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2005/3/3
『ヒルズ・エンド』
アイバン・サウスオール(小野章訳) 評論社 1976年
いい!すごくいい。ああわたしはこういう話が読みたかったのだとすごく嬉しかった。災害が起こった村に残されたのは6人の子どもと学校の先生1人。「十五少年漂流記」に似ているようだが、ここには強力なリーダーはいない。みんなうろうろするばかり。それがとてもリアル。




映画 2005/3/8
「恋愛小説家」
アレクサンドル・プトゥシコ監督(TV放映) 1946年
観る気はなかったのだが偶然観た。最初はどうも騒がしくおもしろくないので消そうかと思っていた。だが主人公が隣人の犬を預かったころから犬の名演技につられて面白くなってきた。なかなかいい話じゃないか。ジャック・ニコルソン太ったな。けれど正装した彼はやっぱり格好いい。変人に変わりはないけど。




2005/3/10
『《中島みゆき》を求めて』
天沢退二郎 河出文庫 1992年
中島みゆきのファンの著者が捧げる。しかし歌詞をこれほど解析されてもちょっと引く。一番最後のいくつかの散文はそのまま短編小説になりそう。『オレンジ党』を思い起こさせる雰囲気。




2005/3/11
『ひかりの国のタッシンダ』
エリザベス=エンライト(久保田輝男訳) フェリシモ出版 2001年
30年以上前に翻訳され長く絶版になっていた作品。お姫さまのロマンス物語のように見えながら、外見が違うことへの差別といじめを取り扱っている上質のファンタジー。タトラン国の描写が美しい。挿絵も幻想的で美しい。




2005/3/14
『光車よ、まわれ!』
天沢退二郎 ブッキング 2004年
1973年に出版されながらく絶版になっていた作品。昨年復刊された。以前図書館で読んだのは前の版だったが、初版ではなかったせいか表紙が違う。カラー挿画も以前は入っていなかった。あらためて読んで、やっぱり引き込まれた。不気味でおそろしいのだが、どうしても忘れられない。それほど強烈な印象を残す作品。冒頭のこの雨の滴り落ちる音が聞こえそうな描写の見事なこと。これで一気に作者の仕掛けた日常にひそむ不気味な異世界へひきずりこまれる。この雰囲気、今回他の資料を当たってみて、著者の「アーサー・ランサムの子どもたちを、アラン・ガーナーの世界で冒険させる」というコメントを読んで、すとんと納得できた。
参照 2003/7/15




映画 2005/3/14
「憎しみ」
マシュー・カソビッツ監督(DVD) 1994年
きっかけはヴァンサン目当て。だがこれはすごい映画だった。ヴァンサンはこのころから動きがかわいくて、つい目で追ってしまうのだが、役柄としては単なる頭の軽いクズでしかなく、本当に若者の苦悩を見せるのはユベールだった。徹底的なお馬鹿なヴィンスに比べ一番まともというか良識派だった彼が、最後にとった行動の衝撃、そしてそこにいたるまでの彼の心情。見ごたえあった。そして二人の中間、どちらかといえばヴィンスよりのサイード。彼が狂言まわしの役割。冒頭と最後に彼のモノローグが入る。冒頭では銃声で目を開け。ラストでは目をつぶったあとに銃声が聞こえる。なんと印象的な作り方。




2005/3/17
『香水』
 パトリックス・ジェースキント(池内紀訳) 文春文庫 2003年
副題が「ある人殺しの物語」とあったが、実はこれを最初「ある人でなしの物語」と読み間違えていた。しかし読了後「人でなし」のほうがむしろいいと思った。たしかに人殺しなんだけど、それ以前にこいつは人でなしだ。彼が直接手を下さなくても、彼にかかわった人たちがその後いともあっけなく死んでいくのが、この男の持つ何かに侵されてしまったようで、こわい。ところがこわいけどあまり嫌悪感を感じず、これほど不気味で嫌な話なのに、むしろ後味はさっぱりしている。不思議な本だ。




映画 2005/3/19
「エアフォース・ワン」
ヴォルフガング・ベーターゼン監督(DVD) 1997年
ゲイリーが見たくて観た。テロリストのゲイリー、かなりひどい奴だがやはり顔立ちはもともと可愛い、とあらためててわかった。お話は大統領が強すぎるし、アメリカこれ正義!っていうのが鼻につく。何より人が死にすぎる。大統領のためにあれほどの犠牲が必要なのか?それに最後に亡くなった人たちへの哀悼の意があまり感じられなかったのも、気になった。




2005/3/21
『お言葉ですが…9芭蕉のガールフレンド』
高島俊男 文藝春秋 2005年
年に一度の高島さんの本。相変わらず面白くてたまらない。ももひきとステテコの章なんて笑ってしまった。そうかこれが通じない世代が今は多いのだな。




演劇 2005/3/27
「オイディプス王 アテネ公演」
ソフォクレス原作 蜷川幸雄演出(NHK教育テレビ) 2005年
何気なくテレビ欄をみていたら今夜放送されるというので、なにはともかくビデオをセットして待つ。でも設定を間違えて冒頭の部分は録画失敗。残念。麻美れいが圧倒的な存在感。瑳川徹朗の神官も、預言者もみなすごい。東儀秀樹にいたっては舞を披露していた。この舞が素敵。唯一萬齋さんの声が割れていて聞き取りにくかったのが残念。




映画 2005/3/28
「アンダーワールド」
レン・ワイズマン監督(DVD) 2003年
ケイト・ベッキンセールが「ヴァン・ヘルシング」のアナのときより、断然格好いい。アナはあまりにもケバくて下品な感じで嫌だったのだが、このケイトはクールできりっとした美貌だ。よほどこちらのほうがいい。話もまあおもしろい。ただ恋愛相手があまりにショボイ。これなら最長老のビクターのほうがかっこいいし、敵役のルシアンのほうが印象的だ。ビクターの顔どっかで見たと思ったら、「ラブ・アクチュアリー」の老ロック・シンガーだった。あの映画で一番好きなキャラだった。




2005/3/31
『オペラ座の怪人』
ガストン・ルルー(長島良三訳) 角川文庫 2000年
以前に読んだ早川文庫版がちょっと読みにくかったのと、翻訳が直訳すぎてちょっとなあ、と思ったので、一番新しいこれを読んでみた。読みやすくすいすい頭に入ってきた。早川版が文語調だったので、これはちょうどその現代訳、といった感じ。全体的に軽いし、思いっきり意訳してあるところもあるけど、読みやすいのでこれはこれでいいか。と思っていたら最後のほうで「アツアツ」という表現がでてきて、参った。これはどうしてもいただけない。やはり早川訳のほうがゴシック風な雰囲気で、好みだ。



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