ライヴを観る


2002年5月のLive Information

今月はピナ・バウシュ&ヴッパタール舞踊団の「炎のマズルカ」と田中泯さんの「脱臼童體」の公演があります。舞踏やダンスを観るのはそれほど熱心ではありませんが、夫に引きずられてたまに行きます。
その間をぬってOff Site に遊びに行ければと思います。若い人たちのライヴもラインナップしてみました。
それから、19日まで「雪舟展」をやっているので、ぜひぜひ観たいと思います。

5/3 Meeting at Off Site Vol.22@代々木Off Site
DJ Peaky(turntables)+中村としまる(no-input mixing board)+秋山徹次(guitar/bass)

5/11 Meeting at Off Site 番外編@代々木Off Site
Hakon Kornstad(saxophone)+中村としまる(no-input mixing board)+秋山徹次(amplified acoustic guitar)
ホーコン・コーンスタッドはノルウェイの若手サックス奏者。都合により行けません。残念…。

5/13〜26 ハン・ベニンク来日公演 詳細はImprovised Music from Japan をご覧下さい。

5/15 ミドリトモヒデunit@入谷なってるハウス
ミドリトモヒデ、菊地雅晃、塚本シンイチ、イトケン

5/16 円盤・円卓・電卓@代々木Off Site
itokenn(電子楽器)+DJ Peaky(synthesizer)

5/24 all about ユタカワサキ@代々木Off Site

5/31 monthly michi vol.5 @西荻窪Bin Spark
宇波拓(computer)、角田亜人(guitar)、植村昌弘(drums)




5月15日(水)
飛頭/ミドリトモヒデunit@入谷なってるハウス
ミドリトモヒデ(sax)、菊地雅晃(bass)、塚本シンイチ(piano)、イトケン(drums)

最近ライヴで観てなかなかいいと思った人たち─ティム・バーンズと共演した菊地さん、大蔵雅彦さんのGnuのキーボード担当塚本さん、大友さんのCore Anode で汗だくになっていたイトケンさん、それに初めて観るミドリトモヒデさんというサックスが加わったユニットの名前は飛頭(とびあたま)。今日はユニットの初ライヴだそうです。これは自分にとってですが、何となくいいんじゃないかなという勘が働いてそれが当たるとうれしくてとても楽しい気分になります。
演奏はオリジナル曲によるジャズっぽい演奏、まあジャズと言っていいと思いますが、好むと好まざるとにかかわらず、パワー全開でミュージシャンの音楽観(演奏)を押し付けてくるといったものとはちょっと違って、このユニットには何か一歩引いているような上質で品の良い軽さのようなものがあります。それはとても良いところだと思いました。サックスはジェリー・マリガンみたいだし、ベースはゲイリー・ピーコック、ピアノはビル・エバンス、ドラムスは例えがちょっと思い浮かばなくて、しかもこうした比喩は日頃ジャズから離れていて昔聴いた記憶に基づいているので多分に怪しいところがあると思うのですが、そんな風に感じられる良い音がもっとさらに軽くなって、もっと変化とニュアンスに富んだ繊細な音になって立ち上ってくるといった感じがしました。特に印象的だったのは菊地さんのベースで、とても良い演奏だと思いました。弦の下あたりから黒いコードがエレクトロニクスに繋がっていて、スイッチをオンオフしたりもしていました。塚本さんのピアノも、こういった軽いタッチのピアノは聴いた覚えがないと思いました。自分はこのユニットは好きだなと思いました。また観たいと思いました。
ところで、トフは下町の住人なので、入谷の駅から家に帰るまでの時間が短かったのは有り難かったです。ただ駅から「なってるハウス」への道がわかりにくかったです。地下鉄の出口あたりで、偶然出合った方とご一緒させていただいたのですが、方向を間違えたり通りを間違えたりしながらやっとたどり着きました。しかも入り口のドアがすんなりと開かなくて、すったもんだしてしまいました。

5月24日(金)
All About Utah Kawasaki@Off Site
Utah Kawasaki(analoguesynthesizer)

つまらなかったからという訳ではないのですが、今日はあまり書くことがないというか書けそうにありません…。
同じアナログシンセでも、ユタさんとトーマス・レーンはずいぶん印象が違う。ユタさんにはトーマス・レーンのような奔放さは感じられないと思うのだがどうだろうか?演奏が始まると音にじっと耳を傾ける。そのうち少しずつ意識が働いてきて、音を聴く楽しみが始まる。今日の音、この音は何の音だろうか?何かの音を連想させるだろうか?あるいはこの音を言葉に表現するとしたらどんな?例えばギ行かガ行の音だろうか。そう考えてみるとぴったりとする音(おん)が見つからない。ということは、独創的な音ということなのだろうか?と…こんな風に少しずつ音について何かを感じ始めたと思ったら、約40分程のワンステージで終わってしまいました。下は今日のチラシ。Empty Patching sheet というものだそうです。


5月31日(金)
monthly michi vol.5 @西荻窪Bin Spark
宇波拓(computer,lapsteel)、角田亜人(guitar)、植村昌弘(drums)
ゲスト:岩田江(sax)

このところ日本の若手ミュージシャンに対する興味がぐっと増しているのは、やはり大友さんのアルバムがきっかけだろうか?海外の音楽事情にはさほど詳しくない私ですが、例えば offsite に出演する外国の若手ミュージシャンなどを観ても、今の日本の即興/アヴァンギャルド・シーンはかなり面白いのではないかと思い始めています。ところで、即興/アヴァンギャルド音楽という言い方も最近はしっくりこなくて困ります。即興も作曲も今は同じだと言うし、アヴァンギャルドという言葉も21世紀を迎えた今日(こんにち)では20世紀初頭のような古色蒼然とした響きがあるようにも感じられて、日頃自分が接している音楽をどういう言葉で括ったらよいものか考え込んでしまいます。例えば、アンダーグラウンドでもあると同時に極めて今日的な現代音楽でもある今の音楽を…。
さて、今日は「michi」というユニットについて。私は独創的なものがあると思いました。新しさがあったと思います。通常の音楽的な流れを分断していくような何かがあってとても面白いと思いました。コラージュという言葉が真っ先に浮かんできました。例えば、ここに3つのモノがあって、それは定まった形を持たないモノで、それをランダムにコラージュしていって、それがいったん完成したらひと休みという感じで、少し間(ま)を空けて、その間にハサミでジョキジョキと切断しておいて、今度はまた別の切り口で繋げていくような…。と、まあ何だか自分でも分かったような分からないような例えで、もちろん、音楽は時間に沿って生起していくのだから、こういう例えもおかしいとは思うのだけれど、こんな風に何かしら造形的な、物質的な、モノ的な言葉で音楽の印象を語りたいと感じるのはなぜなのかなあと思いました。方法論的には、コンポジションを主体としていて、演奏方法が指定されたスコアを見ながら進行して行くようです。最初にストップウォッチを押してから30分くらいの演奏だったかな?音的にも、3人ともメリハリのあるはっきりとした音で良かったと思います。音に変化がありました。植村昌弘さんは、Core Anode の時はもっとたくさんシンバルや太鼓を並べていたと思いますが、今日は普通のドラムセットでした。もともと正確できちんとしたドラミングをする人だという印象でしたが、こうして普通にドラムを叩くだけでも新しいと感じさせることができるんだなあと思いました。
ゲストの岩田さんは大阪からいらした方で、ブラジル音楽などのソロをやりました。最後にmichi+岩田さんでブラジル/ボサノバっぽいセッションをやりました。

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