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アンプの出す音をどのように評価するかは人それぞれですし、好みも千差万別です。まして、素人の一個人の「試聴記」に過ぎませんから、あくまでも1つの参考用にお読みいただければと思います。

試聴 - 845

現在の手持ちアンプは... 今回のSV-2は、後者のシステムにつないで試聴しました。

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
申し分のない分解能を発揮し、オーケストラの楽器群がしっかりと定位します。奥行きも十分に感じられます。フルオーケストラがフォルテシモを奏でると、音のエネルギーが塊のようになって眼前に押し迫ってくるのに感動しました。「コンサートホールの特等席で聞いているかのようだ」という試聴感を時おり聞きますが、まさにこのアンプにはその描写がピッタリだと思います。
私の300Bppに比べると、ステージがさらに近くにあるように感じました。

ホルスト 組曲「惑星」より「天王星」
5分あまりの短い曲の中にさまざまな低音楽器と高音楽器が次々に登場するので、アンプの試聴によく使うのですが、これも見事な音楽を奏でてくれました。シングルアンプとは思えない低音の厚み、リアリティあふれるティンパニの再生音、きらびやかな高音、広い音場感など、たいへん満足できました。

弦楽四重奏は?
ふっくらとして艶やかな弦の響きが実に魅力的ですね。
弱音のときにも十分な表現力を発揮し、フォルテを奏でても艶やかな美音やハーモニーが損なわれることなく心地よい音のエネルギー感が押し迫ってきます。
私の300Bppは、どちらかというと大編成の曲が得意で、小編成になると余韻や音の艶にやや物足りなさがあると感じていたのですが、SV-2はオールマイティーなんですね。

ボーカルは?
私はほとんど聴かないのですが、妻の感想では、300Bppに比べると、さらにメリハリの効いた、はっきりとした歌声を楽しめたとのことです(軽めのジャズや、クラシックのソロ)。

なお、使用した真空管は、UV845、KT88、12AX7ともすべて、今回購入したキットに付属していたサンバレー社オリジナルの「Prime Tubes」です。

参考までに...
試聴に使用した機器をご紹介しますと、スピーカーはサンスイのSP-1000(ウーハ21cmコーン、ツィータ2.5cmドーム、バスレフ方式エンクロージャ、専用スタンドつきの中型スピーカ)、プリアンプはアキュフェーズのC-11(半導体アンプ)、CDプレーヤーはサンスイのCD-α717Dextraです。
これは全くの蛇足ですが、このアンプは暑い(熱い)です(笑)。試聴していた妻の一言、「いい音だけど、なんか暑いわね」。本当にそうです。通風のよい場所に設置しないといけませんね。特に夏は。

試聴 - 211

さて、せっかくの845/211挿し替え可能アンプですので、211の音も聴いてみたいというのが人情です。問い合わせたところ、「ザ・キット屋」さんでもGoldenDragonの211を取り扱っておられる(値段もリーズナブル!)とのことですので、さっそく注文しました。

[このセクションは2004/8/27に加筆して公開]
2004/8/21(土)、注文した211(VT4C)が届きました。とりあえず音出しして動作確認をした後、例によって丸一日ヒーターをエージングしました。その後、さっそく試聴です。

845との音の違いは“一聴瞭然”でした。211は低域の厚みやパワーが845よりずっと強いという印象です。

これならジャズ向きかなと思って、我が家に数枚しかないCDを持ち出して聴いてみました。ロン・カーターのベース、ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」、どちらも力強くて切れのよい、いかにもジャズらしい雰囲気で鳴ってくれました。特にベースやドラムスの力強さがぐっと前面に押し出されてきます。サックスも力強く自然な響きです。しかも非常にリアルな音でした。

同じ曲を845に挿し換えて聴いてみると、おとなしく平板な感じになってしまいました。低音のダイナミックさが211より少ないようです。なにか“クラシック音楽のような”聴こえかたに思えました。

クラシック曲は?
弦楽四重奏を鳴らしてみると、弦の艶や響きが物足りなく感じました。低音はよく出ているのですが、中音域から高音域では、音の伸びというのでしょうか、響きが弱いのです。
大編成のオーケストラを聴くと、厚みや迫力は出ているのですが、どうもコンサートホールの雰囲気感がよく出てこないようです。高音域がやや“粗い”ような印象で、耳障りに感じます。

全体として感じた211の印象は、ドラムスなどを「叩く音」やベースなどの弦を「弾く音」のリアリティに優れているな、といったところです。その反面、なぜだかよく分かりませんが、弦を弓で「こすって出す音」はリアルさが物足りないと感じました。

ところが不思議なことに、同じ「弾く音」でも、アコースティックギターやアルパ(ラテン楽器の小型ハープ)の独奏を211で聴いた妻の感想は、「845の方が奥行きや広がりがあった。211は迫力はあるのだが、なぜだか平板な気がする」とのことでした(私も同じ印象です)。どちらも比較的高い音ですので、それが関係しているのでしょうか。もっともこれは「比較の問題」で、聴き慣れてくると211もそれなりに良い響きを出しているのですが、一度845を聴いてしまうと、その音の方が私たちの好みに合っているんです。

これは三栄無線の300Bppキットを組み立てたときの経験なのですが、キットに付属していたエレクトロ・ハーモニクスの300Bの音も、最初のうちは弦楽器の音に満足できませんでした。しかし、しばらく聴いてエージングが進むと、ずっと良い響きを聞かせてくれるようになりました。それで、Golden DragonのUV211も、もう少し音を出しながらエージングしてみると、高音の粗さのようなものが落ち着いてきて、さらに音が良くなるのかもしれません。(後日、もし機会があれば、ご報告したいと思います。)

私の個人的な感想としては、UV845の奏でるクラシック音楽の響きが好みに合っています。ただ、厚みや迫力のあるオーケストラをお好みであれば、(さらにエージングした後の)UV211の音を好ましく感じるのかもしれません。

[この段落は2004/9/5に加筆して公開]
211で音楽を鳴らしながら20時間ほど経過したときの音の変化について、「雑記帳」の方に書きましたので、関心をお持ちの方はご覧ください(こちらです)。また、845と211の音質比較に関するザ・キット屋店主の大橋氏のコメントも紹介しました。

[この段落は2004/10/21に加筆して公開]
211でクラシックを美しく鳴らすことに成功した改造レポートを公開しました。関心をお持ちの方は、どうぞご覧ください。

結びに

この価格でこの音が手に入るとは、まさに「驚き」というよりほかありません。
自作の醍醐味を十分に楽しんだ上に、これから先、この素晴らしい音を堪能できるのですから、大満足です。以前に自作したSPセレクタがあるので、SV-2 (2003) Ver.2と300Bppを両方つないでおき、両者の個性の違いを楽しんでみようと思っています。

もし自作することに二の足を踏む方がおられるなら、迷わず完成品を注文することをお勧めします(最近の店主日記によると、注文が多くて製作にやや時間がかかっているそうです)。3万円をプラスするだけでOKですし、完成品の価格でさえ十二分にコストパフォーマンスの高い買い物であることに違いはありません。

最後になりますが、お店の夏季休業前のお忙しいときや、夏季休業中にもかかわらず、迅速に、また親切に対応した下さったザ・キット屋の皆さまに心からの感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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