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"an old fashioned duet"(SMCD 07)

Burkhard Stangl(acoustic guitar)
Taku Sugimoto(acoustic guitar)

「うわー素敵!」と心の中で叫んでしまいました。それは例えば、無音の漆黒の夜空に点在する星の音のような…。
中学生の頃、登山クラブというのに入っていて八ヶ岳に登ったことがあります。横岳だったか赤岳だったか忘れてしまいましたが、標高3000mに近づかんとする山小屋から見上げた天の川の美しさは今でも忘れられません。今、そしてこの夏、無性にまたあの星空に出会いたくなりました。
ボリュームを大にして聴くと一層良いです(^_^)。

天の川よ、おお、光り輝く妹よ
カナンの白い小川の流れよ
恋人たちの白い肉体よ
死の泳ぎ手であるわれわれは喘ぎながら
別の星雲へのお前の道をたどるのか

アポリネール

offsite で I.S.O を観た翌12日は、車で那須高原に向かいました。那須を訪れるのは初めて。ここの気候は、信州の高原の爽やかな涼しさを熟知している私には物足りない感じがしました。
夕方空の青が濃さを増してくると、一番明るい星が姿を現わします。夕食後、夜空を見上げたらもっとたくさんの星が出ていました。それは、私が昔八ヶ岳で見た天の川の圧倒的な白い輝きには程遠いものでしたが。で、痛くなるくらい首を曲げて星空を眺めながら持ってきた"an old fashioned duet"を聴きました。近くを流れる小川のせせらぎとカエルの合唱に静寂を妨げられたのが残念でしたが、それは思った通りイメージにぴったりだと感じられる素敵な体験でした。しかし、実際にこうして星空を眺めながら聴いてみると、別のあることを強く実感させられました。というのは、うまく表現できていないかもしれませんが、このアルバムには、空の高みを眺めて聴くに足るすごーい空間的な広がりが感じられたのです。

***

それから部屋に戻った私は、部屋の灯りを暗くして障子の雪見のガラスから外の森を眺めながら"ensemble cathode"を初めて聴きました。予め解説も読まないで曲目もメンバーもさほど確かめないで聴きました。するとこれもまた不思議な体験になりました。
音が森羅万象にしみ込んでいくような感じがしました。自然の中に深く入り込みながら、しかし自然を越えているような感じもしました。「聖徳太子が亡くなった時、篳篥の音が鳴り響いた」というのをどこかで読んだことが思い出されました。で、このアルバムには篳篥は入っていないのだけれど、例えば、そんなはずはないのに聖徳太子の時代にこういう音楽が鳴り響いていてもおかしくないと感じさせるような何かがあるような気がしました。時代を遡行しているような、ある意味で近代を超克しているような…。そして最後の方は、「うわー!」という感じになりました。そんな私の意識を現代に呼び戻すかのような境界突破的な大友さんらしさが現われてきたのでした。


"ensemble cathode"(IMJ 502)

1.Cathode#4
Sugimoto Taku(electric guitar)
Akiyama Tetuji(turntable without records,contact microphones)
Yoshigaki Yasuhiro(waterphone)
Takara Kumiko(snare drum)
Uemura Masahiro(bells)
Yosida Ami(voice)
Itoken(crotales)
Furuta Mari(snare drum)
Ichiraku Yoshimitsu(cymbal with bow)
Sachiko M(sine waves,contact microphone)
Nishi Yoko(prepared17-string koto)

2.Cathode#5
Nishi Yoko(prepared17-string koto)
Sugimoto Taku(electric guitar)
Andrea Neumann(inside piano)
Sachiko M(sine waves,contact microphone)
Otomo Yoshihide(turntable)

3.Cathode#3
Sugimoto Taku(electric guitar)
Yoshigaki Yasuhiro(percussion)
Takara Kumiko(vibraphone,percussion)
Ishikawa Ko(sho)
Yosida Ami(voice)
Furuta Mari(crotales,percussion)
Ichiraku Yoshimitsu(percussion with bow)
Sachiko M(sine waves,contact microphone)
Nishi Yoko(prepared17-string koto)

All composed by Otomo Yoshihide


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