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06/5/20
湿気退治 & NS-3の進捗状況

06/4/27
「NS-3 Jr.(仮称)」の企画を検討しています

06/04/17
ソリストたち三人の協演

06/03/31
大横綱の“休場明け”

06/03/22
新商品「NS-3」の開発、進行中

06/03/09
我が愛機 211シングルが……

06/03/01
PSE用の絶縁耐圧検査器

06/02/21
PSE騒動

06/01/29
2006年の新企画、第二弾

06/01/26
思えば長い道のりでした

06/01/18
2006年の新企画、第一弾

05/12/31
カジュアルなピュア・オーディオ

05/12/21
現在 開発中…

05/11/15
シェエラザード ― 対照的な2つの演奏

05/11/03
NS装置の音場補正効果とその限界

05/10/29
NS-1 Ver 1.5 奮闘中…

05/10/17
NS-1トリオ、誕生へ

05/10/01
お客様のニーズは多様ですね

05/09/11
その後の「どこでも真空管アンプ」

05/08/28
不思議な箱

05/08/23
「NS-1 Ver.2」の製作状況

05/08/14
完成! 2A3シングルアンプ

05/08/08
作ってみたいアンプ

05/07/27
元祖(?) NS装置 made in U.S.A.

05/07/10
なかなか快適です

05/06/25
NS-1 “Ver.2” の構想

2006/5/20 - 湿気退治 & NS-3の進捗状況

自宅 兼 作業場となっている我が家(マンションの一室)は鎌倉市にあるのですが、元々小さな山だった場所を崩して建てたマンションということもあって、湿気が多いのが唯一といってよい難点です。そのほかは、静かですし、窓からは周囲の小山の緑が見えますし、鉄筋コンクリートなので室温が外気温の影響を受けにくく季節ごとにほぼ一定ですし、たいへん住み心地のよいところで、満足しています。

今年の5月は雨が多く、五月晴れがほとんどなくて少々気が滅入ってしまいますよね。昨日は台風崩れの低気圧の影響でやはり外気の湿度が高く、室内の湿度も80%近くまで上がっていました。さすがにこの湿度では蒸し暑い! 湿気対策は住み始めた当初から万全に行なっていますので、押入れ、クローゼット、物入れなど、扉の付いた棚という棚にはすべて湿気取り用の「水とり×○」といった商品名の塩化カルシウム利用の吸湿用具をたくさん入れています。それでも靴や衣服にカビが出てしまったことがあるのには、少々閉口しています。

そこで先日、エアコンの「ドライ」を運転してみたのですが、室温が22℃くらいではほとんど効果がありませんでした。温度設定を室温より下げる必要があるようです。私たち夫婦は冷房が苦手で室温を下げることには抵抗があるので、さてどうしようと考えて思いついたのが除湿機です。さっそく最近よく利用している「激安!家電のタンタンショップ」で検索してみますと、2万円弱で十分な性能を備えたものがたくさん見つかりました。除湿機という家電製品は、洗濯物を部屋干しするときの利用と、部屋全体を除湿するための利用という2通りの使い方があるんですね。色々なメーカーがそのあたりの機能・性能で競い合っていました。今回購入することにしたのは 三菱電機の製品 です。

実際に使ってみますと、これはよい買い物をした! と2人で喜んでいます。除湿機から出てくる風は少し暖かいのですが、手に当たると不思議なことに清涼感があります。風温は高めでも湿度が十分に低いので、汗がすぐに乾燥してひんやり感じるのだと思います。風量「強」でガンガン運転したところ、80%あった湿度計の針がどんどん下がり70%を割るところまでいきました。さすがに「強」では運転音がうるさいので「静音」運転に切り換えたのですが、あとは70%弱を保ってくれました。除湿してくれる範囲も十分に広いので、リビング、和室、仕事部屋と、ドアを開けてある部屋の湿度を全体的に下げてくれます。なかなか頼もしい機械です

それはさておき、NS工房の先頭ページで5月下旬頃に発売予定と書いたNS-3の件ですが、ケースメーカーのほうで手違いがあり、なんと私の注文が忘れられていた(!)のだそうです。遅いので催促したらそんな実情が分かり、そのあと何度も催促して、ようやくGW明けから作業してくれているのですが、シルク印刷を初めて発注すると印刷屋さんの作業が入るので少し時間が掛かるということで、まだ試作ケースが届いていません。そんなわけで、発売は6月上旬にずれ込みそうです。

それでも、ケースが来ないために空いた時間を利用して「NS-3 Jr.(ジュニア)」のプリント基板を設計・発注することができました。火曜日には届くので、近いうちに完成基板状態をご紹介できると思います。予価はキットが\55,000、完成品が\88,000です。“ジュニア”は、NS-3からリモコン機能を省いたもので、真空管アンプ回路は全く一緒です(ただし入力は3系統)。「ラインレベル真空管プリ + NS-2」とお考えください。

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2006/4/27 - 「NS-3 Jr.(仮称)」の企画を検討しています

数日前、BBSにNS-3に関する書き込みがありました。5月下旬に発売予定のNS-3は、真空管プリアンプにNS-1 Ver.2を内蔵させたリモコン付きの仕様です。ただ、価格が高いのが難点です(機能内容からすると妥当な値段だと思っているんですが)。それで、「真空管プリ + NS-2」という廉価版を出してほしいというのがその書き込みの趣旨でした。

製品を企画して製作・販売するには、最初にまとまった金額の投資が必要になります。特に大きいのが加工済みケースとプリント基板の製作費です。これらは、注文数を多くするほど単価が下がるものですが、いったいどれくらいの数が売れるのか分からない状態では、本当に「賭け」をするようなもので緊張します。

それでも、リモコン付きのNS-1と廉価版のNS-2の組み合わせでNS-2が安価ゆえにたくさん売れたという現実を考えますと、真空管アンプを愛好する方々の中には、廉価版NS-3があれば買いたいという人も多いだろうなぁ、と思えてきました。そこで、NS-2内蔵タイプの「NS-3 Jr.(仮称)」を企画しようと思います。まずは、NS-3の売れ行きや、そのプリアンプに対する皆さんの感想などをお聞きして、プリアンプの出来栄えが好評であればNS-3 Jr.(完全キット)を売り出そうと思います。価格や仕様は未定ですが、キットで6万円以内を目標にするつもりです。

この真空管プリの音質や表現力、私の耳には非常に心地よく感じます。それに、NS装置との相性もピッタリで、両者があいまって見事や音場を素晴らしい音質で再生してくれると思っています。基板状態の測定ですが、周波数特性は10Hz〜100KHz(±2dB)となかなかのものです。

さて、NS-3 Jr.の企画は現実のものとなるでしょうか。実現するとしてもおそらく今年の後半になるでしょうが、今後の成り行きを見守っていただければと思います。

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2006/4/17 - ソリストたち三人の協演

少し前から、室内楽の中でもピアノ三重奏という分野に関心を持つようになりました。弦楽四重奏のように弦楽器だけによる演奏も大いに楽しめるものですが、そこに管楽器なりピアノなり、別の音色が加わると、いっそう色彩豊かな音楽になり、飽きることなく聴くことができると思ったからです。

そんなわけで、まずはベートーベン→ 詳細・購入(Amazon))とモーツァルト→ 詳細・購入(Amazon)のピアノ三重奏を全曲収録したCDを購入しました。モーツァルトの曲は、いかにもモーツァルトらしい曲想ですが、さすがはモーツァルト、3つの楽器を上手く絡み合わせて楽しい音楽に仕上げています。ただ、私個人の好みとしては、ベートーベンの方が3つの楽器の絡み合わせ方が巧みかな、という印象を持ちました。元々ベートーベンの音楽は多種多様な曲想のものが多いですが、それはピアノ三重奏という分野でも同じで、さまざまな色彩の音楽を楽しませてくれます。3つの楽器が、時にはメロディーを奏で、時には伴奏に回り、時にはハーモニーを作り出し、多彩な響きを聴けるのがいいですね。

アマゾンでその2組のCDを購入したのち、ある日アマゾンのサイトを覗いて見ると、アマゾンお得意の過去の購入履歴に基づく「おすすめ」が表示されていて、そこに異色のピアノ三重奏の演奏が載っていました。なんと、チョン・キョンファ(バイオリン)、アンドレ・プレヴィン(ピアノ)、ポール・トルトゥリエ(チェロ)という大物ソリストたち3人によるメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲(第1番)とシューマンのピアノ三重奏曲(第1番)の演奏です→ 詳細・購入(Amazon)。これは面白そうだ、ということでさっそく購入してみました。録音は1978年で、弦楽器奏者の2人は指揮者としてのアンドレ・プレヴィンと共演したことがあると紹介されており、「大物3人による心のふれあい豊かな室内楽の歓びを!」というキャッチフレーズが付いています。

ワクワクしながら聴き始めてみますと、期待通りの名演。3人がそれぞれの音楽性に応じてのびのびと演奏しているのに、決してハーモニーが乱れることなく、絶妙な響きを醸し出しています。これこそ阿吽の呼吸というのでしょう。普段から一緒に演奏している「○×トリオ」とか「△◇四重奏団」などによる演奏をしのぐほどの圧倒的な迫力で聴く者を魅了してくれます。なんとも素晴らしい演奏でした。

このところオーディオの「ハードウェア」の話ばかり書いてしましたので、今回は「ソフトウェア」の話を少し書いてみました。

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2006/3/31 - 大横綱の“休場明け”

我が愛機211シングル(モノブロック)の左チャンネルが直りました! 晴れて大横綱の休場明けです。

故障の原因は、なんと音量VRの機械的な接触不良でした。もちろんその辺りは最初に疑いますから、接点復活剤を使って症状が改善されるかどうかを試したのですが、残念ながら直らなかったんです。ところが、色々やっているうちに少しのハム音を伴いながら音楽が聞こえるようになりました。しかし、音量VRを回しても音量が変化しませんでした。しかも、妙に回転トルクが軽いことも気になりました。なんと、単なる接触不良ではなく、機械的に接点が完全にカーボン部分から離れてしまったようです。こんな故障もあるんですね。勉強になりました。

前回に雑記帳(2006/3/22)に書いた真空管プリアンプですが、トーンコントロール回路の定数の微調整を行なっているところで、だいたい決まってきました。VRの機械的中点で周波数特性がフラットになるようにするのが意外に大変なので、これまた勉強しています。参考にした回路とVRの抵抗値が違うので、そんな微調整が必要になったようです。

それにしても、真空管パワーアンプにCDプレーヤーを直結するよりも、間に真空管プリアンプを入れたほうが格段に音楽性や表現力がアップしますね。今回、211シングルが直ったので、試作中のプリアンプのテストに使っている我が家の予備CDプレーヤー(15年ほど前に3万円程度で購入したパナソニックの普及機)を試しに211シングルに直結してみました(正確には、間にNS-1を入れていますが)。すると、弦の高音域が何かギスギスした、きつい音だと感じました。無帰還211シングルの最大の特長と言ってもよい甘美で優雅なバイオリンの響きが出ないんです。しかし、プリアンプの試作機を挿入すると、パワーアンプの特長がグッと引き出されて、あの甘美な響きが戻ってきました。

やはり、管球パワーアンプには管球プリアンプが必須だとあらためて思い知らされました。

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2006/3/22 - 新商品「NS-3」の開発、進行中

これは前から自分の中で温めていた企画なのですが、真空管プリアンプ(ライン・レベル)をNS装置と合体させたら面白いだろうなぁ、と考えていました。音量リモコン付きのNS-1シリーズをいわゆる「パッシブ・プリ」としてご利用になっている方もおられますが、もし真空管のパワーアンプをお使いになっているのであれば「CD→(NS装置)→真空管パワーアンプ」という直結状態よりも、途中にラインレベルの真空管プリアンプを挿入してやると、パワーアンプの個性がより十分に発揮され、「いかにも真空管アンプの音だなぁ」と深い満足を覚え、その音に聞き惚れることができるんです。私自身、1年余り前に上杉アンプTAC2を音量リモコン付きで2台製作したときに実際にそれを体験しました。

試作したプリアンプ基板の写真

この計画に不可欠で、しかも一番重要、かつ私にとっての難関は、真空管プリアンプの設計です。色々な参考書を読みながら、何とかトーンコントロール付きの回路を設計し、プリント基板方式で試作することができました。それが右側の写真です

使用した真空管はオーソドックスな12AX7(ECC83)で、一段NFアンプの後に、ラックス式のNFB型トーンコントロール回路を入れました。市販パーツで調達できる部品の都合で低音(BASS)の調整範囲がやや狭くなってしまいましたが、あまり大きくいじっても音のバランスが崩れますから、これでよしとすることにします。

肝心な音の雰囲気についてですが、TAC2とはまた違った、素晴らしい音を出してくれるので試作が完成した昨日から嬉しくて仕方ありません。真空管ならではの温かみと柔らかさがあるのですが、決して音が平板になることはなく、各楽器が活き活きと切れのある音で鳴ってくれるんです(ちょっと自画自賛過ぎて恐縮です)。このプリアンプの後にNS装置を入れますと、音楽ソースの持つ表現力と音場が見事に再生されます。

NS-3に内蔵するNS装置はNS-1 Ver.2です。真空管プリアンプの部分はキットにするつもりです(もちろん、手数料をいただいて組立代行もいたします)。リモコン付き真空管プリアンプのキットといったら、おそらく「日本初」ですよね!

いつも利用しているプリント基板の製造メーカーで銅箔の厚みを通常の2倍(70μ)にするというオプションを選べるようになりましたので、そのオプションを利用し、プリント基板とはいえ、十分に電流が流れるようにできると思います。ケースは、タカチの市販品からサイドウッド付きのケースを採用し、穴あけ加工とシルク印刷を依頼します。そんなわけで、価格は未定ですが、少し高価になってしまいそうです。でも、その価格に見合うだけの品物になるはずですので、もし関心のある方はもうしばらくお待ちください。

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2006/3/9 - 我が愛機 211シングルが……

昨年の2月に完成したモノラル版の211シングル・アンプ(雑記帳2005/2/19)は、初段管の12AX7(ECC83)を12BZ7というテレビ球に置き換えると無帰還でも幅広いジャンルの音楽に対応できるようになるというお話をアラバマのYT先生からお聞きして以来、その真空管を入手し、NFB 3段切替スイッチはずっと「無帰還モード」のまま、ソロやヴォーカルからフルオーケストラまで、得も言われぬ美音と迫力と雰囲気感でわたしたち夫婦を楽しませてくれていました。

ところが2ヶ月ほど前から、左チャンネルのアンプの音が時おり聴こえなくなる現象が起き始めました。音楽を聴いている最中に「あれっ! 何か変だぞ」と思って左スピーカーに耳を寄せてみますと、音が出ていないんです。そんな時は、入力のRCAプラグを抜き差しすると、再び音が出るようになります。しかし、いよいよ音が途切れる頻度が高くなり、内部の半田付けの接触不良などがあるのだろうと思って色々と怪しい箇所を半田付けし直したりしてきました。そのような対処でも現象は一向に解決せず、せっかく音楽を楽しもうと思っても左チャンネルの音が消えてばかりいて、かえってイライラすることしきり…。この現象の修理は、少々てこずることになりそうです。

再構築した6L6ppの写真

そこで、組み立てなおそうと思って解体してあった“上杉アンプ TAP22”(6L6pp)を2週間ほど前から急いで再構築し、今日やっと完成しました。

前回の製作(雑記帳2005/1/16)ではハム退治に苦労し、結局ハムを取り切ることはできなかったのですが、今回はそのときの教訓を活かしてアースラインの取り回しに十分に注意を払い、オーソドックスなシャーシタイプで製作したため、スピーカーに耳を寄せても全くハム音の聴こえない状態にすることができました。

音のほうもなかなかご機嫌です。サンバレー「ザ・キット屋」の大橋店主が『シングルとプッシュプルでは響きに違いがある』といったことを折に触れて店主日記に書いておられますが、今回その意味がよく分かったような気がします。6L6ppの音は、余韻の響き方が211シングルと微妙に違うことに気付きました。どんな違いか? と訊かれても言葉にするのは難しく、とにかく“響きが違う”と言うしかなさそうです。そんな意味でも、今回の一件は勉強になりました。

とはいえ、我が愛機211シングルは、やはり管球アンプの最高峰だという認識も新たにされました。6L6ppも十分に良い音で、例えて言えば大関クラスなのですが、どこからでも掛かって来いとばかりにどっしり構えてあらゆるジャンルの音楽を見事に鳴らしきる大横綱の211シングルの音を1年近く聴いていた私たちにとって、やはり少し物足りなさがあるんです。まったく、贅沢な悩みですね…。なんとか左チャンネルの修理を成し遂げて、大横綱の“休場明け”を楽しみにしているところです。

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2006/3/1 - PSE用の絶縁耐圧検査器

絶縁耐圧検査器の写真

PSE準拠を自主検査するための絶縁耐圧検査器が出来上がりました。中央付近にある赤いプッシュスイッチを押すと、500V/1000Vの交流が裏側に付いている大型ミノムシクリップに流れます。赤いボタンの右にある大型トグルスイッチで500Vと1000Vを切り換えます。規定によると、まず500Vを掛け、その後1000Vを掛けるということになっていますので、このような造りになりました。

もう1つの黄色のプッシュスイッチとオレンジのネオンは、特にPSEに定められてはいませんが、NS装置にヒューズの代わりとして装備されている「ポリスイッチ」が正しく動作することをチェックするために用意した機能です。

1000Vによる絶縁耐圧試験を、恐る恐る、私がいつも仕事部屋で使っているNS-2で試してみました。すると、電流計の針はピクリとも動かず、試験にパスできることが分かり、ホッと胸をなでおろしているところです。

ところで、PSEマークの近くに表示する“略称”の件ですが、前回の雑記帳で書いたように「NS工房」という略称を申請したところ、個人事業主の屋号を略称にすることはできないのだそうです。これまで、PSEに基づく電気用品製造事業者として届出を出すのは法人が大多数だったでしょうが、これからは個人で届出を出す人も増えて、こんな問題も起きてくるんでしょうね。氏名のアルファベット表記なら良いとのことでしたので「T.Natori」と申請してみました。誰かが同じ略称を既に申請していなければ、これで通ると思います。

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2006/2/21 - PSE騒動

中古のオーディオ製品を売っている秋葉原の店などが「PSE」の問題で困惑していることが土曜日の朝日新聞の夕刊や、昨日の朝刊で紹介されていました(牛肉の「BSE問題」ではなく、電気安全保安法の「PSE」です、念のため)。

その点は、私、NS工房も例外ではなく、これまでは完成品ではなく半完成キットを販売しているということでPSEの対象外であると主張していたわけですが、NS-2などはゴム足をケースに貼り付けるだけですから、それをキットと称するのはかなり苦しい言い訳です。それに、NS-1の方も8割がたのお客様が「組立代行」(これも実にあいまいな言い方!)を依頼して購入なさいます。

そんなわけで、私も「電気用品製造事業者」としての届出書を昨日ポストに投函しました。個人事業者の場合はPSEマークの近傍に自らの氏名を明記することになるのですが、それでは少々格好が悪いと思いまして、氏名の代わりに「NS工房」という“略称”を使用したい旨を記入した届出書も送りました(本来は長い会社名の代わりに短い略称を使用するための届出書ですが、説明を読むと個人の氏名の代わりに別の名称を使用することについても暗に言及されていました)。

今年の3月末までは猶予期間ですので、PSEマークなしでも完成品を販売して構わないことになっています。そこで、本日以降の出荷分は、NS-1もすべて「完成品」でお届けすることにしようと思います。そして、届出が受理された旨 通知が来たら、正々堂々と「PSEマーク」を貼り付けて完成品を販売できるようになります(届出が殺到しているでしょうから、通知が届くのが遅れるかもしれませんね)。

安全性については自主検査を行い、その記録を任意の書式で保存しておけばよいのですが、絶縁耐圧試験というのが少々怖い検査です。なんと1000Vの電圧を電源プラグと使用者の手に触れる可能性のある端子(「可触と見なされる端子」)との間に4秒間印加して、100mA以上の電流が流れないことを確認するという、漏電のないことを調べるテストが含まれています。NS装置の場合は、RCAジャックのアース側がこの種の端子と見なされます。おそらくこのような検査を行なう装置も市販されているのでしょうが、500V端子のある小型の高電圧トランス2個と交流の電流メーターを購入して自作しようと思っています。211アンプの各部電圧をチェックする時と同様、ゴム手袋着用でテストすることになりますよね。NS装置はこのテストに耐えられるのでしょうか…。きっと大丈夫だろうと信じることにします。

それにしても、中古オーディオ店でPSE検査のために「往年の銘機」に1000Vの耐圧試験を課さなければならないときの「怖さ」「不安」…、察するに余りありますよね。

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2006/1/29 - 2006年の新企画、第二弾

今年の新企画の第二弾は、思いっきり「カジュアル・オーディオ」指向の商品です。

ちまたには、iPodやMP3プレーヤーやMDプレーヤーなど、ますます小型化していく各種の携帯音楽プレーヤーを聴きながら歩いたり電車に乗ったりしている人が大勢います。そのような人たちは家でもヘッドフォンで音楽を聴いているかもしれませんが、自宅ではミニコンポなどにつないでスピーカーで音楽を聞きたいという人たちもいるに違いありません。ところが、ヘッドフォン用の出力はインピーダンスが極端に低いため、変換ケーブルでステレオのラインレベル入力につないでもあまり大きな音が出ないというのは、皆さまもご存知のとおりです。そのような利用を考えて、NS工房では以前から「NS-2(携帯プレーヤー入力付き)」という機種を販売しており、多くの方に購入していただきました。

ただ、NS-2の外観や仕様というのは、やはりオーディオ・マニア向けと言いますか、色々とケーブルをそろえて接続しなければならず、「買ってきてすぐに簡単に利用できる」という雰囲気のものではありません。

NS-2Pの写真

そこで考えたのが「NS-2P for Portble Music Player」という新機種です。

プラスチック製の小型ケースに収納し、電源は6P(角型)タイプの9V電池です。オペアンプには低消費電流のCMOSタイプを採用したため、マンガン電池でも連続45時間程度は動きます。そしてもちろん、他のNS装置と同様、電源を入れないでも音は出ますから、NS効果が必要ない音楽を聴くときは電源を切って構わないわけです。携帯音楽プレーヤーのヘッドフォン・ジャックに接続するコードと、ミニコンポなどのステレオに接続するコードは本体から直出しで出ていますから、ほかにコード類を購入する必要なく、この装置だけ購入すればすぐに利用できるというところがミソです。

類似の商品としては、FMワイヤレス電波でカーステレオなどに携帯音楽プレーヤーの音を飛ばす装置が家電量販店に並んでいますが、NS-2Pは有線接続ですから音質面で絶対に有利です。その上、NS装置付きですから、ヘッドフォンで聴いているときと同等またはそれ以上のワイドなステレオ感を楽しめます。

カジュアル・オーディオ派の方々にこの装置に興味を持ってもらえるとよいのですが…。本日からYahoo!オークションに出品して販売を開始します。もちろん、メールでの注文もお受けいたします。さぁ、結果はどうなるでしょうか。たくさん売れてくれることを願っています。

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2006/1/26 - 思えば長い道のりでした

祝! 実用新案権 取得!

昨日、待ちに待った「実用新案登録証」が届きました。詳しくはNS工房のサイトでご紹介しています。

思い返してみますと、NS-1の試作機を ある専門家の方に試聴していただき、『これは実に画期的な装置なので何らかの権利を取得しておくべきだ』と勧められたのが昨年(2005年)の3月のことでした。それでは、と購入したのが『ひとりでできる 特許・実用新案のとり方』→ 詳細・購入(Amazon)という本で、これを参考にして申請書類の文章と図面を作成し、「特許印紙」という初めて聞いた印紙を「集配を行なう郵便局」(近所の小さい郵便局では取り扱っていませんでした)へ出向いて購入し、書類一式の先頭に貼り付けて特許庁に郵送したのが昨年の4月です。

その後、6月頃だったでしょうか、特許庁から大きな封書が書留郵便で送られてきたので中身を読んでみると、『コレコレの箇所の表現が曖昧なので修正すべし』という「補正指令」(いかにもお役所風の大げさな表現ですねぇ)だったので、あわてて該当する箇所を十分に詳細かつ具体的な内容に書き直した「補正書」を郵便で提出しました。その後、その書類を受理した旨がハガキで知らされましたので、これでひと安心と思っていたのもつかの間、さらに1か月以上たってから、なんともう1通の「補正指令」がまたまた書留で届きました。提出した「補正書」の然るべき箇所に印鑑が押印されていないので再度「補正書」を送るべし、との内容でした! いったん受理したとハガキで通知しておきながら、そのずいぶん後に「補正すべし」とは、なんとも効率の悪い話です。仕方なく、然るべき印鑑を押した「補正書」を提出し、もう大丈夫だろうと首を長くして実用新案登録完了の知らせを待っていました。

そして、昨日やっと届いたのが「実用新案登録証」だったわけです。今までのやり取りは、特許庁側からは書留郵便の封書か普通郵便の葉書で届き、私の方からは料金の安い配達記録付き郵便で提出していました。この経緯からすると、最後の書類も当然書留郵便で届くものと信じて待っていたのですが、それがなんと普通郵便の封書で届いたのには驚きました。実用新案を考案した者にとっては一番大切なものだと思う「実用新案登録証」だけがなぜ普通郵便なのか、まったくお役所の決まりごとには不思議なことが多いものですね。

何はともあれ、NS-1に相当する装置と、ナチュラル・サウンド復元のNS回路という2件の請求事項が晴れて「実用新案」として認められましたので、私自身、そしてNS工房の大切な知的財産として、安心して活用していくことができます。やれやれ、やっとひと安心できました。

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2006/1/18 - 2006年の新企画、第一弾

今年最初の新企画として、NS-1/NS-2のACアダプタ対応版を近日中に発売する予定です。

NS装置のラインナップは現状のままですが、コンパクトなケース内に電源トランスを同居させているため、能率の高いスピーカーをお使いになっているお客様や、NS装置より後の増幅度が高いような接続をしているお客様から、ハムノイズが出るというご指摘を何件かいただきました。私の使っているシステムではスピーカーに耳を当て、アンプのボリュームを最大にしてはじめて、かすかに聞こえるようなハムノイズでも、そのようなお客様のシステムではリスニング・ポジションまでノイズが届いてしまうのだそうです。

というわけで、小型ケースMB-2に電源部だけを収納するためのNS-1/NS-2共用の基板を作成し、NS-1用なら5Vと12Vの2電源、NS-2用なら12Vだけを出力してNS装置に接続するようにします。こうすれば、ハムノイズはほとんどなくなるのではないかと期待しております。

今日、基板が届きましたので、さっそく簡単なほうのNS-2用を試作しているところです。

私がテスト時に使用している、パソコンのサウンドボード経由で使用するスペクトラムアナライザでNS装置の残留ノイズを計測してみますと、確かに50Hzのノイズが大きめの山となって見えています。大きいといっても-100〜-90dB程度なので「まあこんなものだろう」と考えていたのですが、少々考えが甘かったようです。

新規購入のお客様がACアダプタ化をご希望の場合には、少しのオプション価格を上乗せさせていただいて販売いたします。既にNS装置をご利用になっているお客様がACアダプタ版への改造をご希望の場合には、さらに少しの改造手数料をいただいた上で対応させていただきます。詳細が決まりましたらホームページ上で告知いたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。

実は、今日届いたもう1種類の基板は「2006年の新企画、第二弾」を製作するためのものなのですが、これについてはまた後日ご紹介することにいたします。

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2005/12/31 - カジュアルなピュア・オーディオ

私にとって今年は大きな変化の年でした。

3月頃からNS装置を販売する準備を進め、4月末からNS工房という屋号で「副業」としてNS装置の製作と通販を始めました。最初のうちは「本業は翻訳」「NS工房は副業」という位置づけでしたが、以前から患っている持病の症状が悪化したため、8月に「頭脳を酷使する翻訳はしばらく休業するように」とのドクター・ストップが掛かり、事実上、NS工房を「本業」として生計を立てていくことになりました。

もし私がHPに掲載した211の試聴記がアラバマ大学の高橋教授の目に留まらず、先生との交流が始まっていなければ、当然「ナチュラル・サウンド復元法」のことを私が知る機会はなく、その知見に基づいてナチュラル・サウンド復元を実現する簡易なアナログ回路を考案することはできたはずもありません。ですから、先生との出逢いとその後のメールによる交流は、私にとって本当に掛け替えのないものだったわけです。

これまで150人ほどのお客様がNS装置を購入してくださり、その中の一部の方々は感想メールを送ってくださいました。その内容は基本的にすべて「ユーザーの声」のページに掲載しています(ご本人の了解を得たものだけ)。好意的な感想が多いのは、期待外れだった方が感想をわざわざ送ることなどをしないためかと思います。

また、試聴機の無料貸出制度を始めてからは、10人ほどの方々がこの制度をご利用になり、感想を聞かせてくださいました。そうした方々の多くは、既にかなり高度でハイエンドなピュア・オーディオ・システムを自分の好みに合わせて構築してこられた方々のようでした。マルチアンプ/マルチスピーカーのシステムを使っているという方もおられました。それぞれ、自分好みの方向性を持った音作りをしておられますので、そこにNS装置が入ると、かえってバランスが崩れてしまうことが多いようです。音が滑らかになるが新鮮さがなくなるといった感想も何件かありました。

ひとくちに「コンサートホールで聴いている時のような音が再現される」と言っても、ではその音がどのようなものかというと、人それぞれ様々な音/音場/響き/その他を脳裏に浮かべることでしょう。試聴の感想を読ませていただくと、人によってかなり違うのかもしれない…、と思えてきます。

私自身が想像するコンサートホールの音は、ステージ上の楽器の音がホール内に響き、それらが溶け合って美しいハーモニー(心地よく調和した響き)を作り出している状態です。各楽器(群)の定位はだいたい分かります。でも、響きの良いホールほど解像度は低くなり、色々な楽器の音が渾然一体となって自分の身体を包み込んでくれるような、そんな音場感、雰囲気感が、私の思い浮かべる「コンサートホールの音」です。

NS装置の仕組みは、リモコン制御の部分を除外すれば至極簡易なアナログ回路で、単に「逆位相の信号を生成し、周波数に応じた減衰を掛けた上で、反対チャンネルにミキシングする」というだけのことです。これにより、元々の音楽ソースに含まれている楽器の音、ホール内の反響/残響音、空気感、といったものが漏れなくすべて聴こえてくるようになるはずです。ですから、録音の状態によっても、どんな音や響きが聴こえるかが変わる可能性が大きいと言えます。

それともう1つ、音楽の音色を改善してくれる大きな効果をNS装置が持っていることを高橋先生が偶然発見なさったのですが、以前にも書きましたとおり、特許性のある事項ですので、今は詳しく書かないでおきます。

そんなわけで、原理的には、どんなに単純なオーディオシステムであれ、どんなに複雑でハイエンドなオーディオシステムであれ、NS装置は何らかの好ましい効果を実現してくれるはずなのですが、現実には、複雑な装置(マルチアンプ/マルチスピーカーなど)やハイエンドの装置では、表われてくる効果が弱かったり、ご本人の好みに合わなかったり、ということが多いようです。

NS装置を購入した方のご感想で、「ユーザーの声」ページにも既に掲載させていただきましたが、『NS装置の音は音楽の芸術性を求めている人に適しているが、音楽の写実性(解像度や高いS/N比)を求めている人には向かないだろう』というものがありました。私は、この表現がNS装置を利用して好ましいと感じる人と、好ましくないと感じる人を分ける1つの大まかな判断材料ではないかと思いました。

私としては、NS装置が実現してくれる音楽の世界を、敢えて「カジュアルなピュア・オーディオ」という言葉で表現したいと思います。

「ピュア・オーディオ」ですから、デジタル・サラウンド・プロセッサのようなものを利用してサラウンド音場を人工的に作り出すことはしません。プレーヤーとステレオ・アンプと左右1組のスピーカーで音楽を再生します。しかし、それは「カジュアルな」ものですから、安価な装置でも十分に音楽を堪能することができるというわけです。

単品コンポのCDまたはDVDプレーヤーをエレキットの6BM8シングルのパワーアンプに直接接続し、ウィンズさんの樽スピーカーを鳴らす、そのような安価なシステムであっても、間にNS装置を挿入すれば、実に素晴らしい音場や雰囲気感を味わうことができます。

よく「左右のスピーカーの間の空間を漏れなく音で埋め尽くしてみたい」という夢を語る方々がおられますが、上記のシステムではいとも簡単にそのことをやってのけてくれます。スピーカーの存在など感じさせずに、左右のスピーカーのさらに外側まで包含するような、前後左右に広大な音場空間が出現するのです。これは、実際に体験した人でないと分からないなんとも不思議な現象なのですが、とにかく凄いです。そして、聴取者が左右スピーカー中央の“ベスト・ポジション”に座らないでも、同じような立体音場をかなり幅広い位置で楽しむことができます。

もちろん、真空管アンプにしろ、半導体製のアンプにしろ、それぞれのアンプは個性を持っています。NS装置はその個性をそのまま残して、音場だけを補正します。ですから、「自分は6BM8シングルの音が大好きで、この音で十分に満足だ」というのであれば、上記の安価なシステムでカジュアルに音楽を楽しめばよいわけですし、「いや私は300Bシングル」「僕は300Bプッシュプルの響きでないと駄目」「無帰還の211シングルこそ最高(これは高橋先生や私の好みです)」というのであれば、それぞれの好みに合わせてパワーアンプを用意し、真空管製のプリアンプを入れたほうがさらに真空管らしい良い音になると思うのであればそれを追加すればよく、とにかく自分の嗜好と予算に合わせてごく簡単なシステムを組めば、それで素晴らしいビュア・オーディオの世界を楽しめるようになるというのが、NS装置の発揮する最大の効果だと私は確信しています。

ずいぶん長くなってしまいましたが、今年1年を振り返ってみて、こんなことを思い巡らしました。

さて、来年のNS工房はいったいどうなっているでしょう? 「NS-1 Pro」の製品化がもし可能と判断されれば、それを実現したいと思います。また、もし可能であれば、真空管プリアンプにNS-1を内蔵したリモコン付きコントロール・アンプのキットを企画したいとも考えています。

来年に向けて色々な夢がありますが、NSの再現する素晴らしい「理想響」「新響地」を堪能する方々が少しずつでも着実に、一人でも多く増えていくことを期待しています。NS装置を使用してそれを「素晴らしい」と感じてくださった皆さんも、友人や知人にぜひ伝えていただきたいと願っております。

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2005/12/21 - 現在 開発中…

まずは耳寄り情報を1つ。
NS装置をお使いになっていて、モノラル音源の音楽等をお聴きになる機会には、ぜひ「NSオン」でお聴きになってみてください。音楽の表現力が見違えるように豊かになりますよ。チューナーでAMラジオの音楽を聴いたり、FMをモノラルモードにして聴いたりしても、その効果を確認できます。

「NS-1 Pro」試作基板

上の写真は、そのことをアラバマのYT教授が発見なさったことをきっかけに開発を始めた新しいNS装置です。ターゲットはレコーディング・エンジニアなどで、モニター・スピーカーから出る音のクロストークを解消し、音色を濁らせるもう1つの原因も同時に取り除いてしまうという「一石二鳥」効果を持った装置です。この「発見」は、音響学や物理学の専門家なら誰もが知っている波の挙動に関する「ある効果」を打ち消す、というものなのですが、YT教授がアメリカで特許を出願する予定にしておられますので、詳しいことは出願が受理されてから、皆様にもご説明しようと思っています。日本での特許取得も考えましたが、費用の割にスポンサーが付く見込みが低いので、諦めました。

これは実に驚くべき偶然なのですが、現在NS装置に使用している回路は、その「一石二鳥」効果を既にかなりの程度実現していることが分かったんです。そのことが、モノラル音源をステレオ装置で聴くときにNSオンにすると良いことの根拠となっています。

それにしても幅の広い基板ですね。幅30cmです。4つのボリュームを調整しやすい間隔で並べようと思って5cm間隔で並べたため、アナログ部の回路は相変わらず単純にもかかわらず、こんなに大きな基板になりました。

現在のNS装置で調整可能な要素(パラメーター)は、NS信号の大きさだけです。しかし実は、NS回路には調整可能なパラメーターがあと2つありまして、それをも調整できるようにしたのがこのオーディオ装置 兼 実験装置のような代物です。右側3つのツマミをリモコンで調整して3つのパラメーターを微調整し、プロのレコーディング・エンジニアができる限りナチュラルで生の音に近い音をモニター・スピーカーから聴けるようにしようとしています。レコーディング・エンジニアは最終的な音の調整の際にヘッドホンも併用するのだそうですが、この装置を完璧に調整すれば、スピーカーから出る音だけで最適なミキシングを行なえるようになるのではなかろうか、と期待しています。

この実験基板、実はまだ期待通りに動かない部分がありまして、その問題点を解決しようと頑張っているところです。何とか上手くいくといいのですが…。

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2005/11/19 - シェエラザード ― 対照的な2つの演奏

交響組曲「シェエラザード」といえば、リムスキー・コルサコフが作曲した代表的な作品です。皆さまもお気に入りの演奏のディスクお持ちのことでしょう。

私のお気に入りは、シャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団のCDです→ 詳細・購入(Amazon))。発売当時、「レコード芸術」誌と朝日試聴室の「特選」に認定されています。私がこれを購入したのは、このコンビによる演奏が大のお気に入りだったからです。美しく洗練された上品な演奏でありながらも、メリハリも十分効いていて、劇的な部分の盛り上がりも迫力満点です。この曲のスタンダードといってもいいように思います。

私は最近、ゲルギエフとウィーン・フィルのコンビによる演奏に心惹かれているのですが、先日ゲルギエフ指揮の キーロフ歌劇場管弦楽団による「シェエラザード」のCDを購入しました→ 詳細・購入(Amazon)。この演奏の濃厚な表現力には度肝を抜かれますね。甘美さと、荒々しい迫力を兼ね備え、強弱やテンポが自在に変化するあたり、いかにもゲルギエフの指揮です。しかもマリインスキー劇場というオペラハウスでの録音ですから、ホールに響き渡る残響音まではっきりと録音されています。フォルテシモに達したときなどは、響きすぎて、どこでどの楽器がなっているのやら分からなくなるほどです。

「こんなに響き渡っている録音ならNS装置は不要かな」などと思ってしまいますが、実際にはその逆で、NS装置にも十分に活躍の余地があります。強奏部で響き渡っているときなどに、NS装置の実力が特に発揮されるのですが、NSオフでは響きすぎて何が何やら分からなくなっているところが、NSオンにすると響きがうまく“交通整理”されて、どこでどの楽器が響いているのか、定位感が明瞭かつシャープになるのです。

上品でスタンダードな演奏は安心して聴いていられますが、時にはこのような濃厚かつ荒々しい演奏を聴くのも楽しいものですね。

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2005/11/3 - NS装置の音場補正効果とその限界

私がNS工房という屋号を掲げてNS装置の通販を始めてから約5か月が過ぎました。その間、多くのお客様がこの装置に興味を示し、ご購入くださいました。また、私自身のメインとサブの2つのシステムでもNS装置を利用しています(NS-1 Ver.2 と NS-2)。

YT先生からサウンド・ステージ回復法(ナチュラル・サウンド復元法)を教えていただき、私が自分で試してみてまず感じたのは、その素晴らしく広くナチュラルな音場感や雰囲気感、見事な定位感でした。それで、ナチュラル・サウンド復元法の主な効果として、このサイト内の各ページでは「音場補正効果」を主要なメリットとして説明しています。

しかし、その後、私のシステムでは、サンバレー「ザ・キット屋」さんのSV-2(Ver.2003)の回路をそのままモノラル構成に作り直して自作したものがメインシステムのパワーアンプとなり、つい最近は仕事のBGMを流すサブシステムのスピーカーがウィンズさんの樽スピーカーになり、アンプもJB-2A3の回路を拝借して自作したものに変わりました。

メインシステムの方は、モノラル2台のパワーアンプでスピーカーを駆動するようになってから、オーディオ装置内で発生するクロストークが少なくなったこともあり、NS装置による音場補正効果の表われ方が以前とは少々異なったものとなり、顕著に音場が広がるというよりも、個々の楽器や楽器群の存在感が明瞭になり、音楽再生全体のリアリティーが向上したなぁ、という感じになりました。

サブシステムの方は、以前は、専用スタンド付きの小型ブックシェルフ2ウェイ・スピーカーを7畳ほどの仕事部屋に約1mの間隔で配置するという非常に不利な環境でしたから、NS装置によって音場が広がる効果は非常に顕著なものでした。しかし、今は樽スピーカーを壁に取り付けた小さな吊り棚に1.8m間隔で配置したため、以前ほどNS装置による「音場拡大」効果は薄くなり、やはりもっと微妙なところで音楽ソースの再生品質が向上するという効果を感じています。また、パソコンに向かって仕事をするときはリスニングポジションが左右のスピーカーから等間隔でなくなるのですが、それでもバランスの取れたステレオ再生音を楽しめるのも、NS装置の効果だと喜んでいます。

今ではNS装置のユーザーが北は北海道、南は沖縄まで、100人以上を数えるようになりました。幾人もの方々が感想を寄せてくださり、お許しをいただいたものはNS工房のHPの「ユーザーの声」に掲載しています。比較的不利な環境でオーディオ装置の再生音の向上に奮闘している方もいれば、既に比較的恵まれた装置と環境で音楽を楽しんでいる方もおられて、それぞれ違った感想を寄せてくださっています。その感想を読んでいきますと、「音場が広がった」「ホールトーン(コンサートホールの残響音という意味でしょうか)が加わった」「各楽器群の表現力が向上した」など、皆さまそれぞれの既存システムよりもよくなった点を指摘しておられます。

そんなわけで、ナチュラル・サウンド復元法の効果は、決して「音場の拡大」だけではないことが分かります。NS装置は左右スピーカーから出た音が視聴者の逆の耳にも聞こえてしまうというクロストークを打ち消すための逆位相の信号を(周波数に応じた減衰をしたうえで)ミキシングしています。つまり、各種のサラウンドプロセッサのように、左右の音楽ソース信号をデジタル演算で処理して人工的な付帯音を追加するということはありません。少々語弊があるかもしれませんが「元々の音楽ソースに何も付け加えていない」と言ってよいと思います。ただそれだけでこんなに色々な効果を発揮するのですから、スピーカーから出た音が私たちの両耳に届くまでの間に発生するクロストークがいかに「悪さ」をしているのか、つくづく思い知らされます。

色々と書き並べてしまいましたが、私がいちばん感じていること、そして既存のユーザーの皆さまやNS装置の購入を検討しておられる皆さまにお伝えしたいことは「NS装置の効果は音場の拡大だけではない」「今利用しているオーディオシステムの性能やリスニング環境に応じてNS装置の効果は様々である」ということです。そのあたりのことを先日「ナチュラル・サウンド復元によって表われるさまざまな効果」というページにまとめてみましたので、関心のある方はどうぞ参考になさってください。また、試聴用の貸し出し制度も、どうぞご遠慮なくご利用ください。

最後に「NS-1 Ver.1.5」の進捗状況ですが、加工済みケースが届き、プリント基板との整合性に問題がないことを確認できましたので、10/29の雑記帳で書いた回路上のミスを修正したプリント基板を発注しました。それが来週の土曜日(11月12日)に届き次第、最終的に試作して、問題がなければ正式に発売できそうです。

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2005/10/29 - NS-1 Ver 1.5 奮闘中…

「NS-1 Ver 1.5」試作基板

NS工房への注文品を製作するかたわら、「NS-1 Ver 1.5」の設計とプリント基板パターンの作成をしていたのですが、今日、試作版のプリント基板が届きました。さっそくパーツを組み込んで動かしてみました。

結果は、と言いますと…、NS信号のオン/オフを制御する部分のみうまく動いてくれませんでした。赤外線リモコン信号解析マイコンからの出力について正論理と負論理を勘違いしていたのが原因です。それで、左側の写真のプリント基板の下のほうに何やら黒いパーツや抵抗などか写っていますが、トランジスタによる「NOT回路」を入れると、うまく動くようになりました。

さすがにこのようなバラック状態のまま売り物にするわけにはいきませんので、パターンにきちんと回路を組み込んでから再挑戦です。来週にはメーカーに加工を依頼したケースも届きますから、穴の位置が合っているかどうかなども含めて微調整し、製品版を目指すことにします。

アンケートでは8人の方が購入希望を表明してくださっています。ありがとうございます。完成まで今しばらくお待ちください。

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2005/10/17 - NS-1トリオ、誕生へ

10月初頭から始めていた「NS-1 Ver 1.5購入希望」アンケートの希望者数が5人以上となりましたので、この製品を開発することに決定したいと思います。既にプリント基板のパターン設計などを始めておりますので、11月には発売できそうです。これで、NS-1は、「Ver. 1」「Ver. 1.5」「Ver. 2」という3つの製品で構成されるトリオとなりました。

考えてみますと、このトリオは実に合理的な構成ではないかと自負しております。

Ver. 1 … 主としてNS装置を利用したい真空管アンプ愛好家がターゲット。視聴する音楽分野がクラシックやジャズなどの特定の分野に限られているのであれば、いったん最適位置を見つけたあとはNSレベルを頻繁に調整する必要がないので、音量をリモコン操作できるだけで十分に便利なオーディオシステムを構築できる。

Ver. 1.5 … 主として既にリモコンの付いた半導体製アンプを利用しているオーディオ愛好家がターゲット。視聴する音楽分野が多岐に渡る場合、音楽ジャンルや録音の状態に応じてNSレベルを頻繁に調整したり、時にはオフにしたりする必要があるので、それらの操作がリモコン対応であればたいへん便利に活用できる。

Ver. 2 … 主としてNS装置を利用したい真空管アンプ愛好家や、リモコンの付いていない半導体製アンプのユーザーで、NS調整を厳密に行なって常に最高の音楽環境に浸りたい方々がターゲット。同じクラシック音楽という分野の中でも、古い録音と最近の録音とでは最適なNSレベルが異なることもあり、リスニング・ポジションからNSレベルを調整できると、そのあたりの微妙な調整も可能になる。

と、まぁ、こんな具合に合理的に各バージョンのNS-1が個々のオーディオ愛好家の必要を満たしてくれますから、製作者としてはこの“トリオ”が誕生したことでNS-1という製品シリーズが1つの完成した製品群になるのではないかと思っております。

試聴用の貸出機も用意しましたので、理屈だけでは納得しかねるという方々にはまずは試聴していただき、さらに大勢の人にナチュラル・サウンドの“理想響”を体験していただければ幸いです。

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2005/10/1 - お客様のニーズは多様ですね

NS装置を最初に企画・設計していたとき、このような装置を利用するお客様は真空管アンプを使っているような方が主流になるのだろうなと予想していました。一般に真空管アンプは半導体製のアンプより音楽の表現力に個性があり、響きも豊かだと思います。そのような方であれば、ナチュラル・サウンドのいっそうリアルでナチュラルな響きを気に入っていただけるだろうと思ったわけです。それに、リモコンを装備した管球アンプはごく僅かで、しかも非常に高価ですから、NS-1はそのようなお客様をターゲットにしました。

ところが実際に販売を始めてみますと、半導体製のアンプを使っている方からの注文もかなりありました。それに、廉価版のNS-2も、値段が安いこともあるでしょうが、NS-1シリーズの2倍近くの台数を出荷しました。

そこへきて、昨日注文メールをいただいたお客様が、NS-1のリモコン・ボリュームをNS信号レベルの調整に転用できないでしょうか? と尋ねてこられたのです。

考えてみれば、最近の半導体製のアンプは、セパレートタイプのプリアンプであれ、プリメインのタイプであれ、ミニコンポであれ、リモコンは当然のように付属しています。そのような方がNS装置を便利に使いたいと思うとき、「NS-1 Ver.2」にあるリモコン対応の音量ボリュームは無用の長物になってしまいますよね。しかし、リスニング・ポジションからNS信号のレベルを調整できた方が便利だし、より適切な設定ができる、という考え方はよく分かります。

そこで、今日からアンケートを始めた「NS-1 Ver 1.5」を考案しました。なんとも中途半端なネーミングですが、リモコン搭載タイプには「NS-1」という名前を入れたいという工房主としてのこだわりがありまして…。私の希望としては、ぜひ製作してみたいのですが、NS工房はビジネスですので、需要がないものを製作すると資金繰りに影響が出てしまいます。個々のパーツ類は他の機種と共用していますから問題ありませんが、メーカー加工済みのケースとプリント基板は20程度の単位で最初にまとめて製造依頼・購入をしないと採算が取れません。ですから、新商品を発売するにはそれなりの初期投資が必要になり、その投資を回収できる目途が立たないまま船出するのは危険なわけです。

そんなわけですので、購入希望のお客様がおられましたら、こちらのアンケートページでぜひ1票を投じてくださいませ。よろしくお願いいたします。

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2005/9/11 - その後の「どこでも真空管アンプ」

2005/4/24の雑記帳で、「どこでも真空管アンプ」と名づけたスピーカー付きポータブル式真空管アンプ(ラジカセのようなもの)をご紹介しました。しかし、最初のバージョンでは低音域が妙に強調された音になるということもご紹介しました(2005/4/30)。音がおかしい原因を、最初は入力トランスと考えてしまいましたが、実はそれは間違いでした。

原因はスピーカーを固定する方法だったのです。そのあたりの経緯は、後日「奮闘記」のようなページを作ってご紹介しようと思っていますが、要は、1枚の板に左右のスピーカーを木ダボでしっかりと固定してしまったため、低音域までしっかりと音の出る左右の樽スピーカーが共振してしまい、低域がワーンワーンと唸ってしまっていたんです。

最初は、副スピーカー法によるナチュラル・サウンド復元法のために購入した“ボロ・スピーカー”を何か別のことに利用して活用しようと思いたって作り始めた「どこでも真空管アンプ」です。アンプにサンバレー「ザ・キット屋」さんの「VP-mini84MKII」(6BQ5シングル)を購入して使ってみたところ、アンプの音があまりにも素晴らしいので、このアンプでボロ・スピーカーを鳴らすのではアンプが勿体無いということになり、スピーカーを樽スピーカーにグレードアップしました。ところが、こんな使い方では、今度は逆に樽スピーカーに申し訳ないということになり、さてどうしたものかと思案しておりました。

そんなとき、子供の頃に買った誠文堂新光社の「実用 真空管アンプ ハンドブック 初歩のラジオ編」をパラパラとめくっていたら、真空管とスピーカーを近くに同居せざるを得ないときは、マイクロフォニック雑音(スピーカーの音が真空管を振動させて起こる雑音)を避けるためにスピーカーをクッションで浮かすこと、などと書かれているのを読んで、はたと気付いたわけです。そうか! スピーカーを1枚板の上にしっかり固定してしまったから共鳴(共振)が起きているんだ、と。

そこで近所のホームセンターに部材を探しに行ったところ、「振動吸収材」というブチルゴム製のゴム足のようなものがありましたので、それを買って樽スピーカーの下に はかせて板に固定する方式に変えてみました。すると、低域の共鳴はずいぶん改善されましたが、ある程度音量を上げるとまだ共振してしまいます。これでは、相変わらず樽スピーカーに申し訳ないですよね。樽スピーカーを製作して最初に我が家のメインシステムにつないで音を出したときのあの爽やかで、かつ低域も小気味よく鳴っていた音が脳裏に浮かびます…。

そこで、今度はスピーカーを変えようということになり、長岡鉄男氏のスピーカー製作集(『新装版 世界でただひとつ 自分だけの手作りスピーカーをつくる』→ 詳細・購入(Amazon))に載っていたサイコロ形の超ミニ密閉ブックシェルフ・スピーカーを組み立てて、この写真のような「どこでも真空管アンプ」が出来上がった次第です。スピーカーユニットはフォステックスのFE83Eで、前面グリルも取り付けました。

「どこでも真空管アンプ」

これでようやく、いい音で鳴るようになりました。ボリュームを極端に大きくしない限り共振は起きず、温かい音で鳴ってくれます。このアンプ、キッチンの冷蔵庫脇が定位置になりそうです。炊事をしながら妻が軽めのポップス・ヴォーカルやアルパ演奏などを聴くことになるでしょう。

最後になりますが、実はアンプも新調してあります。6BM8による超三結アンプです。木枠にアルミ板のシャーシを固定する方式で2階建てに作ってあります。下部が電源、上部がアンプ。そしてもちろんNS-2の基板を組み込んであります。携帯CDプレーヤーを接続すると、スピーカーの幅以上に拡大されたナチュラル・サウンドでリアルな音楽を楽しめます。

樽スピーカーはと言いますと、晴れて仕事部屋のBGMシステム用に昇格です。小型ですからL字の棚受け金具で小さな棚を壁に取り付け、ブチルゴムをはかせた状態で置きました。今までのサンスイの小型スピーカー(専用スタンドつき)はヤフオクで売却するつもりです。NS工房と翻訳の兼業で足の踏み場もないほどになっていた仕事部屋がずいぶんスッキリしました。それに、何よりも樽スピーカーが活き活きと本来の素晴らしい音楽を奏でてくれているのが嬉しいですね。

「どこでも真空管アンプ」の製作。色々と勉強させてもらいました。

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2005/8/28 - 不思議な箱

不思議な箱

一見すると戸棚のようにも見えますが、いったい何の箱でしょう…

ふたを開けると、こんなものが中に入っています。
真空管が6本並んでいますね。
前面にはツマミのようなものも見えます。

テルミンの箱

実はこれ、真空管式のテルミンの箱なんです。
昨年の11月にトランジスタ式のテルミンを製作したことは、ホームページでも
製作記をご紹介しました。その音はいかにも電子音で、聴いていてあまり心地よいものとはいえません。でも、ロック系のミューズシャンなどは、これを効果音的に巧みに用いて、活用しているようです。テルミンを本格的な楽器として演奏できる人たちもいます。

そのときにテルミンに興味を持ち、真空管でテルミンを製作した人の詳しい製作記を海外のサイトで見つけました。この中の「The 126 Vacuum Tube Theremin」というものの自作に挑戦してみたいと思い、今年の初めから部品だけは購入してあったのですが、なかなか時間を取れず、ようやく製作に取り掛かった結果、写真のようなところまで到達したという次第です。

このような不思議な楽器を製作しようと思ったのは、演奏を楽しみたいからではなく(これを演奏できるようになるまで練習するのは至難の業です)、純粋に電子工作的な興味からで、真空管式に挑戦したいと思ったのは、そのほうがもっと優しくて温かな音がするに違いないと思ったからです。

実はまだ完成しておらず、回路の一部の調整に手間取っています。音を出し、アンテナに手を近づけたり遠ざけたりして音程を調整することはできるのですが(期待通り柔らかで優しい音がします)、音量を調整する回路の発振回路がなかなかうまく調整できないんです。トリマ・コンデンサを追加調達して、さらに格闘してみようと思っています。それがうまくいったら、6BM8のパワーアンプ回路と小さなスピーカーを組み込んで(写真でも、真空管が挿入されていないソケットが見えますよね)、この箱だけでテルミンを楽しめるようにするつもりです。テルミンは普通、エレキギターなどの電子楽器と同じように、外部のパワーアンプに接続して使用するようになっています。でも、単体でも使えるようになっていると手軽に楽しめると思います(トランジスタ式テルミンもアンプ内蔵にしました)。

この真空管式テルミンの設計者は、アンテナとして本体の両脇にアルミ板を配置するデザインを考案しました。多くの簡易式テルミンはロッドアンテナを使っていますし、楽器用のテルミンは金属の棒が左右に縦方向と横方向に出ているのが通例です。なかなか面白いデザインだと思ったのですが、場所を取りすぎて置いておく場所に困りそうだったので、自分なりの工夫として「ふた 兼 パネル式アンテナ」を取り付けた「不思議な箱」が出来上がりました。

さて、音量調整までうまく仕上げることができるでしょうか。成功したら製作記をご紹介したいと思っています。

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2005/8/23 - 「NS-1 Ver.2」の製作状況

7/10に「なかなか快適です」とご報告した「NS-1 Ver.2 フルリモコン搭載版」ですが、ケースの穴あけ加工とシルク印刷を依頼したメーカーでシルク印刷のトラブルがあり、納品が遅れています。うまくいけばメーカーのお盆休み前にギリギリ完成させてもらえるかなと期待していたのですが、それはかなわず、その後もなかなか納品されないので再確認したところ、前述のような状況で納品は今週末になりそうだとの返事でした…。

NS-1 Ver.2の完成基板

でも、プリント基板のほうは予定通り7/30に到着し、7/31にパーツを組み込んで試したところ、動作はバッチリ問題なしでした。パターンを一部修正したいところが数箇所ありましたが、動作に支障が出る問題点ではありません。右の写真がその完成基板です。電源や信号ケーブルは仮接続の状態でステレオにつないでいますが、聴感上のノイズもなく、ナチュラルサウンド回路の音場補正効果やリモコンの操作性も大変満足できるものでした。写真ではつまみがゴールドのように見えますが、実際にはシルバー梨地です。

いちばん右側にあるのが音量調整ボリューム、その左脇にあるLEDが音量のリモコン調整インジケータです。その左側にある少し小さい電動ボリュームは、今までは手操作しかできなかった「NSレベル調整ボリューム」です。左脇にインジケータも付いています。Ver.2では、NSレベルの調整とNS信号のON/OFFをリモコンで操作できます。つまり、リスニングポジションからNS-1の全機能を操作できるというわけです。

実際に操作してみますと、これが実に快適なんです。NS信号のレベルをリモコン操作でゼロから徐々に上げていきますと、どの位置からナチュラルサウンドの音場補正効果が出てくるかが“一聴瞭然”です。もう少し上げていきながら、前後の奥行き感が失われない程度のベストポジションを見つけることができます。効果のほどがよく分からなくなったときは、リモコンでNS信号をON/OFFしてみれば、どんな効果が出ているすぐに確認できます。

今週末に加工済みケースが届き次第、プリント基板に搭載したボリューム類と穴の位置がずれていないことを確認すれば、製品版を作り始めることができます。購入を検討しておられる皆さま、今しばらくお待ちくださいませ。

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2005/8/14 - 完成! 2A3シングルアンプ

完成した2A3シングルアンプ

いろいろと事情が変化して自由になる時間ができましたので、8/8に「作りたいなぁ」と書いていた2A3シングルアンプを製作し、無事に完成させることができました。

回路は、サンバレー「ザ・キット屋」さんのジュエリーボックス 2A3の回路を拝借しました。ただし、本来の回路の整流管は5R4GY(ST管)ですが、このアンプでは5AR4(GT管)を使いました。シャーシが300mm×200mmと小型であるのでスペースを節約したいことと、5AR4の方が色々なメーカーのものを試せるということがその理由です。利用したシャーシはリード製の安価なもので、「ライトアンバー」という濃いベージュ色で塗装しました。トランス類がすべて黒なので、この塗装がなかなかよくマッチしています。

整流管を抜いてヒーター電圧だけ掛ける真空管のエージングを今日(8/14(日))の昼過ぎまで行なうことにしていますが、昨日の夕方の時点で視聴した際には、私好みの素晴らしい音で鳴ってくれていて、大満足でした。整流管は、真空管の通販ショップで「最もポピュラー」と宣伝されていたSOVTEK製と、私がひいきにしているJJ製の2本を用意しました。差し替えてみると、整流管による音の違いが意外に大きいことに驚きました。JJ製の方が私好みの音を出してくれます。ヴァイオリンの音がなんとも艶やかで甘美に響いてくれるんです。SOVTEK製はやや高音域がキツイ感じでしたので、エージングが必要なのかもしれません。今後また試してみようと思います。その他の真空管は、2A3が評判の良いSOVTEK製、6BQ5と12AU7(ECC82)がJJ製です。ちなみに、昨日、BOI AudioWorksという真空管通販ショップのサイトを覗いたら、JJ製の2A3が載っていました。300B/JJと同じ外形、プレート電圧の耐圧が450Vとのことです。非常に興味をそそられますが、高価なので多分買わないと思います。マッチドペアが$210で、そのショップで売っている300B/JJペアと同じ価格なんです。ちなみに、SOVTEK製もそのショップで購入しましたが、マッチドペアが$67でした。

このアンプの製作記は後日また別個のページを作ってご紹介するつもりですが、中身のパーツはほとんどUSA製で固めました。スプラグ製のタンタルコンデンサや電解コンデンサ、AB(Allen-Bladlley)製の抵抗などです。AB製の1/4W抵抗は、ヤフオクで通販営業しているショップで1本 \50で買いました(安いですね)。電解コンデンサは、以前そのショップで買い物をしたときにオマケで付けてくれたものです。それと、初めてラグ端子を使った手配線による自作に挑戦してみました(今まではユニバーサル基板にCRパーツ類を実装していた)。ノイズを出さないための鉄則、「アースをループさせない」「信号ループを大きくしない」に徹して配線しましたので、美しい配線とは程遠いジャングル状態ですが、これも1つのよい経験だと思います。

このアンプは、仕事部屋で使うサブ機にするつもりです(そんなわけで「縦長」に組み立てました)。その間に、市販パーツで製作した「上杉アンプ TAP22 もどき」は、この2A3シングルと同じシャーシで組み直したいと思っています。これはプッシュプルなのでパーツが多く、ラグ端子でいくか、ユニバーサル基板で行くか、ちょっと悩んでいるところです。

あっ、それから、オーディオの雑記帳を2つに分割しました。かなり長くなってきましたので…。

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2005/8/8 - 作ってみたいアンプ

ST管用4ピン・ソケット

右側の写真に写っているのは、「意外な逸品」でご紹介した「安価でも音の良い300B」をヤフオク経由で購入したときにオマケで付いてきたソケットで、4ピンのST管用金メッキソケットです。特に使う当てもなく本棚の片隅に置いてあったのですが、改めてこれを眺めていて、ふと思ったことがあります。そういえば300Bの音には少々飽きが来てしまったけれど、2A3はどんな音楽を奏でてくれるんだろう…。

2A3の親類でヒーター電圧だけ違う6B4Gシングルのアンプは、このHPでもご紹介しているように、私が最初にキットを組み立てた本格的なオーディオ・アンプでした。そのアンプは数年前に手放してしまいましたし、その頃はまだ真空管の種類による音の違いをそれほど敏感に聞き分ける経験も知識も持っていませんでしたので、さて、どんな音だったのか、よく思い出せません。

雑誌に真空管アンプの製作記事を載せている、とあるアンプ製作者が「300Bの音をビーフステーキに喩えるなら、2A3の音は高級料亭の和食だ」と書いているのを読んだことがあります。

私が300Bの音をシングル、パラシングル、プッシュプルという3種類のアンプで堪能した後、結局3台とも今は手元にないのは、211シングルという素晴らしいアンプに出会ったことと、300Bの音はどうもコッテリしすぎていると感じたことが大きな理由です。そんなとき「高級料亭の和食」という言葉を読んだので、機会があったらぜひ作ってみたいものだと思うようになりました。サンバレーのJB 2A3キットを購入する手もありますが、どうせなら市販パーツでゼロから作ってみたいと思い、数ヶ月前から少しずつパーツを集め始めていました。回路はJB 2A3のものを拝借し、電源部には例によってクロストーク軽減策を施します。

本業とNS工房がありますので、すぐには製作できないかもしれませんが、時間ができたときに2日くらい掛ければシャーシ加工から音出しまで一気に作業できそうです。さて、どんな音なのか、今から楽しみにしています。

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2005/7/27 - 元祖(?) NS装置 made in U.S.A.

CARVER社 C-9

アラバマのT教授が今 日本に来ておられるのですが、この機会にたいへん貴重なものを譲っていただきました。アメリカのCARVERというオーディオ機器メーカーが1990年ごろに販売していた「C-9 Sonic Hologram GeneratorTM」です。YT先生はアメリカのご自宅でこの装置も使っておられましたが、副スピーカー法のほうが音がよいので、C-9は補助的に、あるいは比較試聴用に利用する程度だったようです。それでも予備を購入しておかれたそうで、そのうちの1台を譲ってくださいました。

この装置、たいそうな名前(商標)が付いていますが、本質的には私の考案したNS装置と同じ目的を果たします。つまり、プリアンプとパワーアンプの間に挿入接続することにより、スピーカーから出た音が私たちの両耳に届くまでの間に発生するクロストークを解消する装置です。内部回路は4回路入りのオペアンプICを5個も使った非常に複雑なもので、周波数に応じてクロストーク打ち消し信号のレベルを調整しているほか、位相をずらすという処理も加えて、クロストークを非常に厳密に打ち消すように作られているそうです。緻密な計算と膨大な実験によって回路定数を決めたのだろうと思います。

このC-9と、私のNS-2を簡単に比較試聴してみました。大まかに言うと、どちらも同じような音場補正効果を発揮します。C-9の方が奥行き方向の音場補正がうまく働き、前後の奥行き感がより十分に出ているようでした。これは、NS-2のNSレベルをどうしても大きく設定してしまう傾向があることが関係していて(その方が左右のステレオ感の増強効果がハッキリするので、つい大きく右へ回してしまう)、NSレベルを少し絞るとNS-2でも奥行き感が十分に出てきます。

C-9の難点は、この装置を挿入したときに、何か薄いヴェールが掛かったような音の曇りが出てしまうことです。YT先生の説明では、位相ずらしを行なっていることが作用しているだろうとのことです。メインの音楽信号もオペアンプ回路を通っているので、それによって自分が使っているステレオ本来の個性が削がれてしまうという原因もあるかもしれくせん。

まあ、難しい話はともかく、NS-2は2回路入りのオペアンプICを2個だけ使用したごく簡易な回路(ちなみに、NS-1もNS回路はNS-2と同じ)ですが、その装置が、アメリカで特許まで取得しているC-9と互角に渡り合い、ステレオ装置本来の個性を失わせないという点では勝ってさえいるというのは、製作者として何よりも嬉しいことです。私のNS回路は、YT先生が副スピーカー法を通して論理的、実践的に見つけた高域を減衰させるとよいということ(そして低域も少し減衰させること)だけを取り入れて作りましたが、現実にはそれだけで十分だというのが面白いですね。複雑なものほど高性能だとは限らず、かえって簡素なものの方がうまく行くこともあるという好例だと思います。

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2005/7/10 - なかなか快適です

NS-1 Ver.2の試作機

先日ここに書いた「NS-1 Ver.2」の試作がうまくいきました。試作機とは言っても、うちにあるNS-1からマイコンの制御信号と電源を引っ張り出し、写真の右側にある小さなユニバーサル基板に組み込んだ制御ロジック回路をつないだだけの「バラック機」です。

試しに使ってみますと、これがなかなか快適で、たいへん満足しました。リスニングポジションに居ながらにして「ナチュラルサウンド信号ON/OFF」と「NS信号のレベル」を調整できますので、NS信号のレベルを調整したときの変化を今までよりも簡単に聴き分けることができます。

基板に載っているのは汎用ロジックICが5個、16形のモータ駆動ボリューム(メインの電動ボリュームより小型)、微小信号切替用のリレー(ラッチ式)です。最初はICを3個で回路を組んでチャレンジしてみましたが今ひとつ上手くいかず、安定して動作してくれるようにICを2個追加しました。先日は『安全装置的な工夫として「NSレベル調整モードに入る/出る」というボタンも設けます』と書きましたが、実際に操作してみると、かえって操作が煩雑になることが分かりましたので、取り止めにします。"Simple is best" という結果でした…。

お蔭様でNS工房への注文が順調に入ってきており、その製作に時間を取られているのですが、合間を見て「Ver.2」のプリント基板パターンを設計し、8月には製品化したいなぁと皮算用しております。もし「ぜひ欲しい!」という人がおられましたら、今からでも購入予約を受け付けます。販売価格は\42,800(予価)とさせてください。少々高いと思われるかもしれませんが、10台や20台という小ロットでこれだけの機能を備えた装置を製作してこの値段というのは、実はたいへん安価ではないかと自負しております。ちなみに、使用するケースは、現状のNS-1と同じシリーズでひと回り大きい「幅20cm×奥行17cm×高さ5cm」のものを予定しており、穴あけ加工とシルク印刷による文字入れをメーカーに依頼するつもりです。

この件で進捗があれば、またお知らせしますね。

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2005/6/25 - NS-1 “Ver.2” の構想

NS-1を設計していたときから思っていました。きっとこんな要望が来るだろうな…、と。

そう、NS信号レベルの調整をリモコン化することです。

メッセージボード経由で2人、感想メール経由で1人のNS装置ユーザーの方々からそんな要望が届きました。

なぜその機能をNS-1に搭載しなかったかというと、大まかに2つの理由があります。1つは価格。その機能を搭載するととても今の価格では販売できません。採算の取れるギリギリで価格設定したとしても3万円を超えてしまうと思います。NS-1はぜひ普及させたいと思っていましたので、あまり高くするのは避けたかったのです。もう1つはシンプルさ。ナチュラル・サウンド復元法は、副スピーカー法にしても、NS回路を利用する方法にしても、あまり厳密な調整を必要とせず、ごく簡単な操作で素晴らしい音場感を楽しめるところにあります。それで、最初の調整時にはリスニング・ポジションとNS装置の間を何回か往復してベストな位置に調整するとしても、その後は時おり微調整する程度で大丈夫だろうと思っていました。

ところが、世の中には鋭敏な聴覚をお持ちの方がいらっしゃるものですね。CDの録音状態によってNSレベルのベスト位置が異なるので、リモコン調整できると便利だという声が上がったのです。

こうなると、電子工作大好き人間としては決してじっとしてはいられません。既にNS-1“Ver.2”の回路を練り始めました。ブロック図的な回路は固まってきましたので、後は具体的に回路図を書き、試作して動作を確認することになります。汎用のロジックICを4個程度使用した回路で「NS信号のオン/オフ」「NS信号のレベル調整」をリモコン対応にできそうです。「NS信号のレベル調整」の方は、音量調整と間違えてボタンを押してしまうと、せっかく調整済みのベスト位置がずれてしまいますので、安全装置的な工夫として「NSレベル調整モードに入る/出る」というボタンも設けます。そのボタンを押して調整モードに入ってからでないとNSレベル調整をリモコンで操作することはできません。調整が終わったら、同じボタンを押して調整モードを解除します。

試作に成功し、製品化の目途が立ったら、価格を含めて皆さんにお知らせしようと思います。今回は採算のとれるギリギリではなく、装置の機能内容の価値に見合った価格を設定させていただききます。おそらく「NS-1 DX」よりも高くなるでしょう。それだけの価値のある、ほかでは手に入らない装置だからです。また、今回は「購入希望アンケート」は行なわないことにします。なぜなら自分でも使いたいので1台は必ず作るからです。その代わりに製品化の目途が立った段階ですぐに「予約注文」を受け付けることにします。予約が多ければケース加工をメーカーに依頼することにしますが、少なければ私が手作業で加工します。

それと、もし“Ver.2”を売り出しても、今までの「NS-1」の製作・販売は続行しますのでご安心ください。多くのユーザーにとっては現状のNS-1の機能だけで十分に事足りると思いますし、Ver.2よりはずっと手の出しやすい価格ですので。

さて、試作はうまくいくでしょうか?

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