサーが戦ったのはサクソン人たちだった。ということは自分たちのご先祖の敵を、立派な王として伝説にしているわけで、なかなか興味深い。そしてこのサクソン人たちをこの後一時的に支配したのがノルマン人で、イギリスとフランスって因縁深いのだな。ランスロットがフランス人という話も両国の関係の深さからみるとあり得るかも。ヒルダ・ルイス『とぶ船』に、ノルマン人に支配されていた頃のイギリスに子供達がとんでいく章があったことを思い出した。イギリスってローマに支配されたりノルマン人(つまりフランス)に支配されたり、歴史をみていくととても複雑だ。児童文学でここらへんの話を読みたいと思い、この作品を借りてきた。 |
| 映画 | 2004/8/19 |
| 「さらばわが愛―覇王別姫」 チュン・カイコー監督(DVD) 1993年 |
| とてもよかった。レスリー・チャンが美しい女形を演じていて、京劇の扮装のときはもちろんだが素顔のときもちょっとしたしぐさで女性らしさを出していて感心した。まだまだ彼の演技をみたかったのに、残念。冥福を祈ります。 そしてコン・リーの演技にも感動した。最初はしたたかな女性かなと思っていたが、アヘン中毒に苦しむレスリー・チャンを母親のように抱きしめるところとか、文革の嵐のなか夫から(仕方なかったとはいえ)「元売春婦」「愛してない」と罵られぼうぜんとする表情とかすごかった。中国の激動の時代を描いた作品として、わたしには「ラスト・エンペラー」よりおもしろく感じられた。 |
| 映画 | 2004/8/20 |
| 「エリザベス」 シェーカル・カブール監督(ビデオ) 1998年 |
| なによりケイト・ブランシェットの演技がすごい。最初の頃の純情な田舎娘風から徐々に女王らしくなっていくさま、特に最後の「国家と結婚した」と宣言するあたりの声音の変化はすごい。それまでよりいっそう低い声で威厳があった。 これもヴァンサン・カッセル観たさのはづきにつられて観た映画。肝心のカッセルの登場シーンでは大笑いだった。「誰を演ってるんだろう」「フランス人だからさ、きっとエリザベスに求婚しにくるフランス公子だよ」「来た来た」「でも先頭は違うね」「あっ、あれかな?」そして行列の後ろでピョコタンピョコタン跳ねながらラッパ吹いてやってくる妙な男の顔が見えた瞬間―「やっぱりそうだ!!」―ああ、なんて楽しい―。想像以上にお馬鹿でおふざけでセクハラ男で、楽しませてくれました。ヴァンサン・カッセル最高! それからエリザベスの腹心の部下を演じた、ジェーフリー・ラッシュがやっぱりよかった。この人こんなにいい役者なのに、なんでバルボッサなんてやったんだろう? スコットランドのメアリー女王がやけに姐御風だと思っていたら、彼女はあのメアリー・スチュワートではなくて、その母親だったらしい。そういえばメアリー・ド・ギースとかエリザベスが呼んでいたっけ。ちょっと歴史のおさらいをさせられた。 |
| 2004/8/21 |
| 『ファイト・クラブ』 チャック・パラニューク(池田真紀子訳) 早川書房 1999年 |
| 映画がおもしろかったので、原作を読んでみようということで,図書館から借りてきた。これは単行本だったけれど、映画の二人ブラピとエドワード・ノートンがカバーになっている文庫もあった。単行本のほうの表紙のデザインがなかなかいいので買うならこちらだと思ったが、絶版だった。 映画では最後までわからなかった一番のしかけが、原作だとちゃんと伏線としてやたらとたくさん出てくる。しかしネタをしらなくて読んだらわからなかったかもしれない。原作を読むと、ほぼ忠実に映画化されていたことがよくわかった。映画は本当によく出来ていたと感心した。 |
| 2004/8/24 |
| 『謎物語 あるいは物語の謎』 北村薫 中公文庫 1999年 |
| 単行本刊行時図書館で借りて読んでいたが、購入して再読。北村さんのエッセイはほとんど「です。ます」なので、それとは違う口調の文体に少しとまどった。覚えていた部分もまったく忘れていた部分も、それぞれ楽しく読めた。北村さんはやっぱり好き。 |
| 2004/8/25 |
| 『二人がここにいる不思議』 レイ・ブラッドベリ(伊藤典夫訳) 新潮文庫 2000年 |
| 短編集。SFありホラーありで楽しめる。でも今回はあまり好きな話がなくて少々がっかり。 |
| 2004/8/25 |
| 『インナーネットの香保里』 梶尾真治(鶴田譲二絵) 講談社青い鳥文庫fシリーズ 2004年 |
| 「ミステリーランド」「YA!ENTERTAINMENT」シリーズで頑張っている講談社が、またひとつ新ンシリーズを出した。fシリーズの「f」は「SF」「Fantasy」「Fusigi(ふしぎ)」ということ。講談社やるじゃない!しかも執筆陣に小松左京、筒井康隆、眉村卓、平井和正…なんて豪華な。(でも新作じゃないけど) というわけでわくわくして読み始めたのだが、「エマノン」の作者、画家ということで期待しすぎたかな?風野潮『いとしのドリー』を読んだときみたいな脱力感。 |
| 映画 | 2004/8/26 |
| 「ドラキュラ」 フランシス・フォード・コッポラ監督(ビデオ) 1992年 |
| 出演者がゲイリー・オールドマンにアンソニー・ポプキンス、それにキアヌ・リーズス、ウィノナ・ライダー。なんて豪華な俳優陣だ!と思ってわくわくしながら観たけど、これほど脱力モノだとは。最初のゲイリーの甲冑姿見た時から、ヤバイと思ってた。途中まではあまりの安っぽさにどうしようかと思ったほど。一応ホラーかなあ。ゴシックロマン?ゲイリーの演技はいいけど、あの年寄ったメイクと髪型と無駄に長いローブは何だ?なにも怪物じみたメイクしなくてもゲイリーなら演技で充分カバーできると思うけど。衣装は綺麗だった。モニカ・ベルッチには全然気がつかなかった。 |
| 2004/8/27 |
| 『夏の残像』タクミくんシリーズ ごとうしのぶ(おおや和美絵) 角川ルビー文庫 2004年 |
| いつもは下手だなあと思って読むのだが(しかし10年以上も同じ調子で書き続けられるのは、ある意味凄いこと)今回はあまり気にならなかった。お気に入りの三州くんの話がギイとタクミの話より多かったせいかも。 |
| 2004/8/29 |
| 『星月夜の夢がたり』 光原百合(鯰江光二絵) 文藝春秋 2004年 |
| 光原さんの新刊だと喜んで飛びついたのだけど、これは期待していた光原さんじゃない。題材はいいし、32編のなかにはおもしろいと思う話もあるのだが、なんというかいまひとつ物足りない。正直こういう話なら何も光原さんでなくても読めるし、もっと上手いひとはいくらでもいる。『家守綺譚』や『語り女たち』を読んだあとなので、どうしても点が辛くなる。やっぱり光原さんには『時計を忘れて森へいこう』の続編を書いてほしい。 |
| 雑誌 | 2004/8/31 |
| 『日本児童文学』2003年11−12月号 日本児童文学者協会(編集・発行) 小峰書店 2003年 |
| ジュンク堂池袋店の児童書の棚で見つけたバック・ナンバー。特集が「歴史児童文学考」ということで、サトクリフも取り上げられていたので購入した。サトクリフはもちろんジュブナイルSFに言及してある部分もおもしろく読んだ。 |