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2006/4/1
『殺戮にいたる病』
我孫子武丸 講談社文庫 1996年
途中のエロ・グロの描写に辟易した。ここまで描く必要あるのか?完全に予想外だった。ところどころ文面通りに受け取ると違和感がある部分があり、トリックというか真相はある程度予測はついた。それでもこの真相はやはりすごい。発表当時に読んでいたらもっとすごい衝撃だったろう。




2006/4/1
『カーの復讐』
二階堂黎人 講談社ミステリーランド 2005年
ミステリーランドでこれだけ読み逃していた。本物のルパン・シリーズみたいで、楽しかった。犯人はわりとすぐにわかる。




2006/4/2
『お言葉ですが…10 ちょっとヘンだぞ四字熟語』
高島俊男 文藝春秋 2006年
あとがきで、単行本になるのはこれが最後だとあった。売れ行き不振らしい。うわーごめんなさい。わたしも単行本は図書館で借りて、文庫になってから買ってました。一年に一回楽しみにしていた本だったけど、これからは文庫で出し続けてくれないかな。




2006/4/3
『図書館戦争』
有川浩 メディアワークス 2006年
「図書館の自由に関する宣言」をネタに、こういう物語をつくりあげるとは。たしかにおもしろいけど、絶賛するほどではない。本を守るために武装しなければならない世界を、想像するのは辛い。『華氏451度』や映画「リベリオン」にあるように、現実的にも<焚書>の可能性はゼロじゃないのだろうけど。『れんげ野原のまんなかで』のほうが好ましいし、いっそ『図書館戦隊ビブリオン』のようにつきぬけたファンタジーならいいのだけど。でも充分おもしろかったし、図書隊の職域や図書隊員の階級と徽章には笑った。これでいくとわたしは後方支援部員になるわけだ。




2006/4/3
『法月綸太郎の新冒険』
法月綸太郎 講談社ノベルス 1999年
以前読んでいたのにまた借りてきてしまった。でも忘れ果てているので新鮮に読めた。「身投げ女のブルース」だけは覚えていた。




2006/4/4
『法月綸太郎の功績』
法月綸太郎 講談社ノベルス 2002年
こちらは本当に初読み。短編集なので軽く読めてふつうにおもしろかった。綸太郎と父親とのやり取りもおもしろい。同じ身内に警察関係者がいても、浅見光彦のように嫌味じゃない。




2006/4/6
『影との戦い ゲド戦記T』
ル=グウィン(清水真砂子訳) 岩波書店 1976年
ジブリのアニメ映画の前に原作を再読。あらためてすごい作品だと思う。作者が物語の舞台、地図、言語、をしっかり作り上げているところは『指輪物語』にも通じる。ゲドもかっこいいけど、オジオンやカラスノエンドウがいい。




2006/4/8
『こわれた腕輪 ゲド戦記U』
ル=グウィン(清水真砂子訳) 岩波書店 1976年
ゲド壮年期の話だが、この巻の主人公は少女テナー。このテナーが大巫女に選ばれるところは、ダライ・ラマの選出に似ている。この巻は好きな話だ。




2006/4/15
『さいはての島へ ゲド戦記V』
ル=グウィン(清水真砂子訳) 岩波書店 1977年
若き王子アレンとゲドの旅。映画はこの巻を中心にするらしいが、お話としては1巻のほうがおもしろいと思うのだが。




2006/4/17
『歌う木にさそわれて』
マルガリータ・リンドベリイ(石井登志子訳) 徳間書店 1997年
期待していたが、それほどでもなかった。こういう物語なら『アリューシャン黙示録』や『エイラ』のほうが格段におもしろい。




2006/4/20
『帰還 ゲド戦記最後の書』
ル=グウィン(清水真砂子訳) 岩波書店 1993年
友人はこの巻こそ素晴らしいと絶賛するのだが、わたしはこの巻自体はジェンダーを扱った話として好きなのだが、これを「ゲド」でやられるとどうしても違和感がある。別の設定別の登場人物で外伝風に描けばよかったのにと思うが、前3巻があるからこそおもしろいことも事実。どうとらえればいいのかいまだに迷う一編。




2006/4/21
『マリアンヌの夢』
キャサリン・ストー(猪熊葉子訳) 冨山房 1977年
タイトルからおとぎ話かなと予想していたら、とんでもなかった。これ今年のベストかもしれない。マリアンヌの病気が何なのかはっきりとは書かれていなくて、最初はそれが気になった。最後に判明するかと思ったらそれもなし。でもだからこそ夢の不気味さ怖さがよけいに際立つ。こどもにとって病気になるということは、日常から切り離されとても心もとない状況におかれることだが、その何と言っていいかわからない不安がものすごくよく描かれている。 何でマークと夢で会えるのかとかの説明もないのだが、もうそんなこと気にならなくなり、ただただこの不安定さに揺さぶられる。泣きたくなるほど怖かった。




映画 2006/4/23
「ハサミ男」
池田敏春監督(DVD) 2005年
あのトリックを、これしかないだろうというやり方で見せて、途中まではけっこう感心していた。特に主演の二人がハモるシーンではゾクゾクした。それだけにあのラストが残念だった。あれはいらないだろう。




2006/4/25
『見習い物語 上下』
レオン・ガーフィールド(斉藤健一訳) 岩波少年文庫 2002年
おもしろく読んだ。18世紀のロンドンを舞台に、1月から12月までの12編の物語がおさめられている。各編にそれぞれ違った職業の見習いがいて、そこから当時の風俗がうかがえるところや、それぞれの話が他の話と微妙に結びついているところもおもしろい。




2006/4/27
『チューリップ・タッチ』
アン・ファイン(灰島かり訳) 評論社 2004年
どうすればよかったのだろうかと暗澹たる気持ちになる問題作。ここまで追い込まれた子どもを救うには捨て身でかからないとならない。だが実際にそれはとても難しい。わたしはナタリーの立場で考えてしまい、自分を取り戻すためにはチューリップを切るしかないと感じてしまった。さらに母親の立場ならやはりチューリップとは距離をとってほしいと願うだろう。どんなにきれいごとを言っても、人は結局自分が自分の子どもが誰よりも可愛いのだ。ほんの少し心は痛んでもその「痛んでいる」ことで自分は優しい人だと思うことができる。自分の中の偽善に気づかされてしまう作品。
萩尾望都の『残酷な神が支配する』を思い出してしまった。あれも暗い話だが、最後は希望が見えた。ジェルミにはいっしょに墜ちていってくれるイアンがいたから。チューリップには誰もいなかったのだ。




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