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意外な逸品!― カナレのプロ用ケーブル

聴いてビックリ、“耳からウロコ”

安価でも素晴らしい音質を楽しめるスピーカーケーブル、カナレ (CANARE) 4S8G、4S11G のご紹介です。

これまでのケーブル

本格的にオーディオに凝り始めた1990年頃、当時のオーディオ雑誌を参考にして、アクロテックの 6N-1010 というスピーカーケーブルを購入しました(当時の定価 \3500/m、参考情報)。「オーケストラの分解能が良く、広い音場感を展開してくれる」という評価が気に入ったからです。実際に使ってみて、確かに評価通りの音質だと感じ、楽しんでいました。

機器間を接続するピンケーブルも、音が良いと言われているものを必要に応じていろいろ買い足していきました(オーディオテクニカ、アクロテックなど)。

4年前に今の住居に転居した後、仕事用に使用するサブシステムのスピーカーケーブルを、長さの都合でサンスイのスピーカー(SP-300)に付属していたサンスイ純正のOFCケーブルに換えたのですが、最近になって音に少々不満を感じるようになったのです。

カナレ 4S8G、4S11G スピーカーケーブル

日ごろからYahoo!オークションを活用していますので、さっそく何かよいケーブルはないものかと検索してみました。「オークション > 家電、AV、カメラ > オーディオ機器 > ケーブル」というカテゴリがあります(カテゴリ構成は変更されることがありますので、もしリンクが壊れている場合は、Yahoo!オークションのトップページから検索していただけますか)。

いろいろ見ていると、たいへん安価なケーブルが目に留まりました。カナレのプロ用のケーブルだそうです。型番に「G」の付いているものは、「解像度、高域の伸び」が改善されているとのことですので、試しにこれを購入してみることにしました。

前述の「ケーブル」のカテゴリで、「カナレ G」というキーワードを入力して検索すると、出品されている商品が見つかります。出品者(honezou さん)の自己紹介欄には連絡先のメールアドレスが記載されており、Yahoo!オークションの参加IDを持っていない人でも取引できるようになっています(個別の商品のページを表示し、左上にある「出品者の情報」セクションの「出品者」欄で「honezou」というリンクをクリックする。不慣れな方は、こちらをクリック)。

まずは、仕事用のサブシステムで使おうと思い、4S8G を購入しました(出品者がお勧めのバナナプラグも同時に購入)。さっそく試聴したところ、その素晴らしい音に“耳からウロコ”に思いでした。「このアンプはこんなにいい音を出していたのか!」と驚いてしまったのです。翻訳の仕事をしながら小音量でクラシックを聴くのですが、それでもオーケストラステージが目に浮かぶような豊かな響きに感動できます。アンプの出力を余すところなく伝達する情報量の多さ・正確さ、コンサートホールの音場感を再現してくれる解像度の素晴らしさに感激しました。

この結果に驚き、かつ満足したので、今度はリビングのメインシステムの方にも、同じ 4S8G をつないで鳴らしてみました。ちなみに、こちらのシステムではアクロテックの 6N-1010 を使用していました。4S8G に換えると、音場感や余韻が今までよりずっと良くなりました。それに、コントラバスの響きがいっそうリアルに、また力強くなりました。

これはもう、メインシステムもカナレに換えたいと思うようになり、こちらは比較的大きな音を出すので、1ランク太い 4G11G を2度目の注文で購入しました。太さの差による音質の違いを聴き分けるほど耳が良くありませんので、その件のレポートはご容赦ください。ただ1つ言えることは、一般家庭で出す音量では 4S8G で十分でなかろうか、ということです。

まったくの蛇足ですが、4G11G は、ケーブルの被覆剥きに非常に苦労しました。外側の被覆も、4対の導線の被覆も大変でした。中身がぎゅうぎゅうなので、被覆に完全に切れ目を入れても、それを剥くときに爪が割れるかと思うほど抵抗がありました。
今から考えると、面倒がらずに縦方向にも切れ目を入れたらよかったんでしょうね(笑)。

もし今のシステムの音にいまひとつ物足りなさを感じておられるようでしたら、このケーブルを試してみてはいかがでしょうか? 2004/8/27現在、4S8G は \480/m、4G11G は \840/m と、たいへんお買い得です(代金のほか、送料と振り込み手数料がかかります)。

カナレのラインケーブル

スピーカーケーブルを換えてしばらくすると、不思議なことに気づきました。NHK FMのクラシック放送を聴いていると、前述のとおり「オーケストラステージが目に浮かぶような」感激をたびたび味わえるのですが、CDの音の方は今ひとつなのです。ふと思いついて、チューナーとプリアンプをつないでいるケーブル(古河電工のFA-21)を、CDプレーヤーとプリアンプをつないでいる接続ケーブル(audio-technica製のAT6A32という型番のOFCケーブル)と交換してみました。すると、これが大正解! CDの音が見違える(聞き違える?)ように良くなったのです。

そこで、ラインケーブルもカナレに換えてみることにしました。
この出品者の場合、落札後に送られてくるメールに、取り扱っておられる全商品とその価格が明記されていて、どれでも必要なものを追加注文できるようになっています。それで、ラインケーブル(GS-6、\200/m)とピンプラグ(F-10、\280/個)と銅入銀半田を、前述の 4G11G と一緒に購入しました。

Yahoo!オークションの「オークション > 家電、AV、カメラ > オーディオ機器 > ケーブル 」というカテゴリから、「カナレ 金メッキ」というキーワードで検索すると、完成品のピンケーブルや、RCAピンプラグ単品の情報を見ることができます。

ピンケーブルを取り替えたときの音質の変化も、なかなか興味深いものでした。

「チューナー⇒プリアンプ」「CDプレーヤー⇒プリアンプ」「プリアンプ⇒300Bシングルパワーアンプ」の3箇所をすべてカナレのケーブルに取り替えたところ、残念ながら厚みや表現力が乏しくなってしまいました。このケーブルの「機器のキャラクター、特徴は良くも悪くもそのまま再現してくれる」という特長が、かえって悪さをしてしまったようです。リモコンの使える手頃な価格のプリアンプということで10数年前に購入した YAMAHA の AVS-100 の音がストレートに出てしまったのかもしれません。

そこで、以前から良い音を出していた「古河電工のFA-21」を「プリアンプ⇒300Bシングルパワーアンプ」の接続に使用してみました。すると今度は、たいへん満足できる音になりました。

ケーブルの選定にも、いろいろと試行錯誤や工夫が必要なんですね。

ケーブル雑感 - 真空管アンプとケーブル

ご紹介したカナレのスピーカーケーブルとラインケーブルの特長はどちらも、Yahoo!オークションの出品者の言葉によれば「癖が無く、非常にフラットな音」「機器のキャラクター、特徴は良くも悪くもそのまま再現してくれる」「色付けのない音」ということです。

それに対して、さまざまなオーディオメーカーが発売している中級〜高級のケーブルは、良い音を聴かせるために、ある種の「色付け」を加えていると言ってよいのだと思います。

考えてみると、真空管アンプの音というのは、半導体製のアンプに比べると、はるかに「癖がある」「個性的な」「色付けされた」音です。もちろん、私たち真空管アンプの愛好者は、そんな部分を好んでいるわけでしょうが...。

今回の経験を通して感じたのは「真空管アンプの音は、癖のないケーブルで聴くのが一番!」ということです。中途半端な(ちょっと失礼な言い方ですが)高級ケーブルを使うと、アンプの癖とケーブルの癖がぶつかり合って、どちらの良さも半減してしまうということなのでしょうか。いずれにしても、興味深い経験でした。


(公開: 2004/8/27)

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