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2006/6/2
『レタス・フライ』
森博嗣 講談社ノベルス 2006年
最初と最後の作品が(中篇)今までのシリーズとリンクしていて、おもしろかった。ただそういう楽しみ方しかできないとも言える。




2006/6/2
『容疑者Xの献身』
東野圭吾 文藝春秋 2005年
なるほどこれは献身だ。読みやすくすいすい読めだいたい予想はつく。わかっていてもラストはちょっと泣かせる。いつもながら達者だ。でもこれで直木賞とるなら、絶対『白夜行』でとるべき。




2006/6/3
『気分は名探偵』
我孫子武丸他 徳間書店 2006年
犯人当てアンソロジーだが全然分からなかった。巻末の覆面座談会はだいだい分かった。そこで一番驚いたのは麻耶の顔が丸くなっていたこと。幸せな結婚生活を送っているらしい。よかったね。
「ガラスの檻の殺人」 有栖川有栖
「蝶番の問題」 貫井徳郎
「二つの凶器」 麻耶雄嵩
「十五分間の出来事」霧舎巧
「漂流者」我孫子武丸
「ヒュドラ第十の首」法月綸太郎




映画 2006/6/4
「バグダッド・カフェ」
パーシー・アドロン監督(DVD)1987年
最初は一体何が起こっているのかよく分からなかった。画面が斜めになってるし、太った女の人ジャスミンは暑苦しいし。しかしその彼女がだんだんきれいに見えてくる。特に目を閉じて男の子のピアノを聴いている姿は本当にきれいだ。画家が描きたくなるのももっとも。何とも不思議で魅力的な作品。




2006/6/6
『針さしの物語』
メアリ・ド・モーガン(矢川澄子訳) 岩波少年文庫 1997年
童話というより幻想小説とよんだほうがいい短編集。なんともいえず不思議でちょっぴり怖くて、他にない雰囲気の作品ばかり。児童書は奥が深い。




2006/6/8
『ビート・キッズ』『ビート・キッズU』
風野潮 講談社文庫 2006年
待望の文庫化。一気に読んだ。久しぶりだったがやっぱりおもしろい。主人公英二を取り巻く環境は決して恵まれていないのだが、大阪弁と彼のアホぶりで物語が悲痛にならずにいる。読んでいて彼らの音楽が聞こえてくるようだ。




2006/6/10
『あなたに不利な証拠として』
ローリー・リン・ドラモンド(駒月雅子訳) 早川書房(ハヤカワ・ミステリ) 2006年
非常に魅力的なタイトルに惹かれた。女性警官を主人公にした短編集。著者が実際に警官だったこともあり、死体の描写や捜査のやり方がリアル。主人公の女性警官たちはそれぞれ仕事に誇りを持ち、忠実に職務をまっとうし懸命に生きている。が、爽快感や痛快感より悲壮感のほうが強く残る。




2006/6/14
『嫌われ松子の一生』
山田宗樹 幻冬舎 2003年
まあおもしろいけど、そんなに感動はしないし、どうも感心しない。主人公がそんなに不幸だとは思えない。努力して頑張って一所懸命に生きて、ソープ嬢(当時はトルコ嬢)でも美容師でも登りつめていく。それを不幸と呼ぶだろうか?成功を手にしそうになったその瞬間になぜか最悪の選択をしてしまうところが、不幸ということもできるのだがそれも自分の決定だし、本人は幸せなんじゃないのか。 じっと耐えていたのが肝心の決定的なある一瞬にプツンと切れてとんでもない方向へ行ってしまう。自分にもそういうことはある程度ある。主人公の場合それがものすごく大きくて、そこがまあかわいそうといえばいえるのだが。でもそれが書き方のせいなのか、悲惨というよりむしろちょっと滑稽に見えてしまう。この作品は映画のほうがおもしろく出来るんじゃないだろうか。




2006/6/19
『鳴りひびく鐘の時代に』
マリア・グリーペ(大久保貞子訳) 冨山房 1985年
何という不思議な話だろう。これが児童書?ファンタジー?まるで心理学か哲学書のようだ。周囲の期待する役割にしばられている主人公の姿が胸をうつ。主人公だけでなく登場人物誰もがそうなのだが。その中で一番自分の役割に誇りを持ち、静かに毅然と生きているのが首切り役人(斬首刑執行人)のミカエルというのも興味深い。

「自分たちが長年つきあってきたのは、生きてそこにいるアルヴィドではなく、未来の王という、頭のなかのイメージにすぎなかったのに、それがみんなにはわからなかったのだ」

最初の章のこの部分にはうならされた。人は見たいものしか見ず、聞きたいことしか聞かないのだ。これは『針さしの物語』を読んだときにも感じたことだった。そのほか心ひかれる印象的な文章が随所にでてくる。しかしお話がどこに落ち着くのか分からず混乱したことも確かだ。 なぜアドヴィドは眠れないのか。そしてあのままずっと眠らずに生きていくのか。その説明がされていないのだが、それこそがこの話がファンタジーに分類されるゆえんなのかもしれない。アルヴィドはじめヘルゲ、エンゲルケ、エリシフ、それぞれ魅力的。ヘルゲの叔父ミカエルも素敵だ。この人は挿絵でもとても素敵に描かれている。挿絵は『忘れ川をこえた子どもたち』と同じく著者の夫ハラルド・グリーペ。




2006/6/26
『オリエント急行とパンドラの匣』
はやみねかおる 講談社青い鳥文庫 2005年
副題に『名探偵夢水清志郎&怪盗クィーンの華麗なる大冒険』とある、その通りの内容。にぎやかで楽しいお話だった。




2006/6/27
『εに誓って』
森博嗣 講談社ノベルス 2006年
シリーズ第5弾。はじめから少し違和感があったのだが、やはりバスのニュースではドキドキした。このバスに乗っている人たちの心情がやるせなくて辛い。四季さんと犀川さんの会話が読めたのが嬉しい。それにしてもどこにいくのか、このシリーズ。




映画 2006/6/28
『プライドと偏見』
ジョー・ライト監督(DVD) 2005年
タイトルが最悪。どうして素直に「高慢と偏見」か「自負と偏見」とできなかったのか。なんともむずむずと落ち着かない。
ただ映画を見終わってからだと、これはこれでいいのかな、と思った。つまり原作では「(ダーシーの)高慢と(エリザベスの)偏見」だったが、映画だとダーシーが全然高慢に見えない。むしろエリザベスがダーシーの妹や叔母に対して自分の矜持を失わずにいる様子がよく描かれているので、「エリザベスのプライドと偏見」というふうにしか見えない。
原作を読んだのはもう30年前なのですっかり忘れていた。こういう話だったんだ…。この時代の女性の扱いのひどさに驚いたが、わたしが若い頃はまだこういう意識が日本でもかなりあったっけ。いや根本的にいまでも世間(というか世間を構成する男性)には、まだまだこういう意識が根深く残っていると思う。
そんな中でのこのヒロインの聡明さ、ものおじしない振る舞いは小気味いい。演じるキーラ・ナイトレイにもとてもよく似合っていた。そして相手のダーシーだが、写真で見たときはなんとさえない男かと思っていたら、映画のなかではいやーかわいかった。彼は尊大なのではなく不器用で誠実な男性だということがよくわかる。あんなこと言ったらエリザベス怒るにきまってるじゃないか、という場面が多いのだが、そこがかわいい。
終わり方もとてもいいなあと思っていたら、なんとアメリカ版エンディングというのがあって、それが予想通り(というより予想以上)だったので唖然とした。あの粋なラストシーンが台無しではないか。なんでこうもハリウッドはラブラブシーンをみせたがるのか。




2006/6/29
『十角館の殺人』
綾辻行人 講談社文庫 1991年
綾辻を初めて読んだのがこれ。そして今もこれが『霧越邸殺人事件』と並ぶベスト。好きという点では『霧越邸』が一番なのだが、衝撃度はこれ。読み直してもその思いは変わらなかった。




2006/6/30
『かもめ食堂』
群ようこ 幻冬舎 2006年
おもしろい。映画は観たかったのに観られなかったのでこちらを読んでみたが、とてもよかった。映画では描かれずにいるらしいサチエやミドリの背景が書き込まれていて、それも楽しかった。やっぱり映画も観たいなあ。




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