8/23→10/27 dumb type Voyages/ダムタイプ:ヴォヤージュ 新作インスタレーション
@NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]ギャラリーA
同時開催=池田亮司:db@ギャラリーB内 無響室+ラウンジ
まだ行っていません。うっかりすると逃しそう。
10/14 フリージャズ・レクチャア@渋谷アップリンク・ファクトリー
live:大友良英(g)、水谷浩章(b)、芳垣安洋(ds)
lecture:大友良英、大谷能生
実演と解説によるフリージャズの楽曲分析。
20代の始め頃夢中になっていたフリージャズが、こうした形で俎上に載るのはとても楽しみです。でも夜の部は夫に任せて「飛頭@なってるハウス」に行こうかなとも思います。「明日の音楽は今日のライヴにある」そうですから。飛頭はずっと観続けることを心に決めたグループですから。
10/16 Thomas Lehn(analogue synthesizer)+中村としまる(no-input mixing board)+杉本拓(guitar)@現代ハイツ
10/18+19+20
Erstwhile Records presents AMPLIFY 2002:Balance 詳細はこちら
トフはこの機会に全部観ようと思っています。入手し難いCDを手に入れる良い機会かもしれません。
10/23
old fashioned duet,new?fashioned duet@経堂アペル
中村としまる(no-input mixing board)+Christof Kurzmann(computer)/Burkhard Stangl(guitar)+杉本拓(guitar)
土曜日の昼これだけ人がひしめいている新宿で、これだけ広いスペースに人が少ないのは何とも言えない開放感がありました。入場したら真直ぐギャラリーBへ。池田亮司さんの新作インスタレーションは白と黒の対比の世界でした。以下それをご説明いたします。まずは黒の世界について。このスペースは一人ずつ入って体験する音の世界です。光の無い暗黒の部屋で椅子に座って2分半ほど音を聴きます。部屋を出たら隣の白の世界へ。こちらは何も置いてない無音の世界。狭い廊下のような部屋の天井に蛍光灯が埋めつくされていて、壁も床もドアも眩しいばかりの白の世界です。
黒の方は入室する時に緊急用の通報装置を渡されるくらいで、池田さんが未体験の人にはショックが大きいのかもしれません。"+/−"のような感じの音と椅子が下から揺さぶられる重低音がありました。私はというと、「圧倒的な聴覚体験だった」と言いたいところですが、自分は夜電気を消してからヘッドホンを付けて寝床に入って大音量でラッセル・ハズヴェルやメルツバウを聴くことがあるので「ああこれね」と思いました。白の方は入り口のドアを開けたとたん「おお!」という感じ。眩しい白の世界は不安を感じさせます。「2001年宇宙の旅」に出てくる部屋のようでした。
ギャラリーAは広いスペースでアンビエントな音楽が流れていました。床の中央に流れて行く風景が映し出されて、その上にレーダーから見ているような丸い映像が2つ逆方向にゆっくりと移動していました。
別のスペースではダムタイプの過去6作品のヴィデオ上映が行われていましたが、この日は時間的余裕がなかったのであまり観られませんでした。
今日の企画は、2時から10時までという長時間にわたるものでした。夫は出がけに疲れていて横になりたい気分だと言ったので心配しましたが、行ってみたら面白い内容だったのでかえって元気が出てきたようでした。20代の始め頃、新宿のジャズ喫茶DIGで前衛ジャズの日に夫と初めて出会って、それから20年以上も経った今こうして一緒にまた同じものを見つめることができるのは幸せなことだと思います。レクチャアの中で"the shape of jazz to come"の"lonly woman"を少し聴いたのですが、物静かで口数の少ない夫が「ああやって聴くとジャズっていいなあと思う」と家に帰ってからポツリと言ったのが印象的でした。 ***
さてレクチャアは、超満員の熱気の中で行われました。ガーシュインから始まってブルース、ビバップ、ハードバップ、ホット(ファンキー)&クールからフリーへ、コード進行からモード、フリーへと歴史をたどる…と言っても決して包括的で理詰めなのではなくて、具体例となるCDやレコードを聴いたり実演を交えたりしながらの進行で、例によって話し上手の大友さんが笑いを取ってばかりいるのでリラックスした楽しい雰囲気の中でした。すべては書ききれないのでやったことの一例を挙げてみますと、アイラーの"ghosts"をレコードで聴いてみて、フリーにおけるサニー・マレイのドラムのビートがどういうものなのかを言葉にして探ってみたり、芳垣さんが過去のドラムはこうだったがサニー・マレイはこうなんだと実演してみたりしました。私はこういうやり方はとても誠実でリアリティがあると思います。言葉にして理解したいという欲求に駆られる一方で言葉に置き換えられないのが音楽なのですから。
それからこれも言葉に関連した話しだと思いますが、こうしてジャズの歴史を辿るとその人なりの歴史観、ちなみに菊地成孔さんはマイルス史観だそうですが、そういった歴史観を作り上げてしまいがちですが、実は中心と言われるものの周辺に輝くものや影響を与えるものがあるという大友さんのお話。私は全く同感だと思いました。
何度か聴いている"fall" や"snow piece"は美しい小品という感じでこのユニットにぴったり。今日は新しい曲、オーネット・コールマンの「ブルース・コノテーション」をやりました。それからいつもの菊地さんの曲「8分の13」と「夜の東京放射16号」も。「夜の首都高速○号線」と書いたのは私の間違いなので訂正します。すみません。
5月のピットインでは"blue in green(Davis-Evans)"をやったという記述をあるHPで見つけて、ちなみにそれを書いた方は私と同じように「すばらしい」と語り塚本さんのピアノの良さを強調していたのですが、それをお話ししたところ「聴いてみますか」というミドリさんのお返事で、急きょ最後に演奏していただくことになりました。これはとても好きな曲でしたし、塚本さんのピアノで聴いてみたいという思いがあったからです。ジャズのスローな曲というのは難しいところがあるようで、完成度という点から見ると一朝一夕というわけにはいかないかもしれません。だからと言って、ジャズとして洗練されたテクニックで演奏されることを求めているわけではありませんし、そういったことに興味があるわけでもありません。このユニットだったらきっとこのユニットの良さで"blue in green"の濃淡や陰影が表現できるのではないかと思ったのでした。で、実際のところは、イトケンさんがジャズっぽくないドラムでしっかりとリズムをとって進行しましたが、チープな感じにならないこのユニットらしい煌めきが所々にあったと思います。演奏していただいて良かったです。ありがとうございました。
私は今日は文句なしに「素晴らしかった」と言いたいです!現在進行しているインプロヴィゼーションの最良のもののひとつを観たというような充足感がありました。
トーマス+杉本、トーマス+中村、トーマス+杉本+中村、という順番で演奏は行われました。のっけからトーマスさんのアクションたっぷりの演奏に目を奪われます。エレクトロニクスの幾つものつまみをひねったり絞ったり、キーボードのようなものを叩いたりしながら次々に小さなストームを巻き起こして行くような感じ。杉本さんは、四方八方から襲って来るこれらのストームにギター1本で単身乗り出す一双の小舟か…そのコントロールぶりがまた見事で、残響や間を生かしながら予測できない展開を見せます。コントロールぶりと言えば、中村さんも素晴らしくて、押さえ気味のドローンな感じを基調にしているのですがユーモラスな音があったり、多彩な音の変化があってとても良かったです。違った音が集まったトリオでの演奏が素晴らしかったのは言うまでもありませんが、エレクトロ-アコースティックというのは、やはり依然として今一番面白いのではと思いました。
アーストホワイル・レコーズのプレゼンツによる3日に及ぶフェスティヴァル。家からスタパまでの距離を考えると、同じミュージシャンが出演するフェスティヴァルのチケットを3日分買うこともなかったかなと思いましたが、すべてを観終わった後は、ともすれば停滞気味になりそうな自分が活性化されたような気がしたので行って良かったと思いました。それから、こういう感覚は他の方は持たれるのかどうかわかりませんが、私の場合、こういう音楽を聴いて自分はどんな感想を持つんだろうという自分に出会うのが楽しみだという面もあります。以下、思い浮かぶ感想を書いてみたいと思います。
18日の初日はやはり初見参の外国勢に目を奪われました。キース・ロウ+トーマス・レーン+マルクス・シュミックラーは複雑な音がからみ合っていて良かったと思います。19日キースが抜けてドローンな感じがなくなったトーマス・レーン+マルクス・シュミックラーは、トーマスさんのアクションが一層派手になって激しい音の応酬になりました。最初は面白くてワクワクしてきましたが、演奏時間が結構長くてずっと観ていると「あっ、ジャブの応酬。ここは膠着状態」みたいなものが見えてくるような気がしました。ブルクハルト・シュタングル+クリストフ・カルツマン(18日)はヴィデオを上映しながらの演奏。ウィーンのミュージシャンには、独特の基調というか色調があるように感じられて、私はそれは例えばゴブラン織りのようなヨーロッパのひとつの色にように思われます。この二人に杉本さんが加わると(19日)、杉本さんがスーッとその色に染まっていくような感じ。大友良英+ギュンター・ミュラーは初披露(19日)。素晴らしかったのはキース・ロウ+中村としまる(19日)。ドローンな感じで押さえ気味な音の連続ですが、完璧なくらいにハーモナイズする親和力を見せました。中村さんは、no-input mixing board という楽器において到達しうる優れた地点に今達していると私は思います。全体を通してエレクトロニクスばかりの演奏が長いと少し疲れて飽きてくる所もありましたが、短かめの演奏をばっちり決めて良かったのが、中村としまる+Sachiko M(20日)。最終プログラムであるキース・ロウ+ギュンター・ミュラー+杉本拓(20日)は、帰宅時間を考えて2階へ行ってみました。ミュージシャンの手元を観ていると、ガサガサゴトゴトとやっているだけという感じもしますが、これは実に楽しい音楽だと思いました。例えばおもちゃ箱をひっくり返したようだという表現がありますが、こちらはおもちゃにもならない、形にもならない、モノにもならない何かが何かをしているような感じで、その何かが何であるかは言葉で言い当てることができない、永遠に未分化で未明なものとして留まり続けるような…そんな面白さがありました。
それから結局のところ、さほどCDは買わなかったのですが、このようにライヴで観られるミュージシャンについては、CDを買って家で聴く必要性がますますなくなってきているというのが自分の現実だと思いました。23日経堂アペルでのold fashioned duet,new ? fashioned duet、24日キッド・アイラック・アート・ホールでのオレン・アンバーチ+中村としまる+キース・ロウも観たかったのですが、どちらも遠くてさすがに身体的経済的体力が衰えてきたのもあって行けなかったのが残念でした。