東宮たくみ筆 「つばめ」

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「つばめ」に関する解説です。
東宮たくみ筆「つばめ」
この「つばめ」という作品は、仮名用の小筆に、少量の墨をつけて書いたものです。細い線を綺麗に出すため、墨は手で磨って墨の粒子を小さくしました。
なぜ、漢字で「燕」ではなくひらがなで「つばめ」としたのかについては理由があります。一つは、ひらがなを使うことで日本的な要素を出したかったということ。ひらがなは、日本独自の文字なので、そこで日本のオリジナリティーを表現したかったのです。
二つ目は、ひらがなのほうが線の流麗さを出すのに適しているからです。ひらがなは漢字を速く書いて簡略化させた草書体から出来ているので、線の流れの美しさを際立たせるのに非常に適した文字と言えると思います。
三つ目は、ひらがなの特徴である”丸み”を使いたかったということです。柔らかさとしなやかさを併せ持つひらがなは、日本人が持つ美意識の根底にある一つだろうと思っています。
作品全体としては、スッキリしているといえば聞こえはいいですが、寂しすぎるくらい簡素という印象を受ける方も多いと思います。これは、私が意図してそうしているというよりは、余分なものを取り除いた結果このようになった、という感じです。
「そこはかとない」雰囲気というものの中に物の価値を見出し、一見するとあやふやで曖昧模糊(あいまいもこ)として、捉えどころのないものに美を感じるという「あはれ」とでもいうような世界観を、私は自分の作品の中で表現できればと思っています。
(作品制作日2008年7月10日)
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