ジョン・ブッチャー & ロードリ・デイヴィス 2004来日公演
プロフィール:
John Butcher ジョン・ブッチャー(テナー&ソプラノ・サックス)
1954年、英国生まれ。マルチフォニックなどの多彩な奏法を巧みに操る演奏は、
繊細さとダイナミクス、おおらかなアトモスフェアが共存し、空間を異化し続ける。
奏法の拡張によって、独自の「声」を獲得したサックスのイノヴェーター。
欧州インプロシーンの中心的存在の一人であると同時に、ジョン・スティーヴンス、
エヴァン・パーカー、デレク・ベイリー等、フリー・インプロヴィゼーションの先
駆者達と、ウィーン・ベルリン・東京などで共時的に生まれた「沈黙の即興」とを
繋ぐ存在でもある。
現在の活動はソロ演奏を軸に、ジョン・エドワーズとのデュオ、トーマス・レーン、
アンディ・ムーアとのTHERMAL、グザヴィエ・シャルル、アクセル・ドナーと
のトリオ、 ブルクハルト・シュタングル等とのPolwechsel、クリス・バーン・
アンサンブル、かつてトリオを組んでいたフィル・デュラント(サウンド・マニュ
ピレーション)、ジョン・ラッセルそれぞれとのデュオ、ポール・ローヴェンス、
スティーヴ・ベレスフォードとのトリオなど多岐に及ぶ。
その他の共演者には、フレッド・フリス、ミッシャ・メンゲルベルク、カルロス・
ジンガロ、ジョエル・レアンドル、カフィ・マシューズ、大友良英、鈴木昭男など
がいる。2年ぶり2度目の来日。
ジョン・ブッチャーのサイト
Rhodri Davies ロードリ・デイヴィス (ハープ)
1971年、ウェールズ生まれ。バロック音楽、シャルロッテ・チャーチの唄伴など
のクラシックから、デレク・ベイリーのカンパニー、エヴァン・パーカーのストリ
ングス・プロジェクト等における実験的な即興演奏まで幅広くこなす、稀有な存在。
とくに即興演奏においてはプリペアドや調律をずらしたハープ、エレクトリック・
ボウ(弓)などを使い、従来のハープの概念に挑んでいる。
7歳よりハープを始め、シュフィールド大学などで学んでいた頃、初めてフリー・
インプロヴィゼーションを体験する。1995年、ロンドンに移り、ブッチャー、
フィル・デュラント、ジョン・ラッセル等の即興シーンに足を踏み入れ多大な影響
を受けた。また、現在は自らもチェロ奏者マーク・ウォステルと共にAll Angels
教会でのコンサート・シリーズを運営している。
主な共演者には、グザヴィエ・シャルル、ミッシェル・ドネダ、アクセル・ドナー、
アネッタ・クレプス、Sachiko M、アンドレア・ノイマン、杉本拓、大友良英、
ジョン・ゾーン等がいる。また、宇波拓のオーガナイズによりブロークン・コンソ
ートの一員として初来日したのは記憶に新しい。
ジョン・ブッチャーとはイギリスとアメリカへのデュオ・ツアーや、クリス・バー
ンやブッチ・モリスのプロジェクトへ共に参加するなど共演も少なくない。また、
まるで沈黙のなかに色彩/テクスチャーを明滅させ、それらをランダムに均衡させ
てゆくような、極めて繊細なソロ演奏は必聴。
ロードリ・デイヴィス関連サイト
日程:
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ジョン・ブッチャー ソロ
10月24日(日)ナルシス
東京都新宿区歌舞伎町1-13-6 Y.Oビル2F
午後5:30 開場 午後6:30 開演
4,500円 [one drink included. ]
問い合わせ TEL 03-3209-6900 (PM5時以降、日曜を除く。)
コマ劇場近く、普段は15人も入ればいっぱいになってしまう小さなジャズ喫茶。
かつてエヴァン・パーカー、スティーブ・レイシー等が演奏している由緒あるお店で
す。
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三宅榛名/ジョン・ブッチャー デュオ(opening act: DIVER)
10月25日(月)門仲天井ホール
東京都江東区門前仲町1-20-3 8F (TEL 03-3641-8275)
こちら
午後7:40 開場 午後8:00 開演
3,500円
問い合わせ E-Mail (jazz & NOW): E-mail:now@plum.ocn.ne.jp
現代音楽の作曲家・ピアニストであり、インプロヴァイザーとして
ジュエル・レアンドル、ジョージ・ルイス、ネッド・ローゼンバーグ等との共演でも
知られる
三宅榛名さんとの初共演が実現しました!
2人は、特に音色的にとても相性が非常に良いのではないかと思います。
門天ホールは、地下鉄・門前仲町駅の直ぐ近くにある
天井が高く、多角形の平面をした、コンクリート打ち放しの
30席くらいが丁度良いとても小さなホールです。今回、前座をお願いした
DIVER(松本健一sax、田村夏樹tp、高岡大祐tuba)のライヴを以前
やりましたが、兎に角、澄んだ残響が素晴らしい場所です。
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ジョン・ブッチャー/ロードリ・デイヴィス ソロ&デュオ
10月28日(木)Candy
千葉市稲毛区稲毛東3-10-12
こちら
午後7:30 開場 午後8:00 開演
6,800円 [one drink included. ]
問い合わせ TEL 043-246-7726
2年前にもジョン・ブッチャーのソロに続いての開催です。
ちょうど門天ホールを更に小さくしたようなスペースで
普段はハイエンドオーディオを素晴らしい音で鳴らしている、
お酒も美味しいお店です。
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ジョン・ブッチャー/ロードリ・デイヴィス ソロ&デュオ
10月29日(金)いわき市立美術館
福島県いわき市平字堂根町4-4
午後6:00 開場 午後6:30 開演
入場無料
問い合わせ TEL 0246-25-1111
地方美術館としては、屈指の現代美術コレクションで有名なところです。
吹き抜けのホワイエでのライヴです。エヴァン・パーカー・エレクトロアコースティッ
ク・カルテットのツアーで一番良い音がした会場がここでした。
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ジョン・ブッチャー/ロードリ・デイヴィス ソロ&デュオ
10月30日(土)宮城県美術館
宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1
午後5:30 開場 午後6:00 開演
入場無料
問い合わせ TEL 022-221-2111
同じく吹き抜けのホワイエでのライヴです。
96年にエヴァン・パーカーの空気を一変させる様な
ソロ演奏があった忘れられない場所です。
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Sachiko M ソロ、ジョン・ブッチャー ソロ、ロードリ・デイヴィス ソロ
11月2日(火)原美術館
東京都品川区北品川4-7-25
こちら
午後6:00 開場 午後7:00 開演
2,700円
問い合わせ TEL 03-3445-0651
ジョン・ブッチャー/ロードリ・デイヴィス デュオ
11月3日(水・祝)原美術館
東京都品川区北品川4-7-25
午後5:30 開場 午後6:30 開演
2,700円(前日ご来場の方:1,700円)
問い合わせ TEL 03-3445-0651
普段は演奏不可の展示室で、特別に演奏させて戴くを予定しています。
(ブッチャー・ソロは音量の関係でホールになるかも。)
入り組んだ空間の隅々まで浸透してゆくようなSachiko Mのサイン波も楽しみです。
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ジョン・ブッチャー/大友良英 デュオ、ジョン・ブッチャー/中村としまる デュオ
11月5日(金)planB
東京都中野区弥生町4-26-20 モナーク中野B1 (最寄り駅:中野富士見町)
こちら
午後7:00開場 午後7:30開演
3,500円
問い合わせ TEL 03-3384-2051
前回のツアー中いくつか逢った共演のなかで、
特に高い評価を得た2つのデュオのライヴです。
内容は未定ですが、ロードリのゲストもあります。
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ジョン・ブッチャー ソロ、ロードリ・デイヴィス ソロ
11月7日(日)大谷資料館 (大谷石地下採掘場跡)
栃木県宇都宮市大谷町909
こちら
午後5:00開場 午後5:30開演
当日 3,500円 予約 3,000円
問い合わせ TEL 028-652-1232 E-Mail (jazz & NOW): E-mail:now@plum.ocn.ne.jp
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企画・制作・総合問い合わせ(jazz & NOW): E-mail:now@plum.ocn.ne.jp
ジョン・ブッチャー&ロードリ・デイヴィス@原美術館の初日。今日はソロ演奏ということで、最初のSachiko M さんについては結構聴いているのでどんなだか想像がつきましたが、ジョンさんとロードリさんに関しては興味津々といったところ。
ロードリさんの演奏が始まると、音がまず横の壁にぶつかって、それから後ろに回って背後から押し寄せてくるような感じがあって、「おおー」と思いました。ここは絵画の展示場で、演奏者の両横が狭くて、観客がいる縦のスペースが長くて奥深くなっているのです。ロードリさんは、このソロではやることをひとつに絞ったという感じ。青いランプがつく道具を使ってハープの弦を振動させて、この道具を確か二つ両手に持って両側から、弦の位置を変えて音色を変えて・・・。これは、このままでもハープからとても繊細な響きが引き出されるのですが、このソロではエフェクターを使って更にこの音を拡張させる・・・「これは聴けるなー」と私は思いました。大谷資料館で聴くのが楽しみになってきました。
ジョンさんのソロは、最初がソプラノ・サックス。私はこのところスティーヴ・レイシーばかり聴いていたせいか、このサックスは、レイシーとは違って、金属的なキンキンする響きがあると思いました。次ぎはテナー・サックス。これは、循環呼吸法をたっぷりと使っていて、聴いているとお腹に響いてくるような感じがしました。
今日のソロは、"響き"に焦点が当てられていたように私には感じられました。特にロードリの繊細かつ大胆な響きは、今までに感じられなかった自分の感覚器官を刺激したのでしょうか。家に帰ってから、そして翌日と充足感がありました。
原美術館での2日目は、ジョンとロードリのデュオ。私は必ずしも相性がいいとは思えないところがあると思いましたが、よく考えてみると世代の違いのようなものも大きかったのではないかとも思われました。しかし評価というのはどうなんだろう?私はあまりそういうことを考えて観ているわけではなくて、ミュージシャンが演奏する姿を観て、その瞬間を音と一緒になって過ごして面白がっているので、あまりそういうことは分からないというのが正直なところですが、でもやっぱりよかったのかな?美術館の展示室でやるのにふさわしい彫塑的かつ建築的な内容だったような・・・。
そうですねー、私にはロードリーが自分の演奏をして、というかロードリは、デュオでもああいう風にやるしかないように見受けられたのですが、大人のジョンがそれに合わせていくような感じに思えました。ロードリは今日は、青いランプがつく道具だけではなくて、幾つかの道具を使って持続音ばかりではなく瞬発的な音も出したりしました。ジョンは、ロードリの音を聴きながら、これは飽くまでも私の印象に過ぎないのですが、自分が持てるものと持たざるもの=今までにやったことがあるものとないもの(なのかどうか?)を掘り起こしていくような印象があって、表現の奥深さや豊かさが感じられて面白かったと思います。何かこう音をぶつけていくのではなくて、掘り起こしていくという表現を使いたいような・・・ジョンのやることは、おおよそ恣意的に音をばらまくような散漫な感じはないですねー。デュオの最初がテナー・サックスで、後がソプラノだったのですが、マウスピースの先でほっぺたを擦ったり、しゃがんでソプラノ・サックスの朝顔を床に当てたりという場面もありました。アンコールもあったので、今日のお客さんは、みんないいと思ったのかしら?
土曜日は、入間川さんのチェロ演奏を聴きに行ってみました。最初に変なことを言うようですが、こうして感想を書くのにちょっと気が重く感じられるというのがあって、これはきっと入間川さんはこれをご覧になるというのと、こういう感想を書くために観に行くという気持が自分の中にあるとしたら、それもちょっと嫌だなーというのがあります。
さて、ソロを聴くのは初めてでしたが、演奏の方は普通に弓だけを使うスタイルで、演奏性の高いものでした。テクニック的にもきちんとした確かなものがあるという印象でした。観ているとシリアスな張り詰めた感じがあって、見た目には流れるようにスムーズに演奏が進んでいくようでしたが、その瞬間瞬間にはものすごーく緻密な演奏の選び取りが行われているような感じがして、どういう風に弾くかというアプローチに非常に重点が置かれているようにも見受けられました。アコースティックのオーソドックスな演奏というのもあって、これが印象的だったという音響的なものは格別感じられなかったと思いました。「非越境的独奏」というのは、どういう意味なんだろう?これはノンジャンルの音楽ではなくて、正統派のインプロヴィゼーションだという意味なのだろうか?
ジョンとロードリのジャパン・ツアー最終日は、宇都宮の大谷資料館。ここへ来るのは、2年前のジョン・ブッチャー ソロ以来でした。それぞれのソロ演奏で30分くらいずつという説明があって、最初はロードリ。演奏は前回の高いステージではなくて、反対の方向、客席と同じ石のフロアに、これまた斑の石の壁をバックにして行われました。
ロードリは、最初ハープの置いてある真ん中ではなくて、右隅の方で風鈴状/お鈴状の金属を弓で擦って響きを生じさせました。それから真ん中を通って反対側にやってきて、石で石のフロアに大きく円を描いたりして石が擦れる音を生じさせました。それから、真ん中にやってきて、背後の石壁にやはり石を打ち付けて音を生じさせたりしました。それからハープの演奏に入ったのですが、今日も幾つかの道具を使って色々と音を生じさせました。青いランプがつく道具を使って振動音/持続音を生じさせたり、丸い玉を挟んでプリペアドしたり、やはり何かチェスの駒状みたいなものを幾つか挟んでパッと外して瞬間音を出したり、またハープの木のボディを何かでコーンと叩いたりもしました。このツアーでロードリを観るのは3回目でしたが、私はここまで観てきてやっとロードリが見えてきたような気がしました。すなわち、この人は音に対する繊細で研ぎ澄まされた感覚を持っていると。演奏の方も、とにかくどんどん音を出してテンションを上げていくという感じではなくて、一つひとつの音を確かめるかのように・・・それと出す音が一つではなくて、変化があって多彩だと思いました。
一方、ジョンは前回のここでの静めの演奏とは違って、響きと強度というか強度を持った響きを感じさせたと思います。ソロは、テナー、ソプラノ、テナーと続いたのですが、テナーの同じ音/フレーズ?を繰り返すところなど、私はちょっとミニマル&プリー・インプロヴィゼーションのトーマス・アンカーシュミット、あのアンプで増幅して強度を増したサックスを思い出したりしました。終了後、寺内さんは「会場との対話、最良のテナー演奏のひとつ」とおっしゃって満足そうなご様子でした。
帰りは車の中で夫と「現代(いま)の即興は、音と響きに非常にこだわりを持っている、そしてまた、ああいう会場こそ、そういった音と響きを体験するのに相応しい」といったことなどを語り合いました。
注釈:ロードリが使用した「青いランプがつく道具」は、e-bowではないかというご指摘をいただきました。磁力で弦を振動させるエフェクターだそうです。私も確証はないのですが、多分これだったのではないかと思います。
最初に、特に変なことを言うわけではありませんが、率直に感想を言うことをお許しいただきたいと思います。それは、その時々に色々なことを思いながらも、こうして観続けていくことが自分にとっては大事だと思うからです。個人のホームページで、もし私が誰かのために何かいいことばかりを書いてあげるというような特別な意識があったら、私にとっては、こういうサイトを続ける意味は失われてしまいますから。
というわけで、随分と思わせぶりな出だしになってしまいましたが、今日の坪口トリオ、最初ちょっと思ったのは、スタンダードと言われる分かりやすい曲の中で使うエフェクティヴな手法、それに聴き馴れてきてしまうと、当初の新鮮味が多少失われるところはあるかなという感じもしなくもないということです。反面、そういった曲との関係を切り離したところで、というかメロディを伴っているので完全に切り離すことはできないわけで、何と表現したらいいのかな?ピアノを変調することによって生じる音の変化、そうすることによって変化する音自体は、それ自体で楽しめるところがあると思いました。すなわち、ピアノの綺麗な音がどうしてこんな変な音になるのかというコントラストが、聴いていると面白くて仕方ないというような・・・。これは、あくまでも私の聴き方でありますが。今日は私は、もう少しモダンで複雑な曲、東京ザヴィヌルバッハやウェザー・リポートの曲がとても新鮮に聴くことができました。でも、「オータム・イン・ニューヨーク」とか初めてやるスタンダードもやはり楽しかったです。それから、今日は第2部の方が内容が濃かったかなという感じでした。
とにかくこのトリオは、色々な意味でバランスがすごくいいと思います。僭越ながら、菊地さんに「うまくなった!」などと生意気なことを言ってしまいましたが、菊地さんも坪口さんも藤井さんのことをとても尊敬していて、そういう関係もとてもいいなーと思います。
次回は内橋さん参加(!)で新宿ピットインということで、増々楽しみになってきました。
さて今日は、その内橋さんにバトンタッチというわけでもないですがcomfort of madness@新宿ピットイン。ヘルゲ・ヒンテレッガーを中心とした変則的グループだそうで、ヘルゲ・ヒンテレッガーとフランツ・ホーツインガーはウィーンのミュージシャン。バンドといってもインプロ主体のようで、譜面なしで、決めなしでどんどん前に進んで行くような感じ。ダクソフォンのギュギュっとした変な音とトランペットのプカプカプカーの合奏にエレクトロニクスの近未来的な音・・・。こういうの観るといつも内橋さんがリードしているように感じてしまう私です。今日観ていて思ったのは、内橋さんの演奏は場面転換に大きく関わっているなーということです。その内橋さん、ダクソフォンの変な音とギターの綺麗な音、音のコントラストやズレやリズムの変化を巧みに使い分けていると思いました。歌心ありますねー。
後半は、サム・べネットが加わって太鼓叩いたり、変な声を出したりしました。トフは、バンドの音に慣れてくるのに時間がかかって、面白くなってきた、つまり分かりやすくもなければ、単にノイジーでもない、何か変になってきたなーと思って時計を見たら10時10分前くらい。終了の30分前くらいでした。帰り際に席を立ったら宇波さんがいらしていた!顔を見てちょっと言葉を交わすだけでも楽しい。
oversightは、コンピ・アルバムで飛頭とご一緒するバンド。きっとまだまだ自分が知らない良いバンドがたくさんあると思いますが、すべては観られないというのと、多くを拾い観るといったマニア的な見方はあまり自分の性に合っていないというのがあります。
そのoversightは、カナダ出身のKelly Churkoさんの曲を演奏するユニット。曲と演奏がぴったりと合っていて、タイトで一部の隙もないといった感じ。緊張感があって、少しも飽きずに聴くことができました。リズムがすごーくしっかりとしていて前面に出てきていて、ドラムとべースそれぞれの長いソロがあったり、あるいはドラムとベースだけの長いパートがあったりしました。Kellyさんは、フリー・インプロヴィゼーションでも活躍されている方のようです。
大上さんという見知らぬ青年からメールをいただいて、突然の演奏会へのご招待。私は多分こういうサイトを拝見しなかったら行く気になったかどうかと思います。'78年生まれの若さだというのに、ある意味非常に成熟した感じと素直さが同居しているような。いわゆるフリー・インプロヴィゼーションというか、この種の演奏に接して身が引き締まる思いがするというのは、このところなかったことです。
演奏者の頭上にスポットライトが当てられただけの暗い会場。そこから最初に音が聴こえてきた時には「ん!デレク・ベイリー?」。そう感じると、急に熱いものがこみ上げてきて、その後は例によってそんな風に感じてしまう自分を分析しようとする作業、つまり熱を冷まそうとする作業。それはさておいて、この人はきちんと正しい音を出してギターを演奏すると思います。これをどう説明したらいいのか、つまり弱音でもなければ轟音でもない、小道具も一切使いません。後は、どう演奏していくかという作業だけ、そして作業にかかっている。ただ部分的にエフェクターを使います。一音だけ、あるいは数音をエフェクターにかける。ポーンと一音をエフェクターにかける、これは「クランブリング・ステープル」(飛頭ファースト・アルバム収録リリース待ち)の中でも、菊地雅晃さんがベースでやっていることなのですが、私にとっては何かしら甘美さを感じさせる瞬間、その瞬間パーッと空間的な広がりが生じるような、そして何かが変容するような・・・。最後は、ギターからコードを引き抜いて会場をぐるぐると周りながら演奏。目が回ってしまったそうで、また椅子に座ってひと休み。で「今のはセロニアス・モンクのコピー」と!うーん、トフの耳は節穴か、どう解体?していたのかなー、全然分からなかったです。で、その後も少し演奏があって今日はおしまい。私はきっとまたここに来ると思います。この人の演奏に向き合ってみたい、この人の作業を見つめてみたいと思うからです。
simというユニットは、9月になってるハウスで観ているのですが、こういう演奏だったのかという記憶があまりなくて、夏のあの時期は疲れ果てていて音を聴こうとする体勢が自分の中でできていなかったと思います。こういうサイトをやっているからには、いつも耳を澄ませて真剣に聴いた上で自分なりのレポートを書かなければいけないと思うのですが、体調とか内容とか初めて観るとか聴き慣れているなどの条件もあったりするので、時には気軽に聴いて楽しむこともお許しいただきたいと思います。で、今日は私は大きな音もへいちゃらだったので調子がよかったし、演奏もまたよく見えると思いました。で、植村さんのドラムを始めとして、一つひとつのパーツがとても安定していて有効に機能していると思いました。
Ryusenkei-Bodyは、tuki no wa の伊藤匠さんがリーダーのユニット。あのサックスがなぜかバーナード・ギュンターのアルバムの中のJeph Jermanを思い出させたりして知的な感じがすると思いました。lovely bearsは、feepのベース福田亮さんとお人形のようなお嬢さんえみぴーのユニット。ここビンスパークは、なってるハウスよりもスピーカーが客席に近くて大きいのでより体感的に聴けるのかなと思いました。