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パソコンの静音化(2006年版)

私が「パソコンの静音化」に関するページを2年前に書いて以来、各種のPCパーツは静音化に向けてさまざまな進歩を遂げてきました。私自身、この2年半はパソコンのアップグレードを行なうことがなく、パソコン自作に関する情報収集もさほど行なっていなかったので、恥ずかしながら今回の「4代目パソコン」へのアップグレードの時にパーツ集めをしてみて初めて、静音仕様のパーツ類が充実してきたことを知りました。このページでは、そのような情報を含めてパソコンの静音化に関する「2006年版」のヒントをまとめてみようと思います。

自作パソコンならではのメリットとして、次のような分野で静音化仕様のパーツを選んで利用できます:

静音仕様のPCケースを選ぶ

PCケースを選ぶとき、以前はデザインを重視していたかもしれません。しかし、今では、もともと静音化を意識して設計されたケースが数多く販売されています。

まず、次のセクションで説明するとおり、電源ユニットは静音化仕様のものを別途購入することが多いですから、電源の付いていない「電源レス・ケース」を購入すれば、無駄を避けられます。

ケース・ファンは大口径のものを

ひと昔前に比べて、最近のPCパーツ類は発熱の大きいものが増えてきました。まずはCPUの高クロック化に伴ってCPUの発熱が増大しています。CPUを制御する「チップセット」の各種LSIも発熱が大きくなり、多くのM/Bはチップセット用に大きなヒートシンクを搭載しており、中には特殊なヒートパイプを利用してチップセットを効率的に冷却しているM/Bや、チップセットに冷却ファンを搭載したM/Bもあります。さらには、ビデオボード上のビデオチップの発熱、ハードディスクドライブ本体や制御LSIの発熱など、PCケース内は発熱源であふれています。

こんな状態ですから、もしケース内の換気が悪いと、例えばCPUファンがいくら高回転でCPUを冷やそうとしても、吹き付ける風の温度(つまりケース内の空気の温度)が高いために冷却効果が落ちていき、ついには冷却不能に陥ってしまうでしょう。

ですから、ケース内の空気を上手に入れ替えてケース内温度を下げることが大切です。

以前はケース・ファンといえば直径80mmのファンで、十分な風量を得ようとするとどうしても騒音が大きくなってしまいました。しかし、今では直径120mmや140mmといった大口径のケース・ファンを取り付けられるケースや、元々そのような大口径ファンを標準装備しているATXケースが数多く販売されています。大口径のファンなら回転数を落としても十分な風量が得られるため、パソコンの静音化に最適です。

さらに言えば、ケース・ファンの回転数をファン・コントローラなどで自由に制御できるようにしたり、ケース内の温度に応じて自動的な回転数が変化するものを使ったりすれば、室温やPCケース内部の発熱状況に応じてさらに静音化を追求できます。このような回転数可変のケース・ファンを使用する場合には、ケース内の温度を測定して表示するパーツを併用すると、冷却不足にならないように監視できるので安心です。

フロント(前面)ファンとその役割

PCケース内の換気では、空気をケースの前面から背面に向かって流すのが普通です。それで、フロント・ファンの役割の1つは、外から空気を吸気してケース背面に送り出すことです。このファンはケース前面に取り付けますので、パソコンを操作する人の近くに位置しますから、なるべく大口径で静音仕様のもの、できれば回転数を調整できるものを利用すると、静音化を達成できます。

前面ファンのもう1つの役割は、ハードディスク(HDD)を冷却することです。最近のHDDはディスクの回転数が7200ppmのものが主流でドライブ本体が高温になりますし、HDDを制御するLSIチップもかなり発熱します。フロント・ファンはそのようなHDDを冷却するのに好都合な位置に取り付けますので、PCケース内の排熱に役立ちます。

ハードディスクの回転音も、騒音として気になるものです。そこで、Windowsの電源オプションの設定で「ハードディスクの電源を切る」をたとえば10分や5分に設定しておくと、メールの定期チェックなどのためにパソコンの電源を長時間オンにしている場合に静音化を図ることができます。

リア(背面)ファンとその役割

背面ファンは、ケース内の熱い空気を排熱する面で主要な役割を果たします。ケース前方から後方へと空気が十分に流れるように、なるべく風量を大きくするのが望ましいと思います。

また、最近のATXケースでは、ケースの左側面の下方に給排気孔のあるものが多いようです。右の写真の通りです。私は最初「なぜこの位置に?」と疑問に思いましたが、PCケース内のパーツ類の配置を考えるとその理由が分かりました。この位置にはPCIスロットが並んでいますから、そこに装着したビデオボードやサウンドボードを冷却する目的があるのだと思います。(ちなみに、上側の給排気孔は、このあと説明するパッシブ・ダクトの給排気孔です。)

したがって、リア・ファンの役割には、ケース内で前方から後方への空気の流れを作ることと、側面の吸気孔から空気を取り込んでPCIスロットに装着したボード類を冷却することの2つがあると考えてよいでしょう。その意味でも、リア・ファンの風量(回転数)はフロント・ファンより大きくするのが望ましいことが分かります。

パッシブ・ダクトも効果が大きい

これは、CPUの発熱量の増加に対応するために考案されたもので、右の写真のようなラッパ状のダクトです。そのダクトと同じ位置の右側にCPUファンがあることから分かるとおり、このダクトにはCPUファンを補助する目的があります。ラッパ状の笠の部分の高さは自由に移動できるので、CPUファンの高さに合わせてなるべく近くなるように調整すると冷却効率が上がります。

CPUファンが「CPU側から空気を取り込んで排気する方式」のものであれば、CPUの熱がパッシブ・ダクトを通って直接PCケースの側面に排気されます。こうすれば、高温のCPUを冷却して高温になった空気がPCケース内に滞留することを防止できます。

CPUファンが「CPUに空気を吹き付ける方式」のものであれば、ケース内ではなくケース外の低温の空気をCPUに吹き付けることができますので、CPUの冷却効果が上がると期待できます。

このパッシブ・ダクトの代わりにファンを取り付けたり、パッシブ・ダクトとファンを併用したりすることもあるようですが、それはCPUのオーバークロックなど、高い冷却性能が要求される場合のことだと思います。静音化を目指す場合には、パッシブ・ダクトだけで十分です(ただし、このダクトの給排気孔からCPUファンの音が漏れますので、後のセクションで説明するような方法でCPUファンを静音化する必要があります)。

今回私が購入したATXケース

今回(2006年/9月)に「4代目パソコン」を組み立てるときに私が選んだ静音仕様のATXケースは、Scythe(サイズ)社H-70という機種です。電網大田ストアでは\7,900で販売されています。このケースの特長は、電源が付属せず、静音仕様のケースファン(回転数コントローラ付き)が標準装備され、温度計(ケース内の任意の位置にセンサーを設置可能)まで標準装備していることです。それでこの価格ですから、たいへんお買い得だと思います。

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静かな電源ユニットを選ぶ

私が3代目パソコンを組み立てた2004年2月の時点では、電源ユニットの排熱ファンは電源ユニットの背面に80mm程度のものが取り付けられているものがほとんどでした。その中でユニークな製品として、TORICAのSLT-400は、排気ファンが電源ユニットの前面(つまりPCケースの内部)に取り付けられていて、そこから空気を押し出して排気する方式を採用していました。さらに、消費電力に応じて冷却ファンの回転数が変化する仕様になっていたため、非常に静かな電源でした。

2006年夏の時点での主流は、電源ユニットの底面に12cmや13.5cmといった大口径のファンを取り付けた形式のものです。さらに、電源内の温度や消費電力に応じてファンの回転数が可変になっているものが多いようです。こうした冷却方式の利点には (1) 大口径ファンなので低回転数(騒音小)でも十分な風量が得られることと、(2) 冷却ファンがPCケース内部に位置するので、騒音が外に漏れにくいことなどがあると思います。

無音の電源ユニットもある

4代目パソコンの組み立ての際にいくつかの通販ショップで情報を集めていたところ、何と「無音」の電源ユニットがあるということを知りました。SkyHawk社の「PowerOne」というシリーズで、電網大田ストアで安く購入できます。

この電源は、内部の温度が40℃までは冷却ファンが回転せず(つまり「無音」)、温度が40℃を越えると、少しずつ冷却ファンの回転数が上がっていくという仕様です。もちろん冷却ファンは、上で説明したように「電源ユニットの底面」に付いていますので、冷却ファンが回転を始めても通常の使用ではほとんど騒音を感じません。

参考サイト

参考までに、静音仕様のATX電源を取り扱っているメーカーのサイトをいくつかご紹介します。

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CPUファンを静かに

最近では、CPUの能力を高めるために、クロック数が3GHzを超えるものが登場したり、Pentium DなどのデュアルコアのCPUが開発されたりしています。こうしたCPUは発熱が非常に大きいため、それを冷却するために高性能かつ高回転数(つまり騒音が大きい)の冷却ファンが必要になります。

とはいえ、冷却ファンやヒートシンクの性能を高める技術も進歩してきたため、高性能と低騒音を同時に実現できる製品も市販されています。もちろん、CPUメーカーの純正ファンなどの回転数をファン・コントローラーで落とすことによって静音化を図るという方法もありますが、CPUの温度を十分に監視しないと、動作可能な最高温度を超えてしまってCPUを壊す恐れがあります。

安全にCPU冷却ファンの回転数を落として静音化を実現できるように、CPUファンの回転数を自動制御する機能を備えたマザーボードもあります。たとえば、ASUSTekでは「Q-Fan」と呼ばれる機能がそれにあたります。BIOSでこの機能を有効にすると、CPUの発熱に応じてCPUファンの回転数が自動制御されるので、安全に静音化を達成できます。私が「4代目パソコン」で使用したASUSTekの「F5B」というM/BにもQ-Fan機能が装備されており、CPUにCore 2 Duoを使用した場合、BIOSで「Silent Mode」に設定するとIntel純正ファンの回転数が通常時でフル回転の半分ほどの回転数に落ちます(夏場、室温が29℃程度の場合でも)。そうすると、CPUファンの騒音はかなりの程度まで軽減されます。

CPUファンの回転数を自動制御する機能が装備されていないマザーボードの場合には、温度に応じて回転数が変化するCPU冷却ファンを利用すると、パソコンの静音化に役立ちます。ただし、発熱の大きいCPUを使用している場合には、冷却性能の高いファンを使う必要があります。そうしないと、通常時でもファンがフル回転状態になり、せっかくの回転数自動制御機能が効果を発揮できないことがあります。

CPUファンの静音化を実現する究極の方法といいますか、根本的な方法は、発熱の少ないCPUを使用することです。予算さえ許せば、これからはIntelなら「Core 2 Duo」がお奨めと言えるでしょう。

参考サイト

参考までに、静音仕様のCPUファンを取り扱っているメーカーのサイトをいくつかご紹介します。

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ビデオチップの冷却ファン

マザーボードにビデオ(VGA)機能が内蔵されていない場合は、ビデオボードを別途購入することになります。もし静音化を目指して自作するのであれば、ビデオチップに冷却ファンの付いていないものを選ぶのがベストです。無音のヒートシンクでビデオチップを冷却するタイプのものです。通販で購入するときには、商品の写真を見て判断できます。

もっとも、3Dグラフィックス・ソフトやゲームで利用する目的で自作する場合には、高性能のビデオカードが必要になりますから、おのずと冷却ファン付きのボードを購入することになると思います。この面での静音化は諦めることになるでしょう。

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ケースに防音シート貼る

今までご紹介したのは「騒音の発生そのものを抑える」ための手段ですが、ここでご紹介するのは「発生してしまった騒音をケース内部に閉じ込める」ための手段です。

いろいろな吸音シートが市販されていますから、それを利用するが便利でしょう。たとえば、フェイスインターネットショップには「静音関連品」というカテゴリがあり、ダイポルギー素材を利用した商品など、いろいろ掲載されています。

この種の吸音シートを、ケースの側面などの内側に貼り付けます。市販のシートは裏側に粘着シートが貼られているものが多いようです。これにより、内部からの音の発散をかなりの程度シャットアウトできます。

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(2006/9/17 公開)

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