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"銀界"(fontana)1970.10.15&20録音

山本邦山(尺八)
菊地雅章(ピアノ)
ゲーリー・ピーコック(ベース)
村上寛(ドラムス)

ミュゼ誌最新号の表紙の音楽に"銀界"が取り上げられていました。家にもLPがあるのですが、夫が昔買ったもので、私はあまり聴いていませんでした。写真家の内藤忠行さんが、「33年も前の作品なのにとても新鮮に感じられる」と書いていますが、その通りで、針を落としたとたんにあまりにもいい時間が流れ出すのに驚かされます。何といっても作編曲が素晴らしくて、今日でも聴くに耐えうるセンスの良さを持っていると思います。序/銀界/竜安寺の石庭/驟雨/沢之瀬/終と全体が一つの組曲になっていて、尺八が違和感なくスーっとその流れに入っていって他の楽器と見事に融合しているといった感じです。この尺八は、今の人のように奔放ではないですね。ドルフィーやオーネット・コールマンに夢中になっていた若い頃だったら素通りしてしまったであろうアルバム。むしろ今この年齢だからこそ良さがわかるのかなと思ったりします。


"eShip sum"(DIW-464)

Alfred Harth(composition,sax,etc)
Yi Soonjoo(voice-8)
Choi Sun Bae(cornet-4.8.9.14)
Joseph Foster(cornet,stuff-9)

本作は、今年(2003年)ソウルで録音された1000枚の限定盤。全15曲中何曲かに韓国のミュージシャンが参加しています。「サンプリング=コラージュによって織りなされたエレクトロニカ的サウンド」(解説)とありますが、基調になっているのは、温かい優しさを感じさせるナチュラルで確かなサックスの響きではないかと思います。パンソリの歌声も聴こえてきたりします。
一方、ここにはマイルス・デイヴィスの音楽の幾つかの引用があります。「ブラック・サテン」のリズム・リフの引用と「ザ・デューク」のサンプリング(解説)、あの「いつかは王子さまが」のイントロの繰り返しが続くところなんかは、心がときめいて本当に楽しい気分がわき上がってきます。「韓国に移住しセッションを重ね構築したハルトの現代音楽への回答」(帯)、それは、私にとってはハラハラと止めどなく涙があふれてくる一枚!この時代にこういうアルバムがリリースされたことに大いなるconsolationを感じる一枚です。


"viper"(AVAN-050)

Derek Bailey(guitar)
Min Xiao-Fen(pipa)

"銀界"の竜安寺の石庭、"eShip sum"の韓国の螺鈿細工、これらの東洋の何かをモチーフにした渋いジャケットがすっかり気に入ってしまって、そんなのが他にもないかなと思ったらありました。こんなのが。この柄は、更紗か何かでしょうか?中味はデレク・ベイリーと琵琶のミン・シャオ・フェンの共演。'97年の録音。ここでのデレクは、あまりノイジーではなくて、ギター表現の様々な響きを生かした演奏。こういうのを聴くと間章が言う「デレクのまばゆいしなやかさ」が実感できると思います。ギターは、上手い人、いい人が山ほどいると思いますが、デレクは、やっぱり唯一無二だなと思います。琵琶は、楽器の性質もあってか固いという印象もありますが、彼岸的な感じのする?いい感じの共演になっていると思います。


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