ライヴを観る


2003年5月のLive Information

5/9 GNU@三軒茶屋グレープフルーツムーン
大蔵雅彦(sax)、塚本真一(keyboard)、種石幸也(bass)、イトケン(drums)、熊田央(drums)

モーニングマシーンとソフト娘/フィッシングパーソンズという2つユニットが前後に出演するらしいです。GNUが演奏する曲名かと思っていたのですが。

5/14 飛頭@入谷なってるハウス
ミドリトモヒデ(sax)、菊地雅晃(bass,electronics)、塚本真一(piano)、イトケン(drums)

5/16 Barさちこ〜60minutes@代々木off site
Sachiko M(sinewave,etc)

さっちゃんが、いよいよ60分一本勝負に出るらしい。応援に行きまっせ。

5/16 &17 INSTREAMS 7 2日間のコンサートで体感する欧・豪州の"実験音楽"最前線。 詳細はこちら

うーん、17日だけでも行ってみようか。イトケンさんと横川さんも見たい気がしますが。

5/25 レインフォレスト「@青山スパイラルホール
小杉武久、ヤマタカEYE、和泉希洋志

デイヴィッド・テュードアの代表作「レインフォレスト「」のリアリゼーション(再現)。
とても楽しみ。

5/29 Juicy Panic Japan Tour Final@吉祥寺スターパインズカフェ
Juicy Panic from Paris(Mami chan+Norman Bambi)
大友良英+イトケン/パスカルズ/彼岸/波動砲/ヒゲの未亡人

大友さんとイトケンさんが見たい。

5/30 大友良英プレゼンツ・キッドアイラック・ニューミュージック・コンファレンス vol.4
フェラン・ファへス(electronics)、アルフレド・コスタ・モンテイロ(accordion)、ルース・バルベラン(trumpet)
大蔵雅彦+吉田アミ+宇波拓
Sachiko M+中村としまる+大友良英




5月9日(金) GNU@三軒茶屋グレープフルーツムーン
大蔵雅彦(sax)、塚本真一(keyboard)、種石幸也(bass)、イトケン(drums)、熊田央(drums)

前回GNUを観たのは昨年の2月。1年3ヶ月くらいを経て観た感想は、随分とリズムが前面に出てくるようになってしまったんだなということです。これはツインドラムだったら必然的な流れなのかどうか、その辺のことはよく分かりませんが、とにかくドラムの音が、反復的な違ったリズムでガンガン響いてきて、その分他の楽器の音が聴こえ難くなっている。サックスの音なんかもあまり良く聴こえなくて、そういうことも意識してか、マウスピースにホースを繋いだだけのバスチューブにして、ブーブーやるだけといった場面もありました。前回はもっと普通っぽい曲らしい曲をやっていたという覚えがあって、最初のがいい曲だなと思ったこと、しかし聴いていくうちにジャズっぽいユニットではないなと感じた記憶があります。こういう言い方が当てはまるのかどうか、このユニットもまた余計なものを削ぎ落としてきているという感じがしました。
ここグレープフルーツムーンを訪れるのは初めて。天井などは、鉄骨に吹き付けの塗装をしただけのような造りなのですが、電球がユニークにふんだんに使ってあって、客席のテーブルの上にもステンドグラス風の器に入れたロウソクが配してあって、なかなか雰囲気があるところでした。照明というのは、居心地の良さを左右する、やっぱり白熱灯あるいは蛍光灯でも白熱灯風の灯りはいいなと思いました。ロウソクの炎のゆらめきもまた落ち着いた気分にさせてくれます。

5月14日(水)
飛頭@入谷なってるハウス
ミドリトモヒデ(sax)、菊地雅晃(bass,electronics)、塚本真一(piano)、イトケン(drums)

今日は自分なりに思うことがあるので、それを書いてみたいと思います。トフは前回演奏を録音させていただいて、それをかなり聴き込んでいました。その結果、今日は演奏の違いというものがはっきりとわかったということ。同じ曲をやっているのに出てくるフレーズや音の強弱は随分と違うのが聴き取れる面白さがありました。こんな風に毎回違った演奏ができるのが、ジャズの面白さなんだろうなという当たり前のようなことを再認識しました。それから、毎回違った演奏の中で、別の予測できないどこかにジャンプするいうのもジャズの大きな魅力のひとつだと思います。そしてその跳躍にとことん付き合う楽しさ。トフは長い間ジャズを聴いてきたので、こういう聴き方が自然に身に付いているような気がします。
録音ということに関して、もうひとつ面白い発見がありました。ライヴが終わって家に帰ってから録音したものを聴いてみると、生で聴く以上に?いい気分になってきてしまって、それは自分がこのユニットに対する思い入れが深いからなのか、あるいはジャズを録音物で聴くというのが身に付いているからなのか、例えばインプロものなどはその反対で、生で聴けるものについては、CDを買って家で何度も聴くという気にはならないのが不思議です。
最後に思い付くことをランダムに並べてみますと、塚本さんのとろけてしまうようなピアノ。菊地さんの別のどこかへ連れて行ってくれるようなベース。そして、イトケンさんのドラムは、こう言うと批評家っぽくなっておこがましいのですが進境著しいと思います。もともとジャズのドラマーではない人ですが、とにかくセンスが良くて勘がいい。いい音と絶妙なタイミングで聴き手を飽きさせません。

5月16日(金)
Barさちこ〜60minutes@代々木off site
Sachiko M(sinewave)

さっちゃん今日は激渋ーっといった感じで、こんなに実験的なさっちゃん観たことない。とても良かったと思います。何が良かったかというと、手軽に持続音を出してしまわないで、間(ま)はあったものの、60分の間終始ボタンを操作し続ける、つまみをひねるといった"演奏"に徹したところです。タイトルは忘れてしまいましたが、私は昔友人に借りた2枚組のデイヴィッド・テュードアのアルバムを思い出しました。ブチブチっとした音しか入っていなかったような実験的なアルバム。その頃はとても最後まで聴き通す力はなかったのですが今日は違いました。ただ、ご本人も今日は録音などはされていなかったですが、たとえ自分が録音したとしても、家で聴き返したりはしないだろうなと思いました。ライヴという"現場"に身体を持っていって、全身で音を受け止める体験。こういう一度限りの体験で自分はいいのだなと思います。

5月17日(土)
イトケン+横川理彦@高円寺円盤

今日は物珍しいことが沢山あって、何から書こうかなという感じです。まずは場所について。こういったライヴでは珍しく2階の喫茶店のようなところ。窓があって外の景色が見えます。何ということのないガード下の風景ですが、窓っていうのはいいもんだなあと思いました。
演奏の方はというと、こういうのを観るのは初めて。音を作る現場、その作業現場におじゃまして見学させていただくといった感じでした。横川さんは、ヴァイオリンとギターを使って演奏またはノイズを生じさせると、すぐにその音が器械から反復して出てくる。イトケンさんは、ピアニカや小さなマラカスやその他金属のモノ(計量カップ?やオーブントースターのトレイ?)などを使って音を出すと、すぐにその音が器械から反復して出てくる。そんな感じだったと思います。最初の方のブクブクと泡が出てくるような感じは、ジョン・ケージのマース・カニングハム舞踊団のための音楽を思い出させました。演奏はデイヴィッド・テュードアなどで、トフはデイヴィッド・テュードアにエレクトロニクスの原体験があるので、どうしてもそっちの方に行ってしまうところがあります。後の方になってくるとプログレっぽい感じがしました。
後半は、急きょそうなったのか、ここにはテレビが2台あるのですが、そこから流れてくる久里洋二のおかしなおかしなアニメーションに音を付けていくことになりました。これはとても面白かったです。ポカーンと自分が空っぽになっていってしまうようで、手っ取り早く入れる無の境地みたいでした。時々聴こえてくる電車のゴーという音。一言も発しない物静かなお客さんたち。

5月19日(月)
weed beats@新宿Pit-Inn(昼の部)
ミドリトモヒデ(sax)、斉藤良一(guitar)、塚本真一(piano)、角田亜人(turntable)、清水良憲(bass)、河本隆弘(drums)

weed beatsのライヴは2回目。今回トフは録音をさせていただきました。オーネット・コールマンが「ランブリング」ともう1曲。ソニー・ロリンズの「イーストブロードウェイ・ラグタイム」、ミドリさんのオリジナル曲、セロニアス・モンクの「アースク・ミー・ナオ」など。いずれもジャズの王道を行くような難しい曲を演奏性の高い演奏と恐らくはこのユニットのユニットらしさで聴かせるジャズ・グループ。いろいろな音が複雑にからみ合って、時にノイジーな聴きごたえのある圧倒されるようなフリー感がほとばしり出ます。こちらを聴くと、ミドリさんと塚本さんは、飛頭ではリラックスしてやっているのかなと思ったりもします。イージーには聴けないジャズ、容易にはついて行くのが難しいジャズ、ある程度というかかなりジャズというものを知っていて、こういった音楽を自分の方から聴き取ろうとする意志がないとなかなかついて行くのが難しいかなという感じもします。現代のジャズで、この手のものをトフは知りません。今日のような演奏に接すると、巷に氾濫している多くの日本のジャズ、CDになって売られるジャズは、商品になるかどうかの検閲済みのジャズに過ぎないのではないかと思われてきます。うん、やっぱりもっとライヴに行かねばっ。
モンクの「アースク・ミー・ナオ」は、ミドリさんと塚本さんの音の良さが際立っています。このくらいいい音でないとモンクは聴けないなあと思います。ギターは超絶技巧?ターンテーブル、そして躍動感のあるドラムもとてもいいと思います。

5月25日(日)
レインフォレスト「@青山スパイラルホール
小杉武久、ヤマタカEYE、和泉希洋志

デイヴィッド・テュードアの「レインフォレスト「」の再現。反響が大きかったのか、会場に着いた時には、当日券を求める長い行列ができていました。私は友人らと合流。このメンバーが集まるのは昨夏のダムタイプ以来。「友あり遠方より来る、また楽しからずや」かな。
結構待たされてから開演ギリギリの時間に、整理番号の1番から50番までの方という具合に大雑把な順序で入場しました。既に演奏は始まっていたみたいで、小杉さんたちが操るエレクトロニクスのテーブルが、バラバラに3ケ所に置いてあって、いろいろなオブジェが天井から吊してありました。客席は無くて、観客は会場を自由に動き回れる仕掛けになっていました。オブジェは、本棚やゴムボートやドアや木箱やハンガーなどで、設置場所も天井に近いところや低いところなどまちまちです。最初オブジェを観察しながら動き回ったのですが、どうやらオブジェから音が出ているみたいで、後で友人に指摘されてはっきりと分かったのですが、ひとつひとつのオブジェに黒いコードに繋がっている丸いスピーカー?が付いていて、そこからそれぞれ違った音が出てくるようになっていたようでした。あと、天井の方にある本物のスピーカーからも音が出ていたのかな?
ボリュームは大きからず小さからずといったところで、音そのものに自分は思ったほどのインパクトは感じなかったというのが実際のところです。むしろとても聴き易いエレクトロニクス音。鈴虫みたいなのもありました。気持が良くてこのままこの森で眠ってしまいたくなるような感じでした。後の方になってくると、壁際に座り込む人たちも出てきて、トフもそうしていました。しばらくすると、演奏が終わったらしく拍手が聴こえてきて終演。50分くらいだったでしょうか。
夜は4人で予約してあった近くのポンテベッキオへ。話題は、今日の感想や目下トフ家でブームになっている飛頭のことなど。目黒のオフィスで残業していて淋しいな、でもまあいいかなという菊地さんの「ミッドナイト・オフィス」のことや、ええ感じのへなちょこエレクトロニクスのイトケンさんのことなど。音楽の趣味は同じではない友、私ほどあれこれと聴いたりはしない友、しかしこういう知らない話にも耳を傾けてくれて、楽しそうに相づちを打ってくれる若い友はありがたい存在だなあと思いました。

追記
吉田アミちゃんとユタ川崎さんが、スタッフとして会場におられました。青山という場所柄か、おしゃれな若い女性が結構来ていて、トフは、彼女らの素敵な靴やバッグや着こなしも密かに観察してしまいました。

5月29日(木)
Juicy Panic Japan Tour Final@吉祥寺スターパインズカフェ
Juicy Panic from Paris(Mami chan+Norman Bambi)
大友良英+イトケン/パスカルズ/彼岸/波動砲/ヒゲの未亡人

大友さんとイトケンさんの共演見たさに出かけた今日のライヴ。見たことも聴いたこともないバンドばかりでしたが、どれも強い個性があって、トフは意外にも結構楽しく鑑賞してしまいました。メインのジューシーパニックを始めとして、エレクトロニクスを思いっきり入れた元気のいいバンドが目立ったでしょうか。パスカルズには、坂本弘道さんもおられました。
この顔ぶれだと大友さんたちは、やはりトリになるのか、時間が大分ずれ込んでそろそろ帰りたいなと思う時間、11時15分くらい前からの開始となったので最後まで居られるかちょっと心配になりました。大友さんとイトケンさん、道具も方法もキャリアもまるで違いますが、実は音の見せ方聴かせ方というものに多彩なセンスと才気を見せる人たち。そんな新旧才人の共演は、トフにとっては今日の目玉。うん、予想通りのええ感じに仕上がっていたと思います。大友さんは、ギターとターンテーブルを使って綺麗にまとめていたと思います。きらめきのある感じ。うまいなあと思ってしまう。イトケンさんは、袋からガラガラやトライアングルなどの小楽器やおもちゃを順に取り出してきて、エレクトロニクスを通していい音を四方八方に拡散させます。イトケンさんの出す音ってホントかわいいなあと思ってしまいます。ありそでなさそなフワーっとした柔らかさと綺麗な心地良さがありました。へなちょこエレクトロニクスのイトケンさんは、別名「音の魔術師」とも呼ばれています。マミちゃんとノーマン・バンビさんが加わった最後のセッションは、5分ほど観て途中で帰りました。終電で深夜に帰宅しても、お米を研いで翌朝6時に起きてお弁当を作るのがトフの現実であります。

5月30日(金)
大友良英プレゼンツ・キッドアイラック・ニューミュージック・コンファレンス vol.4@明大前キッド・アイラック・アートホール
フェラン・ファヘス(electronics)、アルフレド・コスタ・モンテイロ(accordion)、ルース・バルベラン(trumpet)
大蔵雅彦+吉田アミ+宇波拓
Sachiko M+中村としまる+大友良英

4回目になるニューミュージック・コンファレンス。大友さんの名前が物を言っているところもあるのかもしれませんが、お客さんも少しずつ増えているようで、音を聴くシリーズとして定着しつつあるのではないでしょうか。前にも書きましたが、移転してから会場が狭くなってしまって、後ろの席だと演奏者が見にくいですが、広い所でガラガラよりもこのくらいがちょうどいいのかなと思ったりもします。
最初が大蔵雅彦さん+吉田アミさん+宇波拓さんのトリオ。アミさんの声が中心で、他の音はあまりはっきりとは聴こえてこない感じだったと思います。大蔵さんはバスチューブ、宇波さんはバンショーだったかマンドリンだったか…。次ぎのSachiko Mさん+中村としまるさん+大友良英さんのトリオは、初めて見るもの。集中力と経験が、こういう音について行くことにいい意味での緊張感とスリルを与えてくれます。最後はバルセロナからのミュージシャンたち。この頃になってくると、こういった場所では普通めったに飲まない白ワインが身体中をまわってきて半睡状態。あんまり良く覚えてないです。何やらカタカタ、コトコト音が聴こえてくるだけ。ほのぼのとした感じも確かにあったような無いような…。ああ、バルセロナの絵付きタイルと乾いた青い空…。


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