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2007/9/2
『はるかスコットランドの丘を越えて』
ローズマリー・サトクリフ(早川敦子訳) ほるぷ出版 1994年
田中芳樹の『月蝕島の魔物』の舞台がスコットランドだったので、スコットランド関係の本が読みたくなり再読。 以前読んだ時には時代背景が分からないままに読んだので、これはもう少し歴史を勉強してからもう一度読まなきゃと思っていた。ところが以前よりは分かっていたつもりだったのに、やはりまだまだ歯が立たなかった。
知らなくても筋を追うことはできるしだいたいのことは分かり、歴史の陰に隠れた人間を描くこの物語のよさが損なわれることはない。でもやはりこの複雑な歴史とさらに宗教のことまでも理解した上で読めば、より深く物語を味わえるだろうと思う。 もっと勉強してからまた読みたい。だからどうか復刊してください。




2007/9/7
『花の回廊』
宮本輝 文藝春秋 2007年
「流転の海」第5部。最近著者の作品はあまり読まなくなっていたけれど、これだけは完結まで読み続けたい。今回も一気に読んだ。やっぱりおもしろい。




2007/9/8
『ゾラ・一撃・さようなら』
森博嗣 集英社 2007年
意外なほどまっとうなハードボイルド。




2007/9/9
『水銀奇譚』
牧野修 理論社 2007年
この著者ははじめてだったけれど、SFのようなホラーのような味わいでおもしろかった。「ミステリーYA!」シリーズは最近の作品がみんな当たりで嬉しい。




2007/9/10
『私家版』
ジャン=ジャック・フィシュテル(榊原晃三訳) 東京創元社 1995年
期待通りというわけではなかったが、とてもおもしろかった。主人公の性格が想像していたのと違ってびっくり。ラストもびっくり。切ない幕切れを予想してたら、あらあらという感じ。




2007/9/11
『隊商―キャラバン―』
ヴィルヘルム・ハウフ(高橋健二訳) 岩波少年文庫 1977年
見渡す限り砂と空ばかりの砂漠を行く隊商。その一行に途中から加わった男の提案で、旅の退屈しのぎに一人ずつ話をすることになる。 テントの中に広がる不思議な話の数々。やがて旅が終わったとき男から意外な事実が明かされる。
それぞれの話もおもしろいが、最後に話されるある物語が、微妙に途中の話とつながり、ひとつの物語になっているのがまたおもしろい。




2007/9/14
『配達あかずきん』
大崎梢  東京創元社 2006年
「成風堂書店事件メモ」の第一作。第三作の『サイン会はいかが?』を先に読んでいたが、その時は話はおもしろいが登場人物にひっかかってイラついてしまった。ところがこの作品は、その登場人物もふくめてとてもおもしろかった。この順番で読んでいればよかったなあ。特に表題作は一番好き。ヒロちゃんがかわいくて。




2007/9/14
『晩夏に捧ぐ』
大崎梢  東京創元社 2006年
「成風堂書店事件メモ」シリーズ二作目。出張編とあるように、主役コンビが地方の本屋の謎を解くため訪れる。作者は今度は地方の本屋のことを書きたかったのだということはわかる。けれどそのため前作でおおいに楽しみ今作にも期待していた書店ネタが、前作より少なくなってちょっと物足ない。




2007/9/15
『1950年のバックトス』
北村薫 新潮社 2007年
短編集。こわい。せつない。うまい。やっぱり大好き北村さん。




2007/9/16
『湿地帯』
宮尾登美子 新潮社 2007年
無理して松本清張を目指した感じ。読んでてイタかった。今更出版したのはなぜ?




2007/9/17
『朗読者』
ベルンハルト・シュリンク(松永美穂訳) 新潮社 2000年
あまりにも評判が高かったのでかえって敬遠していた作品。 のうちに肝心の部分を知ってしまったので、ちょっと読む気が失せてしまったが、今回『私家版』を読みこちらにも興味が出てきたのでようやく挑戦。しかし…やはりあの時期に読んでおくべきだったか。あまり感動できなかった。




2007/9/17
『ゾマーさんのこと』
パトリック・ジュースキント(池内紀訳) 文藝春秋 1992年
ジャン=ジャック・サンペの絵がなんともいえずいい。すてきな本。




2007/9/18
『キューピットの涙盗難事件』
真瀬もと 理論社 2007年
「ミステリーYA!」シリーズ新刊。「ベイカー街少年探偵団ジャーナル」シリーズの1作目。 ホームズが登場するのも楽しいが、当時の社会情勢(アイルランド問題)がこれからどう絡んでくるかが興味深い。




2007/9/19
『夜市』
恒川光太郎 角川書店 2005年
ホラー大賞受賞作。アイデアがおもしろい。 たしかに夜店は心おどる楽しい場所である反面、一歩迷うと日常から離れた異世界になりそうな怖さがある。子どもが迷子になるという現実的な心配もあるし。他の1篇「風の古道」もおもしろかった。




2007/9/19
『緑の模様画』
高楼方子 福音館書店 2007年
もうすぐ中学生になろうとする少女達の気持ちが、ミステリーやファンタジーっぽさをまじえて描かれている。手堅い感じ。『小公女』の使い方もうまい。




2007/9/20
『夢を与える』
綿矢りさ 河出書房新社 2007年
初めて読む綿矢りさ。だが期待はずれだった。最初はおもしろくなりそうだったのに、娘の夕子に焦点が移ってからはつまらなかった。 母親と父親の関係のほうがドラマチックでおもしろくなりそうだったのに。どうものれないうちに終わってしまった。この内容ならもっと短くてもよかったし、ここまで長くするならもっと力強い何かがほしかった。これが綿矢りさなら、わたしは島本理生のほうが好き。




2007/9/21
『イギリス児童文学紀行』
定松正 玉川大学出版部 2004年
サトクリフ『はるかスコットランドの丘を越えて』を読んだ時、自分のイギリスの歴史に対する知識のなさを痛感して勉強したくなった。 図書館から『イギリス史』を借りてきたのだが、ちょっととっつきにくい。そこで、イギリスの歴史や風土や伝説を、それを背景にした児童文学をとりあげながら解説したこの本を、手始めに読むことにした。 嬉しいことにモリー・ハンターの『砦』からサトクリフの作品など自分の好きな作品が多く取り上げられていた。自分でも年表を作ってみようかという気になった。




2007/9/23
『シカゴよりこわい町』
リチャード・ペック(斉藤倫子訳) 東京創元社 2001年
何と豪快なおばあちゃん。心優しいくせにそれを素直に出そうとはしないとこも粋だなあ。まるで「天空の城ラピュタ」のドーラみたい。こんなおばあちゃん大好き。最終章はほろりとさせる。




2007/9/24
『シカゴより好きな町』
リチャード・ペック(斉藤倫子訳) 東京創元社 2003年
前作は兄ジョーイが語り手になり、兄妹が毎夏1週間ほど過ごすおばあちゃんの家での生活が描かれていたけれど、こんどは妹のメアリ・アリスが語り手となり、約1年間の彼女とおばあちゃんの生活が描かれる。 前作同様痛快なおばあちゃんだが、アリスの年齢が上がった分豪快さより優しさ(あくまでも彼女流のだが)の面がより強く描かれているように感じる。今作もラストがやはりホロリ。




2007/9/27
『片耳うさぎ』
大崎梢 光文社 2007年
「成風堂書店」シリーズだと思ってたら違った。普通のミステリー。ちょっと小野不由美のミステリーランド『くらのかみ』に似ている。 田舎の古い大きな家はそれだけでよくも悪くもドラマがあって魅力的。




2007/9/28
『前巷説百物語』
京極夏彦 角川書店 2007年
又市の駆け出し時代。とても青臭い彼と仲間たちの様子が楽しい。 だが後半になるとその楽しさがなくなって、事態が深刻に陰惨になる。死人がこんなに多くなると、読んでて辛く暗い気持ちになった。




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