37日目:真夜中にボストン到着.お疲れさま!

8月20日(走行距離:孝明 449mile 美枝 195mile)

 朝目が覚めると日も高くなっていて,すっかり寝坊だ.青空が広がって良い天気.昨日キャンプ場の案内では,朝近くのアーミッシュの人がパンやお菓子を売りに来るという.私は興味津々でぜひその姿を見てみたかった.本当に馬車に乗って,黒い服で現れるのだろうか?旦那も同様でぜひ一目見てみたいという.早くしないと帰っちゃうよ,急いで着替えて入り口の方へ行ってみる.するといました,黒ではないが薄いブルーの涼しげな色のロングスカートをはき,白い帽子を被った中年の女性が立っていた.村で手作りしたパンやジャム,焼き菓子などがテーブルに並んでいる.素朴な風合いでおいしそうだ.明日の食事にでもしようと一つ記念に買ってみる.品の良い,物静かな感じの女性で,こう言っては失礼だが,ごく普通の人だった.特別な生活をしているのだろうが,そんな風には見えない.カントリー風の衣装を着た売り子さん,と言ってもとおるだろう.持ってきた品物が売れると,迎えに来た馬車に乗って帰っていった.電気もガスもない生活,車に乗って大陸半周するほどの旅をした私たちとはおよそ正反対の生活だ.旅の最後にこんなおもしろい経験ができた.

pa_camp.jpg (31952 バイト) 明るくなって見回して,ますます気に入るキャンプ場.去りがたい気持ちはいっぱいなので,せめて記念に写真を撮る.またこんな所でキャンプしたいねえ,と話しながら出発.さあ,今日は家に帰れるかどうか.この日はもう一泊するか帰れるか,様子を見ながら決めることにしていた.ひたすら80号を進めばニュー・ヨーク.大好きなニュー・ヨークへは入らずペンシルバニア州の東で少し北の84号へと進路を変える.この間,再びペンシルバニア州の道路の悪さに苦しめられる.来たときも工事が多くて閉口したが一月たっても終わっていない.相変わらず車線は大幅に蛇行しながら舗装工事が進む.運転しずらいよ,思わず不平がでる.

 東西に細長いペンシルバニア州を通過し,ニューヨーク州,コネチカット州へと進む.日はとっぷり暮れて,まだニューヨーク州だ. とはいえ,このあたりで泊まるには都会すぎてキャンプ場は難しい.ボストンまではあと一息というところなのだ.わざわざモーテルでもう一泊するなら夜中になっても家までがんばろう,という気持ちになってくる.それにしても昨日から走りっぱな.車から降りても体は揺れてるし,運転のしすぎで目が疲れてる.二人で励まし会いながら休み休み進む.コネチカット州の州都ハートフォードに入った時は正直言って,ああもう少しだ,ようやく帰ってきた,と思った.道は夜も更けて真っ暗で,先に走る車のライトしか見えない.その車が見えなくなってしまうと自分の車のライトで照らした所しか明るくない,という運転しずらい状況だが,依然70マイルのスピードで進む.そんなこんなの二人の珍道中もついに夜中1時過ぎ,無事ボストンの我が家にたどり着いた.実にこの日の走行距離は二人併せて644マイル.1000キロ近く走った.アパート裏の駐車場に車を停めて,ほっとするやらもの悲しいやら,二人の旅もついに終わったんだなあ,と感じる.

 いろいろなことを思い返すのは明日にして,ともかく今日はベッドにもぐり込もう.キッチン横のドアを開けると懐かしい我が家の臭い.家も無事だったんだなあ.裏庭では一月手入れしなかったので蔓バラの花が伸び放題に伸びている.まるで熱帯雨林.これじゃ留守だということがまる分かりだ!と笑いながら眺めて家に入る私たち.長かった旅もこれでおしまい.めでたし,めでたし.

 

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道中に手に入れたおみやげです.ムースのラグはとてもお気に入り.


Written by Mie Takeuchi. Edited by Takaaki Takeuchi. Last Modified on August 29th, 1998.


[36日目:昼までシカゴ滞在の後,ひたすら東へ走る(8/19/94)]

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