PANIC SMILE インタビュー

現在は東京を拠点に活動するパニックスマイルのGt,Vo/吉田肇氏に
NEW ALBUMの話を中心に伺いました。



●5枚目のアルバム「MINIATURES」ですが、今回リードボーカル 吉田さん復帰されていますが、それは何か考えとかあったのでしょうか?

吉田/前々作の10songs 10citiesの時に今のメンバーが揃いまして、そのメンバーでセッションを重ねて行くうちに音の方向性から「声」としてのキャラクターが僕よりも石橋さんの方が合っていたんです。それで3rd、4thはその線でアルバムを作りました。そしてちょうど4thを出した半年後ぐらいに今度はナンバーガールを解散させた向井君と一緒にステージをやる事になりまして、僕らが作った曲に彼がボーカルをのせていくやり方だったのですが、横でギター弾いてて、やっぱり「作詞者が歌う」というのが一番速効性があっていいな、と思ったんです。3rd、4thの頃は絶対女子ボーカルの方が合うサウンドだと思っていたのですが、意外と男子声でも合うな、と。向井君と5、6回しかステージやっていませんが、なかなか刺激的で楽しかったです。作品も録音する予定だったのですが彼のZAZEN BOYS始動で延期になりました。福岡でもライブやりたかったですね。上京してから突然段ボールとの共演やコラボレーションが更に増えたのですが一昨年前に亡くなったボーカルの蔦木栄一氏にはかなりボーカル面で影響を受けました。

●アルバムの聴き所って、特別あげるとしたらどんなところだと思いますか?

吉田/ほとんどがボーカルも含めた1発録りなのにプロデューサーのAxSxE君(NATSUMEN)がえらいサウンド面で凝ってて、ヘッドフォンとかで聴くと面白いですよ。歌詞なども福岡時代のアルバムE.F.Y.Lとかと聴きくらべるとわかりますが、より個人的に政治的になっています。メッセージソングでは全然ないのですがその辺が誤解されやすいかもしれません。基本的に全部独り言なんで。

●今回のアルバムにコンセプトなどはあったのでしょうか?

吉田/とにかく僕が歌う、と。石橋ボーカル曲も3曲ほどあったのですが、それは今回は録らずに、ライブ盤の方に収録しました。あとは時代に逆行してアナログで録音することがコンセプトでした。

●ジャケットのデザイン(イラスト?)はどなたがされたのでしょうか?

吉田/CHELSEA-QのフライヤーやNUMBER GIRLのアートワークを全部手掛けた三栖"eyepop"明君です。彼はライブやリハーサル、レコーディングなどにも来てくれて、独自のアートワークコンセプトをたててやってくれました。簡単に言うと宇宙の中の地球、地球(世界)の中の日本、日本の中の僕ら、僕らの中のあれこれ=ミニチュアという公式です。

●ドラムの手数なども、以前に比べてすごく多くなったと思うのですが、吉田さんの考えなのでしょうか?
吉田/これは歌わなくてもよくなった石橋さんがハジけたものです。以前は歌いながら叩くということでアレンジにもちょっとした制約がありましたからね。3rd、4thでは曲展開のフィルなども叩いてなくて、そこが良かったのですが、今回はドラムに専念できたという感じですね。

●先日レコ発で何本かライブされていましたが、ツアーはどうでしたか?感想を教えてください。福岡のライブの感想をとくに教えてください。

吉田/とにかく地元の方々のサポートが熱かった!ホントにお世話になりました。僕らPANICSMILEはインディーズバンドだという自覚は無くて、それは何故かと言うと要するに収支や経済観念的に完全に成り立っていないわけで、交通費をライブの動員で出せておらず、またCD売り上げやライブのフィーで生活できてないわけです。これでは「インディペンデント=独立」とは言えず、アマチュアなんです。趣味、娯楽と同じレベル。でも今回福岡の井上君や藤井さん、京都のLimited ExpressやFLUIDの皆から凄い熱意を感じて、有名無名を問わずにイベントを盛り上げていこうという姿勢や。僕らまだまだ一般的に見て無名ですからね。東京なんてデカイ都市になるとさらにごく一部の存在でしかない。はっきりいって東京より全然人が来てたんでびっくりしたんですよ。僕らがCHELSEA-Qやってた時もKIRIHITOとかが同じ事言ってましたが。福岡は一応地元ということで昔からの友達が来てくれたり、あとはFIELDやロレッタセコハンが福岡で広げていったキャパシティをすごく感じました。彼等もすごいお客さんを呼んでくれてて感謝しています。accidents in too large fieldのUTO君なんて一番付き合いが古い人なんじゃないかな?彼の今のバンドも熱いステージで、なによりUTO君が元気そうでよかったですね。FIELDもロレッタも東京でのライブをよく見ていますが、彼等は場所を選ばず、いいステージをやってるので感心しました。福岡在住時の僕らはあまり地元ライブが良く無かったからですね。アウェイ戦は良かったのですが。そういう皆のパワーを受け取った僕らは元気いっぱいのステージをやらせてもらいました。本当に感謝しています。

●来年、ライブアルバムが発売されるそうですが、詳細を教えてください。

吉田/3rdと4thアルバムの曲を中心に今回の[MINIATURES]に収録しなかった石橋ボーカルの未発表曲のライブテイクと最新の僕ボーカルの曲が少々入る予定です。これもAxSxE君がライブハウスにハードディスクレコーダーを持ち込んで何ケ所かで録音したもので、やはりミックスやマスタリングは凝った内容になるでしょう。発売はHeadache soundsから2月ぐらいを予定してます。

●ライブアルバムを出そうと思われた理由を教えてください。

吉田/P-VINEから出しているアルバムの売り上げは原盤権の条件などで僕らにほとんど入ってこないのです。それでやはり自活していくためには自主制作の作品は必要不可欠なんです。みんな若い人達はCDデヴューデヴュー、と契約を目指しますが、いい事なんて無いんですよ、あれ。と言ってもすぐには解らんかもですが。あと前の曲のライブ演奏が良いものになってきた、というのが大きいです。これが一番大きな理由です。個人的にレコーディングジャンキーのAxSxE君のライブ録音、というものを聴いてみたいっていうのもありました。

●福岡を離れてもう6年たつということですが、福岡に先日も来られていて、福岡変わったなあと思うこととかあったら教えてください。

吉田/天神の駅前や大名の店、建物、不動産事情ですかね。ウチの実家の薬局も移転してますし。(笑)ふとっぱらも大分前に移転したそうですが今回初めていきました。親不孝通りもなんだか中州化が進んでますよね。音楽シーンでいうと、ネット上でポータルサイトやiffなどの音楽ジャーナルサイトが立ち上がっていたり情報発信でいうと6年前より良い環境になってますよね。非常に恵まれてる。やはりパソコンの普及というのが一番変わったところでしょうか。まあ、それに応じて細分化も進んでいって善し悪しまんべんなくそれらしく見えてくるんでしょうけど。やはり送り手だけじゃなく受け手のセンスも一段と問われてきますよね。昔、地上波のTV番組でZ☆Pというのがあってオオクボ-T氏が制作で絡んでいたりしてましたが、あれは最強でしたね。

●いまさらですが、福岡と東京のバンドをする上での、長所と短所など感じることあったら教えてください。

吉田/そうですねやはり現状を見ましても東京・中央至上主義っていう市民意識が日本中にある限り、情報発信は東京の方が強いわけで。例えばrockin'onがバンドに取材するとしても福岡のバンドだと飛行機代がかかるわけですが、都内のバンドだと山手線一本でいけるわけですよ。あそこは編集部が渋谷だから渋谷でやってれば歩いて行けるわけで。それで全国紙の露出度が高くなって東京のバンドの方が優れているように見える。この現象自体が僕的にはくそったれなんですが、せめて福岡の良質なバンドが福岡市民にもっと支持されても良いと思います。地元球団やサッカー、甲子園と同じですよ。でもそう言う風になる為にはもっと地元バンドが打って出ないとダメだし、地元メディアやジャーナリストが地元の文化に着目しなきゃいけないと思うし、それだけじゃなくてそれをこっちまで(全国に)届けようとしなければならんと思います。

●来年のライブアルバムのリリースツアーなどは予定あるのでしょうか?

吉田/是非また呼んで下さい!!!絶対に行きます!

●今後、PANIC SMILEで、やってみたいこと、目標などあれば教えてください。

吉田/テレビ出演とかしてみたいですね。カメラ全部ぶっ壊してやる。(笑)そしてまたアルバムを出す、あ、アナログ7インチ盤とか出したいですね。韓国!行ってライブしたいですね。アメリカとかどうでもいいのでアジアかヨーロッパに進出したいです。


●最後に、最近興味があること、(音楽のことでも以外のことでも)教えてください。

吉田/吉田個人のことに限って言えば、色々ありますねー。2001年にロンドンでライブやってから特に考えるようになったのが世界の中の日本、という事。それはNYの9・11テロから更に考えるようになりましたね。あと、殺人事件の低年齢化。ヤバイ感じは日に日に増していってますよね。

●ありがとうございました。

(2004年12月 取材・文/藤井よしえ)


ライブスケジュール
2/1(火)下北沢251 
 W)FIELD/他
2/10(木)秋葉原CLUB GOODMAN 
 W)SABOT(チェコ)/デラシネ/他
2/20(日)目黒studioファーストステップ 
 W)nhhmbase/他
3/3(木)新宿red cloth
3/24(木)三軒茶屋グレープフルーツムーン 
 w)吉田達也・灰野敬二ユニット/他









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