4日目:本場のケンタッキーフライトチキンはハズレ!

7月18日(走行距離:孝明 211mile 美枝 130mile)
 安くきれいなモーテルで熟睡した翌朝は,チェックアウトを済ませるべくフロントへ行くとコーヒーとパン(たいていは甘いマフィンかペストリーが多い)が用意されている.ありがたく頂く.バナナはもちろんスーパーで買ってるから大丈夫.簡単な食事が込みのモーテルは旅行客には最高.2杯目のコーヒーを手に車に乗り込む.

 さて今日はとにかく先へ,を合い言葉に進む.ここから進路を南へ取る.コロンブスから71号へ入り南下.シンシナティを通り,ケンタッキー州へと入る.ケンタッキーと言えばフライドチキン?,競馬?とぼしい知識を二人で出し合う.やっぱりここまで来たらケンタ君(ケンタッキー・フライドチキンのこと)の本店にでも行って本場のチキンを味わわなきゃ!とかなんとか言いながら休憩所の観光案内で探してみる.

 ケンタッキーフライドチキンの本社は,今はオフィスと博物館が併設されているそうだ.ともかく行ってみようね,ということで地図を入手し向かってみる.降りたインターはすごく田舎.小さい町.こんなところで良いのかな?と思いつつ地図通りに進む.すごく不安になる.こういう田舎町では危険は感じないが人が歩いていないので道も聞けないし,目印もないので探すのが大変.しばらく迷う.アメリカの誇るチキンなのだからもうちょっと観光化してないのかな?と思うのだがこの期待はまったくはずれた.はえっ!と言いたくなるほど小さくてクラシックな建物だった.ほんとに見過ごしそうなほど普通の白い邸宅のような建物が目指す本社.お馴染みカーネル・サンダース氏の胸像が入り口前の植え込みにしっかり設置されている.まわりには人もいない.ともかく車を止めて建物に近づくが,入っていいの?と後込みするほどなんの表示も無い.ホントにここに博物館もあるのだろうか?扉を開けて中に入るとカウンターに受け付け嬢.夫が博物館に行きたいというと奥のドアを指さしてくれた.やっぱりここで良かったのだ.

 ともかく言われた方に行ってみると,これは博物館というよりは単なる資料館だ.見学者はもちろん我々以外には誰もいない.資料室にはケンタ君の発明の過程や歴代の器具がパネルやケースにならんでいる.創業者カーネル・サンダース氏のサクセスストーリーの映画も上映されている.(けっこう面白い)そして日本では人形でお馴染みのあのカーネル・サンダースおじさんの人形が置いてある.始めて知ったのだが,この人形は日本だけのオリジナルだそうだ.側には日本のケンタ君の店頭に人形が置かれている写真が紹介されている.夫は,この写真はどう見ても実家の宮前の家の近くにある店の写真だと言い張り,記念にパチリ.あの店がこんな田舎の資料館に写真で展示されているのも何かの縁ですかねえ.そんなこんなで,人のいない小さな資料館をそれなりに楽しむ.

 ここですっかりチキンが食べたくなった私たち,受け付けのお姉さんにここでフライドチキンは売っていないのの聞くが,答えはノー.ずいぶん商売気ないじゃない.じゃあ一番近いお店はどこ?って聞いたら,ちょっと5マイル離れたところにあるという.こうなったら意地でも食べてやる,と息巻いて,本社&博物館を後にして言われた店に向かってみる.やっとたどりついて手にしたチキンは期待を裏切り,正直に言ってあまりおいしくない.絶対に日本のケンタ君の方がおいしいという夫と意見が合ってしまった.ちょっとハズレ.

 期待はずれに終わったケンタ君ですっかり時間の無駄を感じつつ,夫は懲りずにケンタッキーと言えばバーボンだ!なんて言って今度はバーボン工場見学へと私を誘う.何が今日はひたすら先を急ぐだ.また遅くなるよ,といいつつも1日1つは何か見学しようね,と言っていたのでケンタ君の挽回にのることにする.工場はジム・ビームの生産を行っているところを選ぶ.ここもケンタ君同様にかなりの田舎.早くしないと見学時間が終わってしまう.なんとかすべりこんでみるとケンタ君ほどではないがやはり人のすくない静かな工場.でも緑が多くてのどかな所だった.緑の中にぽつぽつと建つ古い酒蔵や醸造所,器具置き場などをみながらバーボンではなくレモネードを飲む.バーボンの臭いは確かに漂っているので実際にここで作っているのだが思ったより簡素な工場だった.ハイテクって言葉は似合わない.馬でも走ってそうなとある田舎の酒工場でした.

 とはいいつつも,なんとなく満足し,さあ先を急ごう!と再び車を走らせる.今日はどこかKOAのキャンプ場に泊まる予定だったのだが,これまた夫が観光パンフでマンモス・ケイブという国立公園が行く手にあることを探し出した.いわゆる地下洞窟のある国立公園で,キャンプ場もちゃんとある.なんでも全米一大きい洞窟だそうだ.たしかに写真を見るとおもしろそう.ほんとは70号で西に向かう予定だったのだが,もう少し南下することにする.65号の途中に公園の表示がでる.もう夕方遅くなってきたので泊まれると良いのだが.

 始めての国立公園.どんなふうに泊まるのだろう.どきどきしながら国道をそれて山の中へと車を進めると,やがて小さな小屋が見える.ここが国立公園の入り口だ.カーキ色の制服を着たレンジャーが入園料を徴収し,地図とパンフをくれる.私たちはこの先いろいろな公園を回るので,一年間有効の公園パスを買う.25ドル.一度買うとこれさえあればどこの国立公園でもフリーという,大変お得なパスである.なくさないように大切にしまい,地図を見ながらキャンプ場へと向かう.この時間に来る人は遅いほうだがキャンプ場はまだ空きがあった.空いているサイトなら好きなところでいいそうだ.自分で決めて,入り口にある紙にサイトのナンバーと泊まる人数,泊まる日数を書き込む.宿泊料8ドルを一緒にして封筒に入れて,キャンプ場入り口のポストに投函すればおしまい.とても簡単なシステムだ.この方式はだいたいどこの国立公園でも同じようである.

 緑の多い林間のキャンプ場は,なかなか雰囲気がよくて二人とも気に入る.早速テントを張って夕食.日が暮れないうちに済ませたいが,今日は何にも材料を買う暇がなかった.急いでご飯を炊いてレトルトで済ませた.昼はかなり暑かったのでシャワーも浴びる.ここはシャワーは別料金なので係りのおじさんにお金を払って使う.さすがに公園内のキャンプ場はKOAのシャワーと違い,数も少なく混んでいて時間がかかる.洗面所も狭くてじめっとしている.なんだかあわただしかったが,とりあえずさっぱりすると急に疲れが出てくる.なれないキャンプにおせおせのスケジュールでゆっくりする時間が無いので疲れたのだろう.すぐに寝袋にはいる.さすがに夫も一人でゆっくりコーヒーなんて言わずに一緒に眠りこむ.だいたい9時頃だ.まわりのキャンパーも総じて夜は早い.静かに更けていくキャンプ場.そうそう,このキャンプ場ではなんと蛍が見られた.夜になって林の間にぽつぽつと光りながら飛んでいた.へえ〜こんな所にもいるんだね,って二人で見とれた.後になって気づいたがやはり洞窟のある公園,かなり湿気が多いのだろう.朝になってみるとテントも車も雨にあったかのように濡れていた.蛍も住めるほど水もきれいなのだろう.


Written by Mie Takeuchi. Edited by Takaaki Takeuchi. Last Modified on May 1, 1997.

[3日目:FLライト設計のフォーリングウォーター見学(7/17/94)]

[5日目:メンフィスで,にわかプレスリーファンに(7/19/94)]

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