"origination"(ALM records)1975.4.20録音
LPの第2弾!高木さんの代表作はこのあたりだろうか。フリーのサックスというと、今だに汚い音でフリーキーにブカブカという人もいるようですが、高木さんは違いますね。静謐な表現を聴くと、とても綺麗な音。こういう良さがやはりジョン・ブッチャーさんあたりに繋がっているのではと思ってしまいます。間章による解説。共感できるところもある反面、時代的なものもあるのか、「アナーキー」とか「オブセッション」とかいった過激な言葉は、みな音楽にまつわるレトリックのように聴こえてしまいます。今だったらもっと素直に自由に音を楽しむことができるのにと思います。
"les hautes solitudes/a Philippe Garrel film"(DDCO-1003)
思うところあって20年ぶりくらいにオーディオを買い替えました。こうした機器は、日進月歩と言っていいのか、何でもデジタル録音されたものをアナログに変換する機能があるらしくて、より自然音に近い状態で聴くことができるとか。ジャズの演奏がいいのは言うまでもありませんが、池田亮司さんの"+/-"なんかも実に柔らかい美しい音。インプロ物もより鮮やかに体験できるような気がするので、このところ鈍りがちだったCDの購買意欲も少しは上向いてくるかなという感じです。
"glad day/settings of William Blake"(ENJ-9376 2)
'97年録音の2枚組。マイク・ウェストブルックは、ピアノソロやケイト・ウェストブルックとのデュオなども好きですが、実はバンドが大好きで、見つけると必ずといっていいくらい買います。瑞々しい躍動感、高揚感が真骨頂でしょうか。いわゆるノリというのを出すのは意外に難しいのかどうか、この手のワクワクさせてくれるようなバンドは、自分が知らないだけかもしれませんが、あまり見当たらない気がします。ウェストブルックのバンドの中でも特に詩を題材にしたアルバムはお気に入りで、このバンドの手にかかると詩は瑞々しい生命感を獲得して現前するように思われます。
"bright as fire/the Westbrook Blake"(IMP CD 18013)
'80年録音のLPのCD化('91年)。上記2枚組は、ここに収録されている6曲に更に6曲が加わったもの。新曲もあれば、初出'75年の曲もあります。時代的な古さはいささかも感じられないですね。特に好きなのは、一番長い曲「holy thursday」。この日は、ロンドンの孤児たちが特別奉仕を受けるためにセントポール寺院に集まってきて、彼らの姿が涙を誘うという。「and their sun does not shine」とか「it is eternal winter there」といった詩句が現れてくる悲しい詩。静かな感じの出だし。ウェストブルックのピアノのイントロから始まって、ケイト・ウェストブルックの歌声。チェロの情感溢れるソロ。歌が終わるとバンド演奏が始まってテーマを奏でたりするのですが、それだけで終わらないところが凄い!「これがイギリスのプログレ・ジャズロックだ」みたいなスピード感溢れる鮮烈なノリの演奏に突入してスパッと終わる。トフは、名演、名アレンジだと思います。かくしてブレイクの詩は、こういう音楽に乗ることによって、私の魂に深く刻まれるのでありました。
高木元輝(ソプラノサックス、テナーサックス、アルトクラリネット、バスクラリネット)
土取利行(ドラムス、パーカッション、ボイス、ピアニカ、グロッケン)
土取さんは、表立った音楽活動が少ないみたいで、さびしいですね。
Otomo Yoshihide(turntables)
Sugimoto Taku(guitar)
Sachiko M(sine waves & contact-microphone)
with projector
さて本作は、音の無い映画に付けられた音楽だそうですが、私は未見なので冒頭から聴こえてくる映写機のリアルなカタカタという音から「ああ、映画を上映しながら音を付けているのか」と推し量るだけです。こうしてCDとして聴いてみると、強靱なギターとサイン波の柔らかい音とターンテーブルのノイズという3つの異なった音がバランス良くうまく入っているなという感じです。自分にとって必要なものに優先順位を付けたら、映画はほとんど観ないし映画音楽も聴かなくなったので、音と映像的なものについてといった気の利いたことを書く力は自分にはないと思います。
Mike Westbrook Brass Band
Phil Minton(voice)
Kate Westbrook(voice,tenor,horn,piccolo)
Peter Whyman(soprano&alto saxophones)
Alan Wakeman(tenor&soprano saxophones,percussion)
Chris Biscoe(soprano,alto &baritone saxophones)
Steve Berry(bass)
Dave Barry(drums,percussion)
Mike Westbrook(piano,speech)
そして、フィル・ミントン!創造的なフリー・インプロヴィゼーション・ヴォイス・パフォーマンスを展開する一方で、ブレイクの詩を滔々と歌い上げるフィル・ミントンの歌声にも深く魅了されます。
Mike Westbrook Brass Band
Phil Minton(vocal,trumpet)
Kate Westbrook(vocal,tenor,horn,piccolo)
Mike Davies(piccolo trumpet,trumpet)
Dave Hancock(trumpet)
Henry Lowther(trumpet)
Malcom Griffiths(trombone)
Alan Sinclair(tuba)
Nick Patrick(tuba)
Alan Wakeman(sopranino,soprano&tenor saxophones,flute)
Peter Whyman(soprano&alto saxophones)
Chris Biscoe(soprano,alto &baritone saxophones,alto clarinet)
Dave Barry(drums,percussion,tympani,tubular bells)
Georgie Born(cello)
Chris Laurence(bass)
Mike Westbrook(piano,speech)