| 映画 | 2005/6/2 |
| 「ドライビング Miss デイジー」 ブルース・ベレスフォード監督(ビデオ録画) 1989年 |
| 淡々と過ぎていくミス・デイジーと運転手のホークの日々。彼らの何十年にもわたる交流。二人の演技が素晴らしい。その他の出演者、メイドも息子もとてもいい。 |
| 2005/6/2 |
| 『マンモス・ハンター 上』 ジーン・アウル(白石朗訳) 2005年 |
| エイラのシリーズ第3部。ジョンダラー以外のクロマニヨン人の部族との出会いと交流。エイラの素晴らしさがこれでもかと語られる。ただネアンデルタール人と暮らしていた過去に対して、嫌悪感を持つ人ももちろん存在する。許せないのはそれを恥じるジョンダラー。こんな男さっさと見切りをつけて、褐色の肌を持つラネクにしろよ、といいたくなる。これはある種、海外帰国子女問題と同じだな。 |
| 2005/6/3 |
| 『モロッコ水晶の謎』 有栖川有栖 講談社ノベルス 2005年 |
| 中編3編『助教授の身代金』『ABCキラー』『モロッコ水晶の謎』と掌編『推理合戦』。朝井小夜子女史が登場する、クスっと笑える『推理合戦』がおもしい。 |
| 映画 | 2005/6/4 |
| 「大統領の陰謀」 アラン・J・パクラ監督(ビデオ録画) 1976年 |
| 実話。最近「ディープ・スロート」の正体があかされていたので、録画しっぱなしだったこの作品を、この機会に観た。取材の方法が強引すぎるような気がして、図書館や図書室?での守秘義務が守られていないような描き方には、ちょっと疑問を覚えたが、あとはさすが実話だけあって迫力満点。電話が携帯はもちろんプッシュホンでもない黒いダイアル式だったり、筆記具がワープロやパソコンではなくタイプライターなのも、あの時代を感じさせる。タイプライターのカタカタいう音と画面が、非常に効果的に使われている。ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード、どちらも若々しい。 |
| 2005/6/4 |
| 『真夜中の飛行』 リタ・マーフィ(三辺律子訳) 小峰書店 2004年 |
| 酒井駒子の表紙が印象的。書き出しはぞくぞくするほど魅力的。ただ「飛ぶ」という秘密がなくても成立する話なのではないかと思った。飛ぶこと=自立ととらえればわかるが、最初のわくわく感が失速したのが残念。 |
| 2005/6/6 |
| 『詩人(うたびと)たちの旅』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(田村美佐子訳) 創元推理文庫 2004年 |
| 「デイルマーク王国史」シリーズ第1巻。著者にしては珍しくややこしくない、普通のファンタジー。初期の作品らしい。ややこしさがない分毒も少なく読みやすい。でもちょっと盛り上がりに欠けるかなあ。訳者あとがきにある、ジョーンズ作品の特徴を表した文章が実に的確で感心した。まったく同感。 |
| 2005/6/6 |
| 『てるてるあした』 加納朋子 幻冬舎 2005年 |
| 『ささらさや』の続編。でも主人公は違うので姉妹編といったほうがいいかも。最初や途中はかなり退屈だったが、主人公がしだいに周りの人々に心を開いていくところ、最後に大きな謎がとけるあたり、予想はしていたがやはり泣けた。『ささらさや』よりむしろよかった。 |
| 2005/6/7 |
| 『聖なる島々へ』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(田村美佐子訳) 創元推理文庫 2004年 |
| 「デイルマーク王国史」シリーズ第2巻。今回の舞台は南部のホーランド。第1巻と時間は同じで、キアランの災難がちょこっと出てくる。かなりハードな内容で、登場人物が必ずしもいいやつではないのだが、わたしはこのほうが第1巻よりおもしろく読めた。かかしを海に投げ込む祭りや雄牛のエピソードなど、ケルト的な風味があるせいかもしれない。 |
| 映画 | 2005/6/8 |
| 「ミリオン・ダラー・ベイビー」 クリント・イーストウッド監督(映画館) 2005年 |
| 素晴らしかった。淡々と衒いなく、ストレートにひねりなく、観客の予想を裏切らず、なのに陳腐にならず品よく、何なのだこれは。もっともっと悲惨な結末を予想していたのに、これはハッピーエンド、愛の物語ではないか。たしかに賛否両論あろうが、これしかないという結末だった。見事。俳優3人のなんという存在感。クリント・イーストウッドの皺のなんという美しさ。 |
| 2005/6/9 |
| 『呪文の織り手』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(三辺律子訳) 創元推理文庫 2004年 |
| 「デイルマーク王国史」シリーズ第3巻。時代はうんとさかのぼって王国の創世記のようなもの。神話時代のよう。 |
| 2005/6/11 |
| 『時の彼方の王冠』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(三辺律子訳) 創元推理文庫 2005年 |
| 「デイルマーク王国史」シリーズ最終巻。いやあおもしろかった。第3巻から14年後に刊行されたというが、そのぶんおなじみのジョーンズらしさが前3作より強くでている。 |
| 2005/6/12 |
| 『決定版十一ぴきのネコ』 井上ひさし 新潮社 1990年 |
| 馬場のぼるの絵本『11ぴきのねこ』をもとにした戯曲。音楽は宇野誠一郎という「ひょっこりひょうたん島」コンビ。言葉のおもしろさ、テンポのよさで楽しい楽しい♪原作でもなにかちょっとシュールな感じがしたが、これはもっとそれを強く感じる。決定版というのは、1970年の初稿から何度か書き直したから。生の舞台で観てみたい。 |
| 2005/6/13 |
| 『おれの墓で踊れ』 エイダン・チェンバース(浅羽莢子訳) 徳間書店 1997年 |
| じつは以前読もうと思って挫折した本。でも今回はすいすい読めた。構成がとてもおもしろい。少年の同性に寄せる恋といってもいい友愛。でも心の友を得たいという彼の願いはとてもよくわかる。その手記の部分は少年の揺れる気持ちが痛々しくて、ちょっと辛すぎる。 |
| 2005/6/15 |
| 『風神秘抄』 荻原規子 徳間書店 2005年 |
| 待望の日本ファンタジー。やはりこの人は和物がいい。ただちょっと説明がわかりにくく最初は入っていけなかった。言葉遣いがちょっと現代的過ぎると感じた。「合格」なんて使うか?時代的にはとても好きな設定。笛と舞が本来神へささげるものだということが、うまく生かされている。 子どもは一番神に近い存在だ。この物語の主人公草十郎も糸世もつまりは成熟していないこどもだった。だからあのような神業的な笛と舞を演じることができた。またそれゆえに普通の人間社会とはどこか相容れないものがある。そして未熟なため間違いを多々犯す。彼らは苦難の末成長しようやく一人の人間として立つことができた。そしてそのとき「神」に近い存在としての能力を失ったのだ。いろいろ歴史上の人物も多く出てきて、脇役も魅力的な人物が多かった。 |
| 2005/6/16 |
| 『喪の女王』 須賀しのぶ 集英社コバルト文庫 2005年 |
| いよいよ「流血女神伝」最終章。舞台はユリ・スカナ。カリエとエドの逃避行だが、当然ロマンティックなものにはならない。笑いの中にも政治的な背景、人物をきっちり書き込んであり、読み応え充分。次が待ち遠しい作品だ。 |
| 2005/6/19 |
| 『暁の円卓1 目覚めの歳月』 ラルフ・イーザウ(酒寄進一訳) 長崎出版 2004年 |
| まわりの友人たちに好評のこの作品をようやく読めた。ただタイトルから想像していたアーサー王ものとは違った。ファンタジーというより歴史ものに近く、20世紀の主な出来事がおさらいできる。全9巻のこの作品現在7巻まで刊行。先は長いがとても楽しみ。 |
| 映画 | 2005/6/20 |
| 「Mr.インクレディブル」 ブラッド・バード監督(DVD) 2004年 |
| ピクサーのアニメは人間を描くと気持ち悪いと思い込んでいたが、そんなことはなかった。動きが本当の人間みたいだった。これは驚き。そして背景などまるで実写のようで、遠くから見ると見間違う。内容も面白い中にも家族愛をにじませていて秀逸。これは本当によくできた映画だった。アニメ版「スパイ・キッズ」か。 |
| 映画 | 2005/6/22 |
| 「バットマン ビギンズ」 クリストファー・ノーラン監督(映画館) 2005年 |
| わたしの中で「バットマン」といえば40年近く前のテレビシリーズ。アメリカで大人気という評判だったけど、たしかそれほどおもしろいとは思わなかった記憶がある。なんか緊張感のない明るいヒーローものだったような気がする。能天気な「ババババババババ〜バットマン〜♪」という主題歌は印象に残っている。 今までの「バットマン」映画はまったく観てなかったけれど、この映画はけっこう楽しめた。最初は「スター・ウォーズ エピソード3」までのつなぎのつもりで観にいったのだが、これがかなりツボだった。 もともとバットマン自体にはあまり興味なく、ゲイリー・オールドマン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマンというおじさまたち目当てだったが、これが期待以上のおじさま活躍映画で、大満足。おじさま軍団バンザイ! でもエンドロールでルトガー・ハウアーの名前を見たときはびっくり。どこにでていたのかまるでわからなかった。よく考えてみると、社長代理役だった。そういえばどこか見覚えがあって「たぶん名前のある役者なんだろうなあ」と思って観ていた。ちょっと他のおじさまたちが素敵すぎて、損な役回りだった。 そしてノーチェックだったのに一番心ときめいたのが、執事(これだけで好感度アップ)役のマイケル・ケイン。おおらかで優しくてそしてユーモアもあって渋い。献身的にバットマンに仕え、時には父のように彼を支え叱咤激励する。ふたりの絆の強さは感動的。「ぼくを見捨てない?」「Never」この「Never」にはぐっとくる。これからもずっとバットマンを支えてあげてください。 ゲイリーは登場時からもうずっと「いいひと」のまま。ゴミ出しするゲイリー、ガッツポーズするゲイリー、ああ、かわいいよう〜。ようやくあの可愛いお顔に見合った役柄がまわってきた。彼はかわいいのだ。これを機会にこういう役が増えてくるといいけど。どうかこの映画が「ゲイリーの唯一のごく普通の善人役」なんてことになりませんように。 リーアムはこれまたかっこよく、どこからみてもジェダイマスターとして新しいパダワンを鍛えていた。でも忍者や「影の軍団」がでてきたところは、ずっこけた。いっそ服部半蔵=千葉真一を出せばよかったのに。それじゃあタランティーノか。 われらが渡辺謙は期待してたわりには出番が少なくちょっと残念。しかし英語うまいのには感心。あんなにできるなら最初から英語で話せばいいのに。 モーガン・フリーマンはもうそこにいるだけでいい。この映画のほかにも「ダニー・ザ・ドッグ」にも出るそうで、こちらは…微妙。だってリュック・ベッソンだしなあ…。 そして肝心の主役クリスチャン・ベール。この人はたして美男子なんだろうか?どうにも不思議な顔で、見ようによってちょっとトム・クルーズに見えたり、ティム・ロスに見えたり。だからパーツとしては美形なんだろうなあ。髪型のせいかヒマラヤでの修行中は別人に見えた。バットマンに変身したときは声を低くするのが芸が細かい。そして口元が印象的。薄い唇で、マスクなしの素顔の時もあまり大きく口をあけないでしゃべっていた。パンフレット見て驚いたのは「マシニスト」のあのガリガリの青年(映画は未見)だったこと。すごいなあ。 全体に画面も暗く、お話も能天気さは微塵もないんだけど、適度にクスっと笑えるところはある。バットマンの誕生秘話を丁寧に見せてくれ、わたしはとても気に入った。 |
| 2005/6/25 |
| 『暁の円卓2 情熱の歳月』 ラルフ・イーザウ(酒寄進一訳) 長崎出版 2004年 |
| 第1巻の最後の第一次世界大戦の描写は凄かった。今回はオックスフォードに進学したデービットとトールキンの邂逅があった。トールキンはでてくるかも知れないと思ったが、まさかこんなに親密な会話があるとは。「指輪物語」に通じる話題には興奮した。それにしても作者は本当によく調べてある。デービットとレベッカの結婚式のときの葬列が、『ネシャン・サーガ』にリンクしていた。あの幻想的な美しい白い花が『ネシャン』の世界を思い出させてくれた。 |
| 2005/6/27 |
| 『暁の円卓3 暗黒の歳月・前編』 ラルフ・イーザウ(酒寄進一訳) 長崎出版 2004年 |
| 前巻でトーヤマを倒したデービッドだが、そのかわり親友を失った。この作品、デービッドが決して超人的な働きをするわけでなく(能力はあるが)きわめて人間的な戦いかたをしていて、リアルだ。ただそのためデービットの味方が次々災難に遭うという彼にとっては非常に辛い展開になっている。大切な人々を奪われ続け、深く心を傷つけられ神経がやられる彼が痛々しい。しかし失った分新たな味方もでき、そこは希望が生まれる。歴史と推理とファンタジーの混ざった、とても好みの作品だが、少々展開がのろい気がする。それだけ次が待ち遠しいということか。 |
| 2005/6/27 |
| 『θは遊んでくれたよ』 森博嗣 講談社ノベルス 2005年 |
| 「Gシリーズ」第2弾。ただ前作『φは壊れたね』は「Qシリーズ」と銘打っていたが。なんとも微妙だった前作に比べ、これは文句なく面白くてほっとした。ただここまでくるともう、何をみてもどこかに四季さんとの繋がりを探してしまう。今回久しぶりに保呂草さん(声だけ)と各務明良(らしい女性)がでてきて、おまけに名前だけだけど四季さんも出てきて、ますます関連を予想させる。犀川さんが市役所に何の用事があるのかが気になる。 |
| 2005/6/28 |
| 『二つの旅の終わりに』 エイダン・チェンバーズ(原田勝訳) 徳間書店 2003年 |
| 現代のジェイコブの章と、第二次大戦時のオランダの少女ヘールトラウの章が交互に語られる。以前最初のジェイコブの章だけ読んで、ちょっとイマイチだったので返却期限がきていたのでそのまま返却してしまった。それがヘールトラウの章を読んだら、これがおもしろい。この部分だけでひとつの作品になる。ジェイコブの章で現代の彼自身と社会が抱える、問題を描いている。とても多くの問題が詰め込まれている。ひとことではいえないがいろいろ感動的な言葉が多くあった。しかしこのジェイコブ、17歳の少年なのに「アンネの日記」が愛読書で、アンネに理想の少女をみているなんて、少し幼くないだろうか。そういう点で同じ著者の『おれの墓で踊れ』のハルが「生涯の友」を夢見続けていたのにも通じるものを感じる。たぶん作者はそういう純粋な心を大切にしたいと思っているのだろう。作者は作家になる前、教師やキリスト教の伝道師をしていたということだが、それも関係あるかもしれない。少し説教くさいのもそのせいか。 |
| 2005/6/29 |
| 『星を帯し者 <イルスの竪琴1>』 パトリシア・A・マキリップ(脇明子訳) ハヤカワ文庫 1979年 |
| 「イルスの竪琴」シリーズの第1巻。この巻だけ1999年に第10刷として刊行された。2、3巻は復刊ドットコムでも希望者多数だった。だって「これから」ってところで終わってるんだもの。なぜ2,3巻が刊行されないのか不思議。この1巻の売れ行きが不振だったのか?実は前半は何が何だかわからないまま進んでいって正直読むのが苦痛だった。病院の待ち時間や電車の中で切れ切れに読んでいたせいもある。後半一気に読んだら、すごく面白かった。なのに、続きが読めないのは酷だ。早く復刊してほしい。 |