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2007/6/1
『停電の夜に』
ジェンパ・ラヒリ(小川高義訳) 新潮社クレストブックス 2000年
まず作者の美貌に驚いた。インド人には美人が多いと聞いてはいたが、これほどの美人にはめったにお目にかかれない。なんかもうそれだけで許せちゃう気がする。
訳者あとがきにあるとおり「何らかの意味でアメリカとインドの狭間に身を置いた人々の、いつもの暮らしの中に生じた悲劇や喜劇を、じっくり味あわせてくれる」短編集だった。表題作の期待を裏切るラストも見事だが、訳者もあげている「三度目で最後の大陸」が心に強く響いた。




2007/6/1
『ぼく、デイヴィッド』
エリナー・ポーター(中村妙子訳) 岩波少年文庫 2007年
しばらく翻訳ものの一般書を読んでいて、それはそれでとてもおもしろかったのだが、この作品を読んでしみじみと自分は児童書が好きなのだなと感じた。甘いのかもしれないが、やはりこういうのどかなおとぎ話のような作品は、心をなごませてくれる。
このデイヴィッドは、父親によって一般社会から隔絶され独特の倫理観で育てられたため、純粋ではあるがちょっと困ったちゃんでもある。だから最初は「うへ〜こんな子と一緒にいたくないなあ」と思ってしまうのだが、もともと素直で悪気のない子なので憎めない。周囲の人々も次第に彼に影響をうけていく。ここらへんやはり「少女パレアナ」の作者だなあと思う。 予想通りハッピーエンドで終わるのもいい。これは1916年に書かれたものなのでどうしても古いと感じる部分もあるのだが、わたしはとても好きだ。訳者も子どもの頃読んでとても好きだったので訳したというし、わたしたちの年代の人にはとても好ましく思える作品だと思う。いいじゃないのさ、古くても。ただし「ホームレス」という訳語だけはどうかなと思う。この言葉だけが現代風で浮いている。




2007/6/1
『海駆ける騎士の伝説』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(野口絵美訳) 徳間書店 2006年
ダイアナのデビュー前の作品。だから初期の『星空から来た犬』同様読みやすい。 ダイアナのあのややこしさに慣れた読者としては物足りなさもあるけど、素直なファンタジーとして楽しくすいすい読めた。悪人の正体がばれるのが早すぎたりするのもご愛嬌。主要登場人物が単なるいい子じゃない、というダイアナらしさはここでも充分味わえる。




2007/6/2
『読書会』
山田正紀 恩田陸 徳間書店 2007年
対談形式で主にSFについて山田、恩田両氏に加えていろいろな方が熱く語り合っていて、とてもおもしろかった。 特に『ゲド戦記』については、今までわたしの周りでは賞賛しか聞かされてなかったし、ちょっと異見を言うのが憚れる状態だったので、とても新鮮だった。そうだよなあ、やっぱり。わたしのように感じる人もいていいんだ。
ここに取り上げられている作品は『ゲド』のほかは『バルバラ異界』しか読んでいないが、他の作品も読んでみたくなってくる。しかしみなさん本当によく読んでいらっしゃる。




2007/6/3
『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』
太田直子 光文社新書 2007年
「字幕屋の言い訳」と著者も言っているが、知らないことがたくさんあり、字幕についてあれこれ文句つけてたのを少し反省。必ずしも字幕屋さんの責任ではないことがよくわかった。
「ロード・オブ・ザ・リング」について、原作愛好者を説得するため、原作に忠実な字幕版を作ったという話には驚いた。それだけ突き上げもすごかったのだろうけど、映画会社も誠意をもってあたったんだなあ。あの映画はそういう意味でもとても恵まれた映画だったんだなあとあらためて思う。
著者が日本語について「変」と思うことは、いちいちごもっととうなずくことばかりだった。




2007/6/4
『グレート・ギャツビー 愛蔵版』
スコット・フィッツジェラルド(村上春樹訳) 中央公論新社 2006年
わたしが「ギャツビー」という作品を知ったのは、学生時代に上映された「華麗なるギャツビー」だった。当時大変に人気のあった二枚目俳優ロバート・レッドフォードがギャツビー役だった。 映画自体は観ていないのだが、話題になったので内容はだいたい知っていた。今回はじめてこの作品を読んだのだが、とても読みやすかった。他の訳を知らないので、それが村上春樹の訳のせいなのかはわからない。ほろ苦い青春小説でおもしろかったのだけれど、訳者の思い入れほど素晴らしい作品とは思えなかった。たぶん昔読んでいたら違った感想を持ったのだろう。




2007/6/7
『日の名残り』
カズオ・イシグロ(土屋政雄訳) 中央公論社 1990年
映画のほうを先に観ていたので、つい主人公の執事をアンソニー・ホプキンスに置き換えて読んでしまった。老執事の回想は誇り高く丁寧で上品なのだが、だんだんそれが少し愚痴っぽく自己弁護風に聞こえてくる。 どうもこの執事が語るほど主人はたいした人物ではなく、屋敷の格式だって高いものではなかったらしい。映画のほうがしみじみと感動的なのだが、原作に比べると少しきれいごとに思えてきた。もちろん映画の感動が薄れたわけではないが、原作にはより深い味わいがあると思った。 映画を先に観たときは、どうしてもそちらのほうの印象が強くて原作を素直に楽しめないことが多いのだけど、この作品はかえって深い感動を与えてくれた。それだけ優れた作品なのだろう。




2007/6/8
『わたしたちが孤児だったころ』
カズオ・イシグロ(入江真佐子訳) 早川書房 2001年
ものすごくややこしくわかりにくかったのだけれど、結局最後まで読み通したので、やはりひきつけるものがあったのだろう。
回想している主人公の現在の時間も作品中でどんどん過ぎていくし、回想のなかでもさらに回想が入ったり、そのうえ主人公の「こんなこと本気で信じてるの?」と呆れるような言動に、ほとほと疲れてしまった。
だが「(自分は)子供時代にずっと生き続けていて、今ようやくそこから旅立とうとしている」という主人公の言葉にようやく納得した。「大の大人がこんなこと本気で信じてるのか?」と思っていたが、なるほど彼はある点においてはずっと子供だったのだ。 だからこういうタイトルがついているのだ。
訳者あとがきに、この作者の作品では常に「信頼できない語り手」が登場するとあったが、たしかにこの作品の主人公はまさにそれだし、『日の名残り』の主人公もそうだった。




映画 2007/6/9
「ボーン・コレクター」
フィリップ・ノイス監督(テレビ放映 吹き替え) 1999年
アンジェリーナ・ジョリーが若く可愛い。この人は本当に美人だと思う。デンゼル・ワシントンもまだ太ってなくてかっこいい。「シカゴ」のママ・モートンが出演していたのは嬉しかった。出演者も話も悪くない。 ただ犯人があまりにもショボかったのが痛い。逆恨みの私怨なんかより、彼に心酔し研究熱心なあまりミイラ取りがミイラになった、というほうがおもしろかっただろうに。




2007/6/10
『わたしを離さないで』
カズオ・イシグロ(土屋政雄訳) 早川書房 2006年
なんだろうこの静かな感動は。ああ、好きだなあ。とてもよかった。
登場人物たちの青春時代の描写に、胸がいたくなるほどの郷愁を覚える。ものすごく異様でおぞましい世界設定なのに、そんな中でも少年少女たちは成長し友情を育んでいく。ごく普通のこどもたちのように。だからごく当たり前の青春小説として読めたのだ。 普通こういう設定だと、ある種の抵抗勢力や反逆組織があるものなのに、ここではささやかな抵抗があるとはいえ、それはシステムそのものを変えようとするものではない。 根本的なことは何も変えようとしていないし、何も変わらない。主人公達もそれを受け入れている。だからこそよけい切ない。




2007/6/11
『贖罪』
イアン・マキューアン(小山太一訳) 新潮社 2003年
もともとキーラ・ナイトレイ主演の映画「Atonement」の原作というので興味をもったのだが、傑作という噂通り重厚な文学作品だった。
第1章では主人公が「罪」を犯すまでがさまざまな人の視点で描かれていく。主人公が13歳の文学少女ということで、彼女の肥大した自意識や年齢相応の潔癖さ、それゆえの幼い誤解など、それが痛くて痛くて。身に覚えあって気恥ずかしくなるくらい。登場人物たちのそれぞれの心理描写が実に細かく、それが息詰まる緊張感を生み出し、じりじりと悲劇へ突き進んでいく。もう読んでてしんどいこと。
一転して第2章3章では数年後の「戦争」がメインに描かれる。この戦争の描写、(戦闘場面ではなく戦禍や病院の描写)もまた臨場感あふれたすごい迫力。そしてラスト老いた少女の回想があり、そこで真相が語られはじめてタイトル「贖罪」の意味がわかる。なんという話だろう。報われない終わりのない「贖罪」に呆然とする。作家となった少女はこうするよりほかなかったのか。しないではいられなかったのか。どんなことをしてももう取り返しはつかないのに、けれどだからこそ彼女は「作家」として「贖罪」を続けずにはいられない。そうしないと辛すぎるから。作家の贖罪とはこういうものなのか、とそこに底知れない哀しみや業の深さを感じた。




映画 2007/6/13
「スプラッシュ」
ロン・ハワード監督(テレビ放映星第二) 1984年
トム・ハンクス若い!ダリル・ハンナ可愛い!




2007/6/14
『あかりの木の魔法 こそあどの森の物語9』
岡田淳 理論社 2007年
こそあどの森の最新刊。懐かしい森の住人にまた出会えて嬉しい。今回は旅の腹話術師とその相棒のカワウソが登場。森のみんなであかりの木を眺めるところは幻想的な美しさ。このシリーズはやっぱり好きだ。




映画 2007/6/14
「メメント」
クリストファー・ノーラン監督(DVD) 2000年
時系列を逆にたどっているので、最初は何がなんだかわからないが、それが記憶が10分しか続かない主人公と同じ気持ちにさせられる。同じ混乱を味わってしまう。こういう見せ方もあるのか。すごい映画だった。




映画 2007/6/16
「プレステージ」
クリストファー・ノーラン監督(映画館) 2007年
期待通りのおもしろさだった。 映像はきれいだし、「メメント」の監督らしく構成がすごくうまく、冒頭から釘付けだった。
そして何よりキャスティングがすごくよかった。この二人が逆でもおもしろかったろうけど、恵まれた容姿と見せ方の上手さで華麗な舞台を作り上げるアンジャーはジャックマン、本来すごいマジックなのに見せ方が地味でダサいボーデンはベール、というのがやはり適役だったと思う。
実はヒュー・ジャックマンがこんなにかっこいいなんて思ってなかったので、それが一番の驚きだった。あのしわくちゃの顔さえ美形に見えるし、そしてなによりスタイルがよく、動きがきれい。そのうえ演技も上手いじゃないの。「今まで過小評価していて悪かったよ」と彼に謝りたい気分。
そして映画が終わり仕掛けられたトリックが分かった後では、思い出されるのはベールのほう。相変わらずの細かい演技に感心し、子どものような笑顔に見とれ、ああやっぱり彼はかわいい。
内容は二人のマジシャンによるマジック対決というよりも、マジックに取り付かれた男達の執念と悲劇というもの。どんな手を使っても、相手の種を見破って相手より受ける舞台をやってやろう!という執念のすさまじさ。それはいつしか愛する妻や家庭よりも彼らを虜にしていく。人間としての幸せより、マジシャンとしての幸せを求めた悲劇ともいえる。 特にアンジャー(ジャックマン)のほうにより強くそれを感じた。お互い相手の足の引っ張り合いやってるけど、アンジャーのほうはまだ同情の余地があるけど、ボーデン(ベール)のほうのえげつなさは「ここまでやるか」というほど。そんなこともあって上映中はどうしてもアンジャーに肩入れしたくなった。 アンジャー=ジャックマンは直情的でわかりやすく、ボーデン=ベールは複雑で何考えてるのか分からない。それぞれの持ち味がよく出ていて、どちらのファンも満足できると思う。
「華麗なるマジック対決を期待していくとがっかりする」という声もあるようだが、これはもともとそういう映画じゃなくてアンジャーとボーデンの心理劇なんだから仕方ない。 たしかに肝心のマジックのトリックは「へ?」というもので、ここがひっかるとダメかもしれない。細かいところに突っ込みどころもあるけれど、わたしたちはすごく楽しめたので大満足。原作『奇術師』も読んでみたくなった。




映画 2007/6/17
「スパイダーマン3」
サム・ライミ監督(映画館) 2007年
いろいろ盛り込み過ぎの割には、まあまあまとまっていた。




2007/6/18
『イナイ×イナイ』
森博嗣 講談社ノベルス 2007年
新シリーズ。Gシリーズがあるのに並行して新シリーズ書くなんて、森さん器用だなあ。 結構おもしろかった。今までになく本格な道具立てで、とても森さんとは思えない。でもキャラクターはやはり森さんだなと思った。




2007/6/18
『錬金術』
マーガレット・マーヒー(山田順子訳) 岩波書店 2005年
おもしろかった。同じ著者の『めざめれば魔女』や『足音がやってくる』と同じく、少年の成長と家族がテーマ。 そこに魔法という要素が入るのも同じ。わたしが読みなれたせいか、前2作よりすんなり読めた。少年の心理が細かく描かれ、その不安定さがリアルでとても共感できる。 最後に大騒ぎが見事に収束するのは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズと似ているが、ダイアナの取っ散らかったにぎやかさに比べ、こちらは大騒ぎしていても落ち着いた理性的な感じを受ける。
わたしが一番印象に残ったのは、ジェスがウィリアム・ブレイクの詩をくちずさむシーン。

  ひとつぶの砂に世界を見ることは、
  一輪の野生の花に天国を見ることは、
  手のひらのなかに無限をにぎりしめ、
  ひとときのうちに永遠をとらえること

たぶん魔法も錬金術も科学も芸術も元は同じ、この宇宙の真理をときあかすこと、ではないだろうか。それを感じることができ、解明しようとし表現しようとする人々が、芸術家であり科学者なのだろう。




2007/6/19
『クロニクル千古の闇3 魂食らい』
ミシェル・ペイヴァー(さくまゆみこ訳) 評論社 2007年
ウルフが助かったのはよかったけど、そのためにトラクがまた秘密を抱え込んでしまった。なんだが気持ちが暗くなってきた。




2007/6/21
『星新一』
最相葉月 新潮社 2007年
大変な労作。読む前はその長さにちょっとくじけそうだったが、読み始めたらぐいぐい引き込まれていた。星新一の生い立ちから晩年までが、膨大な資料と関係者の証言をもとに描かれている。 父親星一についての記述も多く、若い頃『人民は弱し 官吏は強し』を読んで強く印象に残ったこの人物に、また出会えたことも嬉しかった。
SF黎明期の様子、作家達との交友など熱気と興奮にあふれ、わくわくしながら読んだ。それに比べて、こういう伝記では仕方ないことではあるが、どうしても晩年の姿には淋しいものを感じてしまう。 前人未踏の1001話誕生の場面ではあれほど感動したのに、その後の「記録としては残ったが、文学的な評価はなんら与えられなかった」という記述に、切なくやりきれない思いを抱いた。 そのことの無念があったのか、「せめて時代が変わっても読み続けられるように」と、作品の手直しを続けていた姿には、執念というより哀しみを覚える。
図書館にも星さんの本はたくさんあり、児童書コーナーの理論社が出している『ショートショート集』は人気があり、いつも何冊かは貸出中になっている。「星さん、あなたの望んだようにあなたの作品はちゃんと読み継がれていますよ。いつも新しい読者を獲得していますよ」と天国の星さんに呼びかけたい。




2007/6/25
『鴨川ホルモー』
万城目学 産業編集センター 2006年
なんだがゆるーい感じで、少し物足りなく感じていたが、ラスト近くの戦いの場面から俄然盛り上がりおもしろくなった。




映画 2007/6/26
「レベッカ」
ヒチコック監督(DVD) 1943年
久しぶりに観たがやはりおもしろかった。レベッカの死体が発見されてからが、思っていたより長かった。




映画 2007/6/27
「パイレーツ・オブ・カリビアン3 ワールドエンド」
ヒチコック監督(DVD) 1943年
もうむちゃくちゃおもしろかった。誰が何をしたくて何をやっているのか、誰が今どの船に乗っているのか、誰が仲間で誰が裏切っているのか、まったく理解できない話でありながら、最初から最後までおもしろく観られた。
これはひとへにバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)のおかげ。登場時からずっと「バルボッサ〜!」と心の中でラブコールを送り続けた3時間弱。わたしにとってこれは完全に彼の映画だった。
それとキーラ・ナイトレイの男前なこと。特に船の上での演説なんて「王の帰還」の黒門前のアラゴルンより凛々しかった。この二人のほか意外にも悪役のベケット卿の退場シーンが、誰よりも華やかだったのが印象に残った。それにしてもノリントンさんは気の毒でありました。




2007/6/28
『クレイドゥ・ザ・スカイ』
森博嗣 中央公論新社 2007年
森博嗣の「スカイ・クロラ」シリーズ最新作。シリーズの中の時間軸としては、最初に刊行された『スカイ・クロラ』が最終話になり、これはその『スカイ・クロラ』へと続く物語。
ああ、どうしてこのシリーズはこんなに心をゆさぶるのか。『ダウン・ツ・ヘヴン』を読んだあとは、もう何が何だか心が騒いで落ち着かず、とうとうシリーズ全部揃えてしまった。それまでも凄くきれいな装丁だし、魅力的な話だと思ってはいたが、このときは根こそぎもってかれてしまった。 でもそれほど惹かれていながら、物語の細かい点はあっさり忘れ果て、読み返すこともしないままできている、そういう不思議な作品。
『スカイ・クロラ』は1作で終わると思っていたので、こんなに続巻が出るなんて意外だった。好評だったので前日譚『ナ・バ・テア』以降が刊行されたのだと思っていた。 しかし森さんの話だと「シリーズを順番どおり読まなくても問題はない。それを示すために、意図的に最終巻から出した。」ということなので、最初からシリーズものだったようだ。物語の時間にそった順番は『ナ・バ・テア』からはじまり『スカイ・クロラ』で終わる。 たしかにこのシリーズの作品は、それぞれ単独で読んでも、またどこから読んでもかまわないだろう。それでも少し誇らしげに言うのを許されるなら、『スカイ・クロラ』から刊行順に読んできたからこそ味わえる衝撃がある、ということ。 『クレイドゥ・ザ・スカイ』のあとに『スカイ・クロラ』がくる、ただそれだけの単純なものではない。「そうだったのか!」という驚きの連続だ。 そういう衝撃を抜きにしても、この作品はこの物語の世界観がシリーズ中一番強く描かれていて、その考え方になんとなくあの四季さんの存在さえ感じる。
今まで読み返していなかったこのシリーズだが、あらためて今度は時間通りに『ナ・バ・テア』から読んでみようと思っている。




2007/6/30
『血と砂 愛と死のアラビア 上下』
ローズマリ・サトクリフ(山本史郎訳) 原書房 2007年
表紙の絵がまるで映画「アラビアのロレンス」のようだ。サトクリフの今までの作品と違い、舞台がアラビアということもあり、最初は違和感あった。 だいたい主人公がどこで誰と戦っているのか理解できずにもやもやした。しかしサトクリフの特徴である、友情に殉ずる姿を描いた後半はやはりおもしろかった。 ただもともとの作品のせいなのか訳者のせいなのかわからないのだが、ローマンブリテンものなどと比べ、どうも軽い印象をうけてしまう。




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