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2005/5/28 - NS-2 製作開始昨日から NS-2 の製作を開始しています。とりあえず試作品1台と、お客様にお届けするもの1台が出来上がり、「ナチュラル・サウンド・アダプタ NS-2」のページに写真を掲載しました。 NS工房の商品は「半完成キット」としての頒布を原則としています。これは、お客様ご自身の手で少しでも組立に参加することで、この装置は自分の「作品」だという感触を楽しんでいただくことが目的の1つです。そこで、NS-2 もお客様にハンダ付けしていただくところを残そうとしたのですが、ケースの形状に対して基板を実装する方法が変則的になったため、ハンダ付けはすべて私のほうで行なうことに決めました。私にできることなのですから、中級以上の電子工作の経験者ならハンダ付けも当然可能だと思います。ただ、NS-2にはいろいろなバリエーションがあり、それに応じた組立説明書を作成するのに非常に手間がかかるので、このような結論となりました。
右の写真は、ケースに取り付けた端子/スイッチ類と基板との間の配線をすべて完了したときの様子です。左側にあるのが「ケースの下部」、右側にあるのが「ケースの上部」ですが、お気づきのように上下が逆さまですよね。この状態で「ケースの下部」をかぶせて、基板のスペーサをケースの下部にネジ止めするのがけっこう面倒な作業になります。ケース前面から飛び出している基板取り付けタイプのVRの軸を押したり引いたりして位置を合わせ、ネジ止めします。 「ケースの上部」に基板を逆さまにして取り付ける方法を採れば、このような面倒は起きないのですが、そうすると目に触れやすいケース上面にネジが4つ頭を出してしまいます。皿ネジなら許容範囲でしょうが、このケースはアルミ板の厚みが1mmなので、皿ネジ用に加工しても完全に平らになるまでテーパ加工を深くするのはなかなか困難です。 というわけで、あくまでも「半完成キット」ですが、お客様の作業はゴム足を貼り付けるだけとなってしまいました。これでは拍子抜けだ、という方々もおられるでしょうが、どうかご了承くださいませ。まだ「取扱説明書」の作成作業が残っていますが、ご予約いただいたお客様への発送は近日中に開始できると思います。 2005/5/20 - NS-1/NS-2 鋭意 製作中です昨日の午後、サンバレー「ザ・キット屋」さんのHPから「NS工房」コーナーにリンクを張っていただいたのですが、それ以降たいへん大勢の方々がアクセスしてくださり、感謝しております。メールで購入予約をしてくださった方も何人かおられます。中にはナチュラル・サウンド復元の「副スピーカー法」を試してその効果に感動したものの、置き場所その他の都合でNS装置に乗り換えたいというメールを下さる方々もおられます。 電子工作とオーディオを愛好する一個人のサイトからの情報発信に過ぎませんが、私の提供した情報が何人もの方のお役に立ったこと、たいへん嬉しく思っています。また、NS-1/NS-2の購入希望アンケートに投票してくださった方々にも感謝いたします。 いかんせん副業として始めた工房ですので、常時稼動というわけにはゆかず、本業のスケジュールの合間を縫って製作しております。とはいえ、1台1台 丹精こめて製作し、聴感上のチェック(ナチュラル・サウンド効果が正常に発揮されるか、異音が出ていないか、など)と測定器によるチェック(NS信号の周波数による減衰度、残留ノイズ、など)をした上で皆さまにお届けしますので、個人が製作した機器であるとはいえ、安心してお使いいただけるものと確信しております。最初のうちは購入希望の方に完成までしばらくお待ちいただくことも多くなるかと思いますが、この装置をお使いになりたい方々がおられる限りは、コツコツと製作を続けいくつもりですので、よろしくお願いいたします。 NS-2に関するお知らせ: 入力は1系統でよいので、出力を2系統にしてもらえないだろうかというご要望をいただきました。確かに、パワーアンプ2台を音楽ソースに合わせて使い分けておられる方にはその仕様が便利だと思いますので、そのパターンを選択可能な仕様に加えることにしました。「RCA入力×1、携帯音楽プレーヤー入力×1、RCA出力×1」、「RCA入力×2(切替SW付き)、RCA出力×1」、「RCA入力×1、RCA出力×2(切替SW付き)」の3通りの中からお選びいただけます。なお、NS-1についても、RCA出力が2系統欲しいという方がおられましたら、切替スイッチなしの「パラ接続」でよければ製作可能ですので、ご希望がありましたら注文時にお申し付けください(追加費用\500)。 最後に、現在の進捗状況をご紹介する写真を載せておきます。
左側の手前の基板は、NS-1の基板に部品を実装し終えたところで、左半分を銅板のシールドで覆い、背面パネルから電源コードを接続したり、基板から背面パネルのリモコン・モード切替スイッチに配線したりした上でケースに収容すれば出来上がりです。「半完成キット」の場合、電動ボリュームの後ろ側にある黒、赤、緑のリード線(全部で5本)を背面パネルのRCAジャックにハンダ付けしていただきます。 後ろに並んでいる半透明のボックスはパーツ箱で、NS-1/NS-2の製作に必要なパーツを分類して入れてあります。でも、このパーツ箱に各パーツの在庫すべてを収容することはできませんので、大小5つほどの段ボール箱にパーツやケースの在庫を確保してあります。 右側手前にあるのは、今日届いたばかりのもので、NS-2を作るためのプリント基板と、それを収容するケース(タカチ MB-3)です。NS-2は廉価版ですが、音質に影響のあるパーツ類はNS-1と同等のものを使用しますので、ケースが見劣りする点はご容赦ください。「中身で勝負!」といったところです。 NS-2の製作に取り掛かるのは来週からになりそうです。こんな状況ですので、ご希望の方すべてに実際に製品をお届けするまで少々期間が掛かりそうですが、一人で手造りしておりますので、ご理解いただければと思います。もっとも、抵抗の足を曲げたり、パネルに"Volume"などのシールを貼ったり、いろいろと妻にも手伝ってもらっています。文字通り「家内工業」ですね。 2005/5/3 - 「NS-2」計画を実行します廉価版のナチュラル・サウンド装置「NS-2」のアンケートで既に10人以上の皆さんが購入希望を意思表示してくださっていますので、この装置の設計・製作を実行することにしたいと思います。 「携帯プレーヤージャック」を付けるかどうかについては、どちらも希望者がおられますので、NS-2は2つのタイプを製作しようと考えています。どちらも入力を2系統設置し、1つは「携帯プレーヤージャック + RCAジャック」、もう1つは「RCAジャック 2組」にします。入力部分の違いだけですので、基板は共通のものを利用できるように工夫するつもりです。頒布価格はどちらも同じにします。 ただ、携帯プレーヤージャックの設置に関しては、4月30日の雑記帳の最後に書いたとおり、入力部のインピーダンス・マッチング・トランスの選定作業が残っています。もし万一私のスキルで対応しきれない場合には、取り止めになってしまうかもしれません。できるだけ頑張ってみます。 なお、アンケートはもうしばらく続けさせてください。計画実行の目安とした「5人以上」という条件は既にクリアしていますが、部品を調達する数量を決める参考にさせていただきたいので、ご希望の方は引き続きアンケートへのご回答よろしくお願いいたします。 また、アンケート・ページに「NS-1を購入するつもり」という回答項目を新設しました。こちらも部品調達の参考にさせていただきますので、もしよろしければご回答いただけると助かります。アンケート・ページには、NS-1とNS-2の各説明ページからアクセスできます。 NS-1の説明ページの先頭に書き足したのですが、本業のスケジュールの都合上、NS-1半完成キットの準備を1週間ほど休みます。来週半ばから準備を再開し、購入予約してくださった方から順次発送し、在庫が確保できた時点でYahoo!オークションへの出品も開始する予定にしています。なにぶん、一個人が「副業」として始めた企画ですので、ご容赦いただきたいと思います。でも、購入希望の方がおられる限りは、時おり休むことがあるとしても、NS-1/NS-2の製作は続けるつもりですので、ご安心ください。 2005/4/30 - 「NS-1」最終試作品 完成
皆さまに頒布する「ナチュラル・サウンド・エンハンサ NS-1」の最終試作品が完成し、いま最終的なテストをしているところです。“試作品”と言っても、頒布する半完成キットと全く同じケース(メーカーによる加工済み)とプリント基板を使用しています。パソコンで透明シールに印刷した文字を貼り付けてあります。 この装置について詳しく説明したWebページや、「取扱/組立説明書」も作成しているところです。 それにしても、自分で使うために作るのではなく、購入してくださった方がどなたでも使いこなせるような説明書を作ること、あるいはYahoo!オークションでこの装置を見つけた人が「購入しよう」と思って下さるような説明ページを作成しようとすると、何かと気を遣いますし、時間も掛かるものですね。既に3人の方々が購入予約をして下っているのですが、申し訳ありません、発送までもうしばらくお待ちください。 なお、追加注文したモータ駆動ボリュームの到着がGW明けに遅れてしまったため、近日中にYahoo!オークション経由で頒布できるのは2台だけです。でも、5月中旬頃にはもっと多く出品できると思いますので、ぜひ大勢の皆さまに購入していただき、この素晴らしいナチュラル・サウンドの「新響地」を実体験していただきたいと思います。 最後に、先日ご紹介した「どこでも真空管アンプ」の件ですが、どうやら携帯プレーヤーのヘッドホン出力をインピーダンス変換するトランス(ST-12)の選択が拙かったようで、なぜか低域が妙に強調された音であることに気づきました。ライン入力に据え置き型CDプレーヤーの出力を接続したときも、どういうわけだか低域が強調され、肝心の中音域に全く力がありません。「VP-mini84mkII」と「樽スピーカー」の相性の問題なのかなぁ、と頭を悩ませているところです。インピーダンス変換のトランスは出力トランス「ST-32」を通常とは逆に8Ω出力の方に入力をつなぐ形で試してみようと思っています。あとは、アンプの方ももう少し点検してみます。何か進展があったら、ここで報告しますね。 2005/4/24 - ポータブル! 「どこでも真空管アンプ」
完成しました! 名付けて「どこでも真空管アンプ」。ポータブルです。といっても、さすがに電池では鳴りませんが、スピーカーが一体化していますので、コンセントさえあればどこにでも手軽に持ち運んで音楽を楽しめます。幅47cm、奥行き22cm程(裏側のコネクタ配線などの突起部を含む)、高さ24cmです。重さは約10Kgですので、このハンドルだけを持って移動するのはさすがに怖い気がしますから、下板にも手を添えながら運びます(アンプは板の上に置いてあるだけで固定していませんし)。 スピーカの間隔が狭いですので、普通のアンプで音を鳴らしても音場はたいへん狭く、ステレオ感も乏しいでしょう。でもこれは、昨日ご紹介したようにナチュラル・サウンド(NS)回路をアンプの前に挿入してありますから、けっこう幅広い音場が再生されます。写真を撮った場所は寝室にしている6畳の和室ですが、このアンプを部屋の壁際の中央に置いて、その周りを数人で取り囲んで音楽を聴いた場合、どの人も同じようなステレオ感や定位を感じ取ることができるはずです。しかも樽スピーカーを使いましたから、実に見事な表現力で音楽を奏でてくれます。 ポータブルといっても、アンプとスピーカーだけですよね。プレーヤーはどうするかと言いますと、写真にあるとおりポータブルMDプレーヤーなどを接続します。そのほかポータブルCDプレーヤーでも、最近流行のiPODでも、電池動作の再生装置を使うと便利です。もちろん単品コンポ等のCDプレーヤーをつなぐこともできますが、何しろ「ポータブル」ですから、携帯式で電池動作のプレーヤーを使うのがベストですよねぇ、やはり…。 さて、昨日の最後に書いた、NSボックスの左側にある「3.5mmミニジャック」の正体ですが、これは携帯型音楽機器のヘッドホン出力を接続する専用のステレオミニジャックなんです。皆さまご存知のとおり、ヘッドホン出力は16Ω程度のインピーダンスになっていますから、それをアンプのLine入力に接続しても、インピーダンスのミスマッチのためにあまり大きな音が出ません。携帯プレーヤーの音量を最大にして、アンプの方のボリュームもかなり上げることになります。そこでこのNSボックスにはサンスイのST-12という入力トランス(1KΩ:100KΩ。いつも利用する通販ショップで@457円で購入)を搭載して、ヘッドホン用出力のインピーダンスを持ち上げています。単純な比例計算をすると16Ωが1.6KΩに変換されることになり、まだ完璧とは言えないでしょうが、これでも通常の使用には十分だと思います。試したところ、据え置き式のCDプレーヤーのLine出力をこのNSボックスのRCA端子につないだ場合と、音量を50%ほどにセットしたMDプレーヤーのヘッドフォン出力をNSボックスの専用ジャックにつないだときとで、同程度の音量が出ていますので、これで十分なようです。もっとインピーダンスを上げて音量を増したければST-14(1KΩ:500KΩ)を使う手もありますが、同じ通販ショップでの価格は@751円で、サイズもひとまわり大きくなります。 使用したスピーカーは、昨日も書いたとおりザ・キット屋さんとペンション「ウィング」の村瀬さんが共同開発した樽スピーカーです(SPユニット SA/F80AMGとのセット品を購入)。樹齢約100年のオーク材をウイスキー樽として使用し、50〜70年間ウィスキーを熟成させた後の無垢の集成材ですから、ほのかにウイスキーの香りがするだけでなく、無塗装ですが美しい木目でたいへん趣のある小型SPです。ですから、この下に敷く板や、持ち手にする木材もそれに相応しくなるよう天然木の無塗装品を使いました。近くの大型ホームセンターは面白い木材をたくさん扱っていて、天然木をそのまま縦に13mm厚でスライスし、前後を斜めに削って傾斜をつけた板を販売しています。今回はその中から「サワグルミ」という白っぽい板(900mmで\1300)を購入し、ちょうど良い幅の部分を470mm切り取って下板に使いました。この板はや軟らかめですが、軽いので好都合です。持ち手(ハンドル)には桂の丸棒(直径24mm、長さ300mm)を買いました。欲を言えばもっと樽スピーカの色に近いものを入手したいところですが、あいにく手頃なものが見つかりませんでした(年月を経るとこの白木もだんだん褐色を帯びてくるのではないかと思います)。 村瀬さんはこのボックスをネジや釘を一切使わずに製作しているとのことですので、その心意気を無にしないため、下板・持ち手とボックスとの接合に金属製の木ネジなどは使わず、木製のダボを使いました(アンプが重いので木工用ボンドを併用)。上の写真の右スピーカーの下に何やら円形のものが写っていますが、これは十円玉です。この板にはわずかな反りや歪みがありますし、スピーカーを板にピッタリ接合すると音に悪影響が出るかもしれないと思って、板とスピーカーの間に隙間を空けるため、コインを挟んでダボとボンドで接着したというわけです。ボンドが十分に硬化したらコインは取り除きます。まぁ、「木製ダボ・インシュレータ」といったところですね。4点支持です。下板の裏には椅子の足などに貼り付けて床の傷つき防止に使うフェルトを貼りました。 トライオードの約10mm厚のアルミ前面パネルも見事な造りですが、これだけウッディな中に挟まっていると少々違和感があります。シャーシの構造を調べてみて、もし私にできそうなら、下板に使ったサワグルミの板に置き換えてみようかと思っています。 「どこでも真空管アンプ」。ナチュラル・サウンド回路を利用したからこそ、左右のスピーカーの間隔がこんなに狭くても十分なステレオ感を楽しめるわけですが、もしこの手のものが製品化されたら買いたい人は多いでしょうか? 先日の「店主日記」で紹介されていたハセヒロ特製のスケルトン・スピーカーと組み合わせて、真空管アンプ部分もスケルトンにする、というのも面白そうですね。もし音質や表現力に満足できるのなら、電池動作の真空管アンプを使えば正真正銘のポータブル! 2005/4/23 - ナチュラル・サウンド回路の底力
これを見ながら「さてどうしようか?」と考えていました。ナチュラル・サウンド復元法(サウンド・ステージ回復法)の効果のほどを実体験したいと思って購入した“安物”の副スピーカーです。押入れにしまっておいてアンプのテストのときにでも使うかなぁ〜。そんな時、ある突拍子もないことが頭に浮かんだんです。「これを両側に配置し、真ん中に小型の真空管アンプを置き、上下に板と取っ手を取り付けて、ポータブル真空管アンプみたいなものを作ってみようか」 昔からよくあるステレオ・ラジカセの管球バージョンといったところです。 物は試しと、この小型スピーカを20cm位の間隔をあけて並べ、メインシステムから音を出してみました。プリアンプの入力部分にナチュラル・サウンド復元回路を取り付けてあります。するとどうでしょう。こんな狭い間隔で配置したスピーカーから出ているとは思えない幅広い音場とステレオ感を出してくれるではありませんか。これぞ「ナチュラル・サウンド回路の底力」です。
そんな経緯で出来上がったものが(まだ一部分だけですが)右側の写真に写っています。
使用したアンプは、ザ・キット屋さんで購入した「VP-mini84mkII」です。自分で組み立てた後、ユニバーサル基板にナチュラル・サウンド回路を実装し、小型ケースに収容してトランスケースの後ろに軽くネジ止めしました。この回路の電源は、アンプのヒーター電源(6.3V)を倍電圧整流してから9Vの三端子レギュレータで安定化しました。使用している素子がオペアンプですから、この程度の簡易電源でも特にハム音などは出ていません。
当初の見込みでは木曜日には完成して、ここに書けると思っていたのですが、何しろ手持ちのアルミ・ケースが小型(W5cm、D7cm、H4cm)で、ユニバーサル基板へのパーツの実装と配線に苦労し、高密度実装なればこそ発生してしまったトラブル(ごく初歩的な配線ミスでした…)を解決するのにも時間を取られたため、2日遅れでやっと完成しました。こんな“高密度実装”のアナログ回路をユニバーサル基板に組み付けたのは初めてです。裏側にまでCRパーツが付いています。これを作れたのも、これまでの試作・実験でCRの定数が決まっているからこそですね。この状態でパーツを交換するなど、不可能でないにしても、決してやりたくない作業です… このアンプ、非常に小型(W18cm、D17cm、H16cm)ですが、私のメインスピーカーに接続してみると、なかなか素晴らしい音を鳴らしてくれます。もっとも我が愛機「SV-2(2003)T.Natori版モノラル構成211アンプ」と比べてしまうと、勝敗は明らかですが…。211アンプは“大横綱”で、どんなソースでも掛かって来いとばかりに、繊細にして甘美かつ剛胆な音楽を雰囲気感たっぷりに奏でます。同じ比喩で言うとしたら、この6BQ5シングルアンプは“前頭上位”の立派な関取といったところでしょう。力の差こそあれ、いろいろなソースを真空管アンプらしい豊かで温かな音で、繊細かつ力強く鳴らします。 そんなわけで、このアンプを冒頭でお話した安物スピーカーに接続すると、スピーカーの完敗です。せっかくの良い響きが死んでしまうんです。そこで、小型でも一人前のオーディオスピーカーを調達しようと思い立ち、ちょうど入荷間際だった「樽スピーカー」をザ・キット屋さんに注文しました(衝動買い?)。今日の午前中に届く予定なので、さっそく組み立てて試してみようと思います。
ナチュラル・サウンド回路を収容した外付け小型ボックスには、ライン入力用のRCAジャックが付いており、出力はRCAプラグ付きのコードを「じか出し」にしてあり、それをアンプの入力端子につなぎます。
左側には、アンプのヒーター電源を取り込むジャック(下にあるほう)と、冒頭に書いた「ある突拍子もないこと」を実現するために不可欠なもう1つの3.5mmジャックが付いています。さてこれは何の端子でしょう? 全体が完成したら、その種明かしを含めて、ここでご紹介しますね。 2005/4/16 - 「ナチュラル・サウンド・エンハンサ NS-1」頒布予定のお知らせ
3/25に「経過報告」ということでナチュラル・サウンド復元法の回路基板の頒布延期をお知らせしておりましたが、新たに名称も決定し、「ナチュラル・サウンド・エンハンサ NS-1」として皆さまに頒布できるようになったことをお知らせいたします。 この写真を見て「どこかで見たことがある!」という方々はザ・キット屋「店主日記」の愛読者だと思います。大橋店主からは、この装置による聴感上の音質劣化はなく、ザ・キット屋ショールームに試聴に訪れた方々にも好評だったとの知らせをいただきました。もっとも常日頃から「ピュア2chオーディオ」の世界で音質向上を目指して奮闘しておられる方々はこの種の付加装置を邪道とご覧になるかもしれません。ただ、サラウンド装置のようにデジタル的に残響音などを生成するのではなく、スピーカから出た音が私たちの耳に届くまでにどうしても発生してしまう重大なクロストークを打ち消す信号を簡単なオペアンプ回路で生成して逆チャンネルにミックスしているだけのことですので、本質的に2chオーディオであることに変わりはなく、素晴らしいナチュラルなステレオ感を楽しむことができます。そのうえリモコンによる音量調節機能も内蔵していますので、真空管オーディオ愛好家の多くが希望する「リアリティ溢れる自然な音楽再生」と「音量調節のリモコン化」の2つを一挙に実現できるというわけです。まさに「理想響」であります。 この「新響地」をぜひ皆さまにも体験していただきたいと願い、“製造元”直売の大特価\22,800(送料込)で4月末頃より「半完成キット」としてYahoo!オークション経由で頒布することにいたします。私は個人事業主で昨年度は免税事業者でしたので消費税は不要です(この装置が“大ヒット”した暁には、晴れて消費税の課税対象事業者の仲間入りをすることになりますが、その際にも税込みで続けるつもりです)。なお、Yahoo!オークションのIDをお持ちでない方は、メールでご相談ください。 完成基板のほか、業者に依頼して綺麗に加工してもらったケースや必要な端子・ツマミ類もすべて含まれております。半完成キットとはいえ、現在の予定としては数箇所リード線をハンダ付けしてケースの上カバーをネジ止めし、好みの位置にゴム足を貼り付けるだけの“95%完成キット(?)”になりそうです。皆さまに少しでも安くお分けしたいので、ケースの文字入れは依頼しませんでした。透明シールに「IN」「OUT」など文字をパソコン印刷したものを添付する予定ですから、必要なら貼り付けてくださいませ。突起部を除くケースサイズは幅17cm×奥行12cm×高さ5cmで、ゴム足の厚みは0.5cmです(タカチ UC-17-5-12DD。写真ではケース本体が黒っぽく見えますがカタログに書かれている色は「ブロンズアルマイト」で、ほんの少し茶色の入った濃い目のグレーという感じです)。置き場所の都合によっては「縦置き」にしても機能上は問題ありません(音量ツマミを上にすれば重心が低くなり、自立しますが、倒れやすいですのでステレオラック内などで何かの装置の横に置くとよいと思います)。なお、頒布するケースは写真とはレイアウトが若干変更になり、電源スイッチは背面に波型スイッチが付きます。プリント基板と加工済みケースは4/26頃に手元に届く予定で、そのあと製作に取り掛かります。 写真では分かりにくいですが、電源ON時のLEDインジケータは淡い青色です。リモコンで音量UP/DOWN操作をするとインジケータの色がそれぞれ変わります。リモコンが機能しているかどうかをリスニングポジションから視認しやすくするための工夫です。どんな色に変わるかは、お手元に届いてからのお楽しみということで…。 なお、音量調節のリモコン化とナチュラル・サウンド復元機能を一体にしたこの装置と、ナチュラル・サウンド復元のためのアナログ回路については、特許庁に実用新案登録を出願中ですので、ご承知おきください。 2005/4/10 - 最近のお気に入りCD(協奏曲)良いオーディオシステムが手元に揃うと、音楽ソースも買い足したくなるものですね。 昨年の夏にSV-2(2003)を購入して組み立て、211用に最適化するための小改造を行ない、プリアンプも真空管式でリモコン付きのものを自作し、素晴らしいCDトランスポート(TL-51X)とD/Aコンバータ(Model 2)を手に入れ、最終的にはSV-2(2003)の回路をモノラル構成で自作したことで、私がリビングで音楽をリラックスしながら楽しむ環境は、自分にとって最高のものとなりました。そんな経過の中で、この半年ほどの間は久しぶりに新しいCDをを何枚か購入しましたので、少しの感想を添えてご紹介しようと思います。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第1番 & 第4番 ベートーヴェン好きの方々であれば既にいろいろな演奏者によるCDをお持ちのことだと思いますが、私がベートーヴェンのピアノ協奏曲を単独で購入したのはこれが初めてです。そんなわけで他の演奏者と比べての感想を書くことはできませんが、このCDで特筆すべきなのは素晴らしいホールの響きや雰囲気を十二分に感じ取れる録音だということです。どちらのCDも協奏曲はウィーンのムジークフェラインでのライブ録音です。皆さまご存知のとおり新年恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートが催される「楽友協会ホール」ですが、このホールは響きが素晴らしいということをよく耳にしますよね。ブレンデルの円熟味溢れるピアノ演奏と、サイモン・ラトル指揮によるウィーン・フィルの見事な演奏が巧みに絡み合った名演奏だと思います。それがTL-51Xの良質なデジタル出力と211アンプの繊細かつ迫力ある表現力に助けられて、素晴らしい雰囲気を味わうことができ、最近のお気に入りになっています。近いうちに残りの「第2番 & 第3番(詳細・購入(Amazon))」も購入したいと思っています。
チャイコフスキー バイオリン協奏曲 独奏者、指揮者、オーケストラがそれぞれの才能を極限まで出し切って名演奏を競い合う、これぞまさしく「競奏曲」という見事な演奏に惚れ込みました。レーピンは決して奇をてらうことのない正統的な演奏を美しく、かつ力強く披露しています。独奏者が女性の場合には特に、バックのオーケストラが多少遠慮気味になることが多いように思いますが、ゲルギエフの指揮は容赦なくオーケストラをドライブして迫力満点の演奏です。ただ一点だけ残念なのは、フィンランドのマルッティ・タルヴェラ・ホールで開催された2002年のミッケリ音楽祭でのライブ録音とのことですが、フルオーケストラがフォルテシモに達したときなどに、やや音が飽和したように聴こえます。やや狭いホールなんでしょうか? (1年ほど前に鎌倉芸術館で日本のオーケストラの演奏を聴いたときは、もっとひどい飽和状態で少々閉口しました)。とはいえ、チャイコフスキー・ファンなら手元に置いて決して損はない1枚だと思います。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 & 第4番 私が20年ほど前にいちばん最初に購入したCD集、「クラシック名曲集」というCD 12枚組のセットに、アシュケナージが弾いた第2番の協奏曲でバックはプレヴィン指揮ロンドン響という演奏が収録されていて、これまで何回となく聴いてきたお気に入りでしたが、こちらのほうはさらにその上を行く名演奏だと思います。哀愁を帯びつつも決して暗すぎず、むしろ明るささえ感じるような絶妙の響きが気に入りました。 2005/3/25 - 経過報告先日来この雑記帳でご紹介していたナチュラル・サウンド復元法の回路基板ですが、発注していたプリント基板が届き、試作版のパーツ実装を始めたところです。ただ、基板を発注したあとで、さらに性能を改善する方法などに気づきましたので、皆様にご紹介するのは「より完成度を高めてから」にさせていただこう思います。 少しでも良いものを提供したいがための延期ですので、ご理解いただければ嬉しく思います。 2005/2/19 - 究極(?)の SV-2(2003)モノラル構成
「すっかり211の虜です」(2004/11/6)などと書いておきながら、もう別のアンプに乗り換えか!? …というわけではありません。サンバレー「ザ・キット屋」のSV-2(Ver.2003)で 211 / VT4C を鳴らしたときの音にすっかり魅了されたからこそ、さらなる性能向上を目指してみたくなったんです。 上杉アンプ「TAP22」(6L6GC p.p.)を市販パーツを使って自作したとき、例によって「チャンネル・セパレーションを向上させる方策」を施したのですが、このアンプの再生する音場がなかなか明瞭で、定位もしっかりしています。やはりチャンネル・セパレーションは重要なんだと実感しました。 こうなると、我が愛機SV-2もさらに改造したくなるというのが、何事も探究心が旺盛(というか執着気質)の私のいつもの癖です。ただ、現状のSV-2(2003)はこれで既に完成された立派なアンプですし、これ以上パーツを組み込むスペースもありません。 そんなわけで ずいぶん悩みました。【方法1】 現状のSV-2のパーツを流用して、もう少し大きいシャーシで組み立てなおす。【方法2】 同じトランス類やパーツを購入して、もう1台、“T.Natori”版のSV-2を新たに組み立てる。 「方法1」は、再組立のあいだ音楽を聴けないのが寂しい、せっかく完成させたアンプ・キット(私がザ・キット屋さんから購入した1号機)を壊すのは惜しい気がする、といった点がデメリットです。逆に「方法2」は、“T.Natori”版を完成させた後で比較試聴ができるというメリットがあります。デメリットはもちろんパーツの購入費用ですが、惜しいことを覚悟の上で、現状のSV-2(2003)をオークションで売却することになると思います。しがないフリーランス翻訳者が“自転車操業”(2005/1/27)で楽しんでいる趣味なものですから… 結局「方法2」をとることに決め、どうせならモノラル構成で組み立ててチャンネル・セパレーションを万全にしようということにしました(ステレオ構成でこれ以上パーツを増やして組み立てようとすると市販シャーシに適当なものがない、非常に重くなる、という理由もあります)。 ご覧のとおり今回は意匠にも力を注ぎました。シャーシはリードの「S-3」(\1850)という安価なアルミ製ですが、アルミ用のラッカースプレーでダークグレーに塗装し、チーク色のニスで塗装した天然木でフロントとサイドを覆うと、結構見栄えのよいものに仕上がりました。ジュエリー・ボックス・シリーズの意匠に似てしまいましたが、シャーシの色が違いますよね。 それにしても「なぜキット屋の製品と同じトランスやトランスカバーを購入できたのか?」と思われるかもしれませんね。別に、大橋店主に頼み込んで分けてもらったわけではありません。ヤフオクで購入しました。6L6GCppのとき使用した「SV-66P」というトランスを購入したときと同じ出品者(msaudiovol2)さんが取り扱っているんです。以前に買ったトランスの型番がなぜ「SV」なんだろうと不思議に思っていたのですが、今回の購入の際のメールのやり取りでその訳がやっと分かりました。何年も前からザ・キット屋さんの商品の歴史をご覧になってきた方々なら、この出品者の自己紹介を読めばこの出品者の「屋号」がわかり、納得できると思います。 さて肝心の音の方ですが、期待通り! 現状のSV-2(2003)改造版も素晴らしい響きですが、さらにその上を行く幅広い音場を明瞭な定位で鳴らしてくれます。徹底したクロストーク対策が功を奏したのだと思います。何せ900Vもの高電圧で動作する送信管ですから、近くに逆チャンネルの初段管があると、空中を伝わってクロストークが発生する恐れが多分にあります。そこで、左右対称の部品配置にして、トランスを強力な防護壁に利用したというわけです。 ちなみに、12AX7(ECC83)とKT88はJJ製を購入しました(いつものBOI AudioWorks)。300B/JJを購入して以来、JJ製の真空管の表現力が私のお気に入りになっているんです。211はとりあえずGolden Dragon製でテストしています。最終的には、もちろん、愛用のGE製の軍用211(VT-4-C)に挿し換えます。 このモノラル構成のアンプではかなり良好な定位感が得られますが、「あの秘策」(「ナチュラル・サウンド復元法」のことを我が家ではこう呼ぶことがあります)を使うと、さらに素晴らしいナチュラル・サウンドの世界が部屋いっぱいに広がるということを最後に付け加えておきます。「美しい音をより美しく」響かせてくれる秘策です。皆さま、ぜひお試しくださいませ。 2005/2/12 - コロンブスの卵
「明鏡 国語辞典」(北原保雄 編、大修館書店)より:
コロンブスの卵 ― 人の行なったあとでは簡単そうに見えることでも、それを最初に行なうのは至難であるということ。 大陸発見などだれにでもできる評されたコロンブスが、それでは卵を立ててみよと言い、だれ一人できなかった後で、卵の端をつぶして立てて見せたという逸話から。 今日HP上に公開した「意外な逸品 ― ナチュラル・サウンド復元法」には、この成句がまさにピッタリ当てはまります。 実に簡単に実現できて、理屈もよく理解できると思うのですが、なぜかオーディオ愛好家たちの間には普及していないようです(私も初耳でした)。お時間のあるときにじっくりお読みいただき、試してみていただければ幸いです。 2005/1/27 - “自転車操業”この雑記帳やホームページの製作レポートなどでご紹介しているように、このところすっかり「オーディオ熱」「自作熱」に取りつかれております。 幸い、品質の良いオーディオ機器は中古品でもある程度の値段で売却できますので、今回新しく購入したオーディオ機器や自作用パーツは、それら中古機器の売却代金を当てにしたうえで購入しました。「持っていても置き場所に困る」「滅多に使わないので宝の持ち腐れになる」といった別の理由もあります。Yahoo!オークションにいくつか出品していますので、もし関心をお持ちの方がおられるようでしたら、こちらからご覧ください(私の出品物の一覧ページ) ちょっと意味合いが違いますが、“自転車操業”で成り立っているオーディオ趣味・電気工作趣味といったところでしょうか。 2005/1/16 - ハム退治の道のり1/5にご紹介した6L6GCプッシュプルですが、ハム退治の闘いが続いています。 その過程でヒントとなる興味深い現象に気づきました。パワーアンプの入力RCA端子に何も接続しない状態では、左右どちらのスピーカーからもハムは全く聞こえません。片チャンネルだけプリアンプからの出力を接続しても、やはりハムは聞こえません。しかし、両方のチャンネルを接続すると、ハムが発生するんです。しかも、プリアンプの電源をオフにした状態でも、ハムの聞こえ方は全く同じです(つまりプリアンプからのハムではない)。 そこで、もう一度パワーアンプの実装方法を確認してみますと、左右チャンネルのアースラインが入力端子より後で独立していることに気づきました(といっても電源のところで合流していますが)。プリアンプの出力端子部分では左右のアースが接続された状態になっていますので、プリアンプからの接続コードをパワーアンプにつなぐと、結果としてパワーアンプの左右のアースラインが入力端子部分で接続されたのと同じ状態になり、ハムの原因となっていることが考えられます。さらに言えば、パワーアンプ内部でアースラインがループを形成してしまい、電源トランスからの誘導ノイズを拾っているというわけです。ハム音は50Hzの低い音なので、その推測は当たっていると思います。 それを手がかりに入力端子からの配線の引き回しを検討してみると、何と! 左右のシールド線のアースがケース内部でちょうど電源トランスを取り囲むようにループを形成しているではありませんか。しかも伏型のトランスですから、ケース外部は電磁シールドが施されていますが、内側はコイルが「むき出し」の状態です。これが主原因と思われますので、そのループをできるだけ解消するべくシールド線の引き回しを変更しました。その結果、左チャンネルはずいぶん長く配線を引き回すことになってしまいましたが、幸いこれでかなりハムが減りました。 先日ヤフオクで中古品のミリバルを入手できましたので測定したのですが、当初は1mV以上だったノイズが、右チャンネル0.4mV、左チャンネル0.6mVまで低下してくれました。左チャンネルのハムが大きいのはシールド線が長いせいだと思います。 上杉アンプのオリジナル作品では残留ノイズが0.3mV以下と記載されていますので、建て前としてはもう少しハム退治を続けたいという気持ちはありますが、この程度で我慢するかな〜 という怠け心もありまして…。リスニングポジションまで届くほど大きいハム音ではありませんので。 実はリモコン付きプリアンプの2台目が完成しましたので、このパワーアンプの前につないでサブシステムで使っています。2台目のプリアンプはバランス入力を1系統設置しました。今までメインシステムで使っていたサンスイのCDプレーヤーを接続するためです。このCDプレーヤーはもちろん通常のアンバランス出力もあるのですが、バランス出力の方が音質を気に入っているので、タムラのマッチングトランスを購入して利用しました(2個で7000円ほど)。 先日もこの6L6GCプッシュプルの音質をご紹介しましたが、その後いろいろな音楽を聴いてみて、ますます気に入りました。小さな音量でも響きが美しいので、BGM的に利用しているサブシステムにピッタリです。驚いたことに、以前の300Bシングルで聴いていたときには録音が古いせいか少々物足りなく感じていたCDをこのアンプで鳴らすと、結構よい響きを出してくれるんです。ソースの「あら」をカバーしてくれるようです。また、ジャズやボーカルもたいへん生々しく、また元気よく鳴ります。オールラウンドに力を発揮できるアンプのようです。製作レポートが「近日公開」のままになっていますが、すみません、もうしばらくお待ちください。 2005/1/5 - 上杉アンプに挑戦、第二弾
またしても無骨なモノが写真に写っていますが、これがなかなか魅力的な音を出してくれています。 上杉アンプを市販パーツで自作してみようという挑戦の第二弾、6L6GCプッシュプル・パワーアンプ「TAP22」(『管球王国』誌 Vol.26)が完成しました。オリジナル回路では6L6GCの3極管接続とウルトラリニア(UL)接続をスイッチで切り替えられるようになっていますが、入手した代用トランスにUL接続用のタップがないため、3極管接続だけで製作しました。コントロールアンプ「TAC2」の自作のときと同様、チャンネル・セパレーションを向上させるための方策を講じてあります。 コントロールアンプとは違って、パワーアンプでは出力トランスも「代用品」を使うため、オリジナル作品の音質をどの程度再現できるか一抹の不安があったのは事実です。しかし、サンバレーのSV-2(2003)があれだけ良い音を出しているのですから、出力トランスの“ブランド”にこだわらなくても満足できる音が出てくれることを期待して製作しました。使用した出力トランスはSEL製の「SV-66P」というもので、ヤフオク上で通販営業をしている横浜のオーディオパーツ店から購入したものです。もともとはそのショップが企画したクオード型のKT66ppアンプ・キット用に特注したトランスのようですが、出力20Wのプッシュプル用なので、TAP22で代用できると思って購入しました。2個組で\9,000です(安い!)。トランスケースも別売されていますが、「少しでも安く仕上げる」「コンパクトに作る」という今回の目標から、バンド型のトランスのまま利用しました。 写真では出力トランスが見えませんよね。ケースの中に収容してしまったからなんです。そうすれば、トランスケースがなくても、さほど見栄えが悪くならないだろうと考えました。ケースのサイズは幅25cm×奥行き20cm×高さ13cm(ゴム足を含む)です。もちろん、その上に電源トランスと真空管が乗っていますので、高さの実寸はもっと大きくなります。実はこのあと「TAC2」プリアンプをもう1台製作する予定でして、それと並べるとちょうど標準コンポサイズになり、仕事用にBGMを流している私のサブシステムとしてピッタリのサイズになるというわけです。 もちろん、トランスケースというのは見栄えを良くするだけでなく、電磁シールドの役割を果たしますので、今回の部品配置を計画するに当たっては、電源トランスやチョークトランスから出力トランスをできるだけ離し、トランスのコアの方向が直交するように配慮しました。というわけで、出力トランスはケース内部の前方の左右に収容されています。写真を見ると電源スイッチやボリュームが中央付近に付いていて少々不恰好ですが、出力トランスを避けるために仕方なくここに配置しました。まぁ、外見より音質優先ということです。 なぜこのアンプに挑戦したかといいますと、別冊ステレオサウンド『上杉佳郎 設計・製作アンプ集』(詳細・購入(Amazon)。あるいは、ステレオサウンド社のバックナンバー購入ページ(左側のフレームで「別冊」をクリック) )の試聴感に「各楽器を瑞々しく艶やかに、そして爽やかに再生する」と書かれていたのに魅力を感じたからなんです。実際に製作してみますと、まさにそのとおりの音が出てくれましたので、たいへん満足しています。バイオリンの音など実に甘美で、NFBなしの211の音を彷彿とさせます。しかしNFBが16dB掛かっていますので、ソロ演奏、室内楽、フルオーケストラなど、どんな編成の曲を聴いても、たいへんリアルな音場を再生してくれますので驚きです。メインシステムのスピーカーにつないで大きめに音を出しても、迫力満点、臨場感あふれる音楽を奏でます。今後おそらく、サブシステムとして今使っている300Bシングルと置き換えることになると思います(300Bの音は素晴らしいのですが、BGM的に音楽を聴くには少々コッテリし過ぎているような気がしていたんです。アンプの設計によっても違うでしょうが)。 実は左チャンネルだけ少しハムが残っている(スピーカーに耳を寄せると聞こえる程度)のですが、配線の取り回しをさらに調整することで解消できるのではないかと思っています(テスト中にはハムは皆無だったのですが、最終的にNFB抵抗の位置を変えたことが影響しているのかもしれません)。詳しくは、後日、製作レポートを書くつもりです。 それにしても、前述の『アンプ集』で再頒布されたときの価格はパーツ一式が\155,000、真空管一式が35,000という、いつもながらの高価なキットですが、その3分の1以下の費用(JJ製の真空管を含む)で自作できたのですから、なんとも爽快な気分です。自作冥利に尽きますね。 2004/12/26 - 完成! 音量リモコン付き真空管プリアンプ
コツコツ製作していたプリアンプが遂に完成しました。 えっ? 発振器か測定器みたいですか? ツマミだらけですから、確かにそんな雰囲気ですよね。でも、中身は立派な真空管プリアンプで、音量をリモコンで調節できます。自分のニーズに合わせてコンパクトに作りましたので、幅18cm×奥行き24cm×高さ13cm(ゴム足を含む)です。詳しい製作レポートは後日公開したいと思いますが、まずは音質の印象についてご紹介しておきます。 一言でいうと「まろやかなのにコクもある」といったところです。TL-51X + Model 2 というCD再生システムと SV-2 (2003) パワーアンプの間に、半導体製のプリアンプ「アキュフェーズ C-11」が挟まっていた今までのシステムでも、十分に柔らかな音でしたが、それにいっそう豊かな表現力が加わりました。特に繊細さと余韻が素晴らしいと思います。オーケストラが小さい音量で演奏しているときでも豊かな響きが耳まで届きますので、これまでのように弱奏部で音量を上げる必要をあまり感じなくなりました。強奏部に入っても、美しいハーモニーを保ったまま迫力ある響きとコンサートホールに居るかのような残響というか余韻というか、その雰囲気感がこれまで以上に素晴らしくなりました。マイルドでソフトタッチなのに、豪快な迫力を失っておらず、しかも耳に刺激を感じることがない…。すみません、ちょっと誉めすぎでしょうかね。でも、それくらい感激しました。 以前に書いたとおり、このプリアンプの回路は上杉佳郎氏が設計した TAC2 で、12AX7(ECC83)を2本使用しています。ただ、チャンネル・セパレーションを向上させるために、『情熱の真空管アンプ』(木村 哲 著)という解説書(このサイトのトップページで「おすすめの本」として紹介しています)を参考にして少し部品を足した箇所があります。また、オリジナル回路では初段のECC83を左右チャンネルで共用し、トーンコントロール段のECC83も左右チャンネルで共用していますが、私が製作したアンプでは1本を左チャンネル専用、もう1本を右チャンネル専用としました。専門的な測定器を持っていないため、客観的なデータはご紹介できませんが、スピーカに耳をくっつけてもハム音は聞こえません。後日、詳しくレポートしたいと思いますので、関心をお持ちの方は、もうしばらくお待ちください。
おまけ: リモコンで音量ツマミが動いている様子(MPEG-1ファイル、574KB)。お使いのパソコン環境によっては再生できないかもしれません。 2004/12/22 - オーディオ装置に何を求めるか過去16年ほどの間に5台の真空管アンプ・キットを購入・製作し、クラシック音楽を「良い音」で楽しめるアンプを自分なりに追求してきました。最近、ちょっとしたことから、自分にとっての「良い音」がどんなものなのかを改めて意識させられる経験をしましたので、簡単にご紹介しようと思います。実はこのことが、リモコンで音量調節をしたいという私のこだわりとも関係しているんです。 ここしばらく、翻訳者仲間のクラシック好きの人たちで「あの演奏は良かった」とか「あの演奏は期待外れだったとか」とか、オンライン会議室の“カフェ”でやり取りしていたのですが、それが高じてチャイコフスキーの交響曲第4番の聴き比べをすることになりました。かねてより名盤と讃えられている「M」、この企画の発案者が偶然見つけてきた'70年代初頭のライブ録音「X」(この演奏が、かの名指揮者B氏の晩年の演奏であることは後で知らされました)、近年めきめき頭角を現してきた指揮者による演奏「G」という3つです。どれも私は初めて聴く演奏でした。 さっそく聴いてみますと、「M」は、これが往年の名指揮者の演奏なんだと納得させられる評判どおりの名演、「X」も、それを見つけてきた翻訳者仲間が感激したというのがよく分かる素晴らしい演奏でした。「G」は、聴く人によって評価の分かれる個性的な演奏なのですが、もし私が買うとしたらこのCDだな、と感じさせる演奏でした。 さて、何がこの違いを生んだのか? それは「音質」だったんです。「M」は'60年代の録音で、確かに良い演奏なのですが、音域のバランスが悪いように感じます。低音は出ているのですが、何かシャリシャリした感じなので、中音が足りないのかなと思ってトーンコントロールで「高音↓」「低音↓」と調整し、結果として中域を持ち上げてみますと、私の好みに合う音になりました。同じように「X」も、これは「高音↓」「低音↑」と調整すると、聴きやすくなりました。「G」は調整なしで私好みの「良い音」を聴かせてくれました。 この聴き比べの後、自分の求めている「良い音」がどんなものなのか、改めて意識させられました。今まで無意識のうちに追い求めてきた音、それは「コンサートホールで聴いているかのようなリアルで自然な響き」「自分の耳に心地よく響く音」だったんです。 なんだ、それならこのホームページの各所で試聴感に頻繁に登場する音質評価じゃないか、と言われてしまいそうですね(笑)。今まで私は無意識のうちにそれを「良い音」の基準として設定しながら、いろいろなオーディオ再生装置(アンプ、CDプレーヤー、スピーカーなど)の音を聴き比べ、品定めをしてきたのですが、今回の経験を通してその基準を初めて「はっきりと」意識したというわけなんです。 もちろん「コンサートホールで聴いているかのような」音というのがどんなものかは、人によって違うと思います。正真正銘のリアリティーを追及する人であれば、十分にダイナミックレンジの広い音、つまりやっと聴こえるほどのピアニシモから地響きのようなフォルテシモまでリアルに再現したいと思うかもしれません(地下室などに完全防音のオーディオルームを造っているような方々は、その代表格でしょうか)。でも、日本の一般家庭で気軽に楽しむオーディオ装置にそれを求めるのは土台から無理がありますよね。コンサートホールと同じ音量のフォルテシモを鳴らしたら、ご近所から苦情が来てしまいます…。それに正直言って聴いているいる本人にとっても「うるさい」だけではないでしょうか(リスニングルームはコンサートホールよりずっと狭いので)。 私がオーディオ装置に求めている「リアルで自然な響き」の再生音とは、言ってみれば箱庭のようなものだと思います。オーケストラのミニチュアが再現できれば良いわけです。ミニチュアですから、音量もそれなりに小さくなりますが、それでもホールの雰囲気感や各楽器のリアルさを感じることができれば、それで私は十分に満足できます。(そんな音を出すのに、真空管アンプは最適ですよね!) ここで音量調整リモコンの登場です。ソロ楽器や室内楽や小編成のオーケストラの演奏を聴くときには、元々ダイナミックレンジが狭いですから、最初から最後までボリュームつまみの位置を変えずに楽しめます。しかし、フルオーケストラの交響曲や協奏曲を聴くときには、弱奏部と強奏部で音量差が非常に大きいですので、弱奏部の音楽を十分に楽しむにはボリュームを上げたくなります。でも、そのままのボリュームで強奏部に突入しますと、今度は音が大きすぎて、私が求める「自分の耳に心地よく響く音」ではなくなってしまいます。それで、リスニングポジションに座ったまま、リモコンでボリュームを下げたくなるというわけなんです。 今回の聴き比べでは、トーンコントロールの必要性も再認識しました。名演奏と讃えられる古い録音は、特に大編成の曲の場合、どうしても音質に不満が出ることがあります。そんなとき、良質のトーンコントローラーで少し音質を調整すると、満足感が大きく違ってくることを今回体験しました。トーンコントロールは音質に悪影響があるので不要だという意見にも一理ありますが、一種の必要悪として、音質劣化の少ないトーンコントロール回路をプリアンプ(ラインアンプ)に付けることには十分に意義があると私は思います。 皆さんがオーディオ装置に求める再生音は、どんなものでしょうか? 2004/12/17 - リモコン・ボリューム完成
仕事のスケジュールの都合で時間が空きましたので、今日は「リモコン・ボリューム」を作っていました。 写真の左側にあるのがアルプス製のモーター付きボリューム(100KΩ(A)2連)です。中央にあるのがリモコンの赤外線信号を解析するPICマイコン(プログラムが入った状態のものを販売しているサイトで購入)の回路と、リモコンの命令に反応してモーターを正/逆回転させる駆動回路です。そして、右側にあるのが赤外線信号の受光部です。ちなみに、このモーター付きボリューム(特注品ではありませんが、「受注生産品」です)は余分に購入してありますので、アンプが完成したらYahoo!オークションに出品して、欲しい方にお譲りしようと思っています。 中央の基板を見てお気づきのとおり、電源回路も搭載しています。プリアンプ部とは別に小さな電源トランスを組み込むことで、アンプ回路への悪影響を最小限にしようと考えました。実際にケースに組み込むときは、マイコン回路の部分(クロック10MHzで動作)を薄い銅板の箱で覆ってしまうつもりです。 実際につまみが回転している様子をお見せできないのが残念ですが、この古めかしいツマミがリモコンで回転するという“ミスマッチ感”がなんとも楽しいです。真空管アンプにリモコンを付けようというミスマッチを象徴していますね。 ところで、リモコン付きの真空管プリアンプが市販されているのを見つけました。テクノクラフト社の真空管ラインコントロールアンプ MODEL1a です(テクノクラフト社のトップページはこちら)。さすがに音質にこだわっていますから、リモコン受信回路にマイコンを使わず、リモコンを使用していないときはデジタル回路の電源まで切ってしまうという念の入れようです。でも、高い! 今私が作ろうとしているリモコン付き真空管プリアンプの10倍以上の値段です。もっとも、私が作るのは素人細工に過ぎませんが…。さて、これからが正念場、ケースの穴あけ加工、真空管回路部分の組み立てと続きます。また進展があったらご報告します。 2004/12/12 - 真空管を利用した“完全自作”に挑戦電子工作の雑記帳の方に書いたのですが、このところ通販ショップを利用してパーツ集めをしていました。何を作るのかといいますと… 挑戦(その1) “上杉アンプ”を市販パーツで作ってみよう: 完全自作といっても、回路設計は電源回路をトランスに合わせて調整するくらいです。とはいえ、ケースの穴あけ加工から始める本格的な自作は、ここ10年以上ご無沙汰でした。自作のメリットは、自分のニーズに合わせた作品を作れるところにありますから、前にこの雑記帳に書いたように「音量調整用のリモコン付き」にします。 ご存知のとおり、上杉佳郎氏が設計して「管球王国」誌に発表する真空管アンプは非常に魅力的ですよね。コンパクトで美しく、真空管を長持ちさせる回路設計になっており、音質も素晴らしいだろうと想像できます。いかんせん、パーツ頒布の価格が非常に高い! ということがネックになって、私は1回も手に入れたことがありません。 でも、回路の設計が優れているのですから、吟味した市販パーツを使って製作すれば、かなり高品質のものができるのではないかと期待しています。今回拝借するプリアンプ回路は、「管球王国」誌 Vol.24 で発表されたトーンコントロール付きプリアンプ「TAC2」です。入手したソフトン製のRコア電源トランスに合わせて電源回路を調整し、リモコン受信回路とモーター付きボリュームの駆動回路を自作します。電源やリモコン受信回路のノイズがプリアンプに悪影響を与えないような工夫を計画中です。うまく完成したら、製作レポートを書きたいと思っています。(実は、もしTAC2がうまくいったら、TAP22という6L6プッシュプルのステレオパワーアンプにも挑戦しようかと思っています。安価に調達できる代用パーツの目途も付けてあります。) 挑戦(その2) 真空管式テルミンの製作: 電子工作の雑記帳(2004/11/21(その2))で、真空管式テルミンのことを紹介しました。その回路を検討したところ、アメリカからパーツを調達しないでも、日本の通販で入手可能なパーツを使って製作できそうだと分かりましたので、この完全自作にも挑戦します。本当は、これを先に作ることで電気工作の勘と技を取り戻してから“上杉アンプ”の方に挑戦するつもりだったのですが、仕事が予想以上に忙しくなったことや、その他のさまざまな事情から、まず真空管式プリアンプを作ることになりそうです。 この真空管式テルミンは、温かい音が出るように工夫した回路設計になっていますので、出来上がって音を聴くのを楽しみにしています。 本格的に製作に取り掛かるのは年末からになりそうです。さて、うまくいくでしょうか…… 2004/12/9 - Amperexの“Bugle Boy”
今日、右の写真にある真空管が届きました。Amperex社の「Made in Holland」の製品で、“Bugle Boy”(ビューグル・ボーイ; ラッパ手を務める少年)という愛称で呼ばれています。写真の真空管をよく見るとお分かりいただけると思いますが、管壁にラッパを吹いている“真空管くん”の絵が描かれています。これが名前の由来のようです。 なぜこれを購入したかといいますと、『Model 2 は真空管を Amperex か Philips に換えた方が繊細さも剛胆さもずっとよくなるよ』と、ある方に勧められたからなんです。 さっそく最近知って利用するようになったオーディオ・パーツの通販ショップのサイトを覗いてみたところ、年代モノの6DJ8/ECC88がいろいろリストに載っていました。Amperex製に“Bugle Boy”と書いてあったのですが、私はこの名前を知らなかったので、少しインターネット検索をしてみますと、各種銘柄の6DJ8の試聴感を公開しているページが見つかりました。この人は“Bugle Boy”の音をたいへん気に入っているようです。そしてその説明を読むと、私の好みにも合っていますから、これを買うことにしたというわけです。1本あたり\3,800を2本購入しました。ザ・キット屋さんでもEi Elite製の6DJ8が単品で販売されていますが、1本あたり\1,280ですね(ちなみに、私はEi Elite製の真空管のまろやかで表現力豊かな音が気に入っています。SV-2の初段 12AX7 もEi Eilteに交換しました)。でも、かなり古い貴重品で、かつ人気の高いブランドの球がこの値段ですから、お買い得だったと思います。元箱入りのNOS品でした。 エージングのつもりで数時間通電してから音を聴いてみました。するとこれが大正解! 元のエレクトロ・ハーモニクス製の6922EHでも十分に満足できる音でしたが、それをさらに上回るなんとも素晴らしい響きなんです。まず低域の迫力が増しました。自分のオーディオ・システムからコントラバスの低音がこんなに力強く聴こえてくるのを私は初めて体験しました。それにオーケストラ全体の響きや余韻のようなものがいっそうナチュラルになりました。高音の伸びが良い証拠だと思います。そして個々の楽器の鳴り方のリアルさも向上したと感じました。 GE製の古い211/VT4Cも素晴らしい音ですが、小さなMT管も、銘柄によっていろいろと個性があるんですね。それに「古いもののほうが音が良いことがある」というのも興味深いと思います。
補足情報: 6922はヒータの消費電流が0.3Aですが、6DJ8は0.365Aです。この程度の差ならModel 2の電源回路に無理が掛かることはないと思いますが、三端子レギュレータの発熱が多少増えると思われます。かなり大きい放熱板が付いているので大丈夫だと思いますが、Model 2 の周囲の通気を良くしたほうが安全でしょう。
2004/12/5 - さすが軍用! GE製VT4C(211)
オークションで入手した1943年 GE製の211(VT4C)の音の素晴らしいこと! もう他の真空管アンプを欲しいなどとは当分思わないでしょう。 さすがは軍用、技術の粋を結集してあることはもちろん、その当時入手可能だった最高品質の材料を使ってあるんでしょうねぇ。Golden Dragonブランドの211は真空管内部の頭の部分にマイカ板を置いて電極を支えているんですが、このGE製は電極の頭の部分が支えられていません。それでも軍用の厳しい使用環境に耐えるんですから、大したものです。それと、ヒーターの光が温か味を帯びている様が、何かランプの光を見ているようで、気持ちが和みます。ガラス職人が手作りで製作したんでしょうか、頭部の丸くなった部分のガラスの厚みが場所によって微妙に違っていて、見る角度によって光がいろいろな反射をするんです。写真を撮ってみましたが、私の腕ではとてもうまく表現できません…(電極の上のほうでガラスの丸みに沿って見える光は、ヒーターの光がガラスで反射して見えているものです。見る角度によって、このような反射が少しずつ変化します)。 さて、肝心の音質ですが、ソロ楽器の演奏からフルオーケストラまで、どんな曲でも見事に奏でてくれます。バイオリン、アルパ(中南米の小型のハープ。別名インディアン・ハープ)、ギターのソロなどを聴きますと、たいへんリアルで美しい、そして甘美な音がします。響きや余韻が見事ですし、弦がきしむような音など、細かいところまで実によく聴こえてきます。かといって刺激的になるのではなく、ナチュラルでまろやかです。オーケストラを聴くと、コンサートホールに充満する音の響き、余韻、ハーモニーがたいへん美しく再生されます。全楽器が強奏するような箇所でも、その美しさを保ったまま、迫力満点のハーモニーが轟きます。 このあたりの音質の変化は、CDプレーヤーを「TL-51X + Model 2」に替えたことも大きく影響していると思いますが、Model 2から出力される解像度の高い、繊細な音をこの211で聴きますと、これが何ともいい味を出してくれます。この音を、忠実度の高い、いわゆる「ハイファイ」半導体アンプで鳴らすと、ぎすぎすした、刺激の強い音になってしまうのではないかと想像します(あくまでも素人考えですが)。でも、211を通すと、繊細さや解像度を保ったまま、実に柔らかく、温かく、まろやかにまとめ上げてくれるんです。 改めて感じたのは、中国管もなかなか頑張っているなぁ、ということです。Golden Dragonの211でも、私を虜にするには十分すぎる素晴らしい音を出しています(11/6に書きました)。Golden Dragonの音を「美しく華やかで力強い」と表現するとしたら、このGE製の軍用211の音は「熟成されたコクのある甘美さと、豪快な迫力を兼ね備えている」といったところでしょうか。 それにしても、元々は送信管で、オーディオ用に作られたものではないこの巨大な真空管をオーディオ用に転用することを思いついた諸先輩方の知恵と創意工夫には感服ですね。おかげで、素晴らしい音楽を自宅に居ながらにして楽しめます。 2004/12/1 - 待望の「Model 2」&「お宝」到着!
今日、待ちに待った「Model 2」が到着しました。ちょうど新しい仕事が始まったばかりで時間に少しだけ余裕があったので、さっそく組み立てました(約3時間で完成)。さっそく設置した様子が右の写真です(撮影用に Model 2 を少し前に引き出してあります)。 このために売却した300Bppアンプのあった場所にちょうど上手く収まっています。しかも、ラックの背面には下のほうだけ裏板があるのですが、ちょうどそこに排熱用の排気ファン(コンピュータ用の低騒音型の物を、回転速度をさらに落として使用)を設置してあるので、前面のガラス扉を閉めても、通常の使用なら熱がこもらずに済みます。何しろ、300B 4本+MT管 6本のアンプを置いていた場所ですので。 Model 2の説明書にも書かれているとおり、真空管を使用していますので「慣らし運転」が必要のようです。軽く試聴したところ、確かにちょっと高音域が硬いという印象を受けましたので、今、エージングしています。 製作・試聴記を後日公開するつもりですが、第一印象だけ簡単にご紹介しておきます。まず、これまでのCDプレーヤー(サンスイ)の光デジタル出力をつないでみたところ、ふっくらとした柔らかい音でありながら低域の力強さもある、非常に好ましい印象でした。次に「TL-51X + Model 2」で聴いてみますと、期待通りの素晴らしい音ですね! 柔らかくて温か味のある音質なのに、解像度もしっかりしています。左右の広がりは今までのCDプレーヤーでも十分に出ていましたが、前後の奥行きがもっと感じられるようになりました。弦楽器は前の方、シンバルは一番後ろ、といったステージの奥行き感をしっかり感じとることができます。それよりも何よりも、このふっくらとした、刺激感のない、でも力強い響き、聴いていて思わず顔がほころんできます。言ってみれば「癒し系」の音といったところでしょうか。 これはあくまでも第一印象ですので、エージング後にもう少しいろいろ聴き比べてみてから、またレポートしたいと思います。 もう1つ、タイトルに「お宝」と書いた逸品も今日届いたんです。Yahoo!オークションで落札することのできた、GE製の211/VT4Cです。何と戦時中、1943年の製品で、いわゆるNOS品(New Old Stock、新古品)です。40年近くもアンプ製作を趣味として楽しんでこられた愛好家の方が、予備のために保管してあったものを譲ってくださいました。これも60年にわたる眠りから覚めてもらう必要がありますので、エージング中です。途中で少しだけ音を鳴らしてみましたが、何と表現したらよいか分からない、得も言われぬ素晴らしい響きでした。この件についても、後日この雑記帳に書こうと思っています。 これで、私のメインのオーディオシステムは、入口と出口が管球式になり、どちらもたいへん私好みの音を出してくれます。でも、途中に入っているプリアンプだけはアキュフェーズ製の半導体アンプです。もっとも定価22万円の品物ですので、いい音を出しているはずなんですが、こうなるとプリアンプも真空管式に変えてみたくなりますよね。ここで私の好みというか、こだわりというか、ちょっとネックになることがあるんです。「リスニング・ポジションに座ったままリモコンで音量調節をしたい!」。贅沢というか、物ぐさというか…。というわけで、現在のメインシステムもサブシステムも、プリアンプはリモコンで音量調節ができます。もう1つのネックは置き場所で、何とか Model 2 の横の24cmの幅に収まるようにしたいとも思っています。そんなわけで、モーター付きのVRを手に入れて、リモコン付きの真空管式プリアンプを完全自作しようと計画を練っているところです。もっとも回路まで完全自作は私には無理なので、拝借する回路を既に選定してあります。これも、うまく完成したら、製作記を作りたいと思います。(リモコン付きの真空管アンプって、これまで市販されたことはあるんでしょうか? こんな とてつもないもの、自分で作るしかないんでしょうねぇ…) なんだか最近すっかり自作熱に取り付かれています。前にも書きましたが、私の場合、電気工作が好きな度合いと音楽鑑賞な好きな度合いの比率は、やはり「7:3」かそれ以上のようですね。 2004/11/24 - TL-51X到着 & オークション終了昨日、意を決して購入したベルトドライブのCDトランスポート「TL-51X」が到着しました。さっそく開梱しますと、ごく標準的なサイズ(というより、やや小ぶりとも言えそう)のオーディオ機器が姿を現します。CDを入れる部分のフタは手でスライドして開けるんですね。CDを載せた後、重さ約330gの専用スタビライザーで固定します。フタを閉めてPLAYボタンを押すと、CDがゆっくり静かに回転し始めるのが見えます。スキップボタンなどの動作も確認してみます……。残念ながら、いま試してみることができるのはここまでなんです。同時に注文したD/Aコンバータ「Model2」の入荷・到着を待っているものですから...。それにしても、どっしりと安定感のある重さです。説明書には重量が9.9Kgと書かれています。これだからこそ、CDの回転が安定して、良質なデジタル信号を読み取ってくれるんですね。早く音を聴いてみたい! 何日か前に読んだインターネットのコンピュータ関連ニュースに、近い将来、人間がコンピュータウィルスに感染する恐れがあるなどという奇妙な記事が出ていました。いったい、なぜ? と思って読み進めてみると、コンピュータチップを体内に埋め込んでいろいろと人間の能力を高めるようになるだろうといったSFのような話でした。そんな「デジタル人間」だったら、D/Aコンバータなどなくても TL-51X の音を聴けるんでしょうかねぇ(笑)。 ところで、私がTL-51XにCDをセットする様子を見ていた妻の一言。「わぁ、ローテクぅ〜。手で開けるんだぁ。その重石を間違って落としたらたいへんだネ」。最後の部分は妙に納得。スタビライザーは慎重に取り扱わないといけませんね。大事なCDを割ってしまったり、何よりもTL-51Xを壊してしまったりしたら、「残念でした」では済まされませんから。 今回購入したオーディオ機器の置き場所確保と資金調達のためにオークションに出品した「三栄無線 300Bプッシュプル」は、昨晩、無事に落札者が決まりました。終了間際の入札合戦で、さらに数千円 値上がりして、まずは満足といったところです。真空管(300B)も一緒にお譲りするかどうかの相談がまとまったら、しっかり梱包して発送します。 それにしても、念願かなって手に入れたアンプを2年ほどで手放してしまうとは、つくづく私は「コレクター」「収集家」ではないのだなと思いました。真空管アンプでクラシック音楽を聴くのは大好きですが、電気工作・電子工作が好きな度合いと、音楽鑑賞な好きな度合いを比率にすると、おそらく「6:4」あるいは「7:3」かもしれません。そういえば、Yahoo!オークションの真空管アンプのカテゴリーに出品する人の中には、「作るのが好きなので製作しましたが、次のアンプを購入するために手放します」と書いている人もいました。人の趣味はいろいろですね。 もう1つ付け加えるとすれば、SV-2 (2003) で 211 を鳴らしたときの音にぞっこん惚れ込んだからこそ、300Bppを手放す決心がついたのだと思います。 2004/11/17 - ベルトドライブCDトランスポートTL-51Xの誘惑…数日前からザ・キット屋「店主日記」でベルトドライブのCDトランスポート(CEC社/TL-51X)のことが話題になっていましたよね。たいへん魅力を感じながらも、トップローディングですから、置き場所がない...、購入資金もない...と諦めていたのですが、今朝見た店主日記で11/19(金)午前9:00まで「限定頒布」の期間を延ばしてくださったことを読み、購入したいという誘惑に駆られました。 どこかに置けないだろうか、とステレオラックをじっと眺めていましたら、見つかったんですねぇ、置き場所が。 10/6に写真を載せてありますが、ラックの一番下に愛用の300Bppアンプを置いてあります。これを売却すれば…、2つの問題は一挙に解決するなぁ…、という誘惑に駆られたわけです。 SV−2 Ver.2003 を購入・製作・改造してからは、この300Bppアンプを聴く機会が激減しています。SPセレクタで切り替えて音質比較をしてみたりすると、SV-2の音で自分が十分満足できていることを改めて思い知らされます。といいますか、211と300Bppでほとんど差がないように聞こえます(少し訂正: 差はあります。211の方が300Bppより低域に厚みがあるように思います。でも、300Bppが211より優れている点は何だろうと考えてみると、出力が大きいことが挙げられますが、私の環境ではそれほどの大出力を必要としないわけでして…)。じっくり聞き込んでみれば微妙な差があるでしょうし、その差を楽しむのも醍醐味なのだと思いますが、私の耳にはちょっと贅沢、無駄、という気がしてきました。それに、300Bppの25W+25Wもの大出力が必要なリスニング環境でもありません。 というわけで、思い切って300Bppアンプの売却を決断しました。まずは、午前中に「TL-51X」と「Model 2」の購入申し込みをして、夕方に返事が届いたのを待ってから、300BppをYahoo!オークションに出品しました。もし関心をお持ちの方は、こちらからアクセスできます。 真空管バッファ搭載のD/Aコンバーター「Model 2」は、来年にでも購入したいと思っていたんです。DVDプレーヤーにも接続できますので。16年ほど前から使っているサンスイのCDプレーヤーは、5年前にいったん故障してゴムベルトなどの可動部品を交換してもらったのですが、そのうちまた故障するかもしれません。というわけで、非常にお買い得な今回の「限定頒布」の誘惑にひかれて、遂に一大決心をしてしまいました。時間ができたら、製作・試聴レポートを公開したいと思っています。 2004/11/16 - ゲルギエフの怪演今朝、仕事をしながら聴いていたNHK FM(ミュージックプラザ 第1部 クラシック」再放送)で流れてきたチャイコフスキーの交響曲 第5番には度肝を抜かれました。凄まじい音のうねり、最終楽章の怒涛のマーチ、これほどまで強弱とテンポが変化するゲルギエフの指揮に、ウィーン・フィルがよくも付いていけたものです。 クラシック通の方々ならこの伝説の演奏会のことを既にご存知なのだろうと思いますが、私は初めて耳にしました。今朝のNHKで放送されたのは、1998年7月のザルツブルク音楽祭のライブ録音を収録したCDだったんです(詳細(Amazon))。同じゲルギエフ指揮ウィーン・フィルによるチャイコフスキー交響曲 第4番〜第6番 3枚組みのCDも最近発売されたんですね(詳細(Amazon))。あまりにも壮絶な演奏ですので、私の好みからは外れるのですが、肝を据えてこんな演奏と対峙してみようと思うときもあるかもしれません。買おうかどうしようか、迷っています…。 ちょうどゲルギエフとウィーン・フィルが来日中で、11/21(日)の15:00からNHK FMでサントリーホールでの演奏会を生中継してくれるそうです。演目はラフマニノフのピアノ協奏曲 第3番と、チャイコフスキーの交響曲 第4番です。これは聴き逃せませんね。 2004/11/14 - チャイコフスキー三昧12日の金曜日は、10:30からNHK BS2でアシュケナージ指揮のN響定期公演の放送があり、演目はチャイコフスキーの交響曲第3番と第4番でした。その夜、今度はNHK音楽祭の第4弾、マリス・ヤンソンス指揮/ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団による「悲愴」交響曲のFM生中継がありました。 日中は年に一回のマンションの配水管清掃があり、朝から外に高圧ポンプ車が3台も停まって夕方まで唸りを上げていたので、仕事をしながら聴くBS放送はまるで高速道路を走る車内で聴いているような状態です。でも、例によってパソコンで録画してDVDにしましたので、後で十分に楽しみました。 放送されたのは10月24日の演奏会の様子ですが、前日の23日、ちょうど新潟県中越地方の大地震があった日、アシュケナージ氏が演奏中に災難に見舞われたということを「ザ・キット屋」店主日記で読んで知っていましたので、翌日に指揮して大丈夫なのだろうかと心配していました。そのあたりの事情は、「キット屋倶楽部」の「キット屋のお友だちの部屋」で紹介されているN響バイオリニストお二人の当日の日記を読むとよく分かります。 第3番の交響曲が演奏会で取り上げられるのは珍しいですから、貴重なDVDを作成できて喜んでいます。アシュケナージ氏の左手に貼られた白い湿布薬のようなものが痛々しく見え、先日の「音楽監督就任記念演奏会」のときほど左手を活用できず不自由しておられるようにも見えましたが、たいへん力強く、情感のこもった素晴らしい演奏だったと思います。皆さまご存知のとおり、この曲はチャイコフスキーの交響曲の中でただひとつ長調(ニ長調)の曲なので、初めて聴くと「つまらない」とか「チャイコフスキーらしさがない」とか感じることがあるかもしれませんが(私もそうでした)、何度か聴いていくうちにチャイコフスキーらしい美しいメロディーやオーケストレーションを十分に楽しめるようになりますよね。私はアバド/シカゴ響のCDを持っています(詳細(Amazon))。 第4番の交響曲の演奏はなかなかユニークで、これがアシュケナージのチャイコフスキーなんだと興味深く聴きました。冒頭から金管が咆哮し、激しい曲想と物悲しい曲想が交互に繰り返される第1楽章ですので、多くの演奏は最初から物凄い迫力になります。それに対して、アシュケナージ氏の指揮はずいぶん抑え目で、テンポのとり方や変化も独特です。だんだん盛り上げていき、第1楽章の最後の方で1つ「聴かせどころ」を作ったのかなという印象を受けました。第4楽章は力強く勢いのある演奏でしたので、ここまで聴いてくると、最初はずっと抑え気味にしておいて最後に感情を一気に爆発させるという意図だっんだと(素人考えですが)思いました。もしかしたら、左手の怪我が影響して前半の独特な音楽表現をN響から十分に引き出せていなかったのかもしれませんが、何年かしてN響とアシュケナージの息が合ってきたころにもう一度この曲を聴いてみたい気がします。前日の演奏会では、この第4番をコンサートマスター堀氏の弾き振りで演奏したそうですから驚きですね。室内オーケストラではよくある光景ですが、フルオーケストラをバイオリンを弾きながら指揮するとは! そのあたりの話も、N響バイオリニストお二人の日記に書かれていて、興味深く読ませていただきました。 さて、夜に聞いた第6番「悲愴」もまた独特な演奏だと感じました。テンポの微妙な変化や強弱の付け方がユニークなんですね。この日は少し体調を崩していたことと、日中の騒音で耳が参っていたことが重なって演奏を十分に楽しめませんでしたので、11/20(土)00:30からのBS2の放送を録画・DVD化して、じっくり楽しもうと思っています。 2004/11/6 - 最近すっかり211の虜ですSV−2を改造してNFBを3段切換にして以来、211にすっかりハマッています。「NFB大」(微調整後のNFB抵抗18KΩ)で聴くフルオーケストラの音場感豊かで厚みのある響き、「NFBオフ」で聴くバイオリンの美しい音色、どちらも私の好みにピッタリなんです。 「仕事中のBGMに最適なクラシック曲CD」のページに書きましたが、私が室内楽の良さを楽しむようになったのは ここ数年のことなので、バイオリンソナタのCDは持っていませんでした。また、数ヶ月前にFM放送でシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」(確か、カール・ベーム/ベルリン・フィル)を聴いて以来、その交響曲のCDも購入したいと思っていました。そんなわけでアマゾンのサイトを覗いてみますと、私の思いを見透かしたかのように「未完成」と「グレート」が2枚組みになったCDが「おすすめ」として表示されているではないですか! まぁ、これがアマゾンお得意の過去の検索・購入履歴に基づくトリックなのですが、ここまでピタリとハマルとちょっと驚きですね。それに、諏訪内晶子さんのバイオリン・ソナタ集も「おすすめ」の中に入っていました。これはちょうどよい(合わせて5000円ちょっとなので500円還元される)ということで、さっそく注文しました。ギュンター・ヴァント/ベルリン・フィルの「未完成」&「ザ・グレート」(詳細(Amazon))と、諏訪内晶子&ボリス・ベレゾフスキーというチャイコフスキーコンクール優勝者コンビによる「スラヴォニック」(詳細(Amazon))です。'95年と'98年に発売されたCDですので、既にお持ちの方もおられると思います。 「ザ・グレート」と言えば、ちょうど今日の深夜0:30からBS2で放送されたNHK音楽祭の第3弾、ヤコフ・クライツベルク指揮/ウィーン交響楽団の演奏会にも含まれていました。注文したCDは今日届く予定ですが、まだ届かないので、まずは録画してDVDにしたこの演奏会の方を楽しみました。クライツベルク氏は1959年生まれ(私より5才年上)ということで、若々しい指揮ぶりです。オーケストラを指揮して音楽を奏でることを心底楽しんでいる様子が表情や全身からあふれ出ていて、たいへん印象的でした。N響をよく指揮していたヘルベルト・ブロムシュテット氏の指揮ぶりを思い出します。何年も前のことですが、私がチャイコフスキーの交響曲第2番「小ロシア」を初めて聴いたのも、ブロムシュテット指揮のN響定期公演の放送でのことでした。この指揮者も本当に楽しそうに指揮をするんですよね。 演奏の方も、ウィーンの楽団らしい端正で美しいハーモニーを聴かせてくれました。ただ、これは多分に好みの問題だと思いますが、今ひとつ おとなしいというか、ぐっと迫ってくるものがないというか、数ヶ月前にFMで聴いたベーム/ベルリン・フィルの演奏のような感激を経験できない気がするんです(FMで生中継を聞いたときも、何かおとなしい演奏だったなという印象でした)。もっとも、会場では「ブラボー」が飛び交っていましたから、多くの観客は大満足だったんでしょうね。確かに名演奏だったのだと思います。 その後、待望のCDが届きましたので、さっそくギュンター・ヴァント/ベルリン・フィルの「ザ・グレート」を聴いてみました。アンプはもちろんSV−2に211を挿した「NFB大」モードです。するとこれが迫力満点の名演でした。どちらかと言うと私はベルリン・フィルの弦があまり好きではないんです。弓や弦が切れてしまうのではないかと思えるほど力強い弾き方から響いてくる分厚く粘っこい弦の音よりも、ウィーン・フィルやモントリオール交響楽団のような軽めで美しく響く弦の方が好みに合います。でも「ザ・グレート」は、ハ長調であることも関係しているのでしょうか、ベルリン・フィルの音色で聴くと最高だと感じました。分厚い弦に、美しい上に音量も十分に出ている木管、強烈とも言えるほど力強い金管、これらすべてを名指揮者の巧みなリードによって絶妙なテンポでまとめ上げると、魂を揺さぶるような感動を聴き手に与えてくれるんですね。少なくとも私の好みでは、「ザ・グレート」はこのような演奏が最高だと思います。 諏訪内さんの「スラヴォニック」もいいですねぇ。SV−2の「NFBオフ」モードで聴くと、バイオリンの甘美な響きがぐっと前に出てくる感じで、素晴らしい演奏がいっそう引き立ちます。今までは、チェロソナタを時々聴くことはあっても、バイオリンのソロはどうも性に合わないと思っていました。ちょっとキンキンして嫌だという印象だったのだと思います。でも、質の良い真空管アンプで聴くと、高音のきつさが和らげられる反面、美しい響きや艶は増強されて、たいへん好ましい音になってくれます。これを機会に、自分として楽しめる音楽の幅がいっそう広がりそうです。 やっぱり、生楽器の響きを臨場感豊かに楽しむには真空管アンプに限りますね。 2004/10/31 - 二人のマエストロの名演奏金曜日の午前10:00からと土曜日の午前0:30から、楽しみにしていたコンサートがNHK BS2のBモードで放送されましたので、例によってパソコンで録画し、DVDに焼いて、この週末に視聴して名演奏を堪能しました。 1つはN響の「ウラディーミル・アシュケナージ音楽監督就任記念演奏会」です。オーケストラはコンサートホールで生演奏を聴くのが一番ですが、テレビで視聴すると、指揮者の表情や手の動き、演奏者の様子などをアップで見ることができますので、これもまた楽しいものです(それを真空管アンプで鳴らしますので、臨場感も充分です)。アシュケナージ氏の指揮ぶりは、小柄な体全体を使う、たいへん力強く、きびきびとしたものでした。時には背伸びするかのようにして、顔の表情もふんだんに活用しながらオーケストラを引っ張っていく様子がたいへん印象的ですね。ベートーベンの交響曲第5番「運命」の、情感豊かで力のこもった演奏に感動しました。 もう1つは、今年のNHK音楽祭の第2弾、ロリン・マゼール指揮/ニューヨーク・フィルの演奏会です。マゼール氏の指揮ぶりは、あたかも老練なマジシャンを見ているかのようでした。腕をあまり大きく動かすことはなく、冷静沈着な面持ちで指揮しているのですが、右手の指揮棒でテンポを刻み、左手の微妙な動きでニュアンスを伝え、大勢の演奏者たちを見事にリードしています。時おりチラッと演奏者の方に目で合図したり、小さく指差すようにしてソロ演奏を引き出したりしている様子が、まさにマジシャンのようなんです。 メインはドボルザークの交響曲第9番「新世界から」でしたが、ここまでテンポが自在に変化する演奏は初めて聴きました。あの小さな身振りを1つも見逃さず、演奏者全員が指揮棒に巧みに操られて迫力満点の演奏を披露している様は圧巻でした。 この2つの演奏会を聴きながら、サンバレーのSV-2 (2003) と三栄無線の300Bプッシュプルの音を聴き比べてみたのですが、211と845と300Bppの違いをよく認識することができ、面白い経験でした。SV-2と300Bppは自作のスピーカーセレクタで瞬時に切り替えて音を比べることができます(アンプのボリュームを調整して、2台の音量を揃えておきます)。 SV-2に845(Sunvalley Prime Tube)を挿した時の音は、私の300Bppとよく似た傾向の音を出しています。セレクタで瞬時に切り替えてみて初めて気が付いたのは、音場の広さというのでしょうか、300Bppの方は左右のスピーカーのさらに外側まで音が広がっているような感じなのに対して、SV-2の845シングルは音の広がりが少しだけ狭いということです。ごくわずかの差ですので、瞬時に切り替えて聴き比べてみるまでは、その違いを意識していませんでした。 一方、SV-2に211(Golden Dragon)を挿した時の音を瞬時に切り替えて300Bppと比べてみると、音場の広がりに差は感じられませんでした。違うのは、211の方が低域にさらに厚みがあることです。実は、SV-2の改造レポートでNFB抵抗を15KΩにしたことをご紹介しましたが、この機会に18KΩも試してみたんです。すると、改造レポートで「NFB標準に比べるとやや低域が落ちたように感じます」と書いた点が改善されて、ダンピングの良い低音が鳴るようになってくれました。しかもバイオリンの高音の美しさも損なわれていません。どうやら、私のスピーカー(サンスイ SP-1000)では、このNFBがベストのようですね。 こうやって聴き比べてみると、211/845の底力を改めて思い知らされます。フルオーケストラの力強い響きを臨場感豊かに再生してくれることに魅せられて三栄無線の300Bプッシュプル(復刻版)を購入・製作したのですが、211や845ではシングル構成でそれに匹敵する音場感を実現できるんですね。しかも、室内楽を鳴らすと、これまた三極管シングルならではの繊細で艶のあるなんとも美しい音とハーモニーを聴かせてくれます。300Bppの方も、JJ製の300BとEi Elite製のMT管に差し換えてからは室内楽も綺麗に鳴るようになりましたが、やはり「裸の211」や「NFB標準の845」の奏でる弦の音のほうが一枚上のようです。 ザ・キット屋の新製品VP-3000は、キット屋の技術陣が精力を傾けてベストなチューニングを施した力作である上に、この驚くような低価格ですから(真空管「別売り」かと勘違いしそう!)、実に魅力的ですね。手作り大好き人間の私としては、可能なら手に入れたいところですが、資金と置き場所に限りがありますので…。リビングには私好みの音を鳴らしてくれる2台のアンプがありますし、しかもSV-2は2種類の真空管を楽しめて、NFBの切換えも可能にしましたので、当分はこの2台を味わいつくそうと思っています。 2004/10/15 - SV-2 Ver.2003 改造計画(211の音質改善)今週の月曜日、SV-2 (2003) の製作・試聴記をご覧いただいた YTさま からメールを頂戴しました。30年にわたって各種真空管のアンプを製作して聴いてこられた経験から、211という球の個性を熟知しておられ、211の音をこよなく愛好しておられる方です。メールの内容は『211の出す弦の音はもっと美しいはずなので、NFBをもう少し掛けてみてはどうか』というご提案でした。 自力で回路設計や定数調整するのは私には無理ですので、サンバレーの大橋さまにもご相談しながら何度もメールをやり取りさせていただきました。その結果、「NFBをトータル10dBに増やしてみる」と「オーバーオールNFBを切ってみる」という2つの案に固まりました。これなら、私でもすぐに試してみることができそうです。さっそく片チャンネルだけ手を加えてみますと、大正解でした。どちらの方法も、個性は大きく違いますが、現状よりはるかに素晴らしい弦の音を211が響かせてくれたのです。 そこで、近いうちにSV−2に少しだけ手を加えて、「NFB標準」(現状のまま)、「NFB 10dB」、「NFBオフ」(無帰還)という3つのモードを切り替えるスイッチを増設しようと思います。結果は「改造レポート」としてこのサイトに掲載するつもりですので、もし関心をお持ちの方は楽しみにお待ちください。ちなみに、大橋さまのご説明で知ったのですが、2段目のKT88のところで620KΩの局部帰還(約2dB)がかかっているそうですので、「NFBオフ」といっても完全な無帰還ではないということになります。 あらためまして、YTさま、大橋さまのご親切かつ有益なアドバイスに心から感謝いたします。 2004/10/9 - 「陽気なニコニコおじさん」10月4日に「クラシック奏者とお国柄」について書いたばかりですが、奇しくも10月8日の朝日新聞の夕刊のコラム(5面の「ツウのひと声」)で作曲家の吉松 隆 氏が同じような趣旨のことを書いておられるのを興味深く読みました。一部引用させていただきます。
先日、とある日本の名門オーケストラのコンサートに行って改めて感じたのは、「なんで日本人はいまだにクラシックというとあんなに真面目な顔で演奏するんだろ?」ということ。
その日の指揮者は、イタリアから来日した「陽気なニコニコおじさん」とでも言いたくなるような人で、いかにも「ほら、楽しいでしょ?」とばかりにロッシーニやハイドンを振るのだが、オーケストラは全員、まるでお役所の業務でもこなすかのようにニコリともせず、テキパキという音のしそうな演奏。 いや、アンサンブルは見事だし、演奏レベルは大したものなのだ。でも、こんなに楽しい音楽を、なんでそんなに真面目な顔して弾くのかしらん? コラムではこのあと、クラシックの作曲家が決して真面目な堅物ばかりではなかったことを具体的に紹介し、日本でのクラシック音楽がひたらすマジメ路線という印象なのは、明治時代に一般大衆を啓蒙するために西洋近代文明の「教養」としてクラシック音楽を導入し、そのようなものとして教育してきたことが原因ではないかと続いています。 固有名は伏せられていますが、明らかに吉松氏はこのコンサートに行ったのでしょう。 ちょうど今日の未明 0:30 からBS放送で同じ指揮者+交響楽団による“某音楽祭”が放送されたので、PCで録画し、さっそくDVDに焼いて鑑賞しました。例のコラムのことが頭にこびりついているためか、指揮者や楽団員の表情にどうしても目が行ってしまいます。でも、吉松氏の描写は言い得て妙だと思いました。前半のロッシーニの序曲3つでは、指揮者が演奏中に笑顔を浮かべながら棒を振っていることさえありますが、楽団員は真剣そのものの面持ちで演奏しています。もっとも、さすがに後半のブラームスの交響曲第4番で指揮者が笑顔ということはありませんでしたが(そんな指揮者がいたらちょっと不気味ですね)。でも、演奏が終わったあとの満足感あふれる穏やかな笑顔が印象的でした。 それはさておき、9月後半からネルロ・サンティ指揮による演奏をFM放送で何曲か聴きましたが、どれも、じっくり、たっぷりとメロディーを歌わせる演奏だと感じました。これを歌の国イタリア出身の指揮者らしい演奏というのでしょうか。今日DVDで試聴したブラームスの交響曲第4番も同じ印象です。演奏技術が多少劣る楽団では迫力と勢いで技術不足をカバーするような演奏会になることがありますが、ネルロ・サンティのゆったりとした指揮に十分に応えて見事な演奏を聞かせてくれたNHK交響楽団もずいぶんと腕を磨いてきたと言えるんでしょうね。デュトワ氏に鍛えられたおかげもあるしょうか。 この演奏会でもう1つ面白かったのは、楽器の配置です。コントラバスがステージに向かって左側後方に陣取り、ティンパニは中央からやや右よりの後方でした。FM生中継の解説者の説明では、オペラのオーケストラピットでの配置なんだそうです。でも、DVDを試聴しているとき、コントラバスの音が通常通り右側から聴こえてくるように感じたことが何度もありました。「コントラバスは右側」という「慣れ」「先入観」のせいでしょうかね。そのほかに、低音は方向性を聞き分けにくいという特性も関係しているのかなと思いました。だからこそ、スーパーウーハーは1台で済むわけですよね。 残り4つの演奏会も楽しみです(すべてBS放送を録画しての鑑賞になりますが)。楽団や指揮者のお国柄にも注目してみようかな(笑)。 2004/10/6 - ザ・キット屋カレンダーいいですねぇ〜、「ザ・キット屋カレンダー 2005」。 店主日記でそのカレンダーのことを読んで以来、ぜひとも手に入れたいと思っていました。残念ながら真空管オーディオフェアには行けなかったのですが、残りを販売するという話が日記に書かれていましたので、ときどき在庫のページを覗いていたんです。そうしたら、ひっそりとリストに加わっているではないですか! さっそく注文しました。 カレンダーの主役は、ザ・キット屋の顧客の一人で自ら真空管アンプの自作もなさるというプロのカメラマンが撮影したサンバレーの真空管アンプの写真です。暖かく、明るく輝く真空管と、いかにも心地よい音を鳴らしてくれそうなアンプの姿が見事に表現されています。カレンダーの役目を終えたページは、写真を切り抜いて永久保存版にしたいと思います。
2004/10/4 - クラシック奏者とお国柄クラシックの演奏家にも「お国柄」があるのでしょうか? やはり、あるんでしょうね。 私が印象に残っているのは、室内オーケストラの2つの演奏会です。詳細は忘れてしまったのですが、どちらも10年ほど前に出かけた演奏会で、ビバルディなどのバロックが演目の中心でした。 確か先に聴いたのはイタリアの楽団だったと思います。女性奏者が多かったせいか服装が華やかな感じでしたが、何よりも印象深かったのは、演奏している楽団員が皆にこやかで楽しそうに弾いていることでした。聴いている私たちまで楽しい気分になり、演奏の良さがいっそう引き立つように感じました。演奏会が終わると、実に満ち足りた気持ちで家路に着いたのを覚えています。 もう1つの演奏会は、確かドイツ系の楽団だったと思います。楽団員は黒の正装で、演奏中の様子は「真剣」「真面目」といった印象で、イタリアの楽団のように「楽しそう」という雰囲気ではありませんでした。もちろん聴こえてくる音楽そのものは素晴らしいのですが、観客の私には演奏者の仕草や表情も目に入りますので、曲の雰囲気と演奏者の雰囲気のギャップに戸惑いを覚えた記憶があります。正規の演目が終わり、アンコール曲の演奏になると、楽団員もリラックスしてきたのか、柔らかな表情で演奏を楽しんでいるように見えました。 日本の楽団が海外で演奏するとき、地元の人たちはどんな印象を受けるんでしょうね? 2004/9/26 - 今でも記憶に残るコンサート初めて自分でお金を払って出かけたコンサートの思い出が今ひとつだったことを9月7日に書きましたが、2回目に行ったコンサートのことは今でも印象深く覚えています。それは、忘れもしない1992年4月9日(いぇいぇ、本当は日付はこちらのページで調べました)、東京・三軒茶屋にある昭和女子大学 人見記念講堂でのコンサートです。 その頃までにいろいろなCDを買い集めるようになり、チャイコフスキーの交響曲とシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏が自分のお気に入りになっていました。そんなある日、新聞広告でこの演奏会のことを知り、思い切ってS席のチケットを購入したのでした。 演目はラヴェルのバレエ音楽「マ・メール・ロア」とチャイコフスキーの交響曲 第5番です。初コンサートで得た教訓から、まだ聴いたことのない「マ・メール・ロア」のCD(デュトワ指揮モントリオール響)を購入して“予習”しておきした。 いよいよコンサート当日、前半は「マ・メール・ロア」です。私には馴染みの薄い曲でしたが、予習した甲斐もあり、それなりに楽しめました。演奏終了後、デュトワ氏がフルート奏者のティモシー・ハッチンズ氏を抱きしめながら名演を讃え、フルート独奏によるアンコールがあったことが印象に残っています。 さぁ、後半は大のお気に入り、チャイコフスキーの第5番です。前半より弦楽器奏者の人数が増え、比較的狭いステージの端の方までギッシリ楽団員で埋まっています。演奏が始まると、私は一音も聴き漏らすまいというほどの意気込みでステージに目と耳を集中しました。いろいろな独奏楽器がメロディーを奏で始めるたびに、何とか演奏者を見ようと少し身を伸ばしますが、1階席の中央付近でステージよりやや低い位置に座っていたため、あまりよく見えませんでした。それにしても、デュトワ氏の棒さばきに各奏者が見事に反応する様子、あれだけ大勢の弦楽器奏者がどんなテンポのときにも正に一糸乱れぬ音を響かせている様子、圧巻でした。 演奏が終わると、ホッと力が抜けるとともに、なんとも言えない満ち足りた心地に浸りました。これぞオーケストラの真髄! オーケストラを生で聴く醍醐味! と感激ひとしおです。観客の拍手喝采に応えながら指揮者が独奏者を一人ずつ立たせるたびに、私も夢中になって拍手していました。 モントリオール交響楽団はヨーロッパの楽団に比べて「弦が薄い」という評があるそうですが、私は逆に、あまり粘っこくなく透明で爽やかな弦の響きが気に入っています。それに、フルート、オーボエ、クラリネットといった木管楽器の奏者が本当に上手いですね。聞き惚れてしまいます。首席奏者3人の風貌や演奏時の「動」と「静」が三者三様で印象的です。また、金管楽器群のたいへん綺麗な音も大好きです。変にけたたましくなく、かといって弱々しいわけでなく、弦楽器群とよく調和する美しい音だと思います。 そんなわけで、私が行った2回目のコンサートは今でも記憶に残るコンサートです。その印象があまりにも鮮烈だったため、その後数年間は、他の楽団の演奏会を聴きに行っても感動が少し薄くなってしまうという「弊害?」が出たほどでした。デュトワ=モントリオール響のCDもずいぶんと集めました。 心残りなのは、デュトワ氏がN響の音楽監督をしていた時代に生演奏を聴きに行けなかったことです。今後、もしデュトワ氏がモントリオール交響楽団とともに来日公演をすることがあれば、ぜひ行きたいものだと思っています。 2004/9/23 - 211、なかなか良い音になってきました211のその後についてですが、さらに10時間かそれ以上音を出しながらエージングを続けました。気になっていたバイオリンの音もずいぶん良くなってきたように感じます。 特に感激したのは、何日か前にNHKのFM放送でベートーベンの「第9」を聴いていたのですが、第4楽章でソリストが歌いだしたときです。ぐっと前にせり出してきました。もちろん録音やミキシングの効果もあるのでしょうが、845や300Bppとは一味違う迫力ある演奏を楽しめました。 これで、私のメインシステムは SV-2(2003)の 845 と 211、三栄無線の 300B プッシュプルと、3種類の音を楽しめるようになりました。真空管アンプの「醍醐味」をまたひとつ体験することができ、嬉しい限りです。 2004/9/13 - 嬉しいメール(その2)今朝メールをチェックしたら、また嬉しいメールが届いていました。ザ・キット屋のホームページから「SV-2(2003)製作記」を見て、さらに私のホームページをアクセスしてくださった方なのですが、「意外な逸品!」としてご紹介しているカナレのスピーカーケーブルを購入なさったそうです。その方は「ボリュームは何時もの位置なのにシンバル、パーカッション系の音が前に出ている、メリハリがあると言うか、中、高音のピントがはっきりしたと言うか」と感想をメールに書いてくださいました。
自分で良い品物だと思って紹介しましたが、それを他の人にも認めていただけるというのは嬉しいものですね 2004/9/7 - 初コンサートの思い出皆さんは、初めてクラシックコンサートに行った時のことを覚えておられますか。 私は、学校の「音楽教室」のような行事で行った以外に、初めて自分でお金を払ってクラシックコンサートに行ったのは20代半ばの頃でした。ちょうど、三栄無線の「6B4Gシングルアンプ」キットを製作した少し後です(そのアンプの製作記はこちら)。クラシック好きの友人と2人でNHKホールに行きました。演目は男性オペラ歌手による歌曲(伴奏はN響)とチャイコフスキーの交響曲 第5番で、サバリッシュ指揮のN響の演奏です。 そのときの印象は、残念ながら「ちょっと期待外れだな」というものでした。ステージを左後方から見る位置の2階席(A席)だったのですが、ステージがずいぶん遠くに小さく見え、指揮者の背中しか見えなかったので、TVで見るほうがいいじゃない、などと思ってしまったのです。それに、オーケストラの響きも今ひとつ物足りなく感じました。同行した友人は、NHKホールはちょっと広すぎると言っていました。失敗だったのは、前半の歌曲が初めて聴く曲ばかりだったことです。友人は「予習」で聴いてきてからの方がいいよ、などと言っていました。後半のチャイコフスキーは、その当時好んで聞いていた曲でしたので、それなりに楽しめましたが、なぜかいつも聴いていたCD(カラヤン指揮のベルリンフィル)との違いばかり気になってしまいました。 実はクラシックを本格的に聴き始めたのは20代になってからでしたので、その時の私はまだ「同じ曲のいろいろな演奏を聴いて違いを楽しむ」という域まで達していなかったようです。 とはいえ、クラシックの演奏会に行くことにそれで懲りてしまったわけではなく、数年後に2回目に行った演奏会は、今でも「それ以上の生演奏は聴いたことがない!」という素晴らしい体験でした。この件は、また後日、書くことにします。 あっ、それと、このサイトに電子掲示板(BBS)を設置するかどうかのアンケートを始めましたので、関心をお持ちの方はご回答いただけると嬉しいです(トップページをご覧ください)。 2004/9/5 - 211のエージング―途中経過SV-2 (2003) の製作・試聴記の中で、Golden Dragon製のUV211を試聴した感想を書きました。そのとき、音を出しながらエージングしていけば高音域の不満が解消されるかもしれないと書いたのですが、その件の途中経過報告です。 その後、週末などに、合わせて20時間ほど音楽を鳴らしながらエージングしました。最初の頃より、高音の硬さ・粗さのようなものは多少やわらいだ気がしますが、まだ充分ではないようです。弦楽器でいうと、チェロやビオラの音域ならある程度満足できる音なのですが、バイオリンの音域になると、いわゆる「キー キー」するような耳障りな感じがどうも気になります。もう少しエージングを頑張ってみようと思います。 → その後の変化を 2004/9/23 に書きました(こちらです)。 ところで、845と211の音質比較について、ザ・キット屋店主の大橋氏のコメントを見つけましたので、参考までにご紹介させていただきます(SV-2を購入しようかどうしようかと迷っていたとき、Google検索でこのコメントを見つけて読んだのですが、試聴記を書くときにもう一度探したら、なぜか見つからなかったんです)。2003年9月10日の店主日記と、2003年10月7日の店主日記です。 9月10日の日記にある「私には音源との距離感の違いとして感じられます」という大橋氏のコメントに、なるほど!と思いました。確かにそんな気がします。つまり、211は音源の近くで聴いている感じ、845は音源から離れて聴いている感じ、というわけです。私はクラシックコンサートをステージの間近で聞いた経験がないのでよくわかりませんが、211でクラシックを聴くと、ステージのすぐ真ん前で、楽器の出す「直接音」を主体にして聴いているような感じなのかな、と想像します。それに対して、845では、ホール全体に充満する「間接音」を含めて、ステージからある程度離れたS席で聴いているような感じなんです(これなら私にも経験があります。また、私の300Bプッシュプルの音も同様の感じです)。こうなると、クラシックを211で聴くか845で聴くかは、やはり各人の好みの問題なんでしょうね。一方、ジャズはライブハウスなど、オーケストラより狭いところで演奏されることが多いでしょうから、211が合うのかもしれません。 2004/9/4 - 6BM8とて立派な真空管9月1日のザ・キット屋「店主日記」は反響が大きかったそうですね。「理屈なく音を聴ける人」というタイトルで、エレキットのTU-870の音に感動して「とてもいい音ですね。出力は何ワット?・・・たった2Wでこんな音が出るのですか、SPが良いと言うこともあるのでしょうが何て心休まる音なんでしょう」と仰った方の話です。 TU-870といえば6BM8シングルアンプですが、少し前の店主日記で、SV-501SEに6BM8が使われていることに疑問を持ったお客様から『あるホームページで6BM8は“駄球”だと読んだのですが、なぜそんな球を使うんですか』といったメールが来た話を読んだのを思い出します。真空管への評価は人それぞれなんでしょうが、ブランドなど全く意識せずに「理屈」抜きで音そのものを聴けば、6BM8とて立派に真空管の良さを発揮しているのだということを改めて感じさせられました。 TU-870は、その価格や小型さ、エレキットならではの作りやすさ(他のキットを作った経験からの推測ですが)からして、真空管アンプの音を試してみたいという初心者方にお勧めできそうですね。 2004/9/2 - Google検索でヒット!
今日、Googleに「真空管アンプ自作」というキーワードを入れて検索したら、このホームページがヒットしました これを足がかりに、より大勢の方に見ていただけるといいな、と期待しています。「パソコン自作の部屋」も完成したら、いくつかの手段でさらに宣伝することを考えていますので、これからもよろしくお願いします。 2004/8/30 - とりあえず、ひと段落なにか“見切り発車”のようにして公開してしまったHPですが、オーディオ関係で当初予定していたページの執筆が完了しました。 各アンプキットのページは、私自身の思い出話のような雰囲気になっていますが、作ることを楽しんでいる様子が伝わるようでしたら、嬉しいと思います。本格的に真空管アンプ製作を経験し、既に楽しんでおられる方々にとっては、少々物足りない内容かもしれません。でも、これから真空管アンプに手を出してみようかな、と思っておられる方々に、真空管アンプ自作の醍醐味を少しでもお伝えできれば幸いです。 オーディオ関係のページも、何か新しいものを製作したり、「意外な逸品!」を見つけたりしたら、そのつど新たなページを掲載していきたいと思いますので、ご期待ください。 このあとは、まず「技術翻訳の部屋」を完成させ、次に「パソコン自作の部屋」を作っていこうと思っています。近日公開、乞うご期待... 2004/8/28(その2) - 嬉しいメールHPを公開してまだ1日経ったばかりですが、今朝、嬉しいメールが届いていました。先行して公開していた「SV-2 製作記」をお読みいただいた方から「参考になりました」と丁寧なご挨拶をいただいたのです。製作記のページには連絡先を記載していませんでしたが、ホームページには、先頭ページのいちばん下に連絡先をリンクの形で記載したので、それを見つけてわざわざ連絡してくださいました。 その方には、さっそくお礼の返信メールをお送りしました。自分の書いたものに対して反響があるというのは、本当に嬉しいものですね。感激しました。 ホームページ制作はまだ始めたばかりですが、決して自己満足のための執筆に走ることなく、この雑記帳に最初に書いた「HP公開の目的」の初心を忘れず、オーディオや真空管に興味をお持ちの方々に多少なりとも役立てていただけるような情報を提供するよう心したいと、改めて思いました。 2004/8/28 - HP公開の目的昨日、HPを公開することができました。といっても、まだ“工事中”の箇所が大半なのですが、少しずつ完成させていこうと思っています。 私がHPを作成することになったきっかけは、サンバレー「ザ・キット屋」さんのSV-2という真空管アンプキットを購入し、製作したことです。最初は「製作・試聴記」を作成して、ザ・キット屋さんのホームページの「キット屋倶楽部」にリンクを掲載していただこうと思っただけなのですが、実際に製作記を書いてみたところ、なかなか楽しい思いをすることができました。すっかり味をしめてしまい、これなら自分のHPを作ってみようかと、大それたことを考えてしまったのです。HP作成用のソフトは持っていませんが、幸い、IT関連の翻訳を生業としている関係上、HTMLやCSSの基礎知識は持っており、参考書も何冊か手元にありますので、何とかなりそうです。 せっかく作るのなら、もうひとつの趣味であるパソコンのことも紹介しようか。フリーランス翻訳者としては自分の仕事について紹介したHPを持っておくと今後の仕事に役立ちそうだから翻訳関係の内容も含めたい。と、いろいろ構想が膨らんでいき、ご覧のとおり、結構盛りだくさんのトップページが出来上がったというわけです。 とはいえ、このHPのテーマは、あくまでもタイトルのとおり「真空管アンプ自作の醍醐味」です。私は、自分で真空管アンプの回路設計ができるわけでもなく、オーディオやクラシック音楽に造詣が深いわけでもなく、わずかな音質の違いを聴き分けられるような鋭い聴覚を持ち合わせているわけでもありません。単に子供の頃から電気工作が好きで、今でも半田ごて大好き人間で、音楽の嗜好はクラシックというだけこのことです。私の自作した真空管アンプキットを紹介するページの中で少しずつ触れていくことになると思いますが、最初は昔懐かしさから真空管アンプを秋葉原で試聴してみて「これはいい!」と感激して以来、電子楽器ではなく生楽器の響きを楽しむクラシック曲には真空管が一番だと思うようになったのが、私が真空管アンプ自作の醍醐味の虜になったきっかけです。 前置きが長くなってしまいました。このような私自身の経験に基づいて、真空管アンプの素晴らしさ、ひいては自分で使う真空管アンプを自分の手で作ることの楽しさ、醍醐味を紹介してみようというのが、このHPを公開した目的です。 いかんせん、オーディオという趣味にはお金がかかる傾向があります。ましてや真空管アンプとなると、なおさらです。そんな中で、エレキットやザ・キット屋から、安価な(しかし音の良い)真空管アンプキットが次々に発売され、それが大人気を博しているというのは嬉しいことです。今まではその値段の高さゆえに躊躇していた人や、昔懐かしい真空管が今でも手に入ることを知った人が、手軽に購入できるようなキットが手に入る時代になったというわけです。これをきっかけに、真空管アンプやその自作を楽しむ人たちの裾野がさらに広がっていくことでしょう。そんな人たちにも分かりやすい仕方で「真空管アンプ自作の醍醐味」を紹介できればいいな、と思って、このHPを作ることにした次第です。 |