CDを聴く




"解体的交感"(DIW-414)

高柳昌行(guitar)
阿部薫(alto sax,bass cl,harmonica)


不思議なことですが、2002年4月27日現在久しぶりにこのアルバムを聴いてみて、私は阿部薫よりもむしろ高柳昌行のギターに激しく心を打たれました。自分は今まで本当の意味で高柳昌行が体験できていなかったのかもしれません。真のノイズとはこういうものではないのか…演奏は今でも少しも輝きを失っていないと思います。前にもどこかに書きましたが、阿部薫と間章はその夜「まだだめだ、まだだめだ」と語り合ったそうです。その後間章は高柳を激しく否定して決別していくわけだけれど…で、清水俊彦さんは「自分は決別しないよ」と間章に語ったそうだけれど…それは間章の若気の至りだったのだろうかと思う…。



"trio at offsite"(Hibari-01)

Taku Sugimoto(guitar)
Masafumi Ezaki(trumpet)
Taku Unami(computer)


念願のCDウォークマンを買ったので、ステレオ・ヘッドフォンで聴いてみました。コンピュータのシャワシャワという細かい音がしっかりとすくい取れると思いました。杉本さんの演奏は、残響や間(ま)といった部分に日本的なものを感じさせると思いました。梵鐘や琴などの日本の楽器の音が見え隠れするようにも感じられました。しかし、「それだけではないんだぞ」みたいな感じで、そういった面、そう感じさせる部分を裏切るかのような意外な展開が現われてきたりします。その鬼才ぶりが存分に発揮されていると思います。江崎さんと宇波さんをこうして聴くのは'99年シアタープーでの「6人のソロ演奏」以来ですが、ここでの演奏はシンプルで精神性を感じさせるところがいいと思う。生で観られなかったのがとても残念です。



"Live Salvage 1997→2000"(mego012)

Russell Haswell(apple,denon,panasonic,pioneer,roland,sony,vestax)


「花鳥風月が石を通過する」という小杉さんの言葉はワクワクするほど蠱惑的だ。実際、ある種の音楽にはその力が備わっているのではないかと思う。時は2002年5月7日、上野は国立博物館でのこと、雪舟作花鳥図の前で私は奇妙な考えにとらわれていました。「これらの花や鳥に石を通過させてみたい」と…。で、持ってきたCDウォークマンのヘッドフォンを耳に当ててみたくてウズウズしてきました。実はそのつもりで周到に用意してきたのですが…。持ってきたのは"Cathode" と "Live Salvage 1997→2000"。しかし、この企ては敢え無く水の泡と消えました。
さて、これは家での話ですが、CDウォークマンの大音量で"Live Salvage 1997→2000"を聴いていると、もれてくる音を聴いて夫は言います「電動カミソリがクルクルガーガー鳴っている音にしか聴こえない」と。



"+/−"(touch to:30)

Ryoji Ikeda

headphonics(1995-96)
+/−(1996)


"+/−"が再販されたので購入してみました。池田亮司は音の組み立て方、構成の仕方がやっぱり上手いなと思いました。ミニマルなパルス・トーンの連続なのですが、突然音の位相ががらりと変わったり、ひとつの連続音の背後に平行して微かな別の音が聴こえてきて、その連続音が終了するにつれて、微かだった背後の音が大きく全面に出てきたりします。構成の妙を感じますが、それだけではなくて何か深淵のようなものが時に垣間見られるところがいいと思う。
+/−(1996)の始まりは、エンジンのかかり始めたラジコンの模型飛行機のプロペラ音のようで、それもいっこうに回転が上がらないヘボエンジンのようで少し可笑しくなりました。ミニマルとアーリー・エレクトロニクスが好きなゴロ太さんは、やはりこのアルバムも好きだと言うんだろうなあ。



"humdinger"(ALP124CD)
14 improvisations and a monograph on failed wind instruments

Davey Williams(electric guitar)
John Corbett(acoustic guitar,turntable,synthesizer,radio,keymonica)


このアルバムは、シカゴのエクスペリメンタル・サウンド・スタジオという所で録音されたもので、ターンテーブルやシンセサイザーやラジオなど、offsite で聴かれるような楽器が使われているので、どんなものかなと思ってしばらく前に購入してみました。雑多な感じで、全体を通してはどちらかというとポップな感じがする部分が印象に残ってしまうように思われました。あんまり濃い感じはしないかもしれません。その反面多様性があって一曲ごとに違うので、これはいいなあと思う曲も幾つかありました。聴く人によってどういうところに面白さを感じるかが大きく違うのではないかと思いました。

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