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2007/8/2
『喪の女王7』
須賀しのぶ 集英社コバルト文庫 2007年
ドーンの復活。やはりザカリア女神と契約したらしい。頑張れグラーシカ。




映画 2007/8/3
「マリー・アントワネット」
ソフィア・コッポラ監督(DVD) 2007年
ポップな少女マンガみたい。もっと派手々しいものかと思っていたら意外とまともで、おもしろかった。
徹底的にアントワネットの視点からだけ描かれているので、ラスト近くのバルコニーでのお辞儀のときまで庶民が全く出てこなかった。 あそこで初めて彼女は民衆に目を向けたのだろう。ラストシーン、パリへ向かう馬車の中でベルサイユへ別れを告げるアントワネットの姿と、主を失い乱雑に荒れたベルサイユの部屋が映される。 つまりこれはマリー・アントワネットという女性の無垢で無分別な(それゆえ魅力的でもあった)少女時代とその終焉を描いているのだ。王妃としての義務と責任感を自覚することなく、ただ自分にしか目を向けていなかった少女の、ふわふわした砂糖菓子のような時代。 (もちろんそれなりの苦難も描かれてはいるが、例えば彼女が王宮を逃れプチ・トリアノンでの簡素な生活に幸せを見出していたことだって、その一見質素に見える生活を演出するために使われた莫大な費用にまでは思いが至らない) だからこれ以降の人間的に成長した彼女の苦難の時代は描かれない。ねらいはわかるし、思ったよりはおもしろかったが、ただそれだけという感じ。 もう少しラストに余韻があれば、これ以降の彼女の運命に思いを馳せて、いっそうベルサイユ時代の砂糖菓子の甘さが際立っただろうに、惜しいと思った。




2007/8/5
『キップをなくして』
池澤夏樹 角川書店 2006年
「キップをなくしたら駅から出られない。そういう子は駅の子になる」都市伝説のような趣のファンタジー。ちょっとありそうなところがおもしろい。駅のことや鉄道のことに少し詳しくなれる。




2007/8/7
『もしも願いがかなうなら』
アン・マキャフリー(赤尾秀子訳) 創元推理文庫 2006年
戦が始まった時、留守を守る領主の奥方と子供達はどうするか。領主といっても小さい村なので戦の間の食料の確保など『大きな森の小さな家』の冬の支度みたいで楽しかった。軽く読めて楽しめる。




2007/8/8
『だれも猫には気づかない』
アン・マキャフリー(赤尾秀子訳) 東京創元社 2000年
猫好きにはたまらないだろう。まさに猫が主役。これも『もしも願いがかなうなら』同様軽く読めて楽しかった。




2007/8/11
『500年のトンネル』
スーザン・プライス(金原瑞人・中村浩美訳) 創元推理文庫 2003年
ファンタジーというよりSFかな。『ゴーストドラム』や『エルフギフト』と同じように、これも児童書とは思えない残虐場面がけっこうある。それを平気で描いてあるのが作者らしくてすごい。16世紀と21世紀と、結局どちらも野蛮だなあ。異文化コミュニケーションは難しい。




映画 2007/8/15
「オーシャンズ13」
スティーブン・ソダバーグ監督(映画館) 2000年
普通におもしろかった。女性陣が出てないのでよかったと思う。




2007/8/19
『ぼくには数字が風景に見える』
ダニエル・タメット(古屋美登里訳) 講談社 2007年
以前NHKで著者を取り上げたドキュメンタリー番組を観て、著者には興味をもっていた。著者の数字の見え方には驚くが、これが「共感覚」というものらしい。 アスペルガー症候群やサヴァン症候群は名前だけは知っているが、正確には知らなかったので、この本で完全とはいえないけれど少しは理解が深まったのはよかった。 著者はたんたんと自分のこと家族のことを綴っている。彼がここまで自立できたのは彼の能力もあるが、やはり家族や周囲の人の理解と支えがあったから。当たり前だけれどそれが一番大切で一番難しいことだと思う。




2007/8/20
『日本でいちばん小さな出版社』
佃由美子 晶文社 2007年
出版社を作るって大変だなあ。著者はその大変さも楽しんでいるみたい。




2007/8/25
『月蝕島の魔物』
田中芳樹 理論社 2007年
やっぱり田中芳樹はおもしろい。この「ミステリーYA!」シリーズの中では、今までで一番おもしろかった。 アンデルセンやディケンズが主要な登場人物として主人公と冒険したり、当時の文壇の様子も垣間見られて楽しかった。スコットランドを舞台にしていることやスペイン無敵艦隊のことなど、知らなかったことも多く勉強になった。 著者があとがきで、十代の読者に向けて「オトナになるということは、それほど悪いものじゃありませんよ」と言っているのが、とても嬉しかった。




2007/8/26
『天より授かりしもの』
アン・マキャフリー(赤尾秀子訳) 創元推理文庫 2004年
城を逃げ出した王女が慣れない家事に四苦八苦する様子がおもしろかった。助けに現れた少年の正体は予想がつく。 この物語では人々はギフトと呼ばれる能力を持っている。自分のギフトが自分の所属する社会では必要とされないものだとしたら、自分の居場所がなくてさぞ辛いだろう。 王女が逃げ出したくなる気持ちもよくわかる。ル=グウィンの『ギフト』と同じ設定だが、そこはあっさり描かれ前2作同様軽く読めておもしろい。




映画 2007/8/27
「レインマン」
バリー・レビンソン監督(ビデオ) 1988年
『ぼくには数字が風景に見える』で著者がこの映画の主人公のモデルに会う場面があり、そういえば話は知っていてもまだ観ていなかったので、この機会にようやく観た。
よかった。ユーモアもあり、兄弟愛に素直に感動できた。ダスティン・ホフマンが上手いことは知っていたが、トム・クルーズが意外とよかったので驚いた。 最後に兄が病院か弟のところかどちらに居たいか問われるところで、何度も同じ質問を繰り返す相手に向かって弟が「これ以上兄を侮辱するな」と言ったところがよかった。自分は兄と暮らしたいけど、そのために兄がこんな目にあわなくてはならないのなら、自分は諦めよう、と決めた弟の姿。 最初は兄を利用することだけしか考えなかった彼が、ここまできたんだなあ。




2007/8/28
『サイン会はいかが?』
大崎梢 東京創元社 2007年
成風堂書店事件メモ三作目だがわたしははじめて読んだ。「暴れん坊本屋さん」ミステリー版というところか。 本屋が舞台ということもあり、謎解きはおもしろいのだが、どうも登場人物にいらつかされた。




2007/8/29
『リンさんの小さな子』
フィリップ・クローデル(高橋啓訳) みすず書房 2005年
こんなに短い物語なのに、深い哀しみと静かな喜びに充たされる。ラストまで仕掛けは分からなかった。涙。




2007/8/30
『灰色の魂』
フィリップ・クローデル(高橋啓訳) みすず書房 2004年
『リンさんの小さな子』がとてもよかったので、これも読んでみたのだが、ガラッと雰囲気が違う。 扱っている時代が1910年代ということで、その雰囲気はよく出ていたが、どうにも読後感が悪かった。 語り手が誰なのかがかなり遅くまで分からず、真実についてはある程度推測はできるが最後まで明らかにされてはいない。 だが読後感の悪さはそのせいではなく、途中にある拷問が気分悪かったせい。本当に胸が悪くなった。




2007/8/31
『ぐるぐる猿と歌う鳥』
加納朋子 講談社ミステリーランド 2007年
このシリーズは本当に安心して読める。著者が小さい頃過ごした九州の方言が楽しい。子どものころの謎や冒険は日常の中にあったことを思い出した。 ここでは大人の常識では解決しきれない問題を、子どもたちが考え出し実行している。子どもたちのやり方が必ずしも正しいとはいえないだろうが、こうも現実の世の中が滅茶苦茶だとこれもありだなと納得してしまった。




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