日本最西端のシオギクは香我美町 
  舌状花を持たないAjania系の野生菊は、東海周辺のイソギク・紀伊半島南部のキイシオギク(シオギクの変種)・徳島県南部と高知県東部に分布するシオギクがある。
 高知県の海岸部の野生菊の分布は、西部では有舌状花ノジギクが分布しているが、物部川を境にして東部ではシオギクの分布であり、両種の分布の境界は明瞭である。
 野生シオギクの西端分布地を紹介してみた。H23.12.4、12.21及びH22.12.15撮影
五万地図    高知県香南市にある峯本神社(矢印)が最西端となる。旧香我美町と夜須町のさかいにある海の神系の神社である。

 くろしお鉄道香我美駅から東へ歩くか夜須駅から西へ歩く。承久の乱で土佐流刑になった土御門上皇が月を眺めた、という伝説から月見山と呼ばれる。

 その後戦国の世に姫倉氏が姫倉城を構えた。豪族安芸氏にくみして長宗我部氏との戦で落城したそうだ。城跡としての雰囲気は充分残っている。

 現在は「こどもの森」としてよく整備された公園になっている。
 神社標識  国道沿いに写真のような岡本弥太の標識がある。すぐ上の古い字には「香我美町」と書いてある。現在合併により香南市となりました。

 バス停は「月見山」。これらの標識が峯本神社入り口の目印です。
峯者神社鳥居    峯本神社とその境内。きれいな鳥居や狛犬などがそろっていて、地域のかたたちに大切にされています。

 この左手に赤色頁岩やチャートのガケがあります。微化石(放散虫や有孔虫)を含んでいるそうです。

 そのガケがシオギクの分布最西端です。
 岡本弥太詩碑  岡本弥太の詩碑です。「白牡丹図」の詩文が刻まれ、揮毫は高村光太郎ということです。地方の神社に以外なひとの墨蹟がありました。

 白い牡丹の花を
 捧げるもの
 剣を差して急ぐもの

 日の光青くはてなく
 このみちを
 たれもかへらぬ


戦争を憂う詩でしょうか、さびしそう。

 詩碑のうしろに赤色頁岩やチャートのがけがあり、その斜面にシオギクの群落があります。交雑はありません。
 シオギク群落   開花時期をずらしてしまいましたが、国道脇にもシオギク群落がありました。

 クルマの通行量が多く、排気ガスが濃いのですが、普通の群落です。

 この国道脇と、境内、神社横のガケの群落が野生シオギクの最西端です。

 菊花展などでもシオギクが高知市や西部の市町で見かけられますが、栽培されたものです。
 売られているものは結構いい値段がついていますが、野生のものを持って帰らないでね。
 安芸市から東はシオギクが多いから、挿し木などで育ててね。
 手結岬シオギク   月見山から1Km東隣の手結岬へあがると、あちこちにシオギクが黄色い花を咲かせています。

 写真のシオギクの葉はまるでヨモギみたいに裂が多数あり室戸あたりのシオギクとはかなり違います。

 ツワブキ、タイキンギクなどの黄色に混じっています。灯台付近の畑の土崖ではこのように発育の良いシオギクが群生しています。

 畑からはずれると、痩せた花茎に少ない頭花を載せた固体が増えます。葉の裂も少なく円形に近くなります。
 
 海岸だjけでなく芸西までの国道沿いにもたくさんの群落が見られます。
 シオギク   上記と同じ場所のシオギクです。小さい舌状花をもっています。

 冬季は花が少ないため、蜜を求める虫たちがいつもシオギクの上を飛び交います。
 シオギク   同じ場所で黄色の舌状花を持ったシオギクです。

 いかにも不本意そうな小さな不揃いの舌状花です。

 来年は雄しべと雌しべを数えても面白いかも。雄しべを持たない花があるようです。

 シオギク?   同じ場所の昨年の写真です。周囲はシオギクですから、たぶんシオギクです。
 初めて見たときはアブラギクみたい、と思いました。

 今年の株は小型の舌状花がついていました。
 舌状花の大きさは年によって違うようです。
 毎年何度か観察しているのでそのうちはっきりするでしょう。

 葉の形状も年により時期により変化します。
古い葉は裂が少ない傾向のようです。