まだまだまだ・・・ある! 佐賀を発展させるヒント集
−捨てるには惜しい新聞記事の抜粋です。
『佐賀を日本一元気にする本』の第9章の続きです。
●一人暮らしのお年寄り、行政が見守り
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神戸市では、通信機器を使って、一人暮らしを見守り、異常があれば在宅介護支援センターの職員が駆けつける事業を開始。ガスメーターと電話に設置した通信装置で、電子メールで毎朝使用量を確認して異常の有無を確認する。利用料は月1300円。
また、徳島県海南町では、80歳以上のひとり暮らしの人を対象に、居間やトイレ
に設置したセンサーで、回数や時間帯を確認。異常があれば、家族や在宅介護支援セ
ンターに連絡。設置費数十万円と月200円程度の通信代がかかる(読売新聞平成1
5年1月26日付け)。
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東京都荒川区では、町会くるみで、湯沸しポットの利用の有無で異常があれば駆けつける仕組みを導入。メーカーのモニターとして契約。湯沸しポットを使うと内臓された無線通信機を通じてデータが送られる(読売新聞平成15年2月5日付け)。
→(押田)東与賀町が紀水苑と組んで行っている見守りシステムのバリエーション。
こういうシステムがあると、プライバシーと安心とが両立できる。
●東京都の「認証保育所」100ヶ所に−ニーズと基準一致し、予想を上回る増加
東京都が独自の基準で公認する「認証保育所」が100ヶ所に達する。国の基準よりも施設条件を緩やかにする一方で、延長保育を義務付けるなど、都会のニーズに合わせた新タイプの制度で、都の予想を大きく上回るペースで増加している。駅前保育所などは預けやすくニーズが強いが、地価や家賃の関係から認可保育所の基準を満たすことは難しい。そこで、平成13年8月からスタートさせたのが認証保育所制度。園児1人当たりの面積を緩和する代わりに、2時間以上の延長保育とゼロ歳児の受け入れを義務付けた。国の認可保育所は、企業の参入が認められているが、規制が厳しいため実際には参入は進んでいないが、東京都の認証保育所制度では、保育料の設定などの規制を撤廃したため、企業の参入が進んでいる(全体の4割)(読売新聞平成14年9月27日付け)。
→(押田)少子化社会で、子供を増やし男女共同参画を進めるには、このようなニーズにあった取り組みが必須。国の制度は、厚生労働省の認可保育所にしろ、文部科学省の大学設置にしろ、不動産の保有や面積にやたらこだわっており理解に苦しむ。要は、「子供を預かり育てる」、「学生に教える」という機能に着目して助成するのが筋。「無認可」保育所というと言葉の響きが悪いが、重要は役割を果たしているのだから、積極的に助成する必要。
●NPO、主婦の就労支援
京都府のNPO「働きたいおんなたちのネットワーク」では、パソコンインストラクター、保育士、園芸療法などの専門知識を持つ女性たちを、教育講座などのフリー講師として育成している。30−40代の主婦を中心に50人の会員がいて、うち20人が講師として活動。自治体や市民サークルから講師依頼が相次ぐ例も。
日本IBMの元部長の女性は、コペルNPOというSOHO向けの情報技術講座を開講し、受注した仕事を教材に実践経験をつんでもらい、訓練修了者には仕事を任せる(日経夕刊平成15年1月28日付け)。
→(押田)子育てが一段落した女性などにとっては、生き甲斐、収入面でメリットがある。他方、受講側も比較的低料金で、わかりやすく、バラエティに富む分野について教えてもらえてメリット大。静岡・清水市の市民大学(すべての運営が市民で完結)と似た構図。自治体によるわずかな支援で、大きな効果が得られる可能性。規制緩和で、自治体(都道府県)自体が職業紹介を行えるようになったが、このようなNPOの業務と連携できないか?
●神奈川県が市町村向け債権の流動化で335億円を調達
神奈川県は、県内市町村に振興目的で貸し付けている貸付債権のうち320億円(元利償還合計破約370億円)の受取利益を金融機関に譲渡し、335億円を調達する。民間では進んでいるが、自治体が活用するのは極めて珍しい。県有地の売却などの手段を使い果たしたことから踏み切った。県と市町村の債権実務関係は変わらない(日経平成15年2月8日付け)。
→(押田)小著第5章第3で提案した「貸付債権の証券化」が、自治体でも実施されることになったもの。神奈川県は、大幅な財源不足をかかえ、これまでも駐車場その他のリースバック、衛生研究所のPFIによる建設等、新手法を次々と導入している。
●低出力レーザーにより血行促進し、痛み取る。神経ブロック療法痛みとることも。
骨粗しょう症等による激痛に苦しむ患者が、神経ブロック注射でもきかなかったが、病院の痛み外来で、低出力レーザーで大きな効果。歩けないほどだったのが、週1回の治療で5回目からは買い物にも行けるようになった。安価が機器も開発され、保険適用になっている(ただし、がんや胃潰瘍等の内臓の痛みにはきかない)(読売新聞平成14年7月16日)。痛み全般には、痛み物質を消す神経ブロック療法が有効。がん、その他、ヘルニア、ぎっくり腰などにも著効(読売新聞平成14年10月22日付け)。
→(押田)ペインクリニックは重要。この療法を受けられる主要医療機関としては、東京や関西の一部しか掲載されていないが、九州では? 機器も300万円と安いし、導入を進め、こういう療法があることを医療機関は広くPRしてほしいところ。自治体関係の病院には必須では?。がんや内臓、神経痛その他にきく神経ブロック療法も、もっと身近にあってほしいところ。
●環境省、家庭用節電装置に補助金
家庭用の電圧は、98−107ボルトの範囲で変動し、平均は103ボルト。NTTデータは家庭用として100ボルトに調節する機器を開発。3ボルト下がると6%
の節電効果があるため、一般家庭では年間約11万円の電気代が、約6600円節約できる計算。これがすべての家庭で普及すれば、地球温暖化ガスは、民生用部門で10%削減可能(京都議定書の基準年である1990年比)。環境省は、地球温暖化対策推進法に基づき、地域協議会に対して実施(日経平成15年1月12日付け)。
→(押田)事業所用では普及。ただし、国民生活センターが、勧誘トラブル、不良機器による効果トラブルの注意喚起をしているので、その点は要注意。
●販促グッズに、障害者の手作り雑貨「セルプ」を使って−大阪のNPO
これまで、障害者が作業所で作るのは、雑貨、工芸品、食料品などで、地域のバザーや併設の店舗、通信販売で売るのが一般的だった。これに対して、大阪・岸和田市のNPO法人「トゥギャザー」は、企業が販促用に配るノベルティーグッズに採用するように働きかけ、積水ハウスが竹炭14500箱(1箱200円)に同社マークを入れて配った。津山と東大阪の作業所が製造・加工した。さらに、高槻の作業所が作る草木染も同社に売れ、売り上げの75%が施設に入る。これによって、障害者が自分たちが作った製品によって給与を得ることが可能になる(日経夕刊平成14年10月21日付け)。
→(押田)ヤマト財団の小倉会長が進めているように(障害者によるパン工房)、障害者自身が働いて給与を得られるという環境づくりが重要。この方式もやり方のひとつ。県内企業・自治体も、これで社会にアピールできるのだから取り組むべき。なお、法定の障害者雇用率を満たしていないところは、もう新聞の全面を使って積極公表すべき(もちろん、積極的に取り組んでいる事例も)。横並びで見て、取り組みが劣っていると認識させるのがトップを動かす上で一番。
●高齢者用デイケアセンターと保育所を一体化した複合施設
パソナフォスターは、日本で初めて、高齢者用デイケアセンターと保育所を一体化した複合施設を新宿区内のマンションに建設した。前例がないと渋る区役所を1年半にわたって説得して実現した。介護と育児で施設を共有すれば、設置コストが減らせる上、高齢者と子供の接触の機会が増えてメリット大(日経夕刊平成15年1月23日)。
→(押田)なぜ、こういう民間ならではの素晴らしい発想を役所が理解できないのか、それこそ理解に苦しむ。一石三鳥であり、もっと進められるべき。
●神戸市、用地を10年間無償貸与し、2社進出。雇用180人実現。
神戸市のポートアイランドに条例で設定されたパイロットエンタープライズゾーンに、訪問介護大手のニチイ学館とバイオ企業(遺伝子破壊マウス)のトランスジェニックが進出。それぞれ、西日本での流通・研究拠点と中核研究施設を建設する。雇用は、それぞれ180人と60人。20年の事業用定期借地権契約のうち、10年間の賃料を免除する特区的優遇措置を講じたもの(日本工業 平成3年1月10日付け)。
→(押田)企業は、「持たない経営」を志向しており、これからは、分譲よりは賃貸面での優遇策が必須。経済特区的優遇措置は、自治体の裁量でできるようになりつつあり、思い切った措置を佐賀も講じる必要。
●中堅運輸会社のバンテック、物流拠点を証券化で建設
日産自動車から独立した運輸会社のバンテックは、特定目的会社(SPC)を利用して、物流網を整備する。都内・村山に60億円で整備するが、資産を持たずに効率経営を図るため、SPCを大和ハウスの出資も受けて設立。オリックス、都銀三行から融資をうけるが、バンテック全体ではなく、同センター単独での資金提供になるため、投資リスクが見極めやすいというメリット。同様の方式で、米国不動産会社のプロロジスは、総額10億ドルで、国内15−20ヶ所の物流施設を建設する計画(日経平成15年1月10日付け)。
→(押田)SPC方式をとれば、物流企業自身では初期負担は少なく整備が可能に。西日本最大の内陸物流拠点を有する鳥栖でも、鳥栖北部丘陵新都市での分譲も進み、流通業務団地の整備も進みつつあるが、このような動きをにらんで誘致を積極化させたいところ。
●東京都の港区、小学校跡地に、民設民営で高齢者・障害者向け福祉施設を建設
港区は、新潟県の社会福祉法人長岡福祉協会に、新橋近くの小学校跡地を貸し付け、特別養護老人ホーム、老人保健施設や知的障害者入所施設などの複合施設を整備する。小学校跡地を事業期間50年の定期借地権で貸与し、施設整備費は、国と都、区が補助する。特養は全室個室で、少人数のユニットケアとする。複合施設の民設民営方式は全国でも珍しい(日経平成15年1月25日付)。
→(押田)民間活力を引き出しつつ、レベルが高く利便性の高い施設を整備するニーズはますます高まる。事業用定期借地権という手法を使えばサービスコストも抑えられ、かつ全室個室化というプライバシーにも配慮した施設ができるのは歓迎される。
●農水省、穀物原料の生分解性プラスチック製食器を導入
農水省は、職員食堂の食器を石油製プラスチックから、とうもろこし等の穀物からできる生分解性プラスチック製に変える。小泉総理は全閣僚に普及を指示。これは、とうもろこしやコメに含まれる糖分からできるポリ乳酸をベースに作られる。現在、農業用シートやゴミ袋等での使用にとどまるが、需要を拡大して価格を下げるとともに、原料穀物の生産増で農業活性化を図りたい考え。なお、ポリ乳酸は、農作物の廃棄部分や生ごみからも抽出可能(産経平成15年1月8日付け)。
●NEC、ケナフ繊維を加えた植物原料プラスチックの使用拡大
生分解性プラスチックの耐熱性、強度を高めるために、ケナフを加える技術をNECが開発した。パソコンなどの樹脂部に1割以上(2010年までに)とする導入目標を設定。ケナフは、オーストラリアから調達する(日経平成15年1月22日付け)。
→(押田)農業廃棄物の有効活用、地球温暖化対策として一石二鳥。佐賀県の場合、学校給食等の食器は陶磁器製がいいが(再生・強化磁器も出ている)、このような穀物原料の生分解性プラスチックもいいかも。
●農村改革、グリーンツーリズムの和風B&Bで。
北海道札幌市から車で1時間の栗山町は、農家が年間千人の都会人を受け入れている。英国風のB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト=1泊朝食)をめざし、北海道B&B協会を97年に設立。ホスト農家は今では、近隣町村を含めて30を超す。1日2千円で、保健所と交渉し、旅館業法の対象外としたことで、余計は投資負担が不要に。さらに、新たに農業を始める人を支援する「農地トラスト事業」を開始。ヒトとカネを都会から呼び込む仕掛けづくりに努めている(日経平成14年12月11日付け)。
→(押田)グリーンツーリズムは21世紀の農林水産業の中核のひとつ。福岡都市圏から近く、一次産業の蓄積が高い佐賀県で同様の試みが進むことを期待。旅館業法の対象外という前例ができた意義は大きい。
●物流の専門企業への一括委託広がる
企業が、在庫を圧縮し物流コストを削減するために、ヤマト運輸など物流専門企業に委託する動きが広がってきた。企業は、在庫圧縮とともに既存の倉庫の有効活用にもなる。ライオンは、近畿・中四国に10ヶ所以上あった配送センターを半分以下に集約し、すべての運営を日本通運に委託した。ヤマト運輸は、企業の物流システムを総合的に受託するため、ヤマト物流設計(仮称)を設立。国際物流大手のDHLも東京・江東にアジア最大の物流センターを建設、企業向け物流業務の受託を始めた(日経平成15年2月11日)。
→(押田)これは、大チャンス。こうなると九州の交通の要衝、物流拠点たる佐賀・鳥栖の重要性はますます高まる。物流大手企業が広範な配送を行える物流基地建設の動きが強まるだろうから、その受け皿整備が重要になる。
●高齢者に筋トレを指導し、高齢者の医療費が半減。村全体で数千万円を削減。
茨城県大洋村では、住民の4分の1が65歳以上で、老人医療費が10年で2倍に増えた。そこで、筑波大学体育科学系の久野講師の指導で、高齢者向けの筋肉トレーニングを始めた。筋肉には速筋と遅筋とがあり、老化して衰えるのは速筋で、歩いて鍛えられるのは遅筋。散歩やウォーキングでは高齢者の足腰は丈夫にならない。そこで、速筋を鍛える筋トレを普及させた。最初は唖然とされ実験台扱いでは?との受け止め方もあったが、やがて理解され、感冒や転倒事故が減り、高齢者医療費が半減。村全体の医療費も年間数千万円削減できた。久野講師は、依頼が殺到したため、ウェルネスリサーチというベンチャー企業を設立し、企業や自治体向けに指導している(日経平成15年1月1日付け)。
→(押田)温泉プールを使ったゲーム等で、老人医療費を2割近く減らした長野県御牧村の例を思い出させる。東与賀町の紀水苑の取り組みにも注目したい。プールでの運動と筋トレとを組み合わせると相乗効果があるかもしれない。いずれにしても、これからはいかに楽しく元気さと維持させるかが重要。また、この事例は、大学ベンチャーによる医療費削減ビジネスとしても注目される。
●最先端がん検診を全身で10万円―国立がんセンター年間5000人
国立がんセンターでは、ヘリカルCT,MRI、内視鏡、超音波装置など最先端機器を使って(保険対象外のもの)、全身を検査する事業を始める。予防へデータ蓄積のため、10万円で実施。希望者を5千人募る。微小がんを検出するPETだけは、追加負担で7−8万円を求める(日経平成15年1月20)。
→(押田)データ蓄積が目的の事業だから安くなるが、患者自身の予防、治療のために低料金で受けられる体制整備が必要。ソフトインフラとしての行政による医療機器整備や、セコムが販売を始めた保険外治療を受けられる民間保険なども組み合わせて、がん撲滅体制を整備したいところ。
●平成を癒す富山のくすり
横浜市内の大型商業施設「横浜ワールドポーターズ」では、懐かしいおもちゃ駄菓子と並んで、配置薬専用のコーナーが設けられ、カップルや若い女性たちでにぎわっている。「パッケージのレトロ感がなんとも言えないの」。300年以上続く富山の薬売りが、思わぬところで花開いた形(読売新聞平成14年12月12日付け)。
→(押田)富山の薬売り・・・と来ると、おのずと佐賀・田代(鳥栖市)の薬売りを連想する。欧米型の大型商業施設が佐賀でも相次いでいるが、そこで、レトロなパッケージで、昔ながらの薬を売るミスマッチが受けるかも。
●東京ガス、IP電話に全面移行
東京ガスでは、2004年6月までに、約100ヶ所ある事業所にある約1万8千回線すべてを、インターネットを使ったIP電話に切り替える方針。全面移行は国内大手企業で初めて(読売新聞平成14年12月17日付け)。
→(押田)いよいよここまで来たかという感。佐賀でもIPv6という先進技術を使ったIP電話で高品質通話の実験を進めつつあり、いずれ近いうちに、IP電話を利用して、高品質通話でかつ大幅なコスト削減が可能な環境ができるようになろう。
●ケーブルテレビ回線で100Mの本格ブロードバンド技術を開発
米国の通信技術ベンチャー企業、ナラッド・ネットワークスは、ケーブルテレビ(CATV)網のインフラを使い、従来の最大50倍の100メガの高速通信を実現する機器をこのほど開発。動画配信など本格的なブロードバンド通信サービスを計画していくCATV運営会社に売り込む。ナラッド社は同軸ケーブルの空いている通信帯域を活用し、毎秒100メガビットの通信を実現。光ファイバー向けの通信技術である「ギガビット・イーサーネット」がCATV網で使える通信機器の製品化に今春成功し、専用ソフトなどとあわせて米国の大手CATV4社に納入を始めた。このほどアジア地域の一部で販売を開始した(日経産業新聞 2002年8月23日付け)
また、超高速無線通信技術「UWB」技術ベンチャーの米Pulse-Linkは、一般的に無線用途に限られてきたUWBを有線通信に応用する技術を開発。この新技術を使うと、CATV事業者が配信しているテレビ、音声サービスの質を低下させることなく、ビデオオンデマンド、双方向テレビ、インターネット通信を同時に提供できるという。通信速度は、数百Mbpsから1Gbps程度が出る可能性を示唆。しており、事実なら光ファイバー通信への有力な対抗馬が出現することになる。このUWBケーブル技術は、一般的なCATV事業者が使用する光同軸ハイブリッドシステム(HFCS)アーキテクチャで利用でき、配信側のCATV局と一般家庭に設置される末端のデジタルセットトップボックスに安価な装置を取り付けるだけで、既存のケーブルをそのまま利用できる。この技術によってケーブルで利用できる帯域幅がほぼ倍になるため、従来CATVネットワークが提供することが難しかったハイビジョンテレビ番組なども提供できるという(impress平成14年6月27日付け)。
→(押田)これはすごい話である。間違いなく、世の中を変え、佐賀が超高速ブロードバンドの最先進地域に躍り出るカギとなる。今でこそ、ADSLは当たり前に普及しているが、佐賀県商工労働部の研究会が平成8年にADSLの可能性に言及したときも、NTTを含めて世間ではその可能性は限定的に見ていた。しかしその後5年で、当たり前すぎる技術になった。佐賀では、間もなく県域大のCATV網が完成し、しかも方式は光同軸ハイブリッド方式である。ネットコムさがでは、既に30メガ(!)の商用化のためのモデル実験を行っているが、上記技術を導入すれば、100メガ、そして数百メガの超高速通信網を、既存インフラを活用して超コストで構築できるだろう(なお、名古屋のスターキャット・ケーブルネットワーク社が、CATV網の同軸ケーブル上で双方向、最大毎秒100メガビットの超高速伝送実験を国内で初めて行うと発表している)。
●独「メトロ」千葉に1号店―卸売り外資、本格参入
世界5位の流通企業グループメトロは、2002年12月に千葉(美浜区新港)に1号店をオープンした。一般消費者は対象とせず、会員制で中小飲食店や食品小売店、給食業者などに手価格で卸売りする。小売りでは、カルフール、ウォルマートが進出しているが、卸売りでの外資進出は初めて(丸紅が20%出資)。全商品を現金決済とする。既に1万を超える会員を集めている。03年2月に埼玉県・川口市に、07年を目処に関東で計10店舗を展開する(読売新聞平成14年12月5日付け)。
→(押田)小売り、物流基地(倉庫、集配基地等)に加えて、第三の流通企業立地の可能性が出てきた。キャッシュアンドキャリーとよばれる現金決済なので、小売り業者がそこに出向く形。当然、交通至便な場所が選ばれる。佐賀での立地可能性は大きいのでは?
●風力発電支援の「グリーン電力証書」制度、自治体・企業で相次ぐ
首都圏の自治体や工場で、風力発電を間接的に支援する「グリーン電力証書システム」の導入が相次いでいる。越谷市が、年間180万KWhの使用量のうち、100万KWhを風力発電を充てることとし、日本自然エネルギー(株)を通じてグリーン電力証書を購入。実際に自ら風力発電をするわけではないが、間接的に風力発電による電力を購入する形。秋田・田代平や能代の風力発電所を支援する。民間企業では、トヨタ、アサヒビールなどが32社が実施。関東では、越谷市に続き、板橋区が導入。安定的に風力発電ができない地域でも、間接的に支援することにより環境アピールができる(日経平成15年2月6日付け)
→(押田)佐賀の自治体、工場でもできる。玄界灘側で適地があれば立地し、周辺自治体でこれを支援することもありえるかも。なお、佐賀県はバイオマスエネルギーを是非普及させたいところ。同様の仕組みを構築し、バイオマスを支援したい。
●土俵を彩る懸賞―1場所通しても百万円で効果的な宣伝
大相撲幕内にかけられる懸賞。仕切りの冒頭、呼び出しが広告入りの旗を持って土俵を回る光景は、雰囲気をにぎやかにする。一本当たり6万円で、取り組み掲載料、場内放送料の計5千円を除き、5万5千円が力士の取り分となる。これまでの年間最多は、千代の富士の759本。曙が574本。高知巡業では、昭和31年から6年間、勝者には懸賞金、敗者には自治体発行の宝くじ10枚が渡されたこともある。懸賞本数は一時と比べると落ち込んだが、再び上昇傾向。1場所15日間通しても、旗代を含めて百万円ほど。テレビ中継でははっきり映らないが、場内放送の音声ははっきり聞こえるので、低コストの宣伝になる(日経夕刊平成14年11月18日付け)。
→(押田)これに、佐賀県がPRとして、ユニークな賞品・賞金を出してもいいのではないか。「佐賀県より、全国品評会最優秀賞の佐賀牛が贈られます」「佐賀産ひのひかりが・・・」とか流れれば楽しい。かつての高知県にならって、佐賀のユニークな宝くじを配ってもいい。
●アジア観光客、熱海や箱根人気―露天風呂、浴衣受ける
最近、アジアの観光客の人気を集めているのが、和風情緒の温泉。東京に近い伊豆・箱根の人気が高い。熱海のホテル池田では、アジア人観光客が倍増。特に中国人観光客が目立つ。サービスは簡略化して、1泊2食で1万円以内に抑えた。
熱海の3つの旅館組合は共同で、韓国語、中国語、英語のHPで紹介し、広州に誘致段を派遣。別府も再び韓国人観光客が増え、大分ーソウルも週3便に増発。かつての団体客から個人・グループ客が増えてきた。韓国からの観光客は最高を更新する見通し。東北三県は、ソウルに合同事務所を設置。長崎県観光連盟は、海外誘致課を設置した。
アジア人観光客の関心は、「和風情緒と先進国日本」。トヨタの産業博物館、お台場・原宿と組み合わせるコースが人気(日経夕刊平成15年1月20日付け)。
→(押田)アジアの観光客誘致は、これからますます重要に。九州は、手軽に来られる点で優位性大。別府、熱海・箱根に負けないように受け入れ環境を整えたい。トヨタの元町工場が人気があるように、「産業観光」をもっと開拓できないか。トヨタの宮田工場もあるし、佐賀県内を含めて半導体関連工場も少なくない。佐賀空港をゲートウェーとして海外観光客を数倍にしたいところ。
●緑茶カテキン、引っ張りだこ−防腐、抗菌、消臭で効果大
緑茶の葉に含まれるカテキンが、防腐、抗菌、消臭で効果が優れ、安全性も高いことから、食品、衣料品、住宅など幅広い分野で開発競争が起きている。酸化防止効果は、ビタミンEの20倍。防腐剤を使わずに抗菌衣料が作れるし、食品の賞味期間も長くできるほか、家畜のえさに混ぜれば、肉・卵などの品質向上につながる。カテキンで表面処理した壁紙では室内の有害物質を吸って分解する効果がある由(住友不動産が販売)
。奈良県農業技術センターでは、茶葉栽培と繊維産業の活性化のために、カテキンをTシャツや肌着に付着させる研究を始めている(読売新聞平成14年11月8日付け)。
→(押田)カテキンはポリフェノールのひとつだが、佐賀大学が超機能性バイオポリフェノールの大量抽出技術を開発しているはずだ。応用の裾野は、上記分野以外にも健康食品・飲料、医療など幅広いから、日本茶の発祥の地と嬉野茶の産地を要する佐賀県としても、新産業創出に力を入れたい。なお、アオサや廃ノリを活用した高機能物質を食品、畜産、医療などに応用することも実用化の目処が立ちつつある。佐賀県でそれを展開すれば、水産業、畜産業の活性化に必ずつながる。
●讃岐うどんブーム沸騰中―空白地帯に進出加速
讃岐うどんのチェーン店が相次いで、全国展開を始めた。香川県の地元企業だけでなく、大手企業も乗り出している。立ち食いそばに次ぐ和風ファストフードの新ビジネスに育つ可能性も。「まんまるはなまるうどん」チェーンは、セルフ方式を関東で展開。渋谷店は、13種類の豊富なメニューとかけうどんなら1杯100円という低価格が受けて、月商は予想の2倍の2千万円。「さぬき小町うどん」も全国展開で04円までに合計100店を開く。JR恵比寿駅の「NRE&めりけんや」の1号店。立ち食いそばから業態転換したところ、連日千人が来店し、以前の20−30%増の売り上げ。全国展開が可能になった背景は、全国どこでも、本場香川の製麺所から風味を保った状態で生めんを仕入れることができるようになった製麺技術の向上と保冷輸送網の充実。関西と違い、首都圏はうどん専門店が少ない空白地帯。女性の利用が多いのもそば店と違うところ。讃岐うどんの独立開業を目指す人向けの研修センターも全国にできている。近畿日本ツーリストの麺打ち体験ツァーは、若い女性客に人気(日経夕刊平成14年9月28日付け)。
→(押田)九州・佐賀で麺といえば、神埼のそうめんとうどん。実力はあるが、PRと知名度が足りないというのは、佐賀の縮図。PRするとともに、小著で述べたような佐賀の食材を使った和食チェーン展開の中で、神埼のうどんとそうめんをプレイアップしたい。私の自宅の近くの「味の民芸」というチェーン店はうどんが中心だが、毎日遅くまでお客が絶えない。しかも客層は、老若男女幅広い。「佐賀神埼」を、「讃岐」、「稲庭」に次ぐブランドに育てたいところ。
●上下水道でミニ発電―東京電力、15年度から
東京電力では、15年度から新エネルギーの一定割合の導入を電力会社に義務付けるRPS法の施行を念頭に、上下水道でミニ発電を商用化させる。配管パイプに直径25−70cmの水車をはさんで発電する。通常の水力発電所の百分の一以下の規模だが、施設の改修費用が少ないため、1kw当たりの経費は15万円弱と、通常の水力発電の60万円程度を大きく下回る。石油火力(19万円)並みに収まるし、CO2の排出も少ない。現在、川崎市と導入の協議中で、今後、首都圏の自治体に売り込む(読売新聞平成14年11月29日付け)。
→(押田)15年度試行のRPS法(新エネ等利用法)は、新エネルギー導入促進に大きなインパクト。佐賀でも、このような小水力とともに、佐賀大学が圧倒的な蓄積を誇る「温度差発電」(たとえば、温泉の熱を利用)や「波力発電」の活用を検討してもいいのではないか。波力発電は、灯台の電力として導入されつつある。なお、RPS法での本命は、小著で詳しく述べたとおり、佐賀ではバイオマスである(風力も否定はしないが適地があるかどうか・・・)。
●「おばあちゃんの原宿」巣鴨地蔵通りの賑わい
巣鴨駅前から少し行くと巣鴨地蔵通り商店街が800mにわたって続く。平日は1−3万人、「4」のつく日は縁日が行われ、6万人以上であふれかえる。高岩寺という通称「とげぬき地蔵尊」への参拝から発生したのが由来だが、手ごろな値段の衣料用品、甘味処やせんべいなどの飲食店、懐メロが充実したカラオケスナックは昼から営業。浅草から毎日通っている人も(読売新聞平成14年11月26日付け)。
→(押田)自然発生的にできた賑わいではあるが、狙いが高齢者に明確にしぼられているのが成功の要因。佐賀で、誘導的にこのような街づくりができないか。温泉、銭湯などと組み合わせるのが早道か・・・。長寿社会では、高齢者の居場所が必要。
●世界を制した日本生まれの菊―広島の農園が開発した菊が欧州シェア50%
欧州では、菊は、バラやカーネーションと並ぶ三大切り花。その菊の50%のシェアを握るのが、広島の花き農園「精興園」が開発した「レーガン」。枝に多くの花が咲き、花色も50色を超えることが人気を呼び、90年から首位。80年代前半には、「レフォール」という白一色の清楚な菊が欧州にはないので、市場を席捲し、20%ものシェアをとった。日本は、バラとカーネーションでは膨大な使用料を海外に払っているが、菊はむしろ払ってもらっている。同園は毎年5千種類の花を咲かせているが、新品種として世に問えるのは百にひとつ。ヒットを放つのは、運と勘(日経平成14年10月5日付け)。
→(押田)花き市場は、品種開発のための体力勝負。最近は、サントリーが紫色のバラを咲かせてヒットしたが、サントリーにしろキリンにしろ、積極的に使っているのは、がん治療に使う重粒子線。これを放射すると、様々な品種が生まれる。佐賀シンクロトロンでもある程度可能と思われるし、今後、簡易型の陽子線その他の重粒子線施設が佐賀でできれば、多彩な品種開発が可能になる。花は、付加価値が大変高いから、このおうな技術も活用して、佐賀県の園芸農業の柱にしたいところ。
● 燃料電池マッチ箱大に−生ゴミ原料、微生物活用
地球環境産業技術機構とシャープは、生ゴミを原料に微生物を使って水素を作り発電する超小型バイオマス燃料電池の基礎技術を開発した。液晶テレビならマッチ箱大の装置でまかなえる。家庭用、小規模事業所用に今後4−5年以内に技術を確立する。微生物は、糖を餌に大量の水素を生み出すが、生ゴミを溶解・生成して糖の水溶液を作る。この水溶液は、灯油と同じ感覚で店で買えることを検討する(日経平成15年2月13日付け)。
→(押田)小著で、バイオマスメタノールを使った小型モーターで回る卓上扇風機の写真を紹介したが、これは微生物を使ったもの。生ゴミの地域でのリサイクル利用につながり、今後の注目技術。技術が確立すれば、バイオマスメタノールとともに、佐賀でも県域大の供給システムを構築してはどうか。
●山崎パン、廃棄パンを全量メタンガスに変換し燃料に−再資源化率100%に
山崎製パンと栗田工業は、パン工場の食品ゴミを微生物で全量分解し、10kgのパンから、古河工場で使うボイラー燃料の約4%分のメタンガスを取り出した。パン製造に使うほか水素を発生させる原料としても見込む。従来は、1日1工場から2−5トンの廃棄パンが発生していたが、工場内の焼却炉で燃やしていた(日経平成15年1月31日付け)。
→(押田)やはり、食品ゴミからのバイオマス燃料の有効活用の事例。微生物が化学工場の役割を果たしている。佐賀でも、生ゴミを全部分解する微生物を佐賀大が発見し、実用化しているが、用途に応じた微生物を抽出し、有効活用することが極めて重要。小著の『未来編』で詳しく述べたとおり、微生物は「宝の山」!
● 新エネ利用法施行で、風力発電追い風―洋上型の実用化を競う
平成15年度から、電力会社に新エネルギーの一定割合の利用を義務付ける新エネ利用法(RPS法)が施行される。国土が狭く山間部が多い日本では、陸上での風力発電の適地が少ないため、海洋での風力発電が有望視されている。安定的に強風が吹く洋上は稼働率が高く採算が合う見込み。日立造船、石播は、海上に浮かべる風力発電プラントを開発中。
→(押田)日立造船は、佐賀大が世界トップを行く海洋温度差発電の洋上プラント(船舶タイプ)を、ゴミ焼却プラントとともに事業の柱にしつつある。また、メガフロートのような海上浮体構造物も今後有望な分野。佐賀には名村造船があり、強風で知られる玄界灘が目の前に広がっている。空港設置には不適な荒い玄界灘だが、洋上風力発電としては適地になる可能性。九電とも連携し、新しいビジネス分野として展開できないか(ちなみに風力発電機は、三菱重工が国内トップメーカー)。
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