ライヴを観る


2004年1月のlive pick up
1/3(土) 浦邊雅祥(alto sax)・風巻隆(percussion) デュオ・イムプロヴィゼーション@大磯すとれんじふるうつ

1/10(土) 宇梶晶二(bariton sax) ・風巻隆(percussion) デュオ・イムプロヴィゼーション@入谷なってるハウス

1/16(金) Bar さちこ colors@代々木off site

1/21(水) 日本のロック名鑑@新宿Loft

1/30(金) アンドレア・ノイマン(inside piano)+アネッタ・クレプス(electro-acoustic guitar)/宇波拓+Mattin(computer feedback from Basque)/秋山徹次+大友良英@明大前キッド・アイラック・アート・ホール



1月10日(土)
宇梶晶二(bariton sax) ・風巻隆(percussion) デュオ・イムプロヴィゼーション@入谷なってるハウス

先月17日にこの場所で「よいお年を」と挨拶を交わしてからもう一月近くになるのか......新しい年もまたここを訪れることから始まりました。宇梶さんと風巻さんのデュオ・イムプロヴィゼーション。ナッテルは落ち着いてて、エレクトロニクスよりもむしろこういう演奏性のあるものを観るのにいいと思います。このプログラムを観るのは二回目ですが、とても気持よく聴くことができる演奏。今日はちょっとコックリと半分ばかし眠りの世界に行ってしまいました。しかし、このデュオは悪くないと思います。インプロにまつわるいかがわしさみたいなものは感じられないと思います。太鼓が常に確かで変則的なリズムで鳴り続けているので、起承転結みたいなものも感じられないと思います。宇梶さんのバリトン・サックスは、地味で枯れた感じもしますが無理のない自分の表現になっているという感じ。太鼓そのものの音といった風巻さんのパーカッションとの共演は、演奏のある局面では非常に日本的な感じもすると思いました。
宇梶さんは、あまり存じ上げない方なのでちょっとご紹介しておくと、サックス奏者で'48年生、'49年生の阿部薫と 同世代/同時代の方のようです。今はというか今日はおばさんっぽいおじさんのような感じ?ピアス付けて、指輪をしてグレーのマニキュアを付けて......うん、でもおばさんになった私も今はそういうの分かる気がします。できれば、おしゃれしてみぎれいにして人前に出たいと思いますから。風巻さんは、何か太鼓持って三鷹から電車に乗って来たそうですよ。

1月17日(土)
answer vol.5@代々木off site
OPTRUM:伊東篤弘(optron)、進揚一郎(drums)/ 経堂即興楽団:進揚一郎(drums) 、DJ Peaky(改造turntable)、大島輝之(guitar)

今日は久々のオフサイト。行く前に時間があったので歌舞伎町へ寄って新宿ロフトを偵察しました。地下の階段を降りて行くとすでに若い人たちの姿が......。受付けの女性に「ここは、スタンディングですか?結構ギュウギュウ詰めになってワーワーやるところですか?」と尋ねると「はい、そうです」と(笑顔で)その女性。うーむ、21日ここでメルツバウを観るのは厳しいかなー。
所変わってここはオフサイト。昨日のbar さちこは、ちょっと来れなくて残念でした。そういえばオーナーの伊東さんともしばらくお会いしてなかったなー思いました。遅ればせの新年の挨拶を交わして2階へ。思ったよりもたくさん人が来ていたので居心地が良かったです。夜半から雪になるという予報だったので下着たくさん着込んできました。
最初がオプトラムというユニット。これは15分くらいで短かったです。電気を消した真っ暗な中で、オプトロンの蛍光灯が小さい音を出してパパパーっと点滅すると、その点滅に合わせるかのようにドラムが動作するというもの。小さめなドラムセットは子ドラムというのかな?
経堂即興楽団は、何年か前にチラシで名前を観て以来どんなものかと思っていたもの。ドラムとターンテーブルとギターのユニットで、大島さんはギターを膝の上に乗せていました。淡々と具体音/物質音を出し続けるような感じで、そういうところを狙っているのか、不器用で誰にでもできるような感じを醸し出しているとも思いました。私は何だか誰でもできるルール無きポータブル・オーケストラといった感じだなーと思いました。
顔見知りの方が何人か来ていて、その方たちとも今年初めて顔を合わせることになりました。演奏が終わって外へ出るとやはり雪。底冷えがする寒さでした。

1月23日(金)
絶対アンテナ vol.24@代々木off site
高安利明(映像、laptop)、伊東篤宏(optron)デュオ/SASW (NRF AMP) 、 ASUNA (music concrete??) デュオ

私は今日は気重な用事があってその帰りだったのですが、来てみて良かったなーと思いました。自分にとってはちょっとしたオアシスのような感じでした。最初がオプトロンと映像のコラボレーション。これは、オプトロンにモノクロの映像を重ね合わせるもの。寄せては返す海の波?の映像でした。右下にもう一つ小さめの映像が映されて、それは植物で花畑のようだったのですが、このおまけのような映像は何だったのか......。ともあれ、映像の中でオプトロンがパパパーっと点滅するのを観るのは、ヴィジュアルには程よい刺激で心地よかったです。音もあまり強烈ではなくて程よい感じでした。
休憩後は、SASWとASUNAの初デュオ & 初ライヴ。これはなかなか面白かったです。「ASUNA の操作するファンや電気機器の音を、SASW(Wrk)の新サウンド・システムNRF amplifier (= natural resonant frequencies amplifier) でスローダヴ化する新ユニット」だとか。最初の演奏の後に、「ASUNAがエアコンと石油ファンヒーターの音を拾って、僕がそれに味付けをしている」という説明がSASWからありました。詳しい作業は分からないのですが、一E位の高さの筒が四つ置いてあって、筒の中に置いてある小さいスピーカーから出る音をあっちの筒からこっちの筒へ操っているのだそうです。次ぎの演奏は、確かカセットテープの音を取っていたと思います。シンプルな素材の音を加工するだけの作業なのですが、私はこんな風に音と戯れることができるしなやかな若い感性に眩しさを感じました。以前観た小杉武久さんのサウンド・インスタレーション、やはり筒状のモノの中にスピーカーが入れてあって、そこからラジオのFM放送を変調する音が聴こえてくるものを思い出しました。終了後、SASW さんに思わず「面白かったです」と声を掛けてしまいました。

1月25日(日)
weed beats@入谷なってるハウス
weed beats:ミドリトモヒデ(sax)、斉藤良一(g)、塚本真一(pf)、清水良憲(b)、河本隆弘(ds)
ゲスト:kenken(syn,tb)

「録音していいですか?」と尋ねると「いいけど、後悔しますよ」とミドリさん。照れ屋なのでいつもこんな調子なのですが、演奏は本当に凄いなーと思います。前回飛頭で初めてやったオーネット・コールマン、「ああいうのもいいですねー」と言うとオーネット・コールマンが好きとのこと。で、そんなオーネットやソニー・ロリンズの曲を取り上げるこのユニットは、恐らく言葉の本来の意味でのフリージャズを体現している数少ないグループの一つではないかと思います。音が実にカオシックで、枠にも型にもはまっていない感じがします。はっきりさせておきたいと思いますが、これはノイジー(うるさい)というのとは明確に違うということ。久しぶりの今日の演奏はまた素晴らしくて、自分にとっては「こういうジャズが聴きたかったんだよー」という感じ。このユニットを聴くと、何十年も前にジャズ喫茶でフリージャズに浸ったあの興奮そして楽しさが蘇ってくるようです。もちろん、その時の私とその時の音楽は、今のものとは違うと思いますが。
今日(こんにち)のジャズには色々な表現があって、ジャズの定義をことさら拡張して行かざるを得ないのは仕方がないことだと思います。しかし、私が無理なく入っていけるのはこういうジャズ、自分の方から相手を理解しよう、相手に近づこうと努力しなくても、今までの音楽体験から素直に直感的に共振することができるのはこういうジャズだと思います。
今日はまた、ゲストのケンケンが素晴らしかったです、シンセサイザーとトロンボーンを操るのですが、ヴォイスやベルを取り入れた伸びやかなパフォーマンスはとても魅力的でした。演奏が終わると、充足した気持になって嬉しくなりました。「良かったですよ。ジャズってこういうイメージだもの」と私はミドリさんに話し掛けていました。

1月30日(金)
アンドレア・ノイマン&アネッタ・クレプス来日公演飛び石2デイズ@明大前キッド・アイラック・アート・ホール
アンドレア・ノイマン(inside piano)+アネッタ・クレプス(electro-acoustic guitar)/宇波拓+Mattin(computer feedback from Basque)/秋山徹次+大友良英

アンドレア・ノイマン&アネッタ・クレプス来日公演飛び石2デイズの初日。今日は全体的に時間が短くて9時くらいにはすべてが終了していました。最初が、秋山さんと大友さんのアコースティック・デュオ。ランダムネスな感じのする演奏でした。秋山さんが使ったのは確か琵琶で、琵琶は響きが持続しない楽器。大友さんのギターも響きを押さえた演奏でした。どことなく和風な感じがするなーと思いました。次ぎの宇波さんとMattinのデュオは、ラップトップと付属的なモノをちょっと使う演奏。最初の方にガガガーっと音が出て、後はかなり長い沈黙が続いたと思いますが、ひょっとして「音が少し出ていたよ」などど誰かに言われてしまうと自分の耳がダメになってきたのかしらとちょっと心配になったりします。最後はアンドレアさんとアネッタさんのデュオ。会場の真ん中で楽器を乗せた大きめテーブルがデーンと大きな位置を占めていて、お二人は向かい合って演奏。四隅にスピーカーが配してあって、その内側で音を聴かれるのが望まれていたようです。トフは一つのスピーカーにくっつくように隣り合わせだったので、耳はそのスピーカーから出る音を強く拾ってしまいましたが、まーこれもライヴの面白さだと思います。で、演奏の方は、色々な音が次々に出てくる感じだったので、聴いていて結構刺激があるというか注意が引き付けられると思いました。トフはアネッタさんの背中が見える位置でもあったので、もう少しどうやって音を出しているかが特定できる場所だったら良かったかなとも思いました。アネッタさんは、少年のような飾り気のない人なのですが、豊かな多彩な音が出せる人だと思います。

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